同僚の肛門に空気注入して死なせた疑い…「悪ふざけ」の言い分は通用する?
写真はイメージ(claudiodivizia / PIXTA)

同僚の肛門に空気注入して死なせた疑い…「悪ふざけ」の言い分は通用する?

同僚男性の肛門に空気を注入する暴行を加え、死なせてしまったとして、埼玉県杉戸町の産業廃棄物業者の従業員2人が12月17日、傷害致死の疑いで埼玉県警杉戸署に逮捕された。

報道によると、2人は事業所内で12月16日昼、同僚男性を押さえつけ、業務用の空気圧縮機でズボンの上から肛門に空気を注入した。同僚男性は腹痛を訴え、病院に運ばれ、約7時間後に死亡した。

2人は「普段から同僚同士ふざけて顔や臀部(しりの部分)に空気をかけあっていた」「こんなに大事になるとは思わなかった」と話しているという。「悪ふざけだった」という言い分が本当だった場合、罪の重さに影響する可能性はあるのか。西口竜司弁護士に聞いた。

●傷害致死罪に該当する理由

「ニュースを聞いて、『どういうこと』と思ってしまいました」

今回の事件をどうみたらいいのか。

「あくまで形式論でいきますと、臀部に空気を掛けるという行為は少なくとも人の身体に対する不法な有形力の行使にあたり『暴行』(刑法第208条)に該当することになります。そして、暴行の結果、人に傷害を負わせ、死亡させた場合、傷害致死罪(刑法第205条)に該当することになります。

今回の事件は、逮捕容疑のように、傷害致死罪に該当する可能性が高いでしょう。なお、読者の皆さんの中で人を殺したんだから殺人ではないのかという意見もあろうかとは思いますが、殺人罪が成立するためには殺意がなければいけません。しかし、今回の事件で殺意の認定が難しく殺人罪までは成立しないと考えます」

「ふざけていた」の言い分をどう考えればいいのか。

「今回の事件では悪ふざけだったという話が出ており、被害者の同意があったのではないかという問題にもなりますが、社会的にみて相当といえない行為は違法性が阻却されませんので、このような事情は犯罪の成否に影響を与えないでしょう。

ただし、情状面で若干の減軽の可能性はあるかもしれません。実際どのような経緯でこのような行為が行われたのか、日常身体に支障を来していなかったのかといった周辺的な事情により答えは変わってきますね。

いずれにせよ被害者の方のご冥福をお祈りすると同時にこのようなことが起こらないことを切に願います」

(弁護士ドットコムニュース)

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