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2017年09月07日 09時45分

「恋人同伴ならご馳走するよ」常連客からの提案、「レンタル彼女」で騙したら犯罪?

「恋人同伴ならご馳走するよ」常連客からの提案、「レンタル彼女」で騙したら犯罪?
画像はイメージです

今年5月で30歳になった会社員Sさん。これまで恋人がいたことがなく、いわゆる「年齢=恋人いない歴」という男性です。そんなSさんは今、「レンタル彼女」の利用を検討しているといいます。

話は少し前にさかのぼります。その日、Sさんは仕事帰りに行きつけのバーへ行ったそうです。カウンターには、初めて出会う50代の男性コンビ。見るからに、広告代理店といった雰囲気です。1人だったSさんは、早速声をかけられました。「君いくつ」「仕事何しているの」「彼女いないの」ーー。

Sさんが、恋人はいないと打ち明けると、おじさんたちは「若いのに積極性が足りないんだよ」と言って、「賭け」を提案してきました。3週間あげるから、その間に恋人を作って、次回連れて来いというのです。

「彼女を連れてきたら、好きなボトルを入れてあげるよ。ダメなら君が僕たちの分を入れるんだ」

Sさんは、この店を気に入っていたので、常連さんと気まずくなるのは避けたいと考えました。かといって、「ダメでした」とおじさんたちにお酒をご馳走したところで、長々お説教を食らうことは目に見えています。

もし、Sさんが「レンタル彼女」を依頼して、おじさんたちを欺き、ボトルを入れてもらったとしたら、法律的には問題があるのでしょうか。村木亨輔弁護士に聞きました。

●そもそもボトルを「賭ける」ことは問題ないのか?

ーー「賭け」って禁止されているんじゃないの?

Sさんとおじさんたちとが賭けているのは、3週間以内にSさんに彼女ができるかどうかについてです。彼女ができるかどうかは、Sさんの技量にもよるでしょうが、Sさんはこれまで交際したことがないとのことですので、「運」の要素が大きいと言えそうです。

そうすると、偶然の支配により、金銭、その他の財物や財産上の利益の得喪を争うことを禁じる賭博罪(刑法185条本文)の成否が問題となりそうです。

ところで、賭けの対象が「一時の娯楽に供する物」にあたる場合、例外的に賭博罪は成立しません(刑法185条但書)。その判断基準としては、財物の僅少性と費消の即時性が考慮されます。具体的には飲食物やタバコなどがこれにあたりますが、金銭そのものを賭ける場合には、額が低くても賭博罪の成立を認めた裁判例があるので注意が必要です。

ただし、食事代金と同程度の金銭を賭ける場合(おごるなど)には、食事そのものを賭けたわけではありませんが、「一時の娯楽に供する物」にあたるとされます。そうすると、Sさんとおじさんたちは、「勝者が選んだボトル代金を敗者が支払う」ことを賭けたに過ぎず、例外的に賭博罪は成立しないと思われます。

●レンタル彼女で騙すと「詐欺罪」が成立する恐れも?

ーーレンタル彼女でおじさんたちを騙して、ボトルをおごってもらうのはあり?

おじさんたちが本当の彼女だと勘違いしたことで、ボトルを入れてもらった場合、詐欺罪が成立する恐れは否定できません。話を持ちかけてきたのはおじさんたちですが、嫌なら断ればよかっただけですので…。

他方、賭けに勝ってもボトルを入れてもらうつもりがなく、場を持たせるために勝負をしたのなら、故意もないでしょうから詐欺にはあたらないでしょう。

ーーSさんによると、おじさんたちは「ハンデ」として、「騙し通せるなら、知り合いや街中で見つけた女性でも良い」と言ったそうだが…

それが本当だとしたら、同行した女性がSさんの彼女かレンタル彼女かは最早重要ではないと言えます。レンタル彼女を連れて行ってもおじさんたちを騙したとは言えないでしょうから、詐欺罪にはあたらないでしょう。

ーーもし「レンタル○○」を利用して、カップル特典をゲットした場合、問題になる?

レンタル彼女を同行させて、割引のカップル特典を利用した場合、通常料金の負担を免れて割引料金代しか負担しておらず、差額分の損害を店側に与えたことになります。

そのため、店側より民事上の損害賠償請求をされることや、上述の詐欺罪の成否が問題となることも否定できません。

ですが、店側がそのような特典を設けたのは、そもそも一人でも多くの客に店を利用してもらうことが目的だったと言えそうですので、責任追及される可能性自体は大きくないように思います。

(弁護士ドットコムニュース)

村木 亨輔弁護士
虎ノ門法律経済事務所神戸支店の支店長弁護士。東京本店を中心に、全国に25の支店があり、今後も各地に拡大する予定。本店支店間が相互に連携を取ることにより、充実したリーガルサービスの提供を可能とする。
所在エリア:
  1. 兵庫
  2. 神戸
  3. 中央区
事務所URL:http://kobe.t-leo.com/

この記事へのコメント

酒は静かに飲むものだ 50代 男性

賭博だ詐欺だという以前の問題として、その50代男性コンビのセコさが嘲えるね。
そうやって無理難題を吹っかけて、酒代を出させようという魂胆が透けて見えるのが、アワレというかサモシイというか。
断れば、というけど、たぶんそういうこともできにくそうな気弱そうな人をターゲットにしてるんだろうね。
一種のたかり行為なんじゃないの?(笑

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