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「ラーメン店」レシピは営業秘密? クビになった考案者がやめさせることはできるか
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「ラーメン店」レシピは営業秘密? クビになった考案者がやめさせることはできるか

自分を解雇したラーメン店が、自分の考案したレシピを未だに使っているので、法的措置を取れないのかーー。こんな質問が弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられた。

投稿者はかつて勤めていたラーメン店で、オーナーに頼まれた新しいレシピを考案した。その後、突如解雇を言い渡されたが、ラーメン店は投稿者のレシピをそのまま無断で使用して、今も客に提供しているという。

自分が考案したレシピなので、解雇された以上、店には使って欲しくないとお願いしているが、聞き入れてくれないそうだ。

レシピの使用の差し止めや、何らかの対価の請求はできるのだろうか。難しいのであれば、逆に、この店の詳細なレシピを公開したり、他店で自由に使ったりしても問題ないということか。南部朋子弁護士に聞いた。

●ラーメンのレシピは営業秘密として保護される可能性がある

ラーメンのレシピには、何らかの権利が生じるのか。

「ラーメンのレシピ、例えばスープの作り方(使用する材料の種類や量、調理の手順)については、著作物に当たらず、著作権による保護の対象とはならないでしょう。しかし、ラーメン店の営業秘密として保護される可能性はあります。

不正競争防止法では、営業秘密を、その保有者の許可なく使ったり開示したりする行為等に対し、その保有者による差止請求権及び損害賠償請求権を認めています」

営業秘密とは、どういうことだろうか。

「不正競争防止法でいう営業秘密とは、

(1)秘密として管理されている(秘密管理性)

(2)事業活動に有用な(有用性)

(3)公然と知られていない(非公知性)

技術上又は営業上の情報をいいます。

問題のラーメンのレシピについて、ラーメン店のオーナーが秘密として管理して使っているのであれば、既に解雇された従業員が考案したレシピであってもオーナーの営業秘密として保護される可能性があります。この場合、元従業員は、自分が考案したレシピの使用や開示の差し止め、また使用や開示により発生した損害の賠償請求はできません。むしろ、オーナーがこれらを行うことができます。

しかし、『営業秘密』と認められるためのハードルは高いです。例えばオーナーが従業員に対し、就業規則や誓約書などで、在職中のみならず退職後のレシピの使用や開示を禁止していたような場合はともかく、そうでない場合は、レシピは秘密管理性を満たさないことになり、営業秘密として保護されないものと思われます」

●そもそも営業秘密かどうかは裁判で争われることが多い

営業秘密でなかった場合は、自由にレシピを使っていいのか。

「営業秘密でなければ、レシピの使用・公開は自由ですが、営業秘密かどうかは裁判で争われることが少なくなく、争いを避けるためには安易にレシピをそのまま使用・公開することは避けるべきでしょう」

メニューのラーメンにつけた名前などに権利は生じないのか。

「問題のラーメン店が使用していたメニューの名前については、商標登録されていれば商標権が生じますし、商標登録されていない場合でも、宣伝・広告などにより広く知れ渡っているような場合には、そのラーメン店の『商品等表示』として不正競争防止法で保護されることがあります。この場合、そのメニューの名前を別の企業が使えないことがあります」

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

南部 朋子
南部 朋子(なんぶ ともこ)弁護士 弁護士法人リバーシティ法律事務所
著作権法、商標法など知的財産法や国際取引をめぐる法律問題を担当している。ロボットをめぐる法律問題についても研究中。主な著書に『ポケット図解 著作権がよ~くわかる本(秀和システム)(共著)』。

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