

成瀬 裕
成瀬法律事務所
福岡県 福岡市中央区赤坂1-3-1 赤坂ピアレ5階【初回相談30分無料】【地下鉄赤坂駅から徒歩5分】◆弁護士歴30年以上のキャリア◆ 法人の破産事件,個人再生事件,土地・建物を巡る問題に精通。 小さな心配ごとでも,まずご相談ください。



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いつの時代にも存在する個人のあらゆる問題、時代に応じて変化する企業の問題に真摯に取り組み、依頼者の皆様のご要望にお応えしてきたと自負しています。
これまでの経験を活かすだけでなく、弁護士としての技量を高めるよう研鑽を積み、皆様の抱える問題解決の力になれるよう努めています。
【メッセージ】
不安を抱えたままにしていませんか?
その心配ごとが,法律問題なのかそうでないのかということ自体,判断がつかないこともあります。
お話を伺う中で,ご相談者が抱える問題を整理し,法律的に解決できる部分とできない部分,解決の手段・方法,その時期をお示しすることによって,漠然とした不安を解消するお手伝いをさせていただきます。
弁護士に相談すべきかどうか迷ったときには,お気軽にご相談ください。
ぜひ実績のある弁護士 成瀬にお任せください。
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30分を超えるときは,超えたのち30分ごと5,500円(税込)を頂戴しますので,その時点で相談を切り上げるか続けるかをお決めください。
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ささいなお悩みにも,親身にサポートいたします。
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費用については,事前にお見積もりいたします。
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取扱分野
-
借金・債務整理 料金表あり/解決事例あり
依頼内容
- 自己破産
- 過払い金請求
- ヤミ金対応
- 任意整理
- 個人再生
-
不動産・建築 料金表あり/解決事例あり
-
離婚・男女問題 料金表あり
請求内容
- 財産分与
- 養育費
- 親権
- 婚姻費用
- 慰謝料
- 離婚請求
- 離婚回避
- 面会交流
-
企業法務・顧問弁護士
依頼内容
- M&A・事業承継
- 人事・労務
- 倒産・事業再生
業種別
- エンタテインメント
- 医療・ヘルスケア
- IT・通信
- 金融
- 人材・教育
- 環境・エネルギー
- 運送・貿易
- 飲食・FC関連
- 製造・販売
- 不動産・建設
-
犯罪・刑事事件
タイプ
- 加害者
事件内容
- 児童買春・児童ポルノ
- 詐欺
- 痴漢
- 盗撮
- 強制性交(強姦)・わいせつ
- 暴行・傷害
- 窃盗・万引き
- 強盗
- 横領
- 交通犯罪
- 覚せい剤・大麻・麻薬
-
債権回収
-
交通事故
事件内容
- 死亡事故
- 物損事故
- 人身事故
争点
- 後遺障害等級認定
- 過失割合
- 慰謝料・損害賠償
-
遺産相続
請求内容
- 遺言
- 相続放棄
- 相続人調査
- 遺産分割
- 遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)
- 相続登記・名義変更
- 成年後見
- 財産目録・調査
-
労働問題
自己紹介
活動履歴
◆日本弁護士連合会
・コンピューター委員会委員(平成7年5月~平成23年4月)
・弁護士業務改革委員会副委員長(平成24年5月~)
◆福岡県弁護士会
・総務事務局長(平成14年度)
・副会長(平成23年度)
・司法修習生就職問題及び新規登録弁護士支援対策室長(平成24年4月~平成26年3月)
・業務委員会委員長(平成27年4月~平成29年3月)
◆その他
・日本知的財産仲裁センター調停人・仲裁人・判定人候補者(平成17年11月~平成22年3月、平成25年4月~)
・法務局人権擁護委員(平成18年10月~平成27年9月)
・福岡人権擁護委員協議会副会長(平成24年4月~平成27年3月)
・福岡県建設工事紛争審査会委員(平成19年11月~平成25年10月)、同会長(平成23年11月~平成25年10月)
・中小企業経営力強化支援法に基づく経営革新等支援機関(平成25年4月~)
・福岡地方労働審議会委員(平成25年10月~)
・太宰府市空家等対策協議会委員(平成30年9月〜)
- 所属弁護士会
- 福岡県弁護士会
- 弁護士登録年
- 1991年
主な案件
- 殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反,火薬類取締法違反被告事件(福岡地方裁判所) 被告人は無罪 1996年6月
- 住居侵入,強姦未遂,窃盗,傷害被告事件(福岡地方裁判所) 本件公訴事実中住居侵入,強姦未遂,窃盗の点については,被告人は無罪 2011年3月
- 建造物侵入,窃盗(福岡高等裁判所) 本件公訴事実中起訴状記載の(被告人が無罪を主張する)公訴事実第1の点については,被告人は無罪 2015年9月
活動履歴
所属団体・役職
- 1995年 5月
- 日弁連コンピュータ委員会 〜2011年4月
- 2002年 4月
- 福岡県弁護士会総務事務局長 〜2003年3月
- 2006年 10月
- 福岡法務局人権擁護委員 〜2015年9月
- 2007年 11月
- 福岡県建設工事紛争審査会委員 〜2013年10月
- 2011年 4月
- 福岡県弁護士会副会長 〜2012年3月
- 2011年 4月
- 九州弁護士会連合会理事 〜2012年3月
- 2011年 11月
- 福岡県建設工事紛争審査会会長 〜2013年10月
- 2012年 4月
- 福岡人権擁護委員協議会副会長 〜2015年3月
- 2012年 5月
- 日弁連弁護士業務改革委員会副委員長 〜現在
- 2013年 10月
- 福岡地方労働審議会委員 〜現在
成瀬 裕弁護士の法律相談回答一覧
初めまして。 今月、個人再生を申し立て予定です。 福岡で個人再生委員の弁護士さんはつくものなのでしょうか? 私の現在の状況です。 ・株式会社の代表取締役((1人株式会社100%持ち株) ・株式会社は現在休眠会社でして、債権債務はありません。 休眠にしたのは今年の3月からです。 ・現在は個人事業...
再生委員が選任されることはあります しかし,ご質問に書かれた状況からは再生委員は付かないだろうと思います もしも再生委員が選任されると,その費用を負担しなければなりません,そして,なにごとも再生委員に意見を求めることになるので観念的には手続が煩瑣になりますが,それほどたいしたことではありません

土地付き中古住宅を購入しましたが、予定の期日になっても引き渡しをしてくれません。 仲介業者から入居中の方の次の住居が決まるまでの期間(誓約書では3カ月)を待って欲しいと言われていました。しかし、期限の日まで3週間程になった時に、さらに3カ月延ばして欲しいと言われました。 売買契約書にはお互い...
1.勧告という言葉にどういう意味を期待するかによりますが、早く引き渡すよう求めることはもちろんできます 2.売主に対する賠償請求は可能でしょうが、仲介業者に金銭賠償の支払いを求めることは難しいと思います

5か月前に友人から仕事を紹介されました。仕事内容を詳しく伝えて貰えないままだったのでよく分からずにスーツを着て現場に行くと詐欺の受け子の仕事で僕は犯罪だと分かったので指示役の人に電話で出来ないですと断りその日は何もしないで終わりました。その後に仕事を飛んだ扱いになり10万円以上を払えと言われ払...
1.当たりません 2.「捕まる」の意味にもよりますが、おそらく捕まらないでしょう

