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夫婦別姓訴訟の第二幕スタート 東京と広島で婚姻届受理求め、家裁に審判申し立て
事実婚で子育てをしているという都内の夫婦。娘の出産前に一度婚姻届を出し、その後ペーパー離婚したという。

夫婦別姓訴訟の第二幕スタート 東京と広島で婚姻届受理求め、家裁に審判申し立て

選択的夫婦別姓を求める新たな訴訟に向け、都内と広島市内の事実婚夫婦4組が3月14日、東京家裁と同立川支部、広島家裁の3カ所でそれぞれ審判の申し立てを行った。審判は、別姓の婚姻届の受理を求めるもので、今後は東京地裁や広島地裁で国家賠償訴訟も起こす予定だ。

夫婦別姓については2015年12月、「夫婦同姓は合憲」とする最高裁判断が出ている。しかし、夫婦別姓を求める当事者の声や世論の支持を得て、今回新たに第二次訴訟の動きが巻き起こっている。申し立てを行った3人と弁護団は同日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見。夫婦別姓が認められず、事実婚で苦慮している現状を語った。

●「事実婚では法律婚の権利に及ばない」

この日の会見では、申し立てを行った東京都八王子市内の事実婚夫婦が発言した。研究者をしている40代男性とパートタイムで働く40代女性で、2009年に結婚、2011年には娘も生まれたという。

事実婚を選んだ理由として、男性は「研究者として論文を書いていたため、妻の姓を変えると不利益になります。また、心情的にも通称を使うことが難しかった」と説明。「周りからは色々と言われます。(両親が別姓だから)子どもがかわいそうとも言われるが、それは子どもが思うことであって、周りが言うことではないと思っています。選択的夫婦別姓で一体、誰が困るのか、大きな疑問を感じながら今回の申し立てをしました」と話した。

また、妻の女性は、「夫と結婚しようとした時、平等で対等の関係を築き、相手の名前も自分の名前も大事にしようとしたら、法律婚の枠に入れなかった。私は、どうして自分の名前を結婚で簡単に変えられるのかなと思いますが、女性だと『どうして嫌なの?』と逆に言われます。自分の名前も大事にしたいという気持ちを理解していただくのがなかなか難しいです」と心情を語った。

同様に申し立てを行った、都内在住の看護師の40代女性も会見に出席。やはり事実婚で子育て中という。「親として愛情と責任を持って子どもに関わりたいと思っているが、法律婚の夫婦が持つ権利に及ばないことがある」と法律婚との「差別」も指摘した。

●国賠訴訟の提訴も近く予定

前回の夫婦別姓訴訟で最高裁まで争った弁護団代表、榊原富士子弁護士によると、今回の申し立てで、まず家裁の裁判官の判断を求めるという。また、国家賠償訴訟の提訴も近く予定している。

夫婦別姓に関する訴訟をめぐっては、このグループとは別に、ソフトウェア企業「サイボウズ」の社長、青野慶久氏ら4人が1月9日、日本人同士の結婚で、夫婦別姓を選択できないことは憲法違反だとして、国に1人あたり55万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴。前回の夫婦別姓訴訟で争点となった民法ではなく、戸籍法上の問題を指摘して法廷闘争にのぞんでいる。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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