博多三大祭りの1つで、700年以上の歴史を持つ「博多祇園山笠」。はっぴにふんどし姿の男性が、「山」と呼ばれるみこしを担いで街をねり歩く伝統行事だ。この山笠で昨年7月、祭りに参加したふんどし姿の女児の尻や太ももをスマートフォンで撮影していたとして、福岡県は2月3日、総務部の男性職員(35)を停職6カ月の懲戒処分にした。
ネット上では、「祭りにカメラ持っていたら駄目な時代きたな」「祭りの風景を撮影すれば普通に女児が映り込むと思うがどの辺が境界線なんだろうな」など、様々な意見が出ていた。中には今回の停職6カ月の処分は重すぎると指摘する声もあった。どこに問題があったのか、弁護士ドットコムは、福岡県人事課に取材した。
●「児童ポルノに対する社会感情の高まりを考えた」
同課によると、男性職員は昨年7月13日15時ごろ、福岡県博多区の呉服町の路上で、小学生を中心とする「子ども山笠」に参加していた女児の尻や太ももをスマートフォンのカメラ機能でズーム撮影していたところ、現場にいた警察官から職務質問を受けたという。
男性職員は昨年11月に県迷惑防止条例違反の疑いで書類送検され、12月に起訴猶予処分となった。男性職員が撮影した女児の写真は複数枚あり、警察が全て押収して消去した。福岡県も、職員の行為が県迷惑行為防止条例に違反すると判断し、停職処分の中では最も重い、停職6カ月とした。
男性職員は福岡県の調査に対して、「山笠を見るのも好きだったし、女児にも興味があった」と話しているそうだ。5~6年ほど前から、スーパーなどで女児を撮影していたという。
男性職員の勤務態度は真面目で、欠勤もほとんどなかった。停職6カ月の処分を下した理由について、同課は「昨年度、痴漢や盗撮など、県職員の性的非行が相次いで4件も発生した。公務員が性的非行を行うことの重大さと、児童ポルノに対する社会感情の高まりを考えて、停職処分の中では最も重い処分を下した」と話している。
今回の件を受けて男性職員は、「申し訳ない気持ちでいっぱいだ。児童ポルノの単純所持が犯罪になることもわかっている。今後は心を入れ替えて、絶対に、女児の撮影は行わないと誓う」と話しているそうだ。