家庭の問題も企業法務も気軽に尋ねられる「町の相談所」のような存在でありたい
学生時代から法律相談に携わる
ーー弁護士を目指されたきっかけを教えてください。
小学校の社会の授業で冤罪事件が取り上げられたときに「こんなことあったらあかんでしょ」と思ったのが、弁護士に興味を持った最初のきっかけです。その事件というのが「免田事件」。殺人罪で死刑判決を言い渡された免田栄さんが無罪を訴え、何回もの再審を経て事件発生から34年6か月後に再審無罪判決が下された事件です。
免田事件に衝撃を受けて、以後、中学、高校と弁護士を目指していましたが、大学に入ってから、自分の方向性に悩んだ時期がありました。弁護士として制度や社会の大きな不備を正すのは、自分でなくても周りにいくらでも優秀な人がいるので、その人がやればいいのではないかと思ったのです。
一方で、大学で法律相談部に入り、一般の方の相談を受けていました。週に1〜2件引き受けるので、年間通したら40〜50件ぐらいですかね。
相談の内容は、離婚などの家庭内トラブルや、セクハラなど周りに相談しにくい案件でした。あとは、お金や建物の貸し借りに関することが多かったです。
相談に来る方はトラブルに対する怒りや悲しみを抱えていました。そういう気持ちへのケアは、周りの部員より私の方がうまいかなと気づき、私も弁護士としてやれることがあるのではないかと思い直したんです。それで、ロースクールに進学することを決心しました。
安心して何でも話せる雰囲気が持ち味
ーーどのような分野の案件を手がけているのですか。
所属事務所で扱っている案件として多いのは、企業法務や交通事故です。
私はもともと、離婚などの家庭トラブルで悩まれている方のケアをしたいと思って弁護士になったので、個人としては、家事事件を主に手掛けております。
地元企業の支援にも携わりたいです。トラブル解決だけでなく、トラブルになる前の予防として「これって法的に大丈夫ですか?」と気軽に質問していただけるような存在になりたいですね。
ーー仕事をするときに心がけていることを教えてください。
依頼者の方には、なぜ自分が困った状況に置かれているのか、整理した上で帰っていただきたいと思っています。そのために、法律的なこともわかりやすく説明して、置いてきぼりにしないように心がけています。
状況を整理した上で、私の方からトラブル解決に向けてどうするべきかを提示します。中には、「ではこうすればいいかもしれない」と、自分で次に取るべき行動に気付く方もいます。いずれにせよ、状況整理が問題解決への第一歩なので時間をかけます。
ーー先生の弁護士としての強みはどのようなところだと感じていますか?
弁護士と依頼者の方の間には、話しづらい空気感が出る場合もあります。
たとえば、弁護士は「先生」と呼ばれることが多いですが、その「先生」に対して、反論しづらかったり、意見を言いにくかったりする方は少なくないのかなと。「これちょっとよくわからんけど、聞いたら私、アホと思われるんちゃうか」というふうに、ストッパーがかかるケースがあるように思います。
自分では、そういうストッパーがかからないような雰囲気を持っているのではないかと勝手に思っています。そこが強みと言えるかもしれません。自分で言うと恥ずかしいですが(笑)。
趣味はロードバイク
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
最近子どもが生まれたので子育てをしたり、近所を自転車で走ったりしています。ロードバイクなんですけど、週末には4時間ぐらい走っています。愛車は「コラテック」です。
私は京都の出身なのであまり愛知を走ったことはなかったのですが、先日、犬山城に行ってきました。コロナの影響で完全に閉鎖されていたので、お城を外から見てそのまま帰ってきたんですけど(笑)。
電車や車でも移動はできますが、自分の足で走る達成感があるのが自転車の魅力です。気になったお店にフラッと立ち寄ることもできますし、好きな風景を見て写真を撮るのもいいですね。あと、自転車に乗っていると「匂い」を感じるんですよ。田舎まで走ると田んぼの匂いがしますが、私は京都の田舎の方の出身なので、その匂いがすると懐かしくなります。自転車は五感で楽しめるんです。
ーー最後に、トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
恥ずかしいことは何もないですし、何をお尋ねになっても問題ないです。弁護士は、限界に達したから行く場所ではなくて、本当に気軽な気持ちで、「これはおかしいと思う」「納得できない」という疑問を尋ねてみる町の相談所ぐらいの感覚でいらしていただければと思います。
平日は事務所に来られない方も多いので、土日祝も相談を受け付けています。チャンネルはいつでも開いておこうと思っているので、気軽にご連絡ください。