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家がきしめば「幽霊がいる」と夜中に読経、旅行は「2年後」と実現せず 風水を信じ込む妻に、夫は悲鳴
画像はイメージです(【Tig.】Tokyo image groups )

家がきしめば「幽霊がいる」と夜中に読経、旅行は「2年後」と実現せず 風水を信じ込む妻に、夫は悲鳴

風水に執着する妻と離婚したいーー。結婚生活に限界を感じたという男性からの相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者の妻は風水、占いなどに非常に執着しています。家族旅行や週末のレジャーなどの計画を立てても「方角が悪い、2年後であれば方角が良いので行く」というため、実現しません。さらに、木造住宅の家がきしむと「幽霊がいる」と言って夜中にお経を唱えたり、霊媒師に会いに行ったりするそうです。

「結婚するまでわからなかった」と相談者はいいます。また、子どもにも悪い影響があると考えており、早めに離婚したいとも考えています。こうした妻の言動は離婚事由となるのでしょうか? 橘里香弁護士に聞きました。

●「宗教的活動にも一定の自重が求められる」

ーー風水は一般的な「宗教」ではないかもしれませんが、日常生活や人生の岐路において「風水」を重んじる人は少なからずいるようです。夫婦生活に影響した場合、離婚理由ともなるのでしょうか

信教の自由は、憲法第20条で保障されている基本的人権であり、夫婦間でも個人の信仰や宗教活動の自由が保障されるべきといえます。このことから、単に宗教観の相違のみを理由に離婚事由とすることは難しいといえます。

一方で、夫婦として共同生活を営む以上、夫婦の協力義務として互いの価値観を尊重し、節度を持った行動、互いの協力により、家族間の調和を図り、夫婦関係を円満に保つよう努力すべき義務があると言え、その限度で宗教的活動にも一定の自重が求められます。

判例では、夫婦の一方の個人的宗教活動等が、夫婦の協力義務に反し、その限度を超え、夫や家庭を顧みない場合は、夫婦関係を継続し難い重大な事由が存するとして離婚事由の存在を認めています。

夫又は家族の反対に反して、占いや霊媒師に多額の費用を投じたり、風水や占いを理由として家族に対しても過度の行動制限を強いるなど、家庭を顧みず、家庭生活の平穏を害す程度に至っている場合には離婚事由として認められる可能性があるでしょう。

単に「普通ではない」などと主張するのではなく、「子どもにも悪い影響がある」という客観的具体的事実を集めることが大切になってきますので、一つ一つのエピソードを記録しておくことを意識されると良いかと思います。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

橘 里香
橘 里香(たちばな りか)弁護士 弁護士法人一新総合法律事務所
沖縄県那覇市出身。1979年生まれ。メンタルケア心理士の資格を持ち、「相談しやすさ」「話しやすさ」に定評がある。離婚事件に注力し、これまで数多くの事件を解決に導いている。

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