ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル、川谷絵音さん(27)が未成年と飲酒していた事実があったとして、川谷さんの所属する事務所は10月3日、すでに日程を公開している公演が終わったあと、活動を自粛するとホームページ上で発表した。
タレントのベッキーさん(32)との不倫騒動で世間をにぎわせた川谷さんは、9月29日発売の『週刊文春』で、当時19歳の女性タレントと半同棲の交際をしていると報じられた。また、『週刊女性』によると、2人は都内のバーを訪れて、飲酒していたという。
活動自粛の発表のなかで、川谷さんは「心よりおわび申し上げます」とコメントしているが、相手が未成年と知りながら飲酒させた場合、法律上問題はないのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。
●「未成年者飲酒禁止法」にあたる可能性はないか?
「『未成年者飲酒禁止法』という法律があります。親権者または親権者に代わって監督する人は、未成年者の飲酒を止めるべきだと定めています(同法1条4項、2条2項)。これに違反した場合、科料(千円以上1万円未満)になります。
また、バーなどの営業者が、成年者に酒を提供した場合、50万円以下の罰金ということもあります(同法1条3項、2条1項)」
今回のケースように、同棲するような交際相手の場合、『親権者または親権者に代わって監督する人』にあてはまらないだろうか。
「結論からいいますと、交際相手はこれにあてはまらないと考えます。
未成年者飲酒禁止法は、飲酒による未成年者の心身への悪影響から未成年者を保護するための法律です。
親権者または親権者に代わって監督する人に未成年者の飲酒を止める義務があるとされているのは、こうした人たちは、未成年者の生活面全般にわたって監督できる立場にある以上、未成年者の飲酒を当然止めるべきと考えられるからです。
未成年者の飲酒と止めなければいけない親権者に代わって監督する人は、親権者から依頼を受けて未成年者を監督する人や、事情によって親権者が未成年者の側で監督することができない場合、親権者に代わって未成年者の生活全般にわたって監督できる人のことだと考えられます。
家出中の未成年者を同居させているような場合であれば、親権者の監督がまったくおよばないわけですから、同居させている人が親権者に代わって、生活全般にわたって監督すべきといえます。
これに対して、親権者の監督がおよぶ未成年者を半同棲させたにすぎない場合、年齢差はあれど、恋人として対等の立場にあり、いつ出て行って自宅に帰ってもおかしくない人を同居させているわけですから、そこまで監督できる立場にはないと考えます」
冨本弁護士はこのように述べていた。