お見合いパーティで出会った彼氏が既婚者だった——。信じていた相手に裏切られたショックは大きいですが、妻から見れば、不倫相手として慰謝料請求の対象でもあります。
これから紹介するのは、2011年4月26日に東京地裁で判決が言い渡された、実際の慰謝料請求に関する裁判例です。
不倫が原因で離婚に至ったとして、妻・智子さんは夫と長年不倫していた恵美さんに、慰謝料500万円を求めて裁判を起こしました。しかし、恵美さんは「結婚していることを巧妙に隠され、私は騙され続けていた。私に過失はない」と反論したのです。
裁判所は双方の言い分をどのように判断したのでしょうか。判決文をもとに、漫画で解説します。(登場人物は全て仮名)。
●不倫相手・恵美の主張
大輔さんとの交際は、その後も続きました。
その後、大輔さんに電話をして、「出生届を出すので、そのときに結婚もしたい」と話しましたが、大輔さんは「今仕事中だから」と言って電話を切り、それ以後電話に出なくなりました。
1か月後ごろ、大輔さんの住む都心のマンションを訪ねたが不在だったため、「このまま電話に出ないのであれば、お母さんの元を訪問する」と書いた手紙をマンションに置いてきました。
しかし、その後も連絡がなかったので、私はついに子どもを連れて、父と一緒に大輔さんのお母さんの元を訪ねたんです。