
平田 米男
旭合同法律事務所
愛知県 名古屋市中区丸の内1-3-1 ライオンズビル丸の内3階インタビュー
平田 米男 弁護士 インタビュー

弁護士を目指したきっかけ
最初は検事志望でしたが、いずれ弁護士になるなら最初から弁護士の方が良い、とのアドバイスで弁護士を志しました。修習生は色々な先輩弁護士と交流する機会があり、修習の時に先輩の弁護士からアドバイスを受けました。
弁護士としては親しみやすく信頼される弁護士に、を目標にしました。また、大学には初めから法律家になろうと思って法学部に入りました。法律家を選んだのは正しいものを正しくしたいという私の正義感からです。
印象に残っている案件(事件)
私が弁護士になった頃は第一次サラ金問題の時代でした。その時代は大変厳しい取り立てがありました。玄関口で怒鳴ったり、張り紙をするなどの取り立てが毎日のようにあり、自殺事件が多い時代でした。そういった方々を救ったことが最初の印象的な出来事です。
また、交通事故の示談つき保険がなかった時代でしたので、交通事故は弁護士が関与するケースが多くありました。特に後遺症の認定についてよく争いをしました。当時は交通事故の被害者側の仕事が多かったですね。現在では示談つきになったので、保険会社のいいなりで示談にしているケースが多いようです。
交通事故の損害算定基準はいくつもあり、一番高いものは裁判所基準になります。場合によると保険会社の算定基準による金額と倍ぐらい違うこともあります。死亡事故や重い後遺症の場合では1000万単位の金額の差が生まれます。それをご存知なくて保険会社の基準の低額な金額の示談で終わっているケースが多いようです。
最近では、自動車保険のほとんどに弁護士費用特約がついています。交通事故の被害者になった場合に弁護士費用を自動車保険から出してくれる特約です。多くは家族の内どなたかが自動車保険に入っていればそれを利用できるようになりました。自分が被害者側になった時に気軽に弁護士に相談しやすい環境になっています。被害者の方は、是非一度弁護士に相談されることをおすすめします。
私の事務所では交通事故の被害者側の事件を受任することが多いのですが、そうした制度を依頼者に勧め、弁護士費用の負担をほとんどなくして対応させていただいています。
仕事の中で嬉しかったこと
やはり、話して安心した元気になった、依頼してよかったと依頼者や紹介者から感謝の言葉をいただくことに尽きますね。
弁護士になって大変だと感じること
正しい判決をもらうこと。和解する場合に依頼者を説得することです。そのためには依頼者と信頼関係をしっかり築くことが大切になります。コミュニケーションをしっかりと取り、できるだけ丁寧に説明をします。また、書面を作る時には、忙しくてもしっかり時間を取って、依頼者と検討をしながら提出します。懇切丁寧に説明をすることを心掛けています。
一生に一度あるかないかの弁護士との出会いですから、日頃、お医者さんに行くのとはわけが違います。もし、お医者さんに行くことに例えると、大手術を受けるようなことだと思います。そうしたケースですので、できるだけしっかりとしたご説明や将来の見通しを事件の有利不利に関わらず、説明することが大切なことだと思っています。
仕事をする上で意識していること
法律はどこまでも手段であるということ。依頼者の利益のためには必ずしも法律を振り回すことでないこと。正しい解決を目指すこと。これらの事柄を意識しています。
法律は色々な主張が出来るわけですが、主張を拡大することがトラブルを拡大していくことがあります。それが良いのか、悪いのかという判断をしっかりとする必要があります。特に離婚事件や相続事件や境界争いは感情が絡んでくる事件です。
そうした事件では「感情的になってはいけませんよ」ということを常に申し上げています。感情的になって色々と主張をされる方もいらっしゃいますが、その方の主張通りにすることが本当にその方にとっていいことなのかどうかということが非常に重要になります。そこは信頼関係をしっかりと築いて的確なアドバイスをして、やっていいこととやっていけないこと、言うべきことと言わなくていいことの区別を明確につけることが大事だと思います。
関心のある分野
会社・事業の再生に関心があります。
最近は離婚事件の依頼が多くなっており、依頼者を精神的にも支えるよう努めています。お互いに話し合いすることが難しくなってきたことで裁判所という公の場所でなければ話し合いができないというケースも増えたということでしょうか。
