藤本 一郎 弁護士
【受任後の対応】 被害者から、ご依頼を頂いたのは、これから加害者の刑事手続が進み始めるという早い時点でした。 被害者とご家族は、加害者に厳罰を科すことを希望していたため、起訴前から検察官と連絡を取り合いました。そして、加害者が起訴された後は、被害者参加制度を利用し、加害者の刑事手続に関与しました。 刑事裁判では、加害者に対して被告人質問を行うなどして、事故状況の詳細を明らかにしたり、事故後の対応の意図や反省の有無を問い質しました。【後遺障害等級】 被害者は、『脊髄損傷』によって四肢麻痺という重篤な後遺障害を負ったため、別表第一第1級1号と認定されました。【裁判】 自賠責保険によって後遺障害等級が認定された後、訴訟を提起しました。重篤な後遺障害を負っていたこと、被害者が過失割合に強いこだわりを持っていたことなどの事情から訴訟による解決を選択しました。 訴訟における争点は、多岐にわたりましたが、主な争点は、以下の通りでした。1 将来介護費 被害者は、重篤な後遺障害を負ったため、全ての日常生活に介護が必要な状態になっていました。 近親者だけでは、どんなに頑張っても全ての介護を担うことは難しく、もし全ての介護を近親者だけで行おうとすれば、近親者に過度の負担が集中し、短期間で介護を継続できなくなることが見込まれました。 このため、被害者は、介護サービスを利用していました。 また、近親者がヘルパーの資格を有していたこと、介護サービスを利用したとしても近親者の負担が大きいことなどの事情も強く主張しました。 この様な事情を主張した結果、裁判所は、職業介護人の介護費として1日2万円、近親者の介護費として1日1万円の将来介護費を認定しました。介護サービスを利用する週5日については合計3万円もの高額な将来介護費が認められたのです。2 自宅を新築する必要性 事故前から被害者が居住していた自宅は、親族から賃借していた物件でした。この自宅は、傾斜地に建てられていたため、道路と自宅敷地に大きな段差があり、車いすで出入りすることが困難でした。また、自宅の内部にも段差が多くありましたが、賃借物件だったことから、大幅なバリアフリー化は困難でした。 このため、新たに土地を購入し、車いすでの生活に適したバリアフリーの自宅を建築しました。 被告は、新築の必要性を争いましたが、裁判所は、新築の必要性を肯定し、新築費用のうち630万円を認めてくれました。3 過失割合 被告(保険会社)は、被害者に25%の過失があると主張しました。 当然、被害者は、ここまで大きな過失があると主張されることを承服できず、被害者の過失がより少ないと主張しました。 この結果、裁判所は、被害者の過失は15%であると認定しました。
【脊髄損傷】【訴訟】【過失割合】脊髄損傷によって1級と認定された被害者について高額な将来介護費が認められた事案の
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