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不倫相手の顔をスタンプで隠してインスタに投稿…「匂わせ」投稿の法的リスク
写真はイメージ(rainmaker / PIXTA)

不倫相手の顔をスタンプで隠してインスタに投稿…「匂わせ」投稿の法的リスク

芸能人による不倫の「匂わせ」が話題になることが多いが、一般人でも不倫の「匂わせ」が好きな人たちがいる。

ママ向けコミュニティ「ママスタジアム」にも、そんな不倫体験談(http://mamastar.jp/bbs/comment.do?topicId=3495724)が寄せられている。

例えば以下のようなものだ。

「車の助手席の位置をズラしたり、ラメ入りの化粧品を使って、彼の顔にワザとつくようにハグしたり。ネイルの装飾を剥がして車に落としたり」

「家にピアス落として帰ったことある」

そして、芸能人の場合と同様に、SNSに載せるケースだ。夫の不倫相手が、FacebookとLINEのタイムラインに、夫のスマホ(カバー付き)やカバン、洋服、ストール、車の助手席の写真などをわざと載せていたことがあると語る女性は、「不倫女はみんな匂わせやるんだなと思った(笑)芸能人もおなじなのねー」と投稿している。

また、不倫相手の顔をスタンプで隠したうえで、インスタに載せている知人がいるという情報も寄せられていた。

芸能人とは状況が異なるとはいえ、このような「匂わせ」はリスキーではないだろうか。スタンプで顔を隠した写真を投稿しても、複数の写真の組み合わせで、人物の特定がなされた場合、不倫の証拠として認められる可能性はあるのだろうか。鈴木淳也弁護士に聞いた。

●決定的な不貞行為の証拠につながるリスクがある

「『匂わせ』行為にも様々なものがありますが、不倫関係である場合には、リスクが多いと考えておいた方がいいでしょう。

不貞行為の立証に関して、直接証拠というのは性行為または性交類似行為を撮影した写真等ですが、通常そのようなものが存在することは少なく、多くは間接証拠から立証していくことになります」

具体的に、どう立証されることになるのか。

「SNS等に顔をスタンプで隠した写真を載せている場合、顔から直接その人物の特定をすることは出来ませんが、投稿写真撮影の日時、撮影された場所、身に着けている物、付随する文章の内容、その他の投稿内容を総合して人物が特定されることはあります。また、場合によっては、肉体関係を推認される間接証拠ともなりえます。

『匂わせ』の投稿内容だけでは不貞関係の立証として不十分であっても、妻が夫の不審な行動から不倫を疑い、不倫相手と思しき人物の名前等が何かのきっかけで判明すると、多くの方はSNS等で検索します。

検索した結果、投稿内容から夫が不倫していることや不倫相手に関する情報を確認し、探偵による調査等を経て、不貞関係を立証する証拠を取得したというケースが多々ありました。

つまり、『匂わせ』投稿は、それ自体が証拠となり得るだけでなく、それをきっかけに動かしがたい不貞の証拠を取得されるリスクがあるということです。もちろん、証拠云々の前に不倫それ自体が損害賠償請求されるリスクある行為ですので、不倫しないことが重要であることは言うまでもありません」

プロフィール

鈴木 淳也
鈴木 淳也(すずき じゅんや)弁護士 鈴木淳也総合法律事務所
第一東京弁護士会所属。大学時代は理学部に所属し、地球温暖化システムについての研究をしていた。しかし、多くの人と触れ合い、広く社会の役に立てる仕事に就きたいと考え、決まっていた就職を辞退し、司法試験を目指すことに。気象予報士の資格を持つ理系弁護士として、民事・刑事を問わず困っている人に寄り添う弁護活動を行う傍ら、お天気情報をブログで発信している。

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