DV被害者や性的少数者…社会的立場の弱い人に寄り添う思いを原点に、「依頼者の盾」であり続ける
「当事者に近い位置で働きたい」研究職から弁護士業に方向転換
ーー弁護士を目指した理由やきっかけを教えてください。
社会問題に関心があったので、大学卒業後は大学院に進学して社会学を専攻していました。そのまま研究職になることも考えていたのですが、社会問題について学びを深めるうちに、社会問題の当事者のため働ける職業につきたいと考えるようになりました。それが、弁護士を目指したきっかけです。
ーーどんな学生生活でしたか?
もともと語学が得意だったので、大学では英語を専攻しました。入学した大学に、本校とは別に留学先の学位も取得できるプログラムがあり、日本で2年半勉強した後、アメリカの大学で2年間学び、どちらの学位も取得しました。
帰国後、大学院で社会学を学んだのちにロースクールに進学しました。ロースクール時代は本当に忙しく、常に勉強の生活でした。周りの学生は大学で法律を学んだ人が多く、法律を学びはじめたばかりの私がついていくのは大変でした。
ただ、法律の勉強をはじめてみると、法律学の勉強は語学の勉強と似ていると感じました。抽象的な概念や専門的な用語を理解し、論理を組み立てることは法律学も語学も同じです。英語の学習方法は、法律を学ぶ際にも活かせたと思います。
ーー注力されている分野について教えてください。
離婚・男女問題、相続、交通事故、刑事事件と幅広く扱っています。
社会学を学び、社会的な弱者や紛争において弱い立場にある方の役に立ちたいと考えました。DVやモラハラの被害を受けた女性の権利擁護、交通事故や刑事事件の被害者弁護など、女性や被害者の権利救済に注力しています。
語学力が活かせるので、外国人問題にも注力しています。外国人が依頼者となる事件はもちろん、外国人と国際結婚した日本人の離婚問題など、英語での対応が必要な方へのサポートをしています。
「時間が経つごとに解決の選択肢は減る」 いかなる悩みも早めの相談を
ーーDV問題を扱う上で難しいと思われるのはどのようなことですか?
早めにご相談いただければ、病院の診断書を取るなど被害を立証しやいのですが、時間が経ってしまうと証拠集めが難しくなります。そもそも、DV被害を受けていても生活が不安で離婚に踏み切れない女性も多くいます。そのため、被害者が新しい生活を立て直すためのサポートが必要になります。
相手側が十分な婚姻費用や養育費を支払わない場合、被害者が経済基盤を築く必要があります。経済基盤については、法律や裁判では解決できない問題もあるため、役所や施設を紹介するなど、可能な限りサポートするようにしています。
DV問題に限らず、法律が関わる問題は、時間が経つごとに解決の選択肢が減ってしまいます。早ければ早いほど対応策も多いので、早めに相談していただくのが一番だと思っています。
ーー交通事故分野で、弁護士が介入することで被害者にはどのようメリットがありますか?
被害者が弁護士をつけていない場合、保険会社が提示した損害賠償金額が適正かどうかの判断が難しいことがあります。保険会社としては当然、少しでも金額を抑えたいと思いますから、時には安く見積もることもあるでしょう。
相談者の中には、保険会社とのやりとり自体がストレスとなり、悩まれている方もいました。また、一方的に治療費を打ち切られたという方もいらっしゃいました。弁護士に相談していただくことで、そのようなストレスやトラブルを防ぎ、しっかりとした補償を受けられると思います。
交通事故の場合、法律の知識と医学の知識が必要になるため、一般の方が対応するのは大変だと思います。怪我の程度によっては、入院が必要になり、自由に動けない場合もあります。そんな時でも弁護士に相談していただければ、入院先まで出張面談させていただきますし、治療経過や後遺症の有無などを把握し、早い段階で保険会社と交渉できるメリットもあります。
ーー外国人の依頼者にとって英語ができる弁護士は相談しやすいのでしょうか?
英語が母国語もしくは第2外国語の方が多いので、日本語の書類や手続きを英語で的確に説明を受けられたことで安心したと言ってもらえます。外国人にとって英語の方が気持ちやニュアンスが伝わると思うので、英語ができる弁護士のニーズは高いと思います。
刑事事件では外国人には必ず通訳がつきますが、時には通訳者の言い方や表現が誤解を招くこともあります。そのような些細な表現の指摘ができる点でも、英語ができる弁護士は心強い存在だと思います。
ーー性的マイノリティの方への支援もされていると伺いました。
大阪弁護士会の人権擁護委員会に所属して、性的マイノリティに関するプロジェクトチームに入っています。そのチームで知り合った何人かの弁護士が、同性カップルが結婚できないことは憲法違反であることを問う「結婚の自由をすべての人に」訴訟の関西弁護団を立ち上げたので、私もメンバーとして参加させてもらうことになりました。
同性婚が法律で認められていないことで、同性カップルはさまざまな問題を抱えています。例えば相続です。法的に配偶者と認められていないため、パートナーが亡くなった時に財産を相続することができません。また、パートナーが病気や怪我で意識不明の重篤になった時に、親族でないことから、医師から詳しい病状を聞くことができない場合があります。
こうした不安を抱えている同性カップルに、遺言書の作成や任意後見契約のお手伝いなどでサポートすることも、弁護士としての役割だと思っています。
依頼者の盾となり、最適なリーガルサービスを
ーー依頼者とのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?
まずは話をゆっくり聞き、依頼者が一番不安に思われていることが何かを考えるようにしています。
その上で、法律の専門家として、依頼者の悩みを解消するためにはどのような解決策があるのかを検討し、それぞれのメリット・デメリットを提示し、解決への道筋を分かりやすく説明することを心がけています。
ーー弁護士にとって大事なことはなんでしょうか?
私のように、個人の依頼者からの依頼を受ける弁護士は、紛争の相手方と交渉することが多々あります。時には相手方が感情的になり、さまざまな主張をしてきます。依頼者と適切な情報共有をしつつ、依頼者を殊更に攻撃するような発言などは弁護士が全て受け止めて、依頼者の盾となる姿勢が大事だと思います。
ーー休日のお過ごし方を教えてください。
中学生の頃からジャズダンスを習っていたので、身体を動かすのが好きです。最近は忙しくてジャズダンスのレッスンには通えないため、代わりにヨガや散歩をし、身体を動かしてストレスを解消しています。
コロナが収束して旅行ができるようになれば、ヨーロッパ各地を回ってみたいと思います。特にフランスに興味があり、田舎と古城の風景を見てみたいです。
ーー今後の展望をお聞かせください。
今の事務所を立ち上げてから、自分がやりたいと思う分野の案件を全てできるようになりました。これからも、注力している分野の案件をしっかり対応し、専門性をより高めていきたいと思っています。
ーー法律トラブルを抱えて、悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
「こんなこと相談するのは恥ずかしい」などとお考えにならずに、お困り事があったら、些細なことでも相談してください。解決方法を提示するのが私の仕事ですので、心配せず、早めにご相談していただければと思います。