東京地裁で1月13日午前、新型コロナウイルスワクチンの特例承認の取り消しなどを求める訴訟の第2回口頭弁論があり、傍聴券を求めてワクチン反対派の人たちが集まった。多くはノーマスクだった。
開廷表(期日簿)によると、同地裁や東京高裁などが入る合同庁舎で、同日午前中にあった裁判はこの1件だけ。午前中は用件確認により一般来訪者の入場が事実上制限されるなど異例の対応がとられた。弁護士らにもこの日の「特別警備」が事前に伝えられていたという。
東京地裁の広報係によると、マスクをつけない関係者が多数訪れることが予想されたため、関係者と一般来訪者の動線を分けたという。今回の裁判日程は内部で共有していたといい、各裁判体が同じ時間帯に裁判期日を入れない判断をした結果、午前中の期日が本件1件のみになったようだ。
弁護士ドットコムニュースの記者が正午過ぎに合同庁舎に入ったところ、入館時の手荷物検査はいつもより厳しく、重大な刑事事件の裁判傍聴時と同じくらいだった。
この日は傍聴券を求めて192人が集まり、26人が当選。コロナ禍で現在は1席空けて使用しているが、裁判で使用された法廷は、通常時であれば52席が使える。本件に限らず、法廷の消毒はおこなっているといい、今回の法廷も同日午後2時現在で消毒済みだという
裁判所前では、反ワクチンのプラカードを掲げる人や、『鬼滅の刃』のキャラクター煉獄杏寿郎のコスプレをして、「マスクを燃やせ」ののぼりを持っている人もいた。
この訴訟は2021年7月に提訴された。原告側は、ウェブサイトで「安全性については何ら証明がなされていない」などと主張している。同年10月12日の第1回口頭弁論でもノーマスク集団が押しかけ、裁判所周辺が一時騒然となっていた。