交通事故を中心に幅広い分野に対応〜「法律に詳しくないために損をしている人の役に立ちたい」
町工場を営む両親の役に立つため法律の道に
ーー弁護士を目指したきっかけを教えて頂けますか?
実家が自動車や飛行機の部品を製造する町工場を経営していて、子どもの頃から父や母の仕事ぶりを見ていました。何か大きなトラブルがあったわけではないのですが、取引先と契約書を交わす際などに法律の知識が乏しくて困っている両親の姿を見るにつけ、役に立ちたいと思っていました。
法学部に進学した時点では弁護士を目指すという考えは一切なく、民間企業に就職して法務部として大学で学んだ知識を活かすつもりでいました。ですが、弁護士資格を持っている大学のゼミの先生から、「企業に必要な法律を身につけるなら、弁護士として企業に携わるのが良い」と教わったんです。
先生のアドバイスを聞いたことで、「両親の役に立ちたい」という漠然とした思いが「弁護士になって両親の役に立つ」という明確な目標に変わりました。
ーーどのような学生時代を過ごされたのでしょう?
大学では法律相談サークルに参加して、北陸三県に住む方々の法律相談を受けていました。実際に悩みを抱えている方々と話すことで、世の中にはどのような問題があるのかや、座学で学んだ法律知識をどう使えば解決できるのかを知ることができました。
法律相談サークルの活動を通じて一番に感じたことは、法律の知識が乏しいために損をしている方が多いということです。昔ながらの風習もあるのでしょうが、契約書を作らずに不当な約束をさせられていたり、自分の土地を無断で他人に使われていたりなど、権利を侵害されているケースが多々ありました。
私の両親同様、法律に詳しくないことで損をしている方が大勢いることがわかり、そのような方々の力になりたいと改めて思いました。
「他の弁護士がやっても同じ」という事件処理はしたくない
ーー現在、注力している分野を教えてください。
幅広い分野に対応していますが、取扱件数が比較的多いのは交通事故と中小企業の顧問です。
交通事故は被害者側の相談を中心に扱っており、保険会社から提示された過失割合に納得していないという方や損害賠償額が適正か知りたいという方からの相談が多いです。
ーー交通事故の相談を弁護士にするメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
保険会社から最初に提示される賠償額は適正でないことが大半です。損害賠償額にはいくつか算定基準があり、弁護士が参考にする裁判所基準は、保険会社の基準より高く設定されています。そのため、弁護士に保険会社との交渉を依頼することで、賠償金が増額する可能性があるのです。
被害者の中には弁護士費用を気にされる方もいますが、弁護士費用を差し引いても、保険会社が提示する金額より多く獲得できる可能性があります。ですから、交通事故に遭った際には弁護士に相談することをお勧めします。
また、交通事故に遭われた方は誰もが不安になると思います。不安な気持ちを抱えたまま保険会社と交渉をしたり、勤務先に連絡したりといったことは精神的負担になります。そうした負担を軽くできることも、弁護士に依頼するメリットだと思います。
ーー仕事をする上で心掛けていることを教えてください。
依頼者にとって一番適切な選択をしてもらいたいと常に思っています。依頼者の思いは様々で、「お金よりも気持ちが大事」という方もいます。依頼者の気持ちを汲むことももちろん大切ですが、気持ちを重視して金銭的に損をさせてしまうようでは、最善の解決をしたとはいえません。他方で、金銭的な解決ばかりを重視してしまい、依頼者の本当の悩みを置き去りにしてしまってもいけません。
客観的な視点から見てどう解決するのが良いかを考えるのが弁護士の務めですので、依頼者が心から満足できる解決策を選択肢として用意することを心掛けています。
ーーこれまでに受けた依頼で最も印象に残っていることは?
身寄りのないホームレスの人が起こした窃盗事件を担当したことがあります。空腹に耐えきれずスーパーで食品を盗んでしまったという事件でした。
前科などもなく、仮に裁判になったとしても重い刑にはならないと考えられたので、通常の事件処理で進めても問題はなかったのですが、それだけでは足りない気がしたのです。
執行猶予がついて元の生活に戻れたとしても、帰る家もなく、頼る人もいなければ、同じ過ちを繰り返してしまう可能性があります。国選事件とはいえ、縁あってその方の弁護人を務めることになったのだから、二度と同じことが起こらないように支援できることはないかと考えました。
そこで、社会福祉士やホームレスの自立支援センターに連絡を取り、住居や就労先を見つける手伝いをしたんです。事件の方は見通し通り比較的軽い刑ですみ、無事に住居を見つけて就労支援を受けられるようになりました。
その後は本人と直接会えてはいませんが、社会福祉士から「就労先も決まり元気でやっている」と報告を受けています。本来の弁護士の領域からははずれていたかもしれませんが、頑張った甲斐があったと嬉しく思います。
この事件に限らず、「他の弁護士がやっても同じ」という事件処理はしたくないと思っています。どんな事件であっても、自分が担当になったからには、自分なりの結果を出したいという思いがあります。今後もその姿勢を変えることなく、事件に取り組みたいと思います。
「トラブルを防ぐアドバイスができるのも弁護士です」
ーー休日はどのように過ごしているのですか?
最近、習字を始めました。小学生の時も習っていたのですが、その時は親に言われて仕方なく習っていたため、あまり楽しいと感じることはありませんでした。
大人になってから実生活で手書きの文字を書く機会は減りましたが、いざという時に綺麗な字を書けた方がいいと思い、もう一度始めたんです。
子どもの頃と違って、今は楽しく習字ができています。一筆一筆集中して書くと、精神が研ぎ澄まされる感覚があり、自分の字と向き合う時間がとても貴重に感じます。
ーー今後の展望を教えてください。
弁護士登録から3年が経ちますが、今は経験を積む時だと思っています。経験から学ぶことはとても多く、刑事事件で経験したことが民事事件で活かされることなどもあるため、今は分野を絞ることなく幅広い事件に取り組んで、多くのことを学びたいと思っています。
そして、経験を積んでいく中で自分の専門性を見つけ、「この分野なら杉浦弁護士」と言ってもらえるような弁護士を目指します。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて困っている方へメッセージをお願いします。
弁護士に相談するのは敷居が高いと思われている方がまだ多いように思います。なかなか相談できず、事態が深刻になってから相談に来る方も大勢います。
弁護士に相談したら必ず依頼しなければいけないというわけではありません。むしろ、相談だけで問題が解決するのなら、その方が良いと思います。
「弁護士はトラブルに対処する仕事」と思われている方が多いかもしれませんが、トラブルを防ぐアドバイスができるのも弁護士です。トラブルに発展していない問題であっても、悩みを抱えているのであれば、気軽にご相談ください。