借金・債務整理
分野を変更する法人や事業者の方の債務整理もご相談下さい。



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借金・債務整理の詳細分野
依頼内容
- 自己破産
- 過払い金請求
- ヤミ金対応
- 任意整理
- 個人再生
対応体制
- 24時間予約受付
-
女性スタッフ在籍
事務所内に女性弁護士または女性スタッフが在籍しております。
- 当日相談可
- 休日相談可
-
夜間相談可
「18時以降」を夜間としています。事務所によっては「22時まで」や「平日のみ」などの制限がある場合がございます。
- 電話相談可
お支払い方法
-
法テラス利用可
法テラスの「民事法律扶助制度」や日弁連の「委託援助制度」が利用できます。これらは、経済的に余裕がない方が法的トラブルにあったときに、無料法律相談や、弁護士費用の立替えなどの援助を受けられる制度です。※援助を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。詳しくは、担当弁護士もしくは法テラスまでご確認ください。
-
初回相談無料
弁護士によっては初回30分や電話相談のみなど、制限がある場合がございます。
- 分割払いあり
【メッセージ】
債務を整理するためには複数の手続が準備されています。
債務の状況に応じて適切な手続をご提案いたします。
ひとりで悩んでいるうちに手遅れになってしまわないよう,是非,早い段階で弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
【費用と特徴】
個人の多重債務に関するご相談は,初回30分まで相談料無料です。
着手金・報酬金は日本弁護士連合会が適切として定めた料金を基準に,ご依頼者の経済状況に合わせてご相談に応じています。
【重点取扱案件】
個人・法人の破産・再生申立、債務整理など
【よくあるご相談】
- 次の返済期日に支払うメドが立たない。
- 転職や病気が原因で収入が減り,返済が厳しくなってきた。
- 破産を考えているが,自分には免責を許可されない事由がある。
- 随分前に支払いを止めていた債権者が莫大な延滞金を上乗せして返済を求めてきた。
- 裁判所から書類が届いた。
- 住宅を手放さずに債務を整理したい。
- 事業の承継や廃業のために債務を整理したい。
※上記以外にもお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。
【サポート体制】
年齢や職業,家庭環境,債権者数や債務総額など事案に応じた解決を目指します。
債務整理はすぐにでも対応すべき事案が多いので,来所相談を前提にお電話いただくことが望ましいでしょう。
【アクセス】
地下鉄赤坂駅から徒歩5分
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この分野の法律相談
初めまして。 今月、個人再生を申し立て予定です。 福岡で個人再生委員の弁護士さんはつくものなのでしょうか? 私の現在の状況です。 ・株式会社の代表取締役((1人株式会社100%持ち株) ・株式会社は現在休眠会社でして、債権債務はありません。 休眠にしたのは今年の3月からです。 ・現在は個人事業...
再生委員が選任されることはあります しかし,ご質問に書かれた状況からは再生委員は付かないだろうと思います もしも再生委員が選任されると,その費用を負担しなければなりません,そして,なにごとも再生委員に意見を求めることになるので観念的には手続が煩瑣になりますが,それほどたいしたことではありません

質問させてください。私は知人からお金を借りています。月に五万ずつの返済をする約束を公正証書を作って決めました。私は2ヶ月滞納してしまいました。相手から強制執行の手続きをすると連絡を受けたので一括で返す準備をしました。残金を一括で返済するので会って返済をした後に、これでもう負債はないことの確認...
執行のしようがないなら放っておいても構わないとは思いますが、気になるなら、受領拒絶を理由に供託しておいてはいかがですか

5か月前に大学生の息子が事故でなくなりました。 そのあと消費者金融に借金があることがわかり、そちらは親である私たちが支払いました。 生前息子はバイト先の社員に、バイクをもらっており、その名義変更ができていませんでした。 250ccのバイクで免許がなければ使えないので、くれた方にどの様にしたら良い...
信じられないのであれば,信じるに足る裏付けを見せてくれるよう頼んではいかがですか 一度支払いに応じれば,今後次々に同じような人が出てくる可能性を生じますから,まずはこの最初の人から片付けるのが肝要です,片付け方はいずれも同じです

借金・債務整理の料金表
分野を変更する項目 | 費用・内容説明 |
---|---|
相談料 | 法律相談料:30分 5,500円(税込) 弁護士費用はご相談に応じますので、お気軽にお問い合わせください。 (旧)日本弁護士連合会報酬等基準に従っており,訴訟事件の場合は以下のとおりです |
着手金 | ・非事業者の破産事件:金33万円(税込)以上 ・事業者の破産事件:金55万円(税込)以上 ・非事業者の民事再生事件:金33万円(税込)以上 ・事業者の民事再生事件:金110万円(税込)以上 ・非事業者の任意整理事件:債権者1社につき3万3,000円(税込)として債権者数を乗じた金額、但し、1社の債権額が55万円(税込)を超えるときは、債権額に応じて所定の金額(2.2万円(税込)以上)を加算します ・事業者の任意整理事件:非事業者について算定された金額の倍以上 ※任意整理事件の着手金の最低限は11万円(税込)とします |
報酬金 | ・自然人破産で依頼者が免責決定を受けたとき,非事業者の再生事件で再生計画認可決定を受けたときでも,報酬金は頂戴していません ・事業者の事業継続により事件が終了したとき ・任意整理は各債権者との間で終了したとき 経済的利益に応じて 300万円以下の場合:17.6%(税込) 300万円を超え3,000万円以下の場合:11%+19.8万円(税込) 3,000万円を超え3億円以下の場合:6.6%+151.8万円(税込) 3億円を超える場合:4.4%+811.8万円(税込) |
その他 | 依頼するかどうか迷われている段階でも,ぜひご相談ください。 費用については,事前にお見積もりいたします。 この先生なら信頼して任せられる,と思っていただけましたら,ご依頼いただけますと幸いです。 |
借金・債務整理の解決事例(12件)
分野を変更する-
会社員が,仕事を続けながら破産を申し立て,免責を得た事例
- 自己破産
-
銀行系カード7枚で多重債務に陥り,破産を申し立て,免責を得た事例
- 自己破産
-
街でキャッチセールスに捕まりローンを組んだことがきっかけで破たんし、破産申立した事例
- 自己破産
-
妻が知人の事業に巻き込まれて債務が増大し,更に夫が妻の債務を保証して夫婦共に破たんした事案
- 自己破産
- ヤミ金対応
-
病気を発症したため返済計画に狂いが生じ,破産した管財事件。
- 自己破産
-
個人再生申立で,住宅ローン特則を使い住宅を手放さずに済んだ事例(非免責債権あり)
- 個人再生
-
債権者の一部の反対があったが、住宅ローン特則付き個人再生が認められた事案
- 個人再生
-
過去に2度破産しており,今回は民事再生に挑戦した事例
- ヤミ金対応
- 個人再生
- 複数の相保証により,申立段階で債務の実体が分からなくなっていた事例
-
破産の相談前,違法行為が存在した疑いがある事例
- 自己破産
- 破産申立を知った銀行から所有する不動産を担保提供するよう迫られた事案
-
食品製造会社の破産申立。目標は,従業員への給与と解雇予告手当の支払い。
- 自己破産
借金・債務整理の解決事例 1
会社員が,仕事を続けながら破産を申し立て,免責を得た事例
- 自己破産
相談前
会社員。会社の経費として計上できない支出(付き合いの飲食代や慶弔費など)を負担するため,銀行のカードローンを利用しはじめました。残業代や手当が減って返済が厳しくなったときや,転職で一時的に収入が減ったとき,クレジットカードでキャッシングしたり消費者金融で借金をするようになり,借金が膨らみました。なんとか返済を続けていましたが,奥さんが体調を崩してパート収入が減ったことで,返済が滞り始めました。
債権者から訴訟を提起され,債務整理を決意しました。
6社に対する借金約600万円。
相談後
奥さんの収入が減った分,弁済に充てる資金の確保に不安があり,個人再生は難しいと考えられました。
自腹を切って接待費に充てた点が免責不許可事由に該当するかが問題になりましたが,時期の点からおそらく問題にならないと判断され,破産を選択しました。
退職金が見込まれたため,配当のため管財事件になりました。破産手続開始後,管財人が就きましたが,約1年で手続は終結し,免責許可決定を得ました。
借金・債務整理の解決事例 2
銀行系カード7枚で多重債務に陥り,破産を申し立て,免責を得た事例
- 自己破産
相談前
20代,男性。
奨学金や,知人に騙されて作った借金などで返済が苦しく,銀行のカードローンを次々に契約。借金をした当時はスーパーでアルバイトをしており,年収は200万円以下なのに,銀行系のカードローンは簡単に契約ができ,7社から160万円以上を借りました(返済は月に8万円以上)。
借金に悩んで転職を繰り返し,うつ状態に陥っていました。負債総額400万円。
債務整理を決意したときは警備会社に勤務していました。
相談後
ご本人は任意整理か個人再生をご希望でしたが,精神状態が安定せず,長期間一定額の返済を続けることに不安があったため,協議のうえ,一気に片付けることにして破産を選択しました。
ご本人が警備保障会社に勤務していたため,破産による資格制限との関係で転職先を探すなど準備を進めた上で破産手続開始申し立てました。
同時廃止決定に続き間もなく免責許可決定を得ました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

