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新幹線の「真ん中肘掛け」は「上座の窓側が使える」ルールは本当か 紹介したネット記事に批判集まる
「東海道新幹線のぞみ」自由席(iwasaki_2020 / PIXTA)

新幹線の「真ん中肘掛け」は「上座の窓側が使える」ルールは本当か 紹介したネット記事に批判集まる

新幹線の座席の「真ん中」にある肘掛けをめぐり、窓側の人が使えるという「ルール」を紹介したネット記事について、「そのようなルールは存在しない」と疑問視する声が相次いだ。

また、そうしたルールの理由として「窓側が上座」で「通路側が下座」とも説明されたことから、「新幹線座席の上座とか初めて聞いたんだけど」と壮大なツッコミを招く事態にもなっている。

JR東海は弁護士ドットコムニュースの取材に、そのようなルールも事実もないと否定した。

⚫︎記事では、ルールとマナーが混在して読者が混乱

内容が疑問視されているのは、〈新幹線で「窓側指定席」を予約したのに、「通路側」の人が「真ん中」の肘掛けを使っていました。この場合、「指定席代」を一部でも請求できるでしょうか…?〉(3月18日公開)と題したFINANCIAL FIELDの記事だ。かなり読まれていたのか、ヤフーニュース総合ランキングの上位に位置していた。執筆者には「FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー」とある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/dd6bc0910bbad21eed238fd472761492cc602192

記事では、「新幹線の肘掛け使用のルール」と「新幹線の上座・下座のマナー」について紹介している。

まず、「新幹線の座席における、肘掛けを使用するルールとしては、基本的に窓側の人が使えると決められています」と指摘している。

そのルールの理由を「新幹線の座席では窓側の席が『上座』とされているから」と紹介した。

そして、記事によれば、2人席でも3人席でも、窓側→通路側にかけて、上座→下座となり、下座である通路側の人が真ん中の肘掛けを使っている場合は、「使用ルールに反していると見なせる」との考えを示したほか、「上座である窓側の指定席を予約すれば、左右両方の肘掛けを使えます」とも記している。

また、記事では途中から「このルールはあくまでも座席を使用する際のマナーの1つである」などとして、これまで「ルール」と説明したものを突然「マナー」と呼ぶようになり、読者にさらなる混乱をもたらしている。

⚫︎JR東海「事実はございません」、すでに「ルール」を鵜呑みにしている人も

しかし、この記事が配信されたYahoo!ニュースのコメント欄では、トラベルジャーナリストの橋賀秀紀さんが「新幹線内での座席による上座・下座は聞いたことがない」とコメントした。

さらに、新幹線の肘掛けをめぐっては、JR西日本が「特にどちらの座席のものなどということはありませんので、ゆずりあって使っていただけたらと思います」とルールの存在を否定している(まいどなニュース、2019年4月27日)。

FINANCIAL FIELD編集部の記事で紹介された「新幹線の肘掛けルール」と「窓側が上座で通路側が下座」とするマナーの存在について弁護士ドットコムニュースがJR東海に確認したところ、「そのようなルールや事実はございません」と回答した。

「お客様には、車内で快適にお過ごしいただけるようご協力をお願いしております」(JR東海)

JR東日本は取材に「お問い合わせいただきました新幹線のひじ掛けについてですが、特にルールは設けておらず譲り合ってご利用いただだいております」と回答した。

SNS上では、記事を読んで「肘掛け使用に優先順位がある」「こういうルールあったの初めて知った」と鵜呑みにしている人も見られる。

弁護士ドットコムニュースの記事掲載後、FINANCIAL FIELDの元記事にアクセスすると、「この度は、当該記事の内容に関しまして、読者の皆様に誤解を招く表現があったため掲載を停止しました。今後は情報の確認を徹底し、より一層の品質向上に努めてまいります。」と表示されるようになった(3月25日午後4時現在)。

同様にYahoo!ニュースの配信記事も閲覧できなくなっている。

(※3月25日追記:JR東日本の回答を追加。FINANCIAL FIELDの元記事の掲載内容の変化などについて追加)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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