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「岡口裁判官は罷免に当たる」女子高生殺害事件の遺族が批判…国会訴追委に訴追請求
会見した岩瀬正史氏

「岡口裁判官は罷免に当たる」女子高生殺害事件の遺族が批判…国会訴追委に訴追請求

東京高裁の岡口基一裁判官のツイッター投稿によって傷つけられたとする事件被害者の遺族が国会の裁判官訴追委員会に訴追請求状を出し、3月19日、訴追委の聴取を受けた。終了後に会見した遺族の両親は、岡口裁判官からの謝罪を受けた後も事件についての情報発信を続けたことなどを問題視し、「罷免に当たると考えている」と述べた。

岡口裁判官は、2017年12月に女子高校生が殺害された事件について、「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男」「そんな男に無惨にも殺されてしまった17歳の女性」などと投稿。最高裁は、文書による厳重注意処分を出した。

遺族側は2月20日付で訴追委に訴追請求状を出し、聴取は遺族側が要望し、約1時間にわたって行われた。会見には、被害者である岩瀬加奈さんの両親、正史氏と、裕見子氏が出席した。

遺族による訴追請求状によると、2018年3月に東京高裁を経由して岡口裁判官から、謝罪の申し出があった上で「今後は、判決およびこれに関する諸々一切について、投稿や書き込みをしない事をお約束致します」との回答があった。

その後、岡口裁判官はツイッターの返信の中で「内規に反して判決文を掲載したのは、俺ではなく、東京高裁」などと投稿。また、ブログにおいて「遺族には申し訳ないが、これでは単に因縁をつけているだけですよ」というタイトルのエントリーを更新したことなどを、「厳重注意処分の後も、反省の様子がみられない」(正史氏)と指摘した。

遺族側は、訴追請求の根拠として犯罪被害者等支援法の「国民は、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう十分配慮するとともに、国及び地方公共団体が実施する犯罪被害者等のための施策に協力するよう努めなければならない」という条文を指摘。裕見子氏は「(厳重注意処分以降、遺族は)犯罪被害者としての生活平穏を害されていると思う。表現の自由だけが取り上げられているが、私たちの意見をとりいれ、犯罪被害者等支援法に沿って判断してほしい」とした上で、「罷免理由に該当すると思っている」と述べた。

岡口裁判官を擁護する専門家の発信については、正史氏が「色んなコメントが、目に入る。会ったこともない憲法学者や弁護士が、表現の自由を掲げて(擁護して)いるが、我々がやられていることを理解しているのか。大事な娘を殺された人がいることは正直理解してほしい」と話した。

岡口裁判官は3月4日に、すでに訴追委の聴取を受けている。訴追委は、今後、訴追するかどうかを決めるとみられる。

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