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「すき家のビジネスモデルは限界」 第三者委員会が「調査報告書」を公表
「すき家」を展開するゼンショー・興津龍太郎社長(左から2人目)に調査報告書を手渡す第三者委員会の久保利英明委員長(左から3人目)※写真はゼンショーホールディングス提供

「すき家のビジネスモデルは限界」 第三者委員会が「調査報告書」を公表

「すき家」の労働環境改善に関する第三者委員会(委員長・久保利英明弁護士)は7月31日、調査報告書を、すき家を経営するゼンショー側に手渡した。

報告書は、社員へのヒアリング・現場スタッフへのアンケートなどに基づいて、「すき家の運営は、法令違反であることはもとより、社員の生命、身体、精神に危険を及ぼす重大な状況に陥っていた」と認定。「過重労働問題等に対する“麻痺”が社内で蔓延し、『業界・社内の常識』が『社会の非常識』であることについての認識が全社的に欠如していた」と、経営側の認識不足を厳しく指摘した。

報告書はさらに踏み込み、「『昼夜を厭わず、生活のすべてを捧げて働き、生き残った者が経営幹部になる』というビジネスモデルが、その限界に達し、壁にぶつかったもの」と言及。経営層の意識改革を迫った。

●「ワンオペ廃止」も提言

「すき家」は、深夜業務を一人でこなす「ワンオペ」がネットで有名になり、従業員の労働環境への疑問の声が高まっていた。全国に約2000店を展開する同チェーンだが、今年2月~4月にかけては最大123店舗で、人手不足などにより一時休業や時間帯休業を実施することになった。

報告書では、この「ワンオペ」についても、「深夜時間帯の複数勤務体制を確立すべきである」として、廃止を提言した。

一方、社内アンケートでは会社を思う多くの声があがったとして、「すき家を支えていこう、変えていこうという思いを持ったクルーや社員の存在こそが、すき家の財産である。当委員会は、経営幹部が強い決意と危機感をもって、こうした貴重な「人財」を最大限に活かす経営を実現していくことを強く願っている」と結んだ。

この第三者委員会は、従業員の負担増が深刻化したことを重く受け止めるとして、ゼンショーホールディングスが今年5月7日に発足させていた。

第三者委員会は31日16時より、この内容について、東京都内で記者会見を行う。

調査報告書は、ゼンショーのウェブサイトで公開されている。

http://www.zensho.co.jp/jp/improve/

(弁護士ドットコムニュース)

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