刑事事件に注力〜依頼者、被害者それぞれの不安を汲み取り、きめ細やかに対応「感謝の言葉が励み」
読書に没頭した学生時代
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
子どもの頃から、漫画やアニメの影響で刑事事件に興味を持っていました。法律家になることを意識しはじめたのは、中学生のときに『ビギナー』というドラマを観てからです。司法修習生がテーマのドラマで、登場人物たちが法律の問題について議論を重ねる姿を見て「面白いな」と思い、法律を使って仕事をすることに興味を持ちました。
中学生のときは検察官になりたいと思っていて、修習時代も検察志望でした。残念ながら検察官の試験には受からなかったのですが、刑事事件を手がけたいという気持ちは変わらず持ち続けていたので、刑事事件に注力している現在の事務所に入所しました。
ーーどんな学生生活を送っていたのですか。
高校・大学と、本ばかり読んでいました。大学時代は、学校の図書館に朝から閉館までずっとこもっていましたね。海外・国内のミステリーをはじめ、そのとき目について興味を惹かれた本を手当たり次第に読みました。
弁護士になってからはなかなか読書の時間が取れなくなってしまいました。1日中図書館にこもっていられた学生時代は、本当に贅沢な時間だったなと思います。
被害者の気持ちを汲み取り、示談を進める
ーー刑事分野に注力していると伺いました。刑事弁護のやりがいを教えてください。
依頼者の方から感謝していただいたり、「先生のおかげで助かりました」と言っていただけたりすると、この仕事のやりがいを感じます。
同じくらい励みになるのが、刑事事件の被害者と接したときに、肯定的な言葉をかけていただくことです。
たとえば示談交渉では、弁護士が被害者と直接会って話し合いを重ねていきます。加害者の代わりに、誠心誠意、謝罪の気持ちを伝えたり、事件解決に向けていろいろな提案をしたりする中で、最終的に「こちらの気持ちを汲んでもらって、ありがとうございます」といった言葉をかけていただけると、本当に嬉しいです。
ーー被害者の方と接するときに心がけていることはありますか。
その方のお気持ちをできる限り汲み取ることです。事件によってどういう被害を受けて、今どういう気持ちを抱えていて、何を望んでいらっしゃるのか、注意深く聞くようにしています。
示談を進めるときにも、被害者の意向を叶えられるような解決方法を提案するようにしています。たとえば、「加害者がまた近づいてこないか不安だ」とおっしゃる場合は、接触禁止の条項を設けるなどの提案をします。
ーー刑事事件の依頼者への接し方で気をつけていることはありますか。
もちろん、依頼者は不安を抱えているので、その気持ちを汲み取ることは意識します。ただ、依頼者やその家族に対しては、感情に寄り添うというよりも、なるべく冷静な対応を心がけています。中立的・客観的な立場から、今後の見通しについて率直にお話しすることが大切だと思っています。
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
ある痴漢事件が印象に残っています。
被害者は日本に旅行に来ていた中国人の女性で、事件を受けたときにはすでに帰国していました。弁護士になりたての頃でもあったので、「どうやって示談しよう?」と悩みました。通訳の方に毎回メールを翻訳してもらったり、国際郵便で示談書を送ったりして示談を進めました。
最終的に示談は成立しましたが、新人時代に苦労した事件の1つとして印象深いです。
休日は美術館で過ごすことも
ーー休日はどのようにお過ごしですか。
最近は家で過ごすことが多いですが、ときどき美術館に行きます。美術館は以前から好きで、展示が変わるたびに足を運んでいます。リフレッシュというより、かえって疲れることも多いのですが(笑)。ただ、やはり実物はインターネット上の画像や図録とは全く違います。実物を見て、迫力に圧倒される体験を味わうのが面白いんです。
大学と大学院時代は、家でよくお菓子を作っていました。ラングドシャクッキーとか…。最近はゆっくり料理する時間がなかなか取れなくなってしまいました。ただ、忙しい中でも、週に1回は仕事から離れる時間を作って、気持ちをリフレッシュするようにしています。
ーー今後の展望をお聞かせください。
今年で弁護士5年目になり、同期には独立した弁護士もいます。私は今のところ独立は考えておらず、引き続き今の事務所で、自分ができることに全力を尽くしたいです。
ーートラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
最近、弁護士会の委員会活動で話題になるのが、一般の方の司法アクセスについてです。インターネットで弁護士を探すことに思い至らない方や、そもそもネット環境がない方に、どうやって手を差し伸べるべきか。私もよく考えるのですが、まだ答えは見つかりません。
もしもそういった方が、何かのきっかけでこのようなインタビュー記事や法律事務所のホームページにたどり着いてくださったら、弁護士が何かしらの手助けができる場合もあると思います。ぜひお気軽に、ご相談ください。