前川 弘美 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
当時、「自由業」と言われており、何について、どこで、どのようなスケジュールで働くかを自分で決められる仕事をしたいと思ったからです。自由業といっても依頼者の方との関係の上に成り立っていますから、何もかも決められるというわけではありませんが、やはり自分の裁量で決められる部分は大きいように思います。
弁護士として何をしたいかということは、弁護士になる前は、あまりしっかりしたビジョンはありませんでした。
実際に弁護士になってみても、何をしたいかというよりは、求められていることに応えるということが重要だと思います。ただその中で、こういう弁護士でいたい、というようなビジョンを持つようにしています。
仕事で嬉しかったこと・大変なこと
誰でも職場や家庭で悩みを持っていると思いますが、その悩みのために、本来その人が持っている力を発揮できていないという場面を何度も見るようになりました。
そのとき、弁護士として、その悩みに対して、少しでも解決の道筋をつけられ、その人が本来の力を発揮されるようになったとき、嬉しく思います。
大変だと感じるのは、仕事を進める中で、いろいろな判断を次々と求められ、それは法的な面だけでなく、経済的な面や人間関係も含めた判断が必要になると思いますが、その判断を誤ると、後になって、依頼者に相当な負担が生ずることも出てきます。将来の見通しについて、この判断で良いかを考えるとき、大変だと感じるときがあります。
仕事をする上で意識していること
「仕事で嬉しかったこと・大変なこと」とも関連してきますが、自分の判断は誤っていないかという点は常に意識していますが、弁護士はあくまでも代理人・アドバイザーであって、その判断を依頼者に強制するべきではないと考えています。
人生は、それぞれの人のものであり、いろいろな人生があることを弁えて、依頼者の価値観もよく理解する必要があります。
関心のある分野
法律上の分野として、特に関心を持つ分野は決めていませんが、これまで不動産に関係した案件が多く、関心をもって取り組んできました。
近時は、コンペのような形(プロポーザル方式)を通して多数の少額債権回収業務を請負っています。これは行政庁がホームページなどで弁護士や業者に募集をかけ、それに対していくつかの提案を示す手続きを通して選ばれた者が案件を担当するというものです。
私も最近知った制度ですが、弁護士の数が増えている状況ですので、こうした一種競争のような形は増えて広まって行くのではないかと思います。こうした募集に参加することで、弁護士の業務と言うものを見直すきっかけにもなりましたし、これまで事務所として十分にできていなかった分野として対応方法を工夫しています。
法律事務所が「社会の知的インフラ」になるための取り組み
社会の知的インフラとなるために、エリアごとに拠点を展開する必要があると考えていますが、それはできていません。
現在は、一つの拠点として集積度を高めることを考えています。
セントラル法律事務所に参加する弁護士は、各自、自分なりに専門化をし、事務所全体で総合的でバランスのとれた事務所となることを目指しています。
そのためにグループウェアソフトを利用し、各弁護士が、どういった案件を扱っているかということや、どういった意見を持っているかといったことを好きな時に書き込み、閲覧できる仕組みです。
例えば同事務所内で別々の弁護士が相手方を担当することがないようにといったチェックにも役立ちますし、会議をしない時でも、各人の進行状況や考えを共有できるようになります。10年程前から既存のソフトを用いこうした取り組みを行ってきましたが、現在ではより使いやすく私たちに適するように作った独自のものを活用しています。
また、事務所スペースは十分に余裕をもち、会議室の広さを確保し、文献資料などの集積をはかっています。
さらに、法律事務所として利用しやすいように、プライバシーの保護ができる相談室、待合場所にすること、依頼者との連絡のとり方についての配慮など考えています。
今後の弁護士業界、日弁連の動向
弁護士は、資格であって、どのように活動するかは、各自が考えていかなければいけないと思います。
自分のキャリアは自分で作る必要があります。
これまでの弁護士像をそのまま維持することはできない状況にあると思いますので、いろいろと挑戦していく必要はあると考えています。
もちろん不祥事が生じないよう配慮する必要は高くなっていくと思いますが、自由に発想していいと考えています。