交通事故や相続分野で地域に貢献「一人で悩みを抱えず、まずは相談を」
自分の非力さを痛感し目指した弁護士
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
大学では国際法を研究していました。司法試験とは直接関係がない分野でしたので、入学当初は法曹を目指そうとは考えていませんでした。
ところが大学2年生の頃に、歯科医をしていた兄が土地取引のトラブルに巻き込まれる事件が起こったんです。開業していた土地が二重に売買され、所有権を巡る争いが起こりました。最終的に解決はしたものの、法律を学んでいるのに何もできなかった自分の非力さを痛感しました。
兄の事件をきっかけに、困っている人の役に立つ法律家になりたいと考え、司法試験を受けて弁護士になることを決意したんです。
ーー学生時代はどんな風に過ごしていましたか?
海外が好きで、大学生の頃に1か月ほどトルコに滞在していました。トルコを選んだのは物価が安いからという理由でしたが、行ってみると文化圏の違う人たちが集まっていて、刺激的な国でした。
大学生時代にさまざまな価値観を持った人と出会えたことは、大きな財産だと思います。
依頼者の納得できる解決を
ーー現在の注力分野とその分野に力を入れている理由を教えてください。
交通事故に注力しています。日常生活に車が欠かせない地域ですので、地元の人にとって事故は身近な問題であり、困っている人が多いことから注力するようになりました。
また、以前務めていた事務所で保険会社の顧問をしていたことがあり、多くの交通事故案件を経験したことも注力している理由です。
交通事故は奥が深い分野で、教科書通りに解決できない事案が多々あります。たとえば追突事故の場合、追突した側の過失割合が高くなるのが一般的です。しかし、路面が凍っていた場合は、一般的な過失割合と同じでいいのかという疑問が生じます。仮にその道路が有料道路だった場合には、「路面が凍結していたのになぜ通行止めにしなかったのか」という管理者の責任問題に発展する可能性もあります。
追突事故一つとっても、場所や状況によって内容は変化し、まったく同じ事故というものは存在しません。だからこそ、弁護士としての経験が問われる分野でもあり、日々研鑽を積むことが大切だと思っています。
ーー仕事をするときに、心掛けていることを教えてください。
依頼者の経済的合理性を優先することです。「弁護士に依頼して損をした」ということにならないように、納得感を持ってもらうことが重要だと考えています。そのため、事件の見通しとともに費用についても詳細に説明するようにしています。
見通しが厳しいにもかかわらず、無理に法的手段に訴えるのは勧められることではありません。中には「それでもいい」と言う依頼者もいますが、感情で先走ってあとで悔やむようなことはしてほしくないので、じっくり考えてもらうようにしています。その際、他の弁護士に話を聞くように勧めることもあります。
弁護士によっては違う判断をする可能性もありますし、依頼者と弁護士との相性は事件を円滑に解決するために大切な要素だと思います。
他の弁護士の話を聞いた上で、当事務所に依頼してくれてもいいですし、他の事務所に依頼するのでもよいと思っています。最終的に、依頼者が納得のいく結論を出すことが大切だと思います。
ーーこれまでの弁護士活動で印象的だったエピソードや案件を教えてください。
盗難防止装置イモビライザーを搭載した車の盗難事件が印象に残っています。
車を盗まれた依頼者は車両保険に加入していたのですが、保険会社から「盗難は虚偽」と判断され、保険金が支払われなかったのです。当時、イモビライザーが普及し始めたばかりで、「イモビライザー搭載車が盗まれるわけがない」というのが世間の認識でした。
保険会社は「車ははじめから存在しなかったのではないか」と疑っていたため、依頼者が車を所有していた事実を証明するために、行きつけのレストランの店員に話を聞くなどして証拠を集めました。次に、過去の判例に同様の事件があることを見つけ、イモビライザー搭載車でも盗難に遭うという主張をしたんです。
結果的にこちらの主張が認められ、無事に依頼者に保険金が支払われました。もしも「イモビライザー搭載車は盗まれない」という先入観にとらわれていたら、事件を解決できなかったかもしれません。新しい技術やシステム、法改正など、時代は変化しますので、常にアンテナを張っておくことが重要だと考えさせられた事件でした。
生前対策のアドバイスなど相続分野にも注力
ーー休日の過ごし方や趣味を教えてください。
休日は、中学生の子どもに勉強を教えています。趣味は大きな家を見ることです。歴史的価値や建築に関心があるのではなく、子どもの頃から大きな家を見ると不思議とワクワクして、自分の歩幅で広さを測ったりしていました。
住宅街をうろうろ歩き回るのは不審者と間違われてしまう危険があるので、子どもの頃のように散策することはしなくなりましたが、外出した際に大きな家を見かけると、童心に返って眺めてしまいます。
ーー今後の展望について教えてください。
目の前の案件に向き合い、一つひとつ丁寧に解決して地域の方々の役に立つ活動を続けていきます。分野に関しては、これまで通り交通事故に注力しながら、相続分野にも力を入れていくつもりです。
相続トラブルは大きな財産がある人だけの問題と考えている人も多いかと思います。ですが、仮に貯金がなくても持ち家があれば、手続きが必要になります。相続人が複数人いれば、家を売却するのか、所有したまま財産分割するのかといった選択に迫られることもあるでしょう。
相続は生前対策など紛争を未然に防ぐ方法もいろいろとあります。専門家だからこそできるアドバイスを通して、困っている方々の手助けができればと考えています。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方に、メッセージをお願いします。
悩みを一人で抱えるのは本当に大変なことです。まずは信頼できる人に相談してください。相談することによって、その人が知識を持った誰かに繋いでくれるはずです。繋がった先が私であれば、役に立てるように最善を尽くしますので、安心して相談してください。