今年7月の参院選で初当選した山本太郎参院議員が8月6日、「実は離婚していた」と記者会見で認めた。山本議員は昨年5月25日、18歳年下の女性と結婚したが、約3カ月後の8月24日に協議離婚が成立していたという。
山本議員は会見で「(原因は)すべて僕にある。家に帰るのは月1〜3度程度で、若い女性が描く結婚生活とは違ったのかもしれない」として、元妻には慰謝料200万円を一括で支払ったと話した。離婚を隠していたことについては、「元妻を守るためだった。(有権者に対して)罪の意識を感じます」と謝罪した。
わずか92日間でのスピード離婚だ。夫婦はそんなに早く別れてしまってよいのだろうか。結婚生活を続けるべき最低限の期間はないのだろうか。『成田離婚』という言葉は廃れたが、いまでもこうしたスピード離婚はよくあるのだろうか。離婚問題にくわしい浅尾美喜子弁護士に聞いた。
●結婚した日に離婚することも、法的には可能
「結婚期間は、法律では特に制限されていません。極端に言えば婚姻届けを提出したすぐ後でも、双方が離婚に同意し、離婚届け出を提出すれば、法的には何の問題もなく離婚できます」
――スピード離婚の注意点はないのだろうか?
「どんなに期間が短くても、結婚・離婚は必ず戸籍に記載され、記録として残ります。結婚するときも、離婚するときも、慎重に判断されたほうがよいとは思います」
――スピード離婚は今でもよくあることなのだろうか?
「スピード離婚は現実には存在しますが、決してよくあることではありません。おそらく、スピード離婚が起きてしまう原因の多くは、双方の相手方に対する理解不足ではないでしょうか。
結婚する前に、しっかり結婚生活のビジョンを話し合い、共通認識を持っていれば、このように早い結末にはならないのではないかと思います」
法的には問題にならないといっても、スピード離婚が当人や身近な人へ与える影響は決して小さくはない。結婚前に最低限確認しておくべきポイントもあるということが、よくわかる事例だったと言えそうだ。