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またしても進学塾で「盗撮事件」、子どもを被害者にしないためには? トイレ個室の「不自然な物」に要注意
画像はイメージです(Fast&Slow / PIXTA)

またしても進学塾で「盗撮事件」、子どもを被害者にしないためには? トイレ個室の「不自然な物」に要注意

またも進学塾を舞台とした「盗撮事件」が起きた――。

大手進学塾「栄光ゼミナール」系列の個別指導塾の教室が入るビルで、女性用トイレにスマホを仕掛けて、女性の下半身を盗撮したとして、元教室責任者の40代男性が性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の疑いで警視庁に逮捕された。

複数の報道によると、男性は昨年6月ごろから盗撮をしていたとみられる。また、東京新聞によると、塾関係者が今年2月、トイレのスマホに気づいて警察に相談していたという。

中学受験で知られる「四谷大塚」で起きた盗撮事件が耳目を集めたばかりだが、今回のような被害を防ぐにはどうすればいいか。加害者側被害者側含めて、これまで300件を超える盗撮事件を扱ってきた河西邦剛弁護士に聞いた。

●トイレ盗撮には「設置型」と「ブース潜入型」がある

一言で盗撮事件といっても、さまざまな類型があります。一番多い類型が、駅のエスカレーターなどでスカートの中を撮影するというもので、これが盗撮全体の6~7割にのぼります。

それ以外には、駅や商業施設のトイレでの盗撮、ラブホテルなどで風俗店勤務の女性の盗撮、更衣室の盗撮、民家の盗撮などがあります。

いずれも「性的姿態等撮影罪」に該当しますが、今回の事件のようなトイレでの盗撮は、より一層嫌悪感が強く悪質です。

被害態様としては、今回のようにスマホや小型カメラを設置するケース(設置型)や、"犯人"が隣のブース(個室)に潜んで、その隙間からカメラを差し向けるケース(ブース潜入型)があります。被害者は女性が多いですが、男性が被害を受けるケースもあります。

ブース潜入型については、もし見つかった場合、ほとんどの"犯人"は一目散に逃走しますが、その姿がトイレ周辺の防犯カメラに映っていたり、逆に被害者に写真を撮られて特定されるケースもあります。

●多種多様な小型カメラが販売されていている

トイレでの盗撮被害にあわないためには、ブースに入った際に不審物がないか注意することです。女性用・男性用トイレでもそうですが、コンビニやカフェなどの兼用トイレを使用する際には特に注意が必要です。

現在は防犯用と称して、多種多様な小型カメラが販売されていて、ハンガー型、充電器型、カギ型などのカメラが悪用される傾向にあります。公共トイレを使用する際には、ブース内に不自然な物がないか警戒して、もしカメラを発見した場合は警察に通報しましょう。

●職場関係者の中に"犯人"がいることも

今回のケースのように、職場のトイレで小型カメラが発見された場合、証拠品は、第三者を介さずに直接、警察に渡すことが重要です。残念ながら、職場関係者の中に"犯人"がいることもありえます。その場合、証拠データを消されてしまうかもしれません。

カメラは大事な証拠となります。たとえば、カメラを設置する際に"犯人"自身の姿が映り込んでいることがあります。また、カメラには第三者の指紋を付けさせないことも重要です。

小型カメラ本体や差し込まれているmicroSDカードには、"犯人"の指紋が付着しているケースが少なからずあります。"犯人"は、回収されたカメラに積極的に手に取り、指紋を付着させることもありますので、発見した人以外はカメラに触れさせないことです。

●子どもは「被害者」にも「加害者」にもなりうる

子どもも盗撮の被害者になっています。特に学校や塾の教育現場や、日常生活の中で被害にあわないために、トイレや更衣室の小型カメラに注意することを呼びかけることです。

また、逆の方向になりますが、中高生が学校の更衣室やトイレにカメラやスマホを仕掛けて盗撮するケースも少なくありません。子どもを加害者にさせないという観点からも、盗撮が犯罪にあたることを学校などで周知していくことが重要でしょう。盗撮に及ぶ成人の中には中高生のころから盗撮していた人間が一定数いるのも事実です。

プロフィール

河西 邦剛
河西 邦剛(かさい くにたか)弁護士 レイ法律事務所
「レイ法律事務所」、芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事。「清く楽しく美しい推し活〜推しから愛される術(東京法令出版)」著者。

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