貸金業法による総量規制が及ぶのは貸金業社に限られ,銀行法の適用を受ける銀行にはこの規制が及びません。この低金利時代にマチ金並みの金利で貸せるのですから銀行も融資に積極的です。貸金業者は直接には貸付をせず,銀行が貸す際の連帯保証人になります。借主が返済できないと,貸金業社が保証債務を履行して(これを代位弁済と呼びます。),銀行に代わって借主から回収します。
本件の債務者ご本人は,年収が200万円ありませんでしたから,貸金業法による年収の3分の1を貸付の上限とする総量規制が適用になれば,大きな借金をすることもなかったはずでした。
私達は,「約束は守らなければならない。」と教わっているので,ムリをしてでも借金を返済しようと考えます。しかし,頭の中が借金で一杯になり,心を病んでまで約束を守らなければならないのかどうか,立ち止まって考えましょう。
借金・債務整理の解決事例 3
街でキャッチセールスに捕まりローンを組んだことがきっかけで破たんし、破産申立した事例
- 自己破産
相談前
30代の女性会社員。借金が膨れたきっかけは,街でキャッチセールスにつかまり,総額50万円の化粧品をローンを組んで購入したことでした。支払いが数回続くと,次の商品を勧められるのがこの手の営業の常ですが,なかなか断れなかったようです。
ほかにも,取引先の担当者から頼まれて断われず商品を購入する際,数回,ローンを組みました。しかし,会社勤めをしていた間は,問題なく返済することができたようです。
体調を崩して退職。退職金で一部ローンの返済をしましたが,再就職に時間がかかっている間に、生活費や借金返済のためにキャッシングを利用し,借金が増えました。
負債総額約500万円。
相談後
受任して受任通知を発送。債務者が債務処理を弁護士に委任し,弁護士から受任した旨を通知したときは,貸金業者は,電話・電報・ファクス・直接訪問により弁済を要求することが禁じられています(貸金業法21条1項9号)。この規定により,取り立てが止みました。
ご本人は体調に不安があり失業していたので返済は困難と判断し,協議のうえ破産を選択しました。破産申立までにしばらく時間がかかりましたが,債権者からの督促が止まっていたので気持ちが落ち着き,就職探しに専念できました。
破産申立の時点では新たな職場に勤務していました。
同時廃止,免責許可。
成瀬 裕弁護士からのコメント

借金が始まる原因に,訪問販売,キャッチセールス,アポイントメントセールスなどに引っ掛かった事例があります。
クーリングオフや,取消・無効の主張のほか,いくらか費用が掛かっても中途解約する方法などがありますから,早めに弁護士にご相談されることをお勧めします。
キャッチセールスなどに引っ掛かった話は,被害者としての面に目が向き易いのですが,破産申し立ての際には,無用の浪費によって借金を増やしたのだから免責不許可事由に該当するのではないかという問題を生じることもあります。お化粧品に50万円を注ぎ込むことが浪費に該当するのかどうか,すぐには判断しかねますが,注意が必要です。
病気や失業によって収入が途絶えた事案では,一定期間返済を続ける個人再生を選択することができるのかという問題を生じますし,破産して免責を得ても,生活するためまたすぐに借金が始まるのではないかという不安も生じるので,この点の手当を考える必要を生じます。ご相談下さい。
借金・債務整理の解決事例 4
妻が知人の事業に巻き込まれて債務が増大し,更に夫が妻の債務を保証して夫婦共に破たんした事案
- 自己破産
- ヤミ金対応
相談前
50代のご夫婦
大企業に勤めるご主人と共働きの奥さん、不自由なく生活していましたが、奥さんが知人と設立した会社の代表取締役に就任して状況が一変します。
代表取締役になった奥さんは、会社の運転資金調達のために、取り巻きからいわれるまま書類に判を押しまくり、気が付くと、ヤミ金を含め合計1500万円以上の債務の連帯保証人になっていました。
ご主人は、詳細を知らされないまま、公証役場で街金融業者からの借り入れの連帯保証人を引き受けていました。
ヤミ金の取り立てもあり、ご主人は会社を退職、退職金を債務の返済に充てようとしましたが、完済には足りませんでした。
ご主人は、間もなく再就職し、奥さんのパート収入と併せて月約30万円を返済に充てましたが、利息・損害金が増えるばかりで借金は減りませんでした。
街金融業者が公正証書でご主人の給料を差押。いくら返しても利息・損害金が増え続けるため、ようやく債務整理を決意したようです。
相談後
奥さんは、債権者の圧力により精神の正常を失っていたため、即時に介入して債権者からの接触を遮断しました。
奥さんが代表取締役に就任していた会社は、企業としての実態を完全に喪失していたため、奥さんと共に破産を申し立てて同時廃止、奥さんは免責許可。
奥さんが破産・免責決定を受けても夫の連帯保証債務まで消えるわけではありません。本件では、ご主人が公正証書の効力を争うことが難しい事情があり、破産を勧めましたたが、本人は返済の意欲が強く、しばらく様子を見ることになりました。
ご主人は返済にこだわりましたが、給料差押が会社に迷惑を掛けると考え、ようやく破産を決意しました。
同時廃止、免責許可。
成瀬 裕弁護士からのコメント

連帯保証人は、債権者との間で、自分が主債務者(多くの場合は「借主本人」です)と同様に支払いますと約束しているのですから、主債務者が支払えなくなると、債権者は連帯保証人に対して支払うよう求めてきます。
主債務者は、迷惑は掛けないといって保証人をお願いしている以上、迷惑を掛けまいとして、何とか自分が支払いを終えようと頑張ります。しかし、払えないものは払えませんから、債務はみるみるうちに膨らみます。
早めにいってくれれば何とかなったのに、借金が膨れあがり身動きが取れなくなってから報告を受けたのでは対応できない、というケースはたくさんあります。連帯保証人に、より大きな迷惑を掛けてしまわないためにも、早めの負債整理が大切です。
連帯保証人は、いざとなれば、主債務者に代わって支払うことになります。多くの場合は突然想定外の支払いが発生するのですから、一括では払えません。債権者と分割払いの交渉をせざるを得ません。
分割での支払いが困難なら、保証人自身も債務整理を検討せざるを得ませんが、保証債務の整理には通常の債務整理とは異なる特別な解決方法もあります。弁護士とよく相談するようお勧めします。
なお、今回の民法改正によって規定も変わるので注意が必要です。
主債務者自身は、自分の債務整理の見通しが付いて以後、保証人さんに迷惑を掛けたお詫びをする余地が残っていますから、保証人に迷惑を掛けそうになったときには、それを最小限に抑える方法は何かを考えるべきです。
借金・債務整理の解決事例 5
病気を発症したため返済計画に狂いが生じ,破産した管財事件。
- 自己破産
相談前
地場の安定した会社に勤務し,気軽に借入ができる信販会社やサラ金を頻繁に利用していたものの,返済に困ることはなかったようです。子ども2人の教育ローンの借り入れもありましたが完済可能な見通しでした。
あるとき,肝炎を発症して治療を開始しました。
世間で過払金返還請求が話題になり,自分も複数の消費者金融会社との間に長期間の取引があったので,法律事務所に依頼して,消費者金融2社から過払い金合計500万円弱が戻って来ました。この一部で信販会社1社の債務を完済し,借入枠に余裕を持たせましたが,残る300万円以上の負債の整理には手を付けませんでした。
肝炎が悪化し,治療を始めるとインターフェロンの副作用でうつ症状を発症,仕事が手に付かなくなり休職,そして退職。退職金で複数の債権者に返済したものの完済に至りませんでした。治療に伴う支出が嵩み、退職後1年程度で退職金を使い果たしました。この間アルバイトを始めましたが、うつ症状が出て長続きしませんでした。
糖尿病を併発。借入金の返済のあてがなくなり負債の整理を決意しました。
相談後
定期収入がなく不動産も所有しないため,再生手続は相応しくないと判断され,当事務所は破産を勧めました。
複数の保険契約があり,解約返戻金が高額となるため,配当を前提とした破産管財事件になりました。
破産終結後間もなく免責決定を得ました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