私は裁判にしないで調停だけで早期に解決できるように努めております。離婚というものはなってしまったことは仕方ないのですが、これから新しい人生のスタートだと考えて問題を捉えることが大事であると思っています。後ろ向きに感情的になって争うことはいかがなものかと思います。「これからあなた自身がどのように幸せになっていくかということを考えたほうがいいですよ」と申し上げています。
そうした意味では会社の事業と同じことだと思います。私の事務所は民事再生法ができた頃からすぐに民事再生法を使って大小様々な企業を再生させました。当時は民事再生の申し立てをするかどうかという社長の決断を得ることがまず大きな仕事でした。やはり債権者である取引先に迷惑をかけるということを社長としては申し訳なく思う感情もあります。そうした社長に対し、会社を生き残らせることが取引先のためにもなるのですという説得をしたことが多くありました。
先程の離婚の事件と会社の再生では前向きに考えるということが共通していることだと思います。起きてしまったことを悔やんだり、相手をそしったりしていても何も生まれません。未来に向けてどうしていくのかということ、またどちらの当事者も落ち込んでいるので、弁護士が精神的な支えにもなることが大切だと思います。単に法律的知識を提供するだけが弁護士ではありませんから。
今後の弁護士業界の動向
誤った大増員方針による混乱は相当期間続くことでしょう。社会正義の実現のために、専門職の中で弁護士は一番重要な責任と役割があります。
それを担える制度に回復しなければいけないと思います。私は大学中退ですが、弁護士になれました。今の制度ではなかなか難しいことになっています。現在の制度では例外も認めていないわけではないですが、基本的には法科大学院を卒業しなければ弁護士になれません。
階層を突破するとか、人生をやり直すチャンスを与えるのも司法試験の役割でした。それを一つのシステムにしてしまったことが私としては日本の社会にとってよかったことなのかと疑問に思っています。また、法学部を卒業し法科大学院を卒業し、浪人にならなければ司法試験に受験できません。そんな制度でいいのかと思いますね。
昔は大学在学中でも受けることができましたし、私自身司法試験に合格したので大学は中退しました。そういう意味では非常に硬直したシステムにしてしまったと思いますね。
弁護士を大増員し過ぎましたね。極めて単純な計算をしてしまった結果です。アメリカでは税理士も司法書士も弁理士もなく、全て弁護士が業務を担っています。そうしたことを考慮せず、弁護士増員が議論されていた当時は、単純にアメリカと日本の弁護士の数を比較し、日本も増やすべきだというめちゃくちゃな議論を展開しました。
弁護士以外に法律に関わる職業は日本にはたくさんあります。そうしたトータルな制度設計をしないで、議論をしてしまったことは根本的な誤りがあったと思います。当時の規制緩和推進のみの旗印の下での制度改革に大きな失敗があったと思っていますし、現に総務省が見直しをしろという意見を出しています。現実に、弁護士になっても就職できない人がたくさんいます。こんなひどい制度改革はないと思います。
自己紹介
- 所属弁護士会
- 愛知県弁護士会
- 弁護士登録年
- 1975年
所属事務所情報
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- 所属事務所
- 旭合同法律事務所
- 所在地
- 〒460-0002
愛知県 名古屋市中区丸の内1-3-1 ライオンズビル丸の内3階 - 最寄り駅
- 地下鉄丸の内駅から 徒歩3分
- 交通アクセス
- 駐車場近く
- 設備
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- 完全個室で相談
- 事務所URL
- https://www.asahigodo.jp/
所属事務所の取扱分野
- 注力分野
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- 交通事故
- 離婚・男女問題
- 相続
- 医療
- 税務訴訟
- 取扱分野
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- 借金
- 交通事故
- 離婚・男女問題
- 相続
- 労働
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