- 加害者
効果的な更生支援計画書により、高裁で逆転し再度の執行猶予を獲得した事例
相談前の状況
依頼者は前回の執行猶予付判決を受けてから、約7カ月という短い期間に再犯に及んでしまいました。その背景には、勤務先でのひどい扱いを受けていたことに加え、依頼者本人にまだ診断を受けていない軽度の知的障害・発達障害の疑いがあることも影響を与えているように思われました。しかし、1審判決は、量刑相場とおりの実刑判決。1審弁護人から相談を受けて、私も控訴審から弁護人に就任しました。
解決への流れ
控訴審では、私が共同代表を務めている東京TSネットに依頼し、ソーシャルワーカーに更生支援計画書を作成してもらいました。その過程で、精神科の診断だけでは分からない本人の具体的障害特性、それによって社会生活上必要な配慮や、本人が苦手な作業、得意なことを明らかにして、それを踏まえた社会復帰のプランを立てることができました。控訴審では、事件に、勤務先でのひどい扱いや障害が影響を与えていることを丁寧に立証し、法廷でプレゼンしたことに加え、更生支援計画書が決め手になって、逆転で再度の執行猶予を獲得することができました。
中田 雅久 弁護士からのコメント
単に知的障害、発達障害があってかわいそうだから刑を軽くしてくれというだけではよい結果を得ることはできません。本件では、診断書だけでは分からない本人の障害特性、障害のためにできないことや、逆に十分社会で力を発揮できることを、生活の中での出来事に引き付けて具体的に指摘し、それに沿った現実的な更生支援計画を立てることができました。本件の計画は、決して本人に我慢を強いるだけのものではなく、本人が希望をもって取り組めることを探し、本人のモチベーションが上がる生活プランを提案したものでした。それが、更生に向けたものとして判決でも高く評価されたものです。依頼者の刑務所収容を防ぐとともに、再犯をしないで済む充実した地域生活の基礎をつくることができて、本当によかったです。
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