この事件の破産管財人は,財団の増殖に極めて熱心で,自由財産拡張を目指す当事務所との考え方の違いが浮き彫りになりました。債務者側からは,将来に備えて複数の医療保険と,債務者の実母の葬儀費用の積立金を残せるよう自由財産拡張を求めましたが,管財人は応じませんでした。そこで,裁判所に自由財産の範囲拡張を申し立てたところ,裁判所は直ちに申立を認めました。
次に,債務者が2人の子の名義で預金口座を開設し,毎月少額を自動的に送金してきたことを否認対象行為に該当すると指摘して,その預金の一部を財団に組み入れるよう連絡してきました。法的根拠が不明で,仮に否認するなら子ども相手に請求する筋合いでしょうと反論して対立が鮮明になりましたが,裁判所が指導してくれたのか,最終的には管財人が諦めました。
もともと免責に問題がない事案だったので、配当後間もなく免責許可決定を得ました。
過払い金返還請求事件は,債務完済後の返還請求を除けば,受任したいわゆる債務整理事件の中に,利息を払い過ぎた取引が発見されて事件になるものと理解していました。しかも,過払い金として返還を受けたお金は借金の返済の元手にすべきもののはずです。福岡地裁は,破産の場合,申立代理人が過払い請求するのではなく,管財人に引き継いで任せるよう誘導しています。しかし,弁護士の中には,債務整理事件の中から過払い金返還請求事件の部分だけ切り取って受任し,依頼者の借金を全体として減らすことまでは考えない人がいることを,この事件で知りました。テレビ広告で有名な大手法律事務所だけではなかったのです。
本件債務者の方は,過払いの相談に行った弁護士からは,ほかの債務を整理するよう勧められたことがないだけでなく,他に債務があるかどうかを聞かれたことすらなかったそうです。
しかし,過払い金を複数の債務の一部に充てると,一時的に借金は消えますが,返した分だけその金融機関の貸出枠が拡がるため,いずれ枠一杯まで再び借金する結果になります。
また,ほかの借金は返さないのに,なぜ特定の債権者に対してだけ抜け駆け的に返済したのかと責められることにもなりかねません。
ですから,ほかに借金があるのに過払い金だけ回収する事件処理には疑問を感じます。
なお,本件は,ごく普通の自然人管財事件が,管財人の個性のおかげで債務者に苦痛を与えました。管財人は,開始決定直後に債務者宅を訪問して自宅を見分,繰り返し事務所に呼び出して事情の聴き取りを実施しました。これにより債務者のうつ病が悪化しました。手続開始後に新しく取得した財産は債務者が自由に使うことが認められていますから,特別の例外を除いては管財人が使い方に口出しする筋合いではありませんが,本件の管財人は家計表を作らせて生活の指導までしたそうです。本件はそのような必要のない事件であるという認識を手続開始前に裁判所と共有していました。
「(借金は返せなくても)香典は負担できるんじゃないか。」などと意地悪な発言もされたそうです。管財人といえども言い過ぎが許される理由はありませんから,代理人に相談して,苦情をいうべきところは遠慮なく指摘するべきです。
借金・債務整理の解決事例 6
個人再生申立で,住宅ローン特則を使い住宅を手放さずに済んだ事例(非免責債権あり)
- 個人再生
相談前
40代会社員。所得は十分ありましたが,もともと浪費的傾向があったほか,前妻との離婚の際に約束した養育費の負担が大きく,借金が始まったそうです。
再婚した奥さんが家計をやりくりしてくれるのを横目で見ながら,債務者自身は浪費を抑えることができず,こっそり借金して小遣いを捻出していました。しかも,その後,住宅を購入したため,借金の解消はなおさら難しくなったようです。
債権者から届いた督促状を家族が発見して借金が発覚しました。借金を調べると,住宅ローンを含めた毎月の返済額は30万円を超えており,返済の目途が立ちませんでした。債務者ご本人で,福岡簡易裁判所に対して特定調停を申し立てたものの,調停委員から,調停での解決は難しいとのアドバイスを受けて弁護士相談に至りました。
住宅ローン残3100万円(住宅購入4年目),その他の負債約800万円でした。
相談後
住宅資金特別条項付き小規模個人再生を選択。
弁済計画案は,住宅ローンを当初約定どおりに返済し,その他の負債は総額の5分の1にあたる約160万円を3年間で弁済する内容の返済計画を立てました。別れた奥さんへの養育費の送金も約束どおり続ける計画です。
再生計画認可決定。
成瀬 裕弁護士からのコメント

浪費が度を過ぎると,免責不許可になるリスクが生じる分,破産の選択が難しくなります。本件は,ほかに住宅ローン債務があったので,迷わず小規模個人再生を選択しました。
もっとも,住宅ローンを組んで間もない時期に破たんしたときは,残る長期間,完済を目指してローンの返済を続けるのがいいか,住宅を一旦断念するのがいいか,慎重に検討する必要があります。住宅ローンに縛られて再度破たんする可能性もあるからです。
浪費とギャンブルは,免責を認めない例として破産法に明示されていますから(破産法252条1項4号),身に覚えがある方は破産を躊躇するかもしれません。一般論としては,免責を許可するか否かについて,裁判所は,基本的には債務者を助ける方向で考えてくれますから,それほど神経質になる必要もないと思います。しかし,ギャンブルに関しては裁判例も分かれているため,弁護士とよく相談するべきです。そして,免責許可を得られそうになければ他の方法を選択するのが賢明です。
なお,養育費は,非減免債権といって,再生手続によっても減免されない債権ですが,本件では以前と変わらない金額の送金を続けることができたようです。
借金・債務整理の解決事例 7
債権者の一部の反対があったが、住宅ローン特則付き個人再生が認められた事案
- 個人再生
相談前
結婚後間もなく自宅を新築しました。転居費用や交際費が嵩み,生活費が不足したときに借金を始めました。夫婦共働きでしたが,奥さんが産休・育休のため休職して返済計画に支障を生じ,借金が増えていきました。
奥さんの職場復帰にあわせて自動車を買い替えたためにローンが増えましたが,収入が安定しているので問題がないように思えました。
借金の返済は続けていましたが,債権者の数が多く返済金の多くが利息に充当されるので,なかなか元金が減りません。あれこれ考えた結果,借金の一部をまとめることにし,銀行で合計500万円を一本化してもらいました。銀行から500万円を借りて複数の信販会社に借金を返済したという意味です。
ところが,これによって完済した信販会社の借入枠が空いた分,再度カードを利用して,一挙に借金が膨らみました。
返済に行き詰まって債務整理を決断しました。
相談時は,住宅ローン残約750万円,その他の債務約900万円(8社)。夫婦の収入を合算すると1か月約40万円でした。
相談後
住宅ローン特則を利用した小規模個人再生を申し立て。住宅ローンの返済は借入時の条件のままで変更はしませんでした。900万円の借金5分の1に当たる約180万円を毎月5万円,3年間で弁済する計画を立てました。
本件は,債務の一本化に応じた銀行が,債務整理のために一本化に協力したにも関わらず,その後他社から再び借り入れたことに腹を立て,再生計画案への不同意を予告していましたが,かろうじて要件を満たし,再生計画は認可されました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

破産を選択して免責許可決定を得ると,住宅ローンの返済義務も他の債務と同様に免れますが,その代わりに,マイホームは手放さなければなりません。しかし,住宅ローンを支払うのでマイホームを残したいという場合には,民事再生法の住宅ローン特則を利用します。
住宅ローン債権者と返済条件を変更する交渉をすることもできないわけではありませんが,簡単には応じてもらえない印象です。本件では借り入れ当初の条件のままで返済を続ける計画になりました。
破産でなく民事再生を選択するもうひとつのケースに,免責を許可されないと予想される場合があります。この場合には破産を選ぶことができないので選択肢は限定されます。本件で,借金があり,債務を一本化したのにこの事情を黙ったまま更に借入をしたことが免責不許可事由に該当するならば,民事再生を選択するほかなかったことになります。債務の一本化に応じた銀行が再生計画案に同意しなかったのは,再生が許可されず,破産に移行するものの免責が許可されないために負債の全額を払わなければならなくなることを狙ったのかも知れません。
いわゆるおまとめローンを組んで債務を一本化する場合は,返済した金融機関との以後の取引を絶つことが不可欠です。返済したことで借入枠ができるだけでなく,返済能力があると評価して金融機関は貸してくれるので,すぐに借入枠に手を出してしまうということは昔からいわれています。
なお、日本貸金業協会のデータによると,多重債務関連相談のうち,最も多かったのが複数借入で,平成28年度は全体の22.5%だったそうですから債務一本化の需要は高いようです(因みに、病気・ケガが14.3%、失業・リストラが13.1%、収入減が12.7%です(「平成28年度における返済困難理由の内訳」から)。)。
借金・債務整理の解決事例 8
過去に2度破産しており,今回は民事再生に挑戦した事例
- ヤミ金対応
- 個人再生
相談前
過去に,既に2度の破産を経験しており,しかも2度目の破産からようやく7年経った女性です。
行き詰まった原因は前回の破産と同じく,博多の中洲での飲食店の経営に失敗したもので,前回の弁護士からは受任を断られていました。
債権者の中に,同じ中洲の飲食店経営者で,10日で1割の金利で貸付をしている無登録の,要するにヤミ金がおり,これが気になりました。破産手続に乗せて管財人が付いても債権調査までいく事案ではないので,結局うやむやになって手続終了後に揉める可能性があるので,それよりは個人再生の債権確定手続中で白黒を付ける方が良さそうに思えました。
相談後
ご本人が,お金は夜稼ぐものと思い込んでいるので,昼間の仕事にも就いてもらうまでに時間が掛かりました。給料の額は多くなくても安定した金額を受け取れる見込みが付いたところで個人再生申立。個人再生委員が選任されました。
ヤミ金からの届出もありましたが,争う姿勢を見せたところで引き下がりました。なぜか利息制限法に違反していない借り入れもあり,その部分が認められると返済計画が怪しくなる可能性があったので,安心しました。
ヤミ金がいなくなったことで再生委員も安心したのか,以後はスムーズに手続が進み,再生計画も認可されました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

