障がい者や高齢者、生活困窮者の権利を守りたい…社会福祉・借金・相続の分野に注力
「弱い立場の人を助けたい」子どものころから持ち続けた思い
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
小学生の頃から、弱い立場の人を助けたいという気持ちがありました。最初は警察官になることが夢でしたが、高校生の時に体を悪くしたためその道はあきらめました。それでも困っている人を助けたいという気持ちは変わらず、法律を使って人助けができる仕事として、弁護士を目指そうと思いました。
ーーどんな学生生活でしたか?
大学では剣道部に所属していました。週に4日ほど部活があり、部活がない日は塾講師のアルバイトをしていました。私が中学生の時に通っていた塾で、大学生になったらお手伝いをしようと思っていたんです。
自分で言うのもなんですが、昔から真面目な性格だったので、大学の授業は休むことなく出席していました。そのため、クラスメイトから「勉強を教えてほしい」と頼まれることもありましたね。
ーー人に教えることが得意だったんですね。
自分の経験や知識を人に伝えるのは好きですね。剣道部でもよく後輩にアドバイスをしていました。後輩からしたら鬱陶しい先輩だったかもしれませんが(笑)。
今も大学の非常勤講師として、法学部の学生に授業をしています。教える側ですが、学ぶことも多いですね。弁護士は、法律がわからない人に対して、いかにわかりやすく伝えるかが大事です。学生に教えることは、弁護士の活動にも活かされていると思います。
介護現場の問題を知り、高齢者や障がい者の力になることを決意
ーー弁護士になられてからの注力分野と注力されている理由を教えてください。
高齢者や障がい者、生活に困っている方たちの権利を守る活動や、それにまつわる社会福祉、借金、相続といった分野に注力しています。
ホームヘルパーをしている母から介護現場の話を聞くたびに、介護制度の理念と現実との矛盾を感じていました。十分なサービスを受けている人がいる一方で、経済的な理由などから介護を受けられない人がいます。本来ならば困っている人にこそ助けが必要なのに、社会福祉が必要なところに行き届いていない。そうした問題が存在すると知り、高齢者や障がい者の力になりたいと思いました。
ーー社会的に立場が弱い人を助けるための活動についてお聞かせください。
今は、障がいのある子どもの支援に取り組んでいます。教員による障害のある生徒への体罰について、学校や教育委員会の責任を追及する裁判を起こすことになり、その弁護団の一員として活動しています。
ーー先生は「子どもの権利委員会」をはじめ、多くの人権団体に所属して活動されていますね。
私自身は「人権派弁護士」を自負しているのですが、私のように社会問題や市民運動に関心を持っている弁護士は最近は少ないのかもしれないですね。幸い、私が所属している弁護士事務所がこうした活動に理解があるので、憲法に関わる市民団体での活動や講演などもしています。
ーー弁護士として活動される中で、特に印象に残っている事件をお聞かせください。
弁護士になって初めて国選弁護を担当した強制わいせつ事件です。被害者は、加害者の実子でした。弁護士1年目の新人が担当するにはとても難しい事件でした。
加害者の家族は、被害者の家族でもあるわけですから、話をする際にも気を配らなければなりません。依頼者の要望を家族に伝えたら激怒されたこともありました。要望が通らなかったと依頼者に話せば暴言を吐かれ……。双方の板挟みに合って辛い日々でした。
最終的には不起訴処分になり、家族は事件後も一緒に暮らしているようです。その家族にとって、どういう結論が幸せなのかと悩んだ事件でした。
「遠慮なく悩みをぶつけて」
ーー休日の過ごし方を教えてください。
家で過ごすことが多いです。韓国の音楽が好きで、家でよく聞いています。韓国語を勉強するために、NHKの韓国語講座を毎週見ていました。コロナが収まったら韓国旅行がしたいですね。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
多くの案件を担当して、一人でも多くの人を助けたいと思っています。最近は、昔に比べて依頼者と弁護士の関係が希薄になっているのではないかと感じています。先輩弁護士の話を聞くと、過去の依頼者と現在でも交流があったり、依頼者の紹介で相談に来る人がいたりと、弁護士の仕事を通じて人間関係が築かれているように思うんです。先輩方のように依頼者と関係を築ける弁護士になることが理想です。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
私が所属する事務所は、地元の人が気軽に来れるようにあえて裁判所から離れたところにあります。ですから、気兼ねなく相談しに来て欲しいです。
勇気をもって相談してくれた依頼者には、真正面から向き合いたいと思っています。どうぞ遠慮なく悩みをぶつけてください。