パパ活であげたお金を返せと言われた——。弁護士ドットコムには、パパ活トラブルに関する相談が度々寄せられています。最近では、コロナ禍でお金に困りパパ活を始めたという女性からの相談がありました。
相談者によると、2020年春頃から、アプリで知り合った「パパ」がいました。女性がコロナ禍でお金に困りパパ活を始めたことを伝えると、「助けてあげる」と言われ、何度かお金を振り込んでもらったそうです。
その額は約1年間で200万円ほど。女性のカードローンなどの返済も一括で相殺してくれました。
しかし、2021年に入り揉めてしまい、LINEで「もう会うのやめようね。元気でね」と別れを告げました。すると次の日急に「パパ」から「冬に渡した100万円を返してほしい」と立て続けに連絡が来たというのです。
「パパ」は女性の本名や住所、口座を知っていることから、女性は「何かされることはありますか」と不安に感じているようです。果たして、女性は返済する義務があるのでしょうか。
●問題は「貸したのか、あげたのか」
河野晃弁護士は「返還を求められている100万円がどういう状況で渡されたのか、何かしらの合意があったのか、ということにより結論は異なります」と話します。
「個人的には、女性にいい格好して渡したお金を、フラれたからって返せっていうのもなんだか格好悪いなぁと思ってしまいますけどね…。
パパから『冬に渡した100万円』と特定があるため、そのお金を渡した際に貸したのかあげたのかにより、返済義務があるかどうかが決まります。
女性にも借りたという認識があるのであれば、返済の請求があった以上、返済義務が生じるという結論になります」
一方、その冬に100万円を受け取った際に、例えばプレゼントや、生活が苦しいから援助したなど、少なくとも返済を前提としていなかった場合は、返済義務はないという。
では、もし争いとなった場合、裁判で返済義務が認められるのだろうか。
「借用書や会話の録音などがないとすれば、100万円を渡すに至ったLINEでのやり取りなどが証拠になりそうです。男性側が『返済の合意があった』と立証できれば裁判で勝てるということになりますが、そうでなければ敗訴することになります。
女性の方とすれば、本人からの電話やLINEがひっきりなしに来るという状況もストレスになるだろうと思います。その場合は、弁護士に依頼して相手に対して文書で『今後は弁護士に連絡するように』という内容の通知を送ってもらうと連絡がなくなる可能性があります」