2度の破産の経験がある方のご相談を受けたのはこの1件だけです。確かに相談を受けて腰が引けました。
破たんを来さないように計画的に生活する習慣を付けてもらう必要があるのでしょうが,当のご本人にはそういう意識は希薄だったのかも知れません。
再生計画案を認めてもらうために定期収入を確保して欲しいので,夜だけでなく昼の仕事にも就いて欲しいと繰り返し伝えたものの,ご自身の年齢のせいで,次第に夜の仕事がお金にならなくなっている事実に気付かず,昼間働く必要を理解してもらうのに時間が掛かりました。
なお,ヤミ金からの借り入れは,破産法251条1項2号の免責不許可事由に該当するとされています。裁判所がどの程度本気でこのように考えているかは分かりませんが,このリスクを回避する必要があるなら,ヤミ金との取引が気になる人は,破産ではなく個人再生を選択することになるでしょう。
借金・債務整理の解決事例 9
複数の相保証により,申立段階で債務の実体が分からなくなっていた事例
相談前
AとBは仲のいい姉妹で,両親から相続した遺産の分割も無事に終わっていました。それぞれが,相続した土地にアパートを建築して不動産賃貸業を始めることにし,建築資金はお互いに連帯保証して金融機関から借り入れました。Aは1億円を借り入れたほかBの債務1億円を連帯保証したので債務は2億円,Bは1億円を借り入れたほかAの債務1億円を連帯保証したのでBの債務も2億円。AB併せると4億円です。
Aの夫が経営していた会社が破たんし,この会社の債務を連帯保証していたAの負債が顕在化しました。A夫婦だけでなく,Bも連鎖倒産しました。
他の弁護士が申し立て,当事務所は姉妹とAの夫とその経営する会社の破産管財人として関与した事案です。
相談後
破産の申立書を見る限り,AとBは2億円ずつ借金がありその合計額は4億円になっていますが,実際に銀行が出したお金は各自に1億円ずつで合計2億円です。建築したアパートだけでなく相続した土地も持っていたのですから,資産を適切に処分すれば完済も不可能ではなさそうに思われました。
実際の事例は,ABCの3人姉妹で,3人が相保証していただけでなく,更にAの夫とも相保証していた債務があったため,見た目の債務総額は莫大でした。しかし,不動産を処分して弁済し,借主の主債務が消えた途端に保証人の債務も消える仕組み,つまり,Aが1億円返すとBとCのそれぞれ1億円の連帯保証債務も一緒に消えるのですから,1億円の支払いで見た目の債務3億円がなくなる結果になるはずでした。
こういった担保の買戻しを繰り返して,結局,姉妹の債務は100パーセント配当しただけでなく,剰余が出たので各自に返す結果になりました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

姉妹の借金だけならもう少し慎重に検討できたのでしょうが,Aさんのご主人の会社が破綻したため慌ててしまい,判断を誤ったのかも知れません。
見た目は破産原因があるときでも,実際には破産すべき場合でないこともあります。債務の実体をよく検討して破たん処理方法を決断すべきです。
なお,連帯保証債務の取扱いは,今度の債権法改正で変わりますので取扱いに注意しましょう。
借金・債務整理の解決事例 10
破産の相談前,違法行為が存在した疑いがある事例
- 自己破産
相談前
経営する会社は年商10億円を超えたこともあったものの,ある取引先とのトラブルが業界内で知れ渡り,パッタリ取引がなくなったことから,億単位の負債の返済のあてがなくなり,遂に保証協会から勧められて破産を決断したものです。
株式会社2社と,両者の代表者だった個人,併せて3件の破産事件です。
法人の取引の中に,賃借中の物件を転売したのではないかと疑われる商品があり,どの程度事情を知っていたか次第で代表者個人に民・刑事責任が問われかねないケースで,しかも,このことが手続中に問題化すると予想されました。
代表者は既に債権者から追及を受けていて,この事実を隠密裡に片付けたかったようですが,裁判所に隠すわけにはいきませんし,むしろ裁判所と管財人には知っておいてもらうのがいいと説得して,申立当時から問題点として詳細に指摘しておきました。
相談後
開始決定前の審問の時点で裁判所と管財人候補者も交えて問題点として把握したうえで,破産手続開始決定が出ました。
代表者が問題点を隠したかったのは,自分が商社に勤めていた若い時代に,倒産した取引先の様子を見に行って,経営者が債権者達に吊し上げられていた光景を見たことを思い出した恐怖心からだそうです。裁判所で同じような目に遭うと思い込んでいたようでした。
しかし,管財人の意見は,法人も代表者個人も第1回財産状況報告集会で廃止,代表者は個人としては免責不許可事由はない旨の報告がされました。複数の債権者が縷々苦情を述べようとしましたが,裁判所から,法的に認められる主張ではないとの判断が示されて,法人も個人も終結しました。
後日,代表者個人には免責許可決定が出ました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

破たん状態が迫ってきたとき,破産を回避しようとして様々な努力が尽くされますから,中には結果的に違法な処理がされてしまうこともあります。非難を免れたくて問題点を隠したくなる気持ちは分かりますが,帳簿類まで全て管財人に引き継ぎますから隠し通すことは困難ですし,債権者から管財人に情報が提供されて判明することも想定されています。
ここで問題にするのは,免責が認められるか否かではありません。
免責が認められたとしてもなお,免責されない特別な債権があるのです。このような債権を,非免責債権といいます。
破産申立に際し,債務の一部を伏せていると,せっかく免責許可決定を得ても伏せていた債務は免責されません。ほかに,本件のように,悪意の不法行為に基づく損害賠償請求権に該当するか否かが問題になることがあります。調査した結果,本件では,これに該当する可能性は低いと考えられました。ここでいう調査とは,関連する判例を調査することです。判例の調査ばかりは弁護士に任せるほかありません。
非免責債権の問題は,破産者が免責決定を受けた後に,債権者が個別に請求を起こす第2ラウンドとして現れてくるので長引きます。破産手続で洗いざらい出してしまう方が,早く片付く場合が多いはずです。
借金・債務整理の解決事例 11
破産申立を知った銀行から所有する不動産を担保提供するよう迫られた事案
相談前
依頼者会社は,マンションデベロッパー。他県の,大規模開発された区域にマンションを建設して販売中,完売目前での破産申立でした。
敷地にはメインバンクのために抵当権を設定する約束でしたが,区画整理の対象で換地処分が未了だったため,登記が一旦閉鎖された状態になっていて,抵当権設定登記ができない状態だったのです。
相談後
受任通知を発送すると,メインバンクが,敷地に担保を設定することと,マンション各戸の鍵の引渡しを要求してきました。
しかし,登記が可能になったとしても,この要請に応じれば,他の債権者の利益を犠牲にしてメインバンクに抜け駆けさせることになりますから,応じるわけにはいきません。鍵を渡すと,マンションの売買代金から優先してメインバンクへの借入金を返済しない限り鍵を返してもらえずマンションを引き渡せないのですから,実質上は担保の役割を果たすことになり,これも今さら応じるわけにはいきません。
しばらく押したり引いたりが続いているうちに破産決定が出て管財人に引き継ぎました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

珍しいケースで,管財人も驚いていました。
金融機関側は,担保設定する約束があったのにされていない,だから申立代理人は設定登記に応じるべきだという理屈でしたが,それが通るなら,口約束だけで実際の登記はしなくても債権者は担保を確保できるということになりかねません。当時,理屈を考えている余裕はありませんでしたが,債権者との約束を守らないことを理由に後日債務不履行責任を問われるのではないかなどと不安になった記憶があります。
申立会社の社長は,銀行から相当揺さぶりを掛けられたようです。しかし,申立の準備を開始した後は,私が代表印も銀行印も土地の権利証も全て預かってしまいましたから,いくら社長を責めてもムダでした。
別除権がなかった以上,メインバンクは一般債権者と平等に配当を受けました。
借金・債務整理の解決事例 12
食品製造会社の破産申立。目標は,従業員への給与と解雇予告手当の支払い。
- 自己破産
相談前
食品製造会社で,開業当時は3000食/日,法人成りした当時12,000食/日,最盛期は50,000食/日を製造していた従業員約50名の規模でした。スーパーと提携して事業を拡大したものの,スーパーが系列店を整理して事業を縮小したことと,競争により商品単価が下落して,店舗によっては売れれば売れるだけ赤字になるケースも出ていました。
相談後
同業他社に応援を打診しても応じてくれる企業がなく,民事再生にチャレンジするだけの資金を準備できなかったこともあり,破産するほかないと決断しました。
早目の相談だったため,準備は比較的余裕を持って進みました。
依頼者と設定した本件の目標は,従業員に給与と解雇予告手当を支払うことでした。
その原資は駅前のメインバンクに預けてありましたが,銀行に怪しまれずにまとまった金額を引き出すことにも成功しました。
裁判所の支部長と面談して,破産の直前に給料と解雇予告手当を支払いたいと申し出たところ,立ち会った書記官から反対されましたが,支部長は沈黙していたので了解を得たものと承知し,Xデーには全従業員を集めて解雇を告げ,払うものを払いました。
債権者が押し掛けてくると予想して会社に待機していましたが,数社が事情を確認しに飛んできましたが,騒ぎというほどお騒ぎにはなりませんでした。
成瀬 裕弁護士からのコメント

