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独立時に「芸名」使えなくなる「のんさん」問題をどう解決?芸能人とりまくトラブル議論
シンポジウムでは、寸劇を交えたパネルディスカッションがおこなわれた

独立時に「芸名」使えなくなる「のんさん」問題をどう解決?芸能人とりまくトラブル議論

芸能人の地位向上を目指す団体「日本エンターテイナーライツ協会」(ERA)が12月13日、東京都内でタレントや女優など芸能人をとりまく問題について考えるシンポジウムを開いた。パネルディスカッションでは、芸能事務所を移籍したり、独立したりした際に、それまでの「芸名」が使えなくなる問題を取り上げた。

●本名なのに「芸名」が使えない・・・

ERA共同代表理事の河西邦剛弁護士によると、芸能人と事務所との契約では一般に、その芸名が事務所に帰属する、という条項があるという。そのため、別の芸能事務所に移籍したり、独立したりしても、芸名を使えなくなる問題がたまに発生する。事務所側としては、これから移籍しようと考えている他の芸能人に対する「見せしめ」的な役割もあるようだ。

NHK『あまちゃん』主演で知られる女優の「のんさん」(本名・能年玲奈)は、それまでの本名と同じ芸名でなく、別の芸名で活動している。河西弁護士は「本名の芸名が使えなくなるのは、単純にかわいそう」「本名を使うのはなるべく避けたほうがいい」と述べた。そうしたトラブルが発生しそうな場合の「裏技」として、事務所より先に「商標出願すること」をあげた。

●双方が「ウィンウィン」になる仕組みづくりが大切

最近では、SMAP独立騒動のように、芸能人をとりまく状況も変化している。ERA共同代表理事の佐藤大和弁護士は「YouTuberも含めて、タレントのハードルが下がってきている。テレビを干された人も、ネットに活躍の場を見つける時代になりつつある」と説明。元SMAPの草彅剛さんや香取慎吾さんが出演した『72時間ホンネテレビ』(AbemaTV)がそうした状況を示していると指摘した。

佐藤弁護士は「ビジネスモデルが変わってくる中で、芸能事務所が進化を求められている。事務所と芸能人がウィンウィンになる仕組みづくりが大切になる」と強調した。共同代表理事の向原栄太朗弁護士は「今後は、ネット放送と既存テレビ局が競争が激しくなる。スポンサーのとりあいになってくる。既存のテレビ局、事務所はそれに対抗する方法を考えていく必要がある」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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