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ガン告知された父が壺2つ購入、従姉妹の入信で一族疎遠に 「旧統一教会」トラブル体験談
(satoshinpi ・shimi / PIXTA)

ガン告知された父が壺2つ購入、従姉妹の入信で一族疎遠に 「旧統一教会」トラブル体験談

安倍晋三元首相が銃で撃たれて、死亡した事件で、殺人の疑いで逮捕された容疑者の家族と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連が報じられている。

弁護士ドットコムニュースのLINE登録者に旧統一教会を含む新興宗教にまつわるトラブルの経験を尋ねたところ、さまざまな声が寄せられた。

本稿では、旧統一教会に関するトラブルの一部を紹介する。いずれも、旧統一教会など新興宗教の問題が、メディアで大きくクローズアップされていた30年以上前のケースだ。

●「旧統一教会」の友人に誘われたサークル

50代の女性は約30年前、奇しくも安倍元首相銃撃事件のあった奈良県内で、友人に誘われたサークルでトラブルに巻き込まれた。

ある日、女性は、サークルで知り合った「占いができる」という人に「先祖がお金に執着があるから因縁を引き継いでいる」「お金の因縁を断ち切るため、社会福祉に役立てるために、お金を預けるように」と言われた。

実際に、女性の家族には「不幸事」が多かったという。サークルに誘ってきた友人に泣きながら懇願されたこともあり、女性は30万円を預けた。

その後も何度も呼び出されては「宗教色を帯びたビデオ」をみせられるようになったという。

しかし、友人に「このサークルって統一教会?」と聞くと、きっぱり否定された。サークルの人に「ここに通っている事をあなたのご家族には内緒にしておいて」とも言われた。

不信感を抱いた女性が、消費者センターに相談したところ、統一教会関連のサークルだとわかった。

女性は、消費者センターや周囲の助けを得てサークルを抜け出して、預けた金のうち、サークル参加費用2万7000円を除く全額を取り戻した。

サークルに誘った友人は3年ほど入信し、壺やはんこを売り、家族の反対で脱会したものの、別の新興宗教に熱を入れているという。

実際、女性がサークルに勧誘されたのは、安倍元首相が銃で撃たれた大和西大寺駅に近い近鉄奈良駅だったという。

近鉄奈良駅(minack / PIXTA) 近鉄奈良駅(minack / PIXTA)

●「旧統一教会」に親族が入信…「家族や周りの人間関係を破壊」

親族が旧統一教会に入信していた人からも体験談が寄せられた。

父親の従姉妹が入信していたという50代女性(近畿地方在住)は、10代のころ、父親がガンを告知された際に75万円の壺を2つ買わされた。

今から38年前、1984年のことだ。このほか、別のカルトと思われる集団にも「墓と仏壇に金をかけろ」と言われたこともある。

「総額1000万は払ったのではないでしょうか。癌患者とその家族は藁にもすがりたい気持ちですから、そこを狙われたと思われます」

別の50代女性(東海地方在住)の従姉妹2人はもともとクリスチャンだったが、旧統一教会の信者と交流を持つようになり、そのまま入信した。

従姉妹たちは、やがて、親族の冠婚葬祭を蔑ろにするようになり、嫁ぎ先や実家に「献金」を求めて迷惑をかけていたという。

女性は、次のように振り返る。

「一般的な額ではない金銭を『献金』として他の親類縁者に持ちかけたりしたため、私共も疎遠にしました…というか、なりました」 「信仰の自由とはいえ、家族や周りの人間関係を破壊する額の金銭が絡む(献金)などは非常に悩ましい問題で、信者になった人には、何をどう説明しても全て無駄でした」

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