破産は,経営者の決断と十分な準備期間があれば大抵スムーズに進みます。
会社内部で準備に協力してくれる方がいることも重要です。
計画倒産だと非難する債権者もいますが,会社の財産を隠したり特定の債権者にだけ利益を与えるようなことがなければ,非難される筋合いはありません。管財人に問題なく引き継げるよう,計画的に準備を進めるのは当然です。
不動産・建築
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不動産・建築の料金表
分野を変更する項目 | 費用・内容説明 |
---|---|
相談料等 | 法律相談料:30分ごと5,500円(税込) (旧)日本弁護士連合会報酬等基準に従っており,訴訟事件の場合は以下のとおりです |
着手金 | 300万円以下:8.8%(税込) 300万円を超え3,000万円以下の場合:5.5%+9.9万円(税込) 3000万円を超え3億円以下の場合:3.3%+75.9万円(税込) 3億円を超える場合:2.2%+405.9万円(税込) |
報酬金 | 300万円以下の場合:17.6%(税込) 300万円を超え3,000万円以下の場合:11%+19.8万円(税込) 3,000万円を超え3億円以下の場合:6.6%+151.8万円(税込) 3億円を超える場合:4.4%+811.8万円(税込) |
その他 | 依頼するかどうか迷われている段階でも,ぜひご相談ください。 費用については,事前にお見積もりいたします。 この先生なら信頼して任せられる,と思っていただけましたら,ご依頼いただけますと幸いです。 |
不動産・建築の解決事例(10件)
分野を変更する- 建物の増改築の設計業務の委託を受け,ほぼ設計の最終段階に至った時点で契約を反故にされた事案
- マンション新築工事のための隣地使用請求権に基づく使用承諾・立入妨害禁止・工事妨害禁止仮処分
- 建物建築請負代金を支払わないので,やむを得ず訴訟を提起して建物を競売した事案
-
工務店が,新築から数年経過後に生じた雨もりや,設計図書と異なる部材を用いて建築したことを指摘された事例
- 欠陥住宅
-
大規模マンションの耐震構造が不充分だったことを根拠とする損害賠償請求事件
- 欠陥住宅
-
家の土台の一部が基礎の上に乗っていないトラブル
- 欠陥住宅
- 長年暮らしてきた家なので,敷地は他人名義だが取得時効が成立しているはずという事例
-
隣地との境界を巡る争いがあり,法務局に筆界特定まで申し立てたが話し合いが付かず,訴訟に至った事案。
- 土地の境界線
-
農地法の許可が必要な農地の売買で,のちに許可なく土地が取得できた例
- 建物明け渡し・立ち退き
- 父親の死亡直前に,同居の長男に全ての不動産が贈与されていた登記が虚偽であると主張して,娘2人が長男と争った事例
不動産・建築の解決事例 1
建物の増改築の設計業務の委託を受け,ほぼ設計の最終段階に至った時点で契約を反故にされた事案
相談前
関東所在の病院の増改築の設計監理業務の委託を受けて,設計を開始。事務長を中心とする病院側スタッフと協議を重ね,自治体との調整を経て自治体に建築許可申請を提出し,確認申請に向けての作業に入ったいわば設計の最終段階で,病院側が許可申請を取り下げて申請書を取り戻してしまいました。
そしてその直後にゼネコンの設計により病院の増改築を行いました。
病院側は,設計事務所との設計委託契約を否定し,仮に契約があったとしても設計業務が行われていない,設計図書が存在したとしても病院側との打ち合わせに基づいておらず設計事務所が勝手に作ったものだと主張しました。
設計事務所側としても,せめて実施設計を開始する時点では契約書を作成すべきでしたが,病院側が,院長(理事長)多忙を理由に渡した契約書をなかなか返してくれなかった結果,契約書が交わされていない状況でした。
相談後
裁判するほかない状況で,病院側も訴訟を起こす姿勢でしたから,まず,こちらの地元である福岡地方裁判所で訴訟を行うために,先手を打って訴訟提起する方針になりました。
病院側は,設計事務所が設計業務を行っていたこと自体否認するので,耐震診断やボーリング調査,近隣住民説明会を行ったこと,その際病院側関係者が立ち会っていた事実などの証拠集めから始めました。
肝心の設計図書は,CADで上書きを繰り返していくので,作業の過程がデータとして残っていません。このため,データからは,どのように打ち合わせが行われどのように図面が修正されていったかを証明できません。こちらは実施設計に入った後の2度の設計変更を主張していましたが,この点の立証が困難でした。レイアウトの異なるプリントされた図面が何種類も残っていましたが,打ち合わせ段階での複数の候補だった可能性を否定することができませんでした。こちらの担当者がメモ帳に走り書きした打ち合わせ記録は山のようにありましたが,書いた本人だけが分かるような書面で,十分な証拠価値があるとはいえませんでした。
病院の事務長はメールで連絡を取る習慣がなかったので,交渉の過程を反映することもできませんでした。
そこで,行政各部との打ち合わせ記録を洗い直しましたが,役所は案件の途中で書面を出すことがほとんどありませんから,これもさしたる成果は上がりませんでした。
やむを得ず,建築許可申請に使った設計図書と附属の書類を証拠の中核にするほかありませんでした。
訴訟の場でも,病院側は,徹底的に全てを否認し続けましたが,裁判所は,何の契約もないのに設計事務所が勝手にボーリングをしたり近隣説明会を開催したとは考えにくいし,建築許可申請には病院の代表者の押印がある以上,許可申請を知らなかったとはいえないはずだし,知らなければ事務長が申請を取り下げに行けるはずがないではないか,契約がなかったという主張は受け入れがたいと発言しました。
ただ,設計事務所は建築許可の取消の段階で業務を中止しており,委託業務のうちの何パーセントを完了したと評価するのかという問題では,裁判所は厳しい態度でした。設計業務の残りの部分と工事監理業務を行っていないので,減額されざるを得ません。
より根本的には,一体全体,設計・監理契約の委託料がいくらだったのかという根本的な争点もありましたが,結局,国交省告示(第15号)に基づいて計算することになりました。
こうしてようやく和解が成立しました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

この事件で最後までナゾだったのは,設計の最終段階に入ったのちに,病院側が契約の全てを否定して,業務の委託先を変更した理由でした。
建築事務所サイドでは,医療法人の有力役員なり事務長なりがあとを継いだゼネコンから買収でもされたのではないかという程度の推測しかできませんでした。あるいは圧倒的に低額な費用額を提示されたのでしょうか。
紛争の原因が分かれば解決の糸口も見つかったかも知れませんが,本件では全くの不意討ちで切り捨てられ,原因を調べることも想像することもできなかったため,裁判外では手の打ちようがありませんでした。
不動産・建築の解決事例 2
マンション新築工事のための隣地使用請求権に基づく使用承諾・立入妨害禁止・工事妨害禁止仮処分
相談前
マンション新築工事のための事前の近隣挨拶の当時から,隣地所有者が工事への協力を拒んでいましたが,工事の最終段階になって,隣地との境界部分の塀の仕上げのためにどうしても隣地(来客用青空駐車場の一部)に立ち入る必要があり,その許可のお願いをしたものの,隣地所有者の代理人弁護士から立入を拒否する旨の回答が,内容証明で届きました。
当事務所が受任。
相手方代理人と数回交渉しましたが進捗せず,当方から,隣地の使用承諾と立入妨害禁止・工事妨害禁止の各仮処分命令を申し立てました。
相談後
相手方は,本裁判で白黒を付けるべき問題だから仮処分で緊急に解決するのは不適切だと主張して来ました。しかし,マンションは既に完売して引渡・入居予定日まで決まっていたので,こちらは,いま片付けずに本裁判をしていたのでは莫大な損害が発生すると主張し,ほかにも次から次へと争点が提起されて対立が激化しました。
更に相手方は,境界線上に大きな看板を設置して,事実上工事ができないような手まで打ってきました。
もっと早い段階でならともかく,ほとんど工事が終わった段階になってから工事を妨害する理由が不明で,解決の糸口が掴めませんでしたが,審尋を繰り返すうちに裁判所の説得に応じるようになり,何とか相手方が隣地への立入を承諾してくれる和解が成立しました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

問題の工事は,数日で終わる工程なので立ち入るのもほんのわずかな日数で足りるという話でしたが,何が起こるか分からないため余裕を見て立入期間を多目に設定してもらいました。工事が始まる直前から長雨が続き,工事ができない日が続いてハラハラしましたが,和解で立入を認めてもらった期間中に,何とか間に合いました。
不動産・建築の解決事例 3
建物建築請負代金を支払わないので,やむを得ず訴訟を提起して建物を競売した事案
相談前
依頼者は建設会社です。
相手方は,親から相続した土地上の建物を解体してアパートを建築し経営する計画でした。請負代金は数回に分割して支払われる約束でしたが,最終金が支払われず,交渉しても,支払う意思はあるが支払う金がないといって支払いに応じようとしませんでした。
相談後
土地には金融機関のために抵当権が設定されていましたが,新築した建物は,保存登記はされていましたが,抵当権設定登記はまだでした。そこで,建物を仮差押えして訴訟を提起しましたが,相手方が話し合いに応じる様子がなかったので判決を取得しました。競売の申立をして,その手続が進んでいる最中にも発生する賃料を差し押さえるのが通常でしょうが,まず,アパートの賃料を差し押さえて圧力をかけることにしました。これによって相手方が金融機関への返済に行き詰まったため,金融機関が介入し,その指導により話し合いが持たれて,債権を回収することができました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

