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2020年05月27日 11時32分

木村花さん急死で議論「アンチは社会的に抹殺」すべき?「誹謗中傷」対策のあり方

木村花さん急死で議論「アンチは社会的に抹殺」すべき?「誹謗中傷」対策のあり方
木村花さんのツイッターより

女子プロレス団体「スターダム」の看板選手で、フジテレビやNetflixで放送されている恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していた木村花さん(享年22)が急死した。これを受けて、政府は、悪質な投稿者の特定を容易にするため、制度改正を含めて検討している。

報道によると、木村さんは5月23日、自宅マンションで心肺停止状態で発見されて、搬送先の病院で死亡が確認されたという。木村さんの自宅からは遺書のようなメモが見つかったとも報じられている。

木村さんに対しては、「テラスハウス」の番組内容に関して、SNS上で誹謗中傷を受けていた。木村さんが亡くなったという報道を受けて、誹謗中傷を書き込んでいた人が相次いで投稿を削除して、「逃亡する」という事態も起きている。

●「ネットで悪口を言っている人と同じになってしまう」

インターネット上の誹謗中傷に対する法的措置としては、被害者側は「発信者情報開示」という制度を利用して、投稿者(加害者)を特定したうえで、損害賠償を求めていくことになる。

木村さんの訃報を受けて、メンタリストDaiGoさんは5月23日、次のように投稿した。

「芸能事務所とかは、ネットの誹謗中傷に対して、【情報開示請求】ちゃんとやって訴訟したらいいと思う。アンチに容赦など不要。損害賠償だけでなく、勤務先の会社にも内容証明送りつけて【社会的に抹殺】すべき」

このツイートは大きな反響を呼んで、5月27日までに、5.2万リツイート、24.8万いいねとなっている。しかし、ネット上の誹謗中傷問題にくわしい神田知宏弁護士は、このような考えに対して、警鐘を鳴らしている。

「気持ちはわかりますが、後半部分はネットで悪口を言っている人と同じになってしまうのでおすすめしません。『クビになれ』というつもりで勤務先に通知を送るのは私的制裁ですし、【社会的に抹殺】についても、法と裁判所に委ねるべき問題です。もっとも、彼のことですから、何かの心理戦かもしれませんが」

●「確実に身元が特定できる法整備を」

発信者情報開示をめぐっては、投稿者の特定などにハードルがあり、現在、総務省の研究会でそのあり方が見直されている。神田弁護士はどう考えているのだろうか。

「現状では、匿名投稿の投稿者は『IPアドレス』でしかたどれません。にもかかわらず、せっかくサイト管理者からIPアドレスを開示してもらっても、経由プロバイダにログがなかったり、ログの照合ができないなど、プロバイダのところで投稿者特定の流れが止まってしまうケースが珍しくありません。そのため、確実に身元が特定できるような法整備が必要です。総務省の研究会で検討課題になっている電話番号の開示請求は、1つのアイデアだと思います」

スポニチによると、木村さんは「テラスハウス」出演を悩んでいたそうで、スターダムのエグゼクティブプロデューサー、ロッシー小川氏は、SNS上の悪意のある誹謗中傷に対して、法的措置を視野に入れて検討しているという。

芸能人だけでなく、一般人に対する誹謗中傷もやまない。今後、制度改正の議論がどのようにすすんでいくのか、注目をあつめている。

取材協力弁護士

神田 知宏弁護士
発信者情報開示請求や削除請求などインターネット上で発生する権利侵害への対処を多く取り扱う。最高裁平成29年1月31日決定(グーグルに対する検索結果削除請求事件)の抗告人代理人をつとめる。2019年に『ネット検索が怖い ネット被害に遭わないために(ポプラ選書 未来へのトビラ)』を出版。
弁護士神田知宏ネット問題サイトURL:https://kandato.jp
事務所URL:http://www.ogaso.com/

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