「街の法律家」として幅広い分野に対応。依頼者の利益を最優先に考えた解決策を提案
苦学生、証券会社勤務を経て掴んだ弁護士資格
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
高校の授業で「家永訴訟」について学んだことがきっかけです。家永訴訟は、歴史学者の家永三郎氏が提起した、教科書検定制度の違憲性を問う訴訟でした。
この訴訟は、家永氏が執筆した日本史の教科書を文部省が不採用としたことに端を発しています。家永氏は、教科書検定が学問の自由や表現の自由を侵害していると主張しました。
この訴訟を通じて、教育の自由と公正さの重要性を痛感しました。そして、家永訴訟の弁護団に加わって、偏見や差別のない社会の実現に貢献したいという思いが芽生え、弁護士を目指しました。
ーー大学卒業後に証券会社に就職されたのはどのような理由からですか。
7歳のときに父を、18歳のときに母を亡くし、学費などはすべて自分で払う必要がありました。そのため、大学時代は夜間部に通いながら、昼間は働くという生活を送っていました。
司法試験の勉強もしていましたが、時間も勉強量も圧倒的に不足していました。自分の勉強方法では、大学卒業後すぐに司法試験に挑戦するのは現実的ではないと考えました。そこで、一旦は民間企業に就職して、司法試験の勉強に専念するための資金を作ることにしました。
証券会社を選んだのは、経済について学びたいと思ったからです。金融の知識は将来の弁護士業務にも役立つと考えました。
民間企業への就職は、弁護士になるという夢を諦めたわけではなく、むしろその夢を実現するための現実的なステップとして考えていました。
韓国留学の経験を活かして渉外問題にも取り組む
ーー現在の注力分野を教えてください。
2016年に独立して現在の事務所を設立してから、幅広い分野の案件を扱っています。特定の分野に絞り込むのではなく、様々な法律問題に対応できる「街の法律家」としての役割を果たすよう心がけています。
特に多く受けている相談は、企業法務、債権回収、相続、離婚などの男女問題および交通事故です。
これらの分野は、一般の方々が日常生活で直面する可能性が高い法律問題です。依頼者にとって身近で頼りがいのある弁護士でありたいと考えています。
ーー独立される前に、韓国の法律事務所で勤務していたそうですね。
以前所属していた事務所では、グローバルな法務に対応できる人材を育成するという方針がありました。その一環として、アメリカ、中国、韓国などへの留学プログラムがあり、私は韓国への留学を希望しました。
韓国を選んだ理由は、日本と地理的に近く、経済的・文化的にも密接な関係がある国だからです。また、在日韓国人の方々の法律問題に対応できるようになりたいという思いもありました。
留学前は韓国語がまったくできませんでしたが、1年3か月の滞在中に集中的に勉強しました。その結果、ある程度の韓国語力を身につけることができ、韓国の文化や法制度についても深く学ぶことができました。
ーー日本での活動で韓国の法律が必要になることはあるのですか。
日本での法律業務において、韓国の法律や判例が必要になるケースは少なくありません。国際的な訴訟案件や、韓国企業との取引に関する契約書の作成とチェック、在日韓国人の相続案件、国際離婚など、様々な場面で韓国法の知識を活用できます。
私は、この専門性を活かして、日韓両国に関わる法律問題に対して、より質の高いサービスを提供できるよう努めています。
ーー仕事をする上で心がけていることを教えてください。
依頼者の利益を最優先に考えることです。弁護士が介入しても依頼者の利益につながらない案件は、安易に受任しないよう注意しています。
具体例を挙げますと、最近では「国際ロマンス詐欺」の案件があります。これは、SNSやマッチングアプリなどを通じて知り合った相手を言葉巧みに騙し、好意を抱かせて金銭を送金させる特殊詐欺の一種です。しかし、この種の詐欺では被害額の回収が非常に困難です。
加害者を特定して訴訟を起こせば勝訴できる可能性はありますが、金銭回収は難しく、弁護士費用がかかる分、依頼者の負担が増える可能性があります。それでも依頼者が望むのであれば受任しますが、考えうるリスクを初期段階で丁寧に説明することが必要です。
