消費者庁は11月30日、一部の悪質なホストクラブで若い女性の好意につけ込んで高額な料金を請求するケースが近年多発していることを受け、消費者契約法に基づき飲食契約を取り消すことができる可能性があるとする周知文を公表した。
同法は、好意の感情を不当に利用した契約(「デート商法」)について、取り消すことができると定めている(4条3項6号)。
公表では、ホストクラブなどにおける飲食などの契約も「本法上の消費者契約に当たり得る」とし、同法の要件に該当する不当契約は取り消すことができるとする。また、18歳未満の未成年者が締結した契約についても、両親などの法定代理人の同意がない場合、原則として取り消すことができる(民法5条)ことも明記している。
具体例として、ホストが客の好意の感情に乗じて、「酒を注文してくれなければ2人の関係が破綻する」などと告げて、飲食させた場合を挙げている。
ホストが「売掛金の立替えだ」などと恋人間の個人的なやり取りだと主張している場合でも、ホストが同法上の事業者に該当する場合は、契約を取り消せる可能性があるとする。
また、ホストが勧誘時に価格や内容を偽って結ばせた契約や、退店したい客を押し留めて結ばせた契約なども、取り消せる可能性がある。
同庁は、ホストクラブとの契約について、取り消しが可能かどうかなどトラブルの相談については、地方公共団体の消費生活センター(電話番号「188」、消費者ホットライン)に連絡するよう呼びかけている。