悩みを晴らして青空の下へ 依頼者に寄り添い、10年先の未来を見据えたアドバイスを
悔しい思いをしている人に寄り添いたい
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
言いたいことを言えずに誤解されて、悔しい思いをしている人に寄り添いたい。子どもの頃から漠然と、そんなふうに考えていました。
弁護士を目指す直接的なきっかけになったのは、高校生のときに、少年事件に取り組む弁護士の講演を聞いたことです。少年事件で、なおかつ冤罪事件がテーマの講演でした。
その弁護士は、非行を疑われた少年の付添人を務めて、最終的に少年が無実であることを明らかにしたという話をしていました。講演を聞いていて、「身に覚えのないことで疑われて、悔しかったんだろうな」と少年に共感するとともに、付添人として少年の疑いを晴らした弁護士の活躍が心に残りました。
ーーこの講演を機に、弁護士を意識するようになったのですね。
そうですね。法曹への道も含めて興味のあった法学部を受験したのですが、同時に、興味を持てない分野も学ぶ必要があると考えて経済学部を併願したところ、結果的に経済学部に進むことになりました。そのため、大学に入ってしばらくは、弁護士への道は選択肢から外していました。
ただ、経済学の勉強をする中でも、弁護士の仕事や法律への興味は持ち続けていました。当時はまだロースクールがなく、司法試験予備校のガイダンスを聞きに行ったんです。そのガイダンスで、法学部でなくても司法試験を受けられると知り、一念発起して予備校に通うことを決めました。
ーー学生時代、サークル活動やアルバイトはされていましたか。
硬式テニスのサークルに入っていました。中学・高校とソフトテニス部に所属していて、特に中学は今ではありえないくらいスパルタな練習でした。でも、大学で入ったサークルはあまり練習熱心ではなくて。打ち込めることが見つからず、「このままではいけない」と思ったことも、司法試験を目指すきっかけになりました。
アルバイトは、家庭教師を3年くらい続けていました。今でもそのご家族とは交流があります。もう二、三十年来のお付き合いですね。今考えると非常に拙い教え方ではありましたが、どうしたらわかりやすく伝えられるか自分なりに工夫していました。弁護士の仕事でも、家庭教師の経験は活きています。法律相談や打ち合わせで、「私の説明のどこがわからなかったのかな」「そもそも何がわからなくて相談にいらしたんだろう」といったことを考えるときに役立っていると感じます。
悩みを解決して、青く清々しい空を見てほしい
ーーどのような案件を手がけていますか。
企業と個人の双方から相談を受けています。企業の方からの相談は、たとえば、従業員との間の紛争や契約関係のトラブルについてです。ご相談をきっかけに「顧問になってほしい」と言っていただくケースも多いです。個人の方からは、離婚の相談をよく受けています。
ーー仕事をする上で心がけていることはありますか。
早合点をせずにじっくりお話を伺うことです。そのうえで、依頼者の中長期的な利益を考えて方針を示すことを心がけています。
たとえば離婚の相談に来られた方は、「とにかく早く離婚したい」と、目の前の利益を優先する気持ちが強い場合があります。でもよく考えると、離婚を急ぐよりも、今後の生活に必要な条件を相手方と話し合ったうえで離婚を成立させた方がいいケースもあります。特にお子さんがいる場合は、離婚する前に養育費などの条件を決めておいた方が、あとあとトラブルが発生することを避けられます。
もちろん、暴力を受けているなど身の危険があれば、早急に離婚を成立させた方がいいです。そうでなければ、目先の利益だけではなく、5年、10年先の生活も見据えて離婚の条件を考えることが大事ですよ、と違う視点からアドバイスするようにしています。
企業の方からのご相談でも、「すぐに裁判を起こしてほしい」とおっしゃる方もいますが、中長期的に見ると経済合理性がないケースもあります。そのような場合は、必ずしも訴訟で闘うのではなく、和解を目指したり話合いで紛争を回避するといった道筋を助言します。
ーー事務所のホームページの「晴れた空の下へ」というメッセージが印象的でした。あのメッセージにはどういう思いを込めていますか。
私自身、高校1年生のころや司法試験受験中に、なかなか思いどおりにいかない時期や、自分の居場所がわからない時期がありました。そういうときって、天気としては晴れていても、自分の目に映る空は曇ったように見えるんですよね。
当時の私と同じように、悩みを抱えている方には、どんなに晴れ渡っている空もどんよりして見えるのかもしれない。1つでも問題を減らして、青く清々しい空を見てほしい。そんな思いを込めて書きました。
ーー弁護士になってよかったと思うのはどんなときですか。
それはもう、依頼者に感謝していただいたときです。
印象に残っている事件があります。十数年前に担当した国選弁護の事件です。ある方の交通事故の弁護をしたのですが、事案の性質上、その方の上司もまじえて、今後の対応について打ち合わせを進めました。依頼者の方、上司の方ともに非常に真摯に対応されて無事事件が終わったのですが、その際、「先生に担当してもらってよかった」と言葉をかけていただき、微力ながら役に立てたことを嬉しく思ったことを覚えています。
事件から数年後、その依頼者の方が勤めている会社から、連絡を頂きました。「顧問弁護士を探していて、ぜひ先生にお願いしたい」と言っていただき、今でも顧問を務めています。1つの事件が終わった後に思わぬ形で縁がつながり、印象深いです。
ためらわず、まずは相談を
ーー休日はどのようにお過ごしですか。
最近は子どもと一緒に遊んだり、勉強を教えたりして過ごすことが多いですね。趣味というほどではないですが旅行も好きで、結婚する前は1人で海外に行ったりしていました。
ーー今後の展望をお聞かせください。
これまで、縁あってご依頼いただいた方の事件に、とにかく一生懸命対応してきました。 真摯に対応していく中で、自分の得意分野ができていくのかなと思っています。
先ほどお話しした交通事故案件のように、今後もまた、思いもよらないきっかけで新しいご依頼に結びつくことがあるかもしれません。依頼者のお役に立てるように、1つ1つの案件に一生懸命取り組んで経験を積み、技術をアップデートしていきたいです。
ーートラブルを抱えて悩んでいる方にメッセージをお願いします。
相談する前に躊躇するのではなく、まずは一度話を聞かせてください。相談したからといって、必ずしも私に依頼する必要はないです。他の弁護士と比較しても構いません。
ご相談内容を詳しく伺って、「こういう見方もありますよ」と私の見立てをお伝えします。相性が合うなと思えたら、選んでいただければと思います。