相手方が代金の一部の支払いを渋った理由は最後まで分かりませんでした。
引き渡した建物に抵当権設定登記がされていれば仮差押えはしなかったと思います。抵当権を設定して借り増しすれば楽に請負残代金を支払えたでしょうに,そうしなかった理由も分かりません。
アパートの賃料を差し押さえるためには第三債務者である入居者の氏名を把握する必要があります,普通は容易なことではないので,本件のケースなら競売申立だけを考えるでしょう。
不動産・建築の解決事例 4
工務店が,新築から数年経過後に生じた雨もりや,設計図書と異なる部材を用いて建築したことを指摘された事例
- 欠陥住宅
相談前
事業用に建築された建物の軒先から雨漏りがし,その補修のために壁を剥いでみたところ,設計図書と異なる部材が使用されていたことなどを理由に,工務店が損賠償請求を受けました。店舗として使用していた建物なので,補修のために事業を休業しなければならない期間の莫大な営業損害も付け足されていました。
相談後
本件建物は,新築から7年を経過していました。建物は日々劣化が進みますから定期的なメンテナンスが不可欠です。数年ごとの定期点検や一定程度経過した時点でのリフォームが必要とされており,本件建物は定期点検を怠った結果招来したものである可能性が疑われました。
また,使われていた部材は,設計図書とは異なるけれども,より強度が高くより高価なものが使われていたことが判明しました。
これらのことが分かるにつれて,原告の怒りも納まり,何か所かの補修費用は被告側が負担するけれども,営業損害を含むその他の損害は負担しない内容の和解が成立しました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

事前の交渉もなく,いきなり訴状が届いたため,依頼者も感情的になっていました。場合によっては構造計算書を作成する必要まで生じかねない言い争いになりかけましたが,裁判の期日を繰り返しているうちに,お互いの言い分を受け入れることができるようになったようでした。
不動産・建築の解決事例 5
大規模マンションの耐震構造が不充分だったことを根拠とする損害賠償請求事件
- 欠陥住宅
相談前
原告はマンション管理組合,被告は,マンションを販売したデベロッパー,建物建築を請け負った建設業者,工事監理業務を担当した設計会社の計4社で,当事務所は下請業者の代理人に就任しました。
マンションの区分所有者と契約関係があるのはデベロッパーだけで(売買契約),その他の被告は契約がないため不法行為責任を追及する構成で,その原因になる事実は被告ごとに異なりました。
法律関係が複雑で,被告によっては請求が成り立たない可能性もありましたが,受任した建設業者については,落ち度(過失)があったと認定される可能性が高いと予想されました。
相談後
そこで,争点を損害論に定め,賠償額を圧縮することに目標を設定しました。
補修工事の費用額を巡る争いもありましたが,本件では,半年近くかかる工事期間中,全世帯が借家を調達し転居して生活する費用と慰謝料を請求している点が,それはあまりに過大であるという主張を柱のひとつにしました。
築数十年経過したマンションで耐震工事を施工する場合に,工事期間中居住者が一斉に転居して空き家にするという話は聞いたことがない,個々の居室に作業の騒音や振動で迷惑を掛けるのは,居室の周辺で工事を施工するせいぜい2〜3日に過ぎず,しかも昼だけである,そして,昼間,居住者の多くは仕事や学校におり在室していない,これらを考えると,工事期間中全居室が一斉に転居してマンション1棟全体を空き家にする必要はないと主張しました。
訴訟の終盤で,行き過ぎと思えるほどの裁判所の介入によって原告の不充分な法律構成が補強されたのち,裁判所から和解が勧試され,全当事者が応じて和解成立しました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

本件は,訴訟が始まった当初はひとつの法律事務所が全被告の代理人に就いていました。ところが,被告間で利益の対立が生じる可能性が高くなったことから,当事務所が受任することになったものです。
たしかに法律上の争点が多数ありましたから,法廷で争う価値もあったのでしょうが,工事に落ち度があることは分かっていたはずですから,裁判になる前に話し合いで決着するのが妥当だったのではないかと感じます。
不動産・建築の解決事例 6
家の土台の一部が基礎の上に乗っていないトラブル
- 欠陥住宅
相談前
工事業者は,地元では知られたハウスメーカーだそうです。
基礎ができて土台を乗せようとしたら,基礎の設計を間違えていて土台が基礎の上に乗らないことが分かったようです。建物の構造を支える部分でした。
気付いたところですぐに基礎をやり直せばキズは小さくて済んだのでしょうが,現場監督が,そのまま黙って建築を続けさせてしまいました。
発注者は,土台が基礎に乗っていないことに気付きましたが,疑問に思っている間にも作業は進み,外壁も屋根まで葺いてしまいました。
この時点で担当の営業マンに話し,工事は直ちに止まりました。
ところが,ハウスメーカー側は,もうここまでできているから,基礎を二倍の厚みに手当して土台が乗るように補修し,工事を進めたいといいだしたのです。
解体してやり直すよう求める発注者との話し合いが進まず,工事は中断してしまいました。
ハウスメーカー側の弁護士からは,工事を進めて家を建ててしまえば瑕疵担保責任を負うだけで済むのだから,このまま建ててしまえばそれでいいのだという趣旨の内容証明が届いたため,激怒した発注者が相談に見えました。
相談後
建物未完成の間は,請負人は設計図書どおりに建物を完成する義務を負いますから,設計図書と異なる場合は設計図書どおりに作るように求めることができます。しかし,一応完成してしまうと,以後は担保責任を負うに過ぎません,瑕疵部分を補修して終わりです。瑕疵をどのように補修したらいいのかは,施主さんも専門家に相談し,ハウスメーカーの提案する方法で足りるという心証は持っていました。
しかし,だからといって,瑕疵を発見したことを施主に隠して建物を建ててしまえばいいという態度を許すことができませんでした。施主さんは,設計図書どおりにやり直すよう主張し,結局,現場が半年以上放置されたのち,ハウスメーカーから調停が申し立てられました。
既に建ててしまった部分を解体してやり直すとなると,1500万円程度費用がかかるというのです。しかし,瑕疵に気付いた段階で直ちに止めてやり直していれば200万円程度で済んだはずで,中断した状況を前提に補修して進めれば100万円もかからないだろうと予想されました。
施主さんも,しろうととはいえ,工事が不自然だと気付いたのに抗議せず,そのまま進むのを黙ってみていたと指摘されてもやむを得ない面もありました。
現地での調停が繰り返され,専門家が瑕疵の補修と数か月間放置していた部分の手当を指摘したうえ,指摘に従った手当てがきちんと行われたことを確認した上で,調停委員会から提案された解決金が支払われる内容の調停が成立しました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

施主は現場の作業を毎日監督しているわけではありませんから,工事に瑕疵があっても気付かないことの方が多いはずです。設計事務所に工事監理を委任することは,戸建て住宅の建築では珍しいことでしょう。本件は,偶然,施主さんが工事の瑕疵に気付いた珍しいケースでした。
建物が基礎の上に乗っていないなら,基礎工事を行なった甲斐がありません。やり直すのは当然という気もします。
しかし,以前,8階建ての商業ビルの柱脚工法の選択が適正だったかどうかの争いをしていたところ,仮に工法自体は適正だとしても,本件ビルの工事は適正に行われず,柱の取り付けが手抜き工事でプレートから浮いていたという理由で,監理業務を行った建築士事務所が賠償金を支払わざるを得なかった事件を経験したことがあります。本来メーカーが責任施工する領域なのですから監理業者が責任を負う理由はないと考えましたが,裁判所は納得しませんでした。建築士事務所さんも,柱脚が数十センチ浮いている写真を見せられて和解に応じる決断をしましたから,相当危険だったのでしょう。そういう工事がたくさん行われているのかも知れません。
不動産・建築の解決事例 7
長年暮らしてきた家なので,敷地は他人名義だが取得時効が成立しているはずという事例
相談前
戦前から代々暮らしてきた建物の敷地が,随分前に亡くなった他人の名義になっているが,取得時効が成立していると思うので,自分の名義に変えたいというご相談でした。
おばあちゃんの時代から家があり,ご相談者も結婚するまではこの家に住んでいたそうです。お母さんが亡くなって空き家になった後は,ご相談者が管理を続けていたという話です。
土地は他人名義なのに,固定資産税は長年ご相談者が納付していました。
相談後
登記簿を調べると,土地の所有名義人は,自作農創設特別措置法によって,国から払い下げを受けたことになっていますが,既に昭和20年代に亡くなっていました。その相続人は全国各地に散らばり,生死不明の方,相続人不明の方もあったので,被告の特定に難儀しましたが,1年以上かけて何とか調査を終え,裁判を提起し,勝訴判決を受けました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

