広島弁護士会(会長:坂下宗生弁護士)は11月29日、会員の加島康介弁護士が、警視庁から弁護士事務所と自宅の家宅捜索を受けたことについて、「極めて深刻に受け止めています」とする会長談話を発表した。
捜索容疑は今年2月、「ルフィ」などと名乗り広域強盗事件を指示したとされる被疑者と接見室で面会した際、スマホで被疑者と外部の関係者とをビデオ通話させるなどして、窃盗容疑の証拠を隠滅した疑い。なお、接見後、加島弁護士は弁護人には選任されなかった。
談話は「仮に真実であるとすれば」とした上で、「弁護士と被疑者・被告人との間の秘密接見交通権の意義を蔑ろにしてこれを悪用する極めて悪質で看過し難い行為」と批判した。綱紀懲戒手続に付することを視野に入れて対処するという。
なお、加島弁護士は、持続化給付金など約2000万円をだまし取ったとして詐欺罪で実刑判決を受けており、控訴審公判中でもある。
弁護士法では、禁錮以上の刑に処せられると弁護士資格を失うことになる。