2019年12月01日 09時11分

パパ活したのに「義務なし」と支払い拒否された「これは詐欺ではないでしょうか?」

パパ活したのに「義務なし」と支払い拒否された「これは詐欺ではないでしょうか?」
画像はイメージです(keyphoto / PIXTA)

「パパ活」として年上男性と会ったのに、お金を払ってもらえなかったーー。そんなお悩みの相談が弁護士ドットコムに寄せられています。

相談者の女性は「1回5万円、銀行振込します」という申し出を受けて、「パパ」と会ったそうですが、お金が振り込まれなかったそうです。

「振り込んでいないし、振り込む義務はないと男性に言われてしまったが、これは詐欺ではないでしょうか」(相談者)

男性の行為は詐欺に当たるのでしょうか。 神林美樹弁護士に聞きました。

●男性の行為は詐欺利得罪に当たりうる

ーー男性の行為は、詐欺罪に当たるのでしょうか

「パパ活の合意が『民事上有効』な場合、男性の行為は、詐欺利得罪(刑法246条2項)に当たる可能性があります。

詐欺利得罪は、人を欺いて財産上不法の利益を得る行為をいいます。詐欺利得罪が成立した場合には、10年以下の懲役が科されます」

ーーパパ活の合意が「民事上無効」な場合はどうでしょうか

「パパ活の合意が『民事上無効』な場合でも、男性には、詐欺利得罪が成立する可能性は否定できません。

パパ活が肉体関係を伴うような場合には、パパ活の合意は、公序良俗に反するものとして、民事上無効となる可能性があります(民法90条)。民事上無効な場合には、支払請求権が認められません。

このように民事上、支払請求権の認められない場合において、欺く行為によって、その支払いを免れるケースについて、裁判所の判断はわかれています。 

詐欺利得罪の成立を認める裁判例と詐欺利得罪の成立を否定する裁判例の双方があり、詐欺利得罪が成立する可能性は一概に否定できません」 

●肉体関係が伴うパパ活では、相手に支払いを請求できない可能性が高い

ーーパパ活の合意が「民事上無効」な場合について、くわしく教えてください

「契約自由の原則の下、(1)契約をするかしないか、(2)誰と契約をするか、(3)どのような内容の契約をするか、(4)どのような方法で契約をするかは、原則として、当事者が自由に決めることができます。

ですが、契約自由の原則にも一定の例外があり、その一つとして、契約が公序良俗に違反するような合意には、民法90条によって無効となります」

ーー今回の相談者のケースはどうでしょうか

「相談者のパパ活が肉体関係を伴うものであるかは明らかではありませんが、仮に、性交の対価も含めて5万円を支払うという合意であったとすれば、公序良俗に違反するものとして、民法90条によって無効となる可能性が高いといえます。

合意が無効となった場合には、民事上、女性には、男性に対する5万円の支払請求権は認められませんので、男性が5万円を支払わなかったとしても、女性はその支払いを請求することはできません」

取材協力弁護士

神林 美樹弁護士
第一東京弁護士会所属。日弁連刑事弁護センター幹事。刑事事件・少年事件に注力しており、主として、捜査弁護(身体拘束からの早期釈放・接見・示談交渉)、裁判員裁判、依存症患者の更生支援などに携わっている。

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