戦後間もない頃,出征した男性が戻って来ず,女性が家を守っていた時期のことのようです,自作農創設特別措置法により農地が解放されて,読み書きが苦手な人にとっては何が何だか分からないうちに土地を取り上げられてしまったようです。いつの間にか自宅の敷地が他人名義になっている,土地の境界線は腕ずくで移動されるといったことも日常的にあったようです。区画整理が行われるでもなく,そのまま数十年が経過した地域が,今でもあります。そういう場所の事件でした。
そこに長年住んできた方の権利は,取得時効によって確保するのが合理的です。
所有名義人はとっくに亡くなり,戸籍上は大勢の相続人が登場しますが,所有名義を取得するためには相続人全員との関係で判決を取得する必要があります。一部が行方不明や生死不明になっていたり,記録が廃棄されて相続人を調査できない状態になっていると,被告を特定するだけでも莫大な手間と暇が掛かりますが,本件はそういう事案でした。
この手の事件の処理については,奈良地裁平成27年12月15日判決(平成26年(行ウ)第18号不動産登記申請却下処分取消請求事件)が出ているのでやりやすくなったといえます。
不動産・建築の解決事例 8
隣地との境界を巡る争いがあり,法務局に筆界特定まで申し立てたが話し合いが付かず,訴訟に至った事案。
- 土地の境界線
相談前
依頼者は,土地上の建物を解体して土地を売却したい意向でしたが,土地の境界線がどこなのかを巡って隣地所有者と意見が違うため,売却が難しい状態でした。
しかも,建物はいずれも昭和の初期には建てられていたもので,依頼者の建物と隣地所有者の建物とは外壁同士が密着して一体の壁を構成しているため,片方を壊せば他方の外壁も壊れる関係にあり,簡単には解体できない状態でした。
このため,隣地所有者は依頼者に大幅な譲歩を迫っていたようです。
相談後
ご相談を受けた時点では,法務局での筆界特定が終わっていましたが,隣地所有者は法務局の結論に納得せず,境界協議は成立していませんでした。
問題の土地は,博多駅土地区画整理事業の対象になった地域で,この事業による換地処分では,本件土地の周辺は,もとの位置にもとの形状でもとの大きさに新たに換地する「原地換地」という手法を採用したことが福岡市の記録から確認できました。
法務局の筆界特定では区画整理の成果をどのように評価しているのかはっきりしませんでしたが,筆界特定で定まった境界線と区画整理事業の換地処分によって創出された土地の範囲とが一致し,その線は現況どおりで,さらに依頼者が主張する線と同じでしたから,これが間違っている可能性はまずないと判断されました。
おそらく隣地所有者も状況は理解していたのではないかと思いますが,事前に仲介に入った方のやり方にも問題があったようで,話し合いはこじれにこじれていたため,判決を得る方が早く確実と判断されました。そこで,事前に隣地所有者にその旨ご連絡した上で訴状を提出し,認容判決を得ました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

本件では,法務局による筆界特定と較べて,福岡市の換地の説明の方が明らかに分かりやすかったので,事前に筆界特定を利用する意味は低かったかも知れません。私が関与する前に土地家屋調査士さんが手続をしていたのですが,普通は長期間を要すると聞いており,弁護士的には利用を躊躇します。しかし,筆界特定の手続を利用することによって,関係する多くの資料を入手することができるので,紛争解決に役立つこともあるらしく,選択に迷うかも知れません。但し,所有権の範囲の確認だけでなく,境界を確認しておく必要があるなら不可欠です。
隣地所有者とは,判決確定後も,建物解体を巡る交渉が避けられないので,感情的な対立を招かないよう配慮したつもりです。判決後は,解体のための協議もスムーズに進んだそうです。
不動産・建築の解決事例 9
農地法の許可が必要な農地の売買で,のちに許可なく土地が取得できた例
- 建物明け渡し・立ち退き
相談前
農地10筆を宅地に転用する目的で売買契約を締結し,代金の大部分を支払い,売主から農地転用の許可申請をしてもらおうという段階で売主が亡くなりました。
相続人の間で遺産分割協議が進まず,このため,所有権を移転する手続を進めてもらえません。
農地の売買は,農地法上の許可を受けなければ効力を生じません(農地法3条,5条)。農地を農地以外のものに転用するために売却しようとするときは,原則として都道府県知事の許可を得ることが必要です。
それなのに,この許可の手続に協力してもらえないというわけです。
相談後
いろいろ調べた結果,農地の売買契約の後にその農地が非農地化したときには,直ちに売買契約の効力が生じるという判例を見つけました(最判昭和42年10月27日)。
本件では,売買の交渉が始まった時点で売主が耕作をやめていたため,次第に農地が荒廃し,その後数年経った時点で原野と評価される状態になっていました。そして,その事実は,農業委員会が,非農地証明書という書面を発行して証明してくれることを突き止めました。
非農地証明書を入手して,被相続人達を被告とする訴訟を提起し,残代金の支払いと引き換えに土地の引渡しと移転登記を命じる判決を得ることができました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

農地法を扱った経験は3件か4件で,あまり馴染みがなく苦手意識もありました。しかし,判例を発見したために何とか処理できました。
被告になった方達は,こちらが支払ったと主張する代金が,亡くなった売主の口座に見当たらないというので不信感をお持ちになったようでした。こちらには,数回に分けてお支払いしたことを示す領収書がありましたが,それでも納得していただけない方があったので,裁判もやむを得ませんでした。
不動産・建築の解決事例 10
父親の死亡直前に,同居の長男に全ての不動産が贈与されていた登記が虚偽であると主張して,娘2人が長男と争った事例
相談前
父親に,3人の子がいました(長女,長男と次女)。父親が亡くなりましたが,その10日前に,所有する不動産全てを長男に贈与して,その旨の登記を終えていました。父親は高齢で,亡くなる数日前には危篤状態にありましたから,長男と贈与契約をしたり,登記の手続をしたりするとは考えにくく,娘2人は,この贈与は絶対におかしいと考えました。
相談後
そこで,まず,不動産の所在地を管轄する長崎地方法務局諫早支部まで登記申請書類を閲覧に行きました。
登記申請書類は明らかに司法書士が作成したものでしたが,書士さんは申請を代理していませんでした。いかにも,関わりたくないという気持ちが現れていました。
父親と長男本人による申請ですが,長男が父親を代理していましたから,事実上長男の単独申請です。その父親の長男宛ての委任状はワープロで作成されて署名はなく,実印が押捺されているだけでした。しかも,この実印というのを,娘2人は初めて見たというのです。
そこで諫早市役所で印鑑登録を調査すると,長男が,父親の代理人として父親名義の印鑑登録証亡失届出書と印鑑登録申請書を提出し,改印手続を行っていました。父親名義の代理権授与通知書を含め,3通の書面は全て同じ筆跡でした。代理権授与通知書には,父親が長男に手続を委任する理由は「病気」と記載されていました。確かに,病気といえば病気,病気ではないといえば病気ではない状態だったようです。しかし,何故,この時期に実印を改印するのか,しかも,見るからにチャチな印章を実印として登録するのはあまりに不自然と感じられました。
改印後の印鑑証明書は2通発行されていましたが,いずれも長男が父親の代理人として交付申請していました。この筆跡は,改印手続を行った際の筆跡と同じでした。
つまり,ここまで全ての手続は,長男1人がやったことでした。父親は委任状に名前が表示されているものの,その署名は出て来なかったのです。
何度か交渉を申し出ましたが応じてもらえないので,訴訟を提起し(所有権移転登記抹消登記手続等請求時件),裁判所から呼び出してもらっても出席していただけなかったので,欠席判決となりました。
成瀬 裕弁護士からのコメント

話し合いによる解決を期待していましたが,文書や印章の偽造がありましたから,出て来にくかったのかも知れません。
その後,有力な親戚が間に入り遺産分割の話し合いの労を取ることになり,親族の話し合いで解決したようです。
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病気休業や,リストラ・倒産・転職による収入の一時的中断が負債の増加に繋がるケースは債務整理を開始する典型例です。
会社経費の立て替えによる借金の増大は,ときと場合によっては免責不許可事由に該当します,弁護士とよく相談するべきです。
破産に対しては,いまだに多くの誤解がありますので,ここで触れておきます
① そもそも,破産は不道徳で許されない?
破産はモラルハザードを招く許されない行為だと考える風潮は,確かに今でもあるようですが,破産は,裁判所が,債務者に再生の機会を確するための制度であることが,現行破産法で宣言されました(破産法1条)。古い考えにとらわれるのは誤りです。
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⑧ 自動車は手放さなければならないのか
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⑨ 家財道具や身の回りの品は処分されるのか
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