鹿島のために、一生懸命働きたい。
「もう一度勉強したい」、一念発起して弁護士の道へ
私は、大学で政治経済学部を卒業後、進学塾や予備校で国語(古文)の講師として働いていました。
毎日勉強熱心な学生と過ごして刺激をもらっていたところ、だんだんと自分自身にも学習意欲が出はじめました。学生や予備校生が純粋に夢を追いかける姿に感化されたのかもしれません。自分も、もう一度人生を考え直してみようと思ったんです。
いろいろなことを考えた結果、「困っている人の力になれる」と「定年なく働ける」という点に惹かれて、弁護士を目指すことに決めました。働きながら法科大学院に通い、2007年に修了。2012年に弁護士登録いたしました。
現在は、弁護士過疎地域の佐賀県鹿島市で独立開業して、 交通事故をはじめ、家事事件、刑事事件など幅広く担当しています。 弁護士が少ない地域ですので、相談者の方にとって弁護士に対する敷居も自然と高くなってしまいがちですが、 いつでも気軽に頼っていただけるような体制を整えていたいと考えています。
そしていずれは鹿島にお住まいの皆さまに、「何かあっても、補伽弁護士がいるから安心」と思っていただけるように仕事を積み重ねていきたいですね。
正しいことを言えば、納得してもらえるとは限らない
仕事する上で、私には二つのポリシーがあります。
一つ目のポリシーは、「よく話を聞くこと」です。 当たり前で簡単なことのように聞こえるかもしれませんが、この姿勢をしっかり体現しきることは、なかなか難しいことです。
以前、「幼い息子が交通事故に巻き込まれた」と、母親である女性が事務所を訪れました。 大きな事故に巻き込まれ、ドクターヘリで救急病院に運ばれた息子さんは、意識不明の状態が続いていました。
事故直後で、息子さんの容体がどうなるのかも分からない。 正直、その時点で法律家の私ができることは、ほぼなかったのですが、不安で押し潰されそうになりながら、なんとか自分を保とうとする彼女を見て、どうしても放っておくことはできませんでした。
そして、とにかく落ち着いてもらえるように、とことんお話を聞きました。
幸いなことに、息子さんは数日後に意識を取り戻しました。 最終的に交通事故による損害賠償や慰謝料の金額も、想像をはるかに超える額で決着でき、弁護士としてもホッとしたのですが、依頼者の評価は、意外なところにありました。
「金額の交渉も感謝していますが、事故直後に親身になって話を聞いてくれたことが一番の救いだった」 そう言ってくれたんです。
この時私は、「正しいことを言うこと」と、「依頼者から信頼されること」は比例しないんだ、と気づきました。 もちろん正しい知識や戦略を元に相手と交渉するスキルも必要不可欠ですが、そうすることばかりに先走って、依頼者の気持ちを置いてきぼりにしてしまっては、本末転倒ですよね。
正しいことを理路整然と並べるだけでは、人の心は動かない。 だからどんな分野のどんな事件であっても、まずは依頼者の声に耳と心を傾けることが一番大切なのです。
数ヶ月後。依頼者は、後遺症もなく完全に回復した息子さんの手を引いて、事務所に遊びに来てくれました。 事務所内を元気に走り回る姿に、胸がいっぱいになりました。

目に見えない時間を、どう可視化するか
二つ目は、「こまめな連絡を欠かさないこと」。
これは、お医者さんの仕事と比べると分かりやすいと思います。 例えば、あなたが腕を怪我して病院に行ったとしましょう。
おそらくお医者さんは、あなたの目の前で、出血箇所を消毒したり、包帯を巻いたりといった治療をするでしょう。治療方法によっては少々痛い思いをするかもしれませんが、目の前で確かに治すための治療が行なわれているという点では安心感があると思います。
しかし弁護士の仕事は、この治療のように全ての工程を見ることはできません。 つまり、相手方の代理人との具体的な交渉や書面の作成・送付に至るまで、依頼者の目に見えないところで行うことの方が多いということですね。
だからこそ、こまめな連絡が必要です。 私は常に「今日書面を送りました」「交渉したら相手はこう主張してきました」と、依頼者が臨場感を感じられるような共有を心がけています。
立場が変わると、考え方も変わる
考えてみれば、弁護士になってから出会いも増えたように感じます。
塾の講師をしていた時は、生徒と保護者にしか会うことがありませんでした。 しかし今では、依頼者はもちろんのこと、弁護士、検察官、裁判官などの法曹関係者や警察関係者、行政関係者、そして中小企業の経営者とも面識を持つようになりました。
このような出会いを通して、私の考え方自体が少しずつ変わり、「地域全体をどう良くするか」ということについて深く考えるようになりました。 どこの地域でも、多かれ少なかれ問題はありますが、私が事務所を開いている地域でも、人口が流出し、後継ぎがいないため、事業が継続できないなどの問題が生じています。一方では「酒蔵ツーリズム」などの新しい企画で地域を盛り上げていこうという動きもあります。
せっかく弁護士として、様々な立場の人との出会いに恵まれているわけですから、今後は鹿島地域のために自分にできることはないかを常に探りながら活動していきたいと思っています。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥
弁護士としてトラブルを抱えるみなさまとお話をする中で感じていることがあります。
それは、真面目な人ほど、先入観から抜け出せなかったり、誰にも相談できずにひとりぼっちで苦しんでいるということ。
法律トラブルは、物理的かつ精神的に負担になることが多いですし、生活を直撃する場合もあるので、悩んだ末に、自ら命を絶ってしまうようなケースさえあります。そういう悲劇を一つでも減らすために、これからもっと門戸を広げていきたいと考えています。
弁護士が介入するだけでストレス原因である存在(人物)と直接関わらなくてよくなることも多いので、場合によっては、相談すること自体が、解決になることだってあるかもしれない。 誰にも相談せずに人生を諦めたり、悲観してしまうことはあまりにもったいないことです。
困ったことがあったら、どんなことでもお早めに遠慮なく聞いてください。 全力でお力添えいたします。
