「勇気をもって前に進もうとする依頼者のために、最善をつくしたい」
法律相談部での市民相談が、弁護士を目指した原点
ーー弁護士を目指した理由を教えて頂けますでしょうか。
大学は法学部に進学したのですが、当初から弁護士を目指そうと思っていたわけではありません。当時人気だった、木村拓哉さんが型破りな検事を演じたドラマ『HERO』などを通じて、弁護士や検察官という仕事に興味は持っていましたが、自分がなるとは考えていませんでした。
転機になったのは、友人の誘いで法律相談部に入部したことです。週に1度のペースで市民の方の法律相談を受ける活動をしていたのですが、当時は弁護士の無料相談もあまりなかったこともあり、けっこう盛況だったんですよ。もちろん学生の活動なので大したことアドバイスできないのですが、それでも喜んでくれる方もいたりして、すごくやりがいを感じました。
そうした環境なので、弁護士を目指す人が周りにたくさんいました。今までは遠い存在だった弁護士が「努力すれば自分でもなれるのではないか」と思うようになり、真剣に目指すことを決意しました。
「依頼者から勇気をもらうこともたくさんあります」
ーー注力している分野とその理由を教えてください。
離婚などの男女問題と債務整理に関する相談が多く、自然と注力しています。法律相談部でしていたことが原点になっているので、個人と向き合いたいという気持ちが強いです。
過去には企業案件もやったことがあって、もちろんそれはそれですごくやりがいのある仕事と感じたのですが、やはり自分には市民の方々一人ひとりと向かう「マチベン(町の弁護士)」が向いていると思いました
色々な方の人生に触れるので日々色々なことを学ばせていただいていますし、依頼者から勇気をもらうこともたくさんあります。
たとえば、離婚が成立したら、その方にとって新しい生活、新しい人生の始まりになります。これまで積み上げてきたものが失われたり、傷つく経験をした方もたくさんいらっしゃいます。
落ち込んで無気力になってもおかしくないのに、一生懸命立ち直って次の人生に向けて再スタートしていきます。自己破産を選択する方も同じです。生活も仕事も全てをやりなおそうと前を向く姿には、いつも勇気をもらっています。
そうした勇気をもって前に進もうとする依頼者のために、最善のことをしなければならないと思い、日々一つ一つの事件に全力で取り組んでいます。
ーー「離婚したい」と望んでいても、離婚に向けて踏み出せない方もいるようです。
一番大きいのは、経済的な問題です。特に女性は、子どもを産んで仕事を辞めてしまうと、離婚後の生活に不安が大きく、不倫されていたり、DV被害を受けていたりしても、「お金の心配をするよりは夫婦関係のストレスと耐えた方がいい」と考えてしまう方もいます。
そうした不安を抱えた相談者には、児童扶養手当など福祉の力を借りる手立てなども提案した上で、安心して離婚手続きを進められるようサポートしています。
相談者を決して否定せず、思いを受け止めて解決の提案を
ーー依頼者と接する上で、心がけていることはありますか。
相談者を絶対に否定しないことです。離婚や借金の問題で悩んでいると、冷静な判断ができず、感情的になってしまう方もいます。それを頭ごなしに否定するのではなく、まずはその方の思いをしっかりと受け止めて、その上で解決に向けた方針を提案するようにしています。
秘訣やコツなんてなありません。愚直に、相談者の方一人ひとりと真剣に向き合って、焦らずに少しずつ丁寧に関係性を築いていくことを心がけています。
ーープライベートな質問もさせていただきます。休日はどのように過ごしているのでしょう。
最近は仕事で疲れてグッタリしていることが多いですね。家で漫画を読んでいることが多いかもしれないです。音楽が好きでタイミングが合えばライブにはでかけます。誰のライブかは…ちょっと趣味が偏っているので言わないでおきます(笑)。
ーーおすすめの漫画はありますか?
一つ選ぶとなると難しいですが、ずっと愛読しているのは羽海野チカさんの『3月のライオン』ですね。登場人物に寄り添った心理描写がすごく面白いです。
ーー最後に、法律トラブルを抱えている方にメッセージをお願いします。
『本当にこんなこと弁護士に相談していいのかな?』『笑われたりしないかな?』って不安に思う人もたくさんいると思います。そんなに大したことないように思えても、法律的な目線で見たら早急に対応しないといけないことはたくさんあります。
逆に大したことなかったとしても、弁護士に話をするだけでスッキリすることもあります。弁護士に相談したからといって、必ず依頼しなければならないわけではありません。ご自身だけで判断しないで、気負わずに楽な気持ちで相談に来てほしいと思います。