離婚問題や相続問題も同様のアプローチを取っています。たとえば、夫婦仲や兄弟仲が悪いため、相手方と話し合うことに抵抗があり、間に入ってほしいということで相談に来られる方がいます。しかし、そのような状況で弁護士が介入すると、相手方の反感を買い、かえって関係を悪化させてしまう可能性があります。そのため、「まずはご自身で話し合ってみてはいかがでしょうか」とアドバイスすることがあります。
もちろん、話し合いのポイントについては私からアドバイスをさせていただきます。そして、自主的な話し合いで解決が難しかった場合、改めて弁護士に依頼することをお勧めしています。
このように、むやみに案件を受任するのではなく、依頼者の最善の利益を考えて対応することを常に心がけています。
強い交渉力で依頼者の利益を守る
ーーこれまでの活動で印象に残っている案件やエピソードを教えてください。
特に印象に残っている案件は、ある会社の経営権をめぐる相続・遺産分割の争いです。相続財産が10億円を超える大型案件で、他の弁護士が10年間担当し続けていた案件でした。
長年の争いで両者の関係が悪化し、担当弁護士も和解の見込みが薄いと考えていました。そんな中、とある経緯で私がこの案件に関わることになり、水面下で動き始めました。
従来の弁護士が訴訟を担当し続ける一方で、私は裏で相手方の弁護士と協議を重ね、和解案をまとめていきました。
最終的に、我々の依頼者が相当額を支払うことで合意しましたが、その代わりに会社の経営権と全株式を維持することができました。確かに支払額は高額でしたが、依頼者にとっては会社の存続と従業員の雇用を守れる、最良の結果になりました。
依頼者は、10年に及ぶ争いがついに終結することに深く感動されていました。そして、当初の約束以上の報酬を支払いたいと申し出がありました。
私は当初の約束通りの金額で十分だとお伝えしましたが、依頼者の意思は変わらず、結果的に予定以上の報酬をいただくことになりました。依頼者からこのように評価していただけたことは、弁護士として非常に嬉しい経験でした。
ーー弁護士としての強みを教えてください。
韓国語や韓国法の知識を実務に活かせる点が強みです。特に在日韓国人の方々の相続問題などで力を発揮できます。
また、「押しの強い」弁護士だと自負しています。弁護士会の「民事介入暴力及び弁護士業務妨害対策委員会」に所属しており、反社会的勢力との対峙にも慣れています。
一般事件でも、威圧的な態度や強引な交渉をしてくる相手と対峙することがあります。他の弁護士が敬遠するような相手に対しても、決してひるむことなく、積極的に対応します。
ただし、これはあくまでも依頼者の正当な利益を実現するためのものです。むやみに攻撃的な態度を取るわけではありません。紛争になる前の段階では、できるだけ円満かつ迅速な解決を目指します。なぜなら、それが多くの場合、依頼者にとって最も利益になるからです。
状況に応じて柔軟に対応できること、そして必要なときには強く押し返せることが、私の弁護士としての強みだと考えています。
ーー休日はどのように過ごしていますか。
最近は主にゴルフと山登りを楽しんでいます。仕事上のストレス解消とリフレッシュ、そして体力強化を目的に、特に山登りに力を入れるようになりました。
ゴルフは12年ほど続けています。しかし、一生懸命練習してもなかなか上達しないので、それがストレスになることもあります(笑)。
ーー今後の展望を教えてください。
私に依頼してよかったと思ってくださる方の数を、一人でも多く増やしていくことです。それこそが、私が弁護士になった存在意義を肯定できる道だと考えています。
法律の世界は常に変化し、新たな課題が生まれています。そのような中で、常に最新の法律知識を学び続け、依頼者に最善のサービスを提供できるよう努めていきます。
ーー最後に、法律トラブルを抱えている方へメッセージをお願いいします。
私が弁護士として常に心がけているのは、依頼者の利益を追求しつつ、相手方の立場も考慮することです。これは、より効果的な解決策を見出すために不可欠なアプローチです。
皆様も、問題に直面したときは、自分の立場だけでなく相手の視点からも状況を見つめ直してみてください。それにより、問題の本質がより明確になり、解決への糸口が見えてくるかもしれません。
どうしても自力では難しいと感じたら、遠慮なく弁護士にご相談ください。皆様の問題が最良の形で解決されるよう、全力でサポートいたします。