小規模弁護士会への助成制度の拡充を可決 日弁連・臨時総会
3月5日に開催された日本弁護士連合会の臨時総会で、会員数が少ない弁護士会に助成金を支給する「小規模弁護士会助成制度」の拡充に関する議案が、賛成多数で可決された。
小規模弁護士会助成制度は、会員数が日弁連会員数の0.5%以下の弁護士会について「小規模弁護士会」と定義し、会員数に応じて年100万円から500万円の助成金を支給するもの。1997年の定期総会で制度が設けられ、支給基準や、支給額の見直しが複数回行われてきた。
現行制度では70人以下の弁護士会に対し500万円を支給。71人から80人以下では400万円、81人から90人以下では300万円、91人から100人以下では200万円、101人から200人以下では100万円を支給している。
日弁連執行部はこの日の総会で、会員数が少ない弁護士会ほど、会費が高い傾向にある点を指摘。会員数が多い順に全52弁護士会を4グループに等分し、弁護士会費の平均を計算したところ、会員数最多グループの平均は1万9000円だったのに対し、最少のグループでは3万8000円で、2万円近い差があるとの調査結果を公表した。
また、被疑者国選対象事件や国選付添人対象事件への対応、全国一斉相談会などのイベントへの対応について、小規模弁護士会の負担が大きい点を指摘して、制度拡充の必要性を訴えた。
拡充の具体的な内容としては、500万円の支給対象について、現行の70人以下を80人以下に変更。81人から100人以下を400万円、101人から120以下を300万円、121人から150人以下を200万円、151人から200人以下を100万円とする。
拡充後の助成金の支給総額については、2020年1月1日時点の会員数を基準に計算すると7700万円で、2020年度の支給総額5300万円から、2400万円増加する。一方、支給総額が最も多かった2009年の7800万円を下回ることから、日弁連執行部は「許容性のある金額」と説明し、出席した弁護士からも反対意見が出されず、可決された。