俳優の塩谷瞬さんが、モデルの冨永愛さんと料理研究家の園山真希絵さんとの間で二股交際を行なっていたことが明らかになった。塩谷さんは冨永さんと園山さん双方に結婚の話をしていたことを認めたが、はたしてこれは婚約成立とみなされ慰謝料請求の対象になるのだろうか。
当初は今年4月20日発売の週刊誌で塩谷さんと冨永さんが交際関係にあると報じられ、それに対し双方ともに公に交際を認めるかのような発言があったが、同23日になって冨永さんが交際を否定。すると後日に塩谷さんが冨永さんだけでなく園山さんとも同時に交際していたという疑惑が発覚し、5月1日、塩谷さんは二股交際を認めた上で謝罪会見を行った。
単に同時期に複数の異性と交際するだけであれば、倫理上の問題は別として、法律上では原則的に恋愛は各人の自由として違法行為にはならない。ただし、結婚後の男女間あるいは婚約が成立している男女間での浮気や二股交際については不貞行為として慰謝料請求の対象になる。
今回の塩谷さんの二股交際は自由恋愛の範囲なのか。それとも冨永さんまたは園山さんどちらかとの間に、あるいは両者との間に婚約が成立し、慰謝料請求の対象になるのか。男女間の法律トラブルに詳しい好川久治弁護士に聞いた。
「婚約には通常、家族や友人に紹介する、婚約指輪を贈る、結納式を執り行う、新婚旅行の予約をする、式場の予約をするなどの行動を伴うことが多いですが、民法には婚約について定めた規定がありませんので、婚約の成立に一定の儀式や様式は必要とされません。交際のなかで軽く結婚を口にする程度では不十分ですが、当事者が結婚に向けて具体的で、真摯に合意すれば、それだけで婚約の成立は認められます。婚約指輪を贈ったなどの出来事は、合意の存在を裏付ける証拠となるという関係です。」
「塩谷さんのケースも、二人の女性との間で、このような意味で真摯な結婚の約束があれば婚約が成立していたことになります。問題は、同時に二人の女性に結婚を申し込み、二人から承諾を得ていた場合、二人の女性との間で婚約が成立するか、ということですが、どちらの婚約も有効に成立することはあります。」
「今回のケースでは、結果的に塩谷さんの二股交際が原因で二人とも破局となったようですから、仮に二人に対して婚約が成立していた場合、塩谷さんは、二人の女性に対し婚約破棄に基づく慰謝料等の損害賠償責任を負うことになるでしょう(責任を負うのは破談の原因を作った当事者ですからいずれから破談を申し入れたかは関係ありません)。慰謝料がどのくらいになるかは、細かい事情が分からないので何とも言えませんが、一般的には、50万円~150万円くらいの範囲に収まるケースが多いのではないでしょうか。」
つまり塩谷さんの二股交際は、冨永さんと園山さんの二人との間に婚約が成立していた可能性があり、その場合には総額300万円以上の慰謝料の支払いが必要になる可能性もあるということだ。
塩谷さんは記者会見や自身のブログで涙ながらの謝罪を繰り返しているものの、もし慰謝料請求をされた場合には、かなり分が悪い状況にあると思われる。
冨永さんや園山さんは慰謝料請求を行なうかどうかは明らかにしていないが、今回の二股騒動が落ち着くまでにはまだしばらく日数がかかりそうだ。