杉本 吉史 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
社会的にみて弱い立場にいる方が、法律の権利を使って自分の立場を強くできるということを法学部の勉強で学ぶ中で、法律上の権利を使って弱い立場の人を助ける仕事がしたいと思い、弁護士になりました。
今までの経験と現在の仕事内容
弁護士になった当初は労働者の権利を守るための労働事件を多く扱っていました。
その後、修習同期であった横浜弁護士会の坂本堤弁護士一家が突然行方不明になり、一家の救出に関わったことをきっかけに犯罪被害者の支援に関わるようになりました。
当時、坂本弁護士はオウム真理教の活動に没頭した信者を救出したい家族の支援をしていました。オウム真理教に対する弁護士としての活動をすることが、坂本弁護士一家の救出になればということで、当初はオウム真理教の被害者のための大阪の弁護団を作りました。
そうした被害者を助けるためにオウム真理教に対して裁判を起したりすることが後に私が犯罪被害者の支援をする一つのきっかけとなりました。その事件を皮切りに犯罪被害者のために弁護士としてできることがあるのではないかという視点で、犯罪被害者のために弁護士として支援するという活動が自分の活動の中心になっていきました。
犯罪被害者支援で印象に残っている出来事
特定の事件ではないのですが、犯罪被害に遭われた被害者やご遺族の方が単に被害者として悲嘆にくれるだけでなく、被害にあった中での経験を無駄にせず、その経験を基に自分のできることを精一杯することが、亡くなられたお身内に対する自分ができることなのだという思いで活動をされている姿を見させていただくことが、自分自身の支援をしていること自体が間違いではなかったと考えさせていただく機会となっています。
犯罪被害者は直接的な被害の後、様々な二次被害を受けています。マスコミ、警察、あるいは支援者もきっかけになりかねません。そのことによって被害者は二度三度と苦しい思いをしています。そうしたことができる限りないように、被害者が安心できる生活を取り戻すことができるような支援をし、そうした社会を作っていかなければならないと考えています。
今、被害者を支える活動の一つとして、平成20年から犯罪被害者が刑事裁判に参加できる制度ができました。被害者が刑事裁判に関わる中で、被害者自身の思いを裁判に反映させていく制度が運用されています。
そうした被害者参加制度によって、より被害者自身の思いを裁判の中で伝えることができたという思いを持っていただくために、私たちも弁護士として支援していきたいというように思っています。そうした支援に携わる弁護士を全国的に幅広く広げていくことが必要だと思います。
犯罪被害者の支援については、まだまだ被害者の需要を満たすだけの体制が全国的にできている状況とはいえません。ですから、そうした体制を作っていくようにこれからしていかなければならないと思っています。
そうした考えから、犯罪被害者の支援に携わる弁護士が中心になり、犯罪被害者支援弁護士フォーラムという団体を作っています。そこに参加している弁護士を中心に被害者に寄り添った支援をしていく弁護士を作っていくための活動を進めています。
犯罪被害者支援弁護士フォーラムでは、それぞれの弁護士が被害者を支援した経験を交流し、よりよい支援ができるような研鑽を積んでいます。また、私たちの経験を元により犯罪被害者の権利が拡充するための様々な提言を社会に行うことに取り組んでいます。
弁護士としての信条・ポリシー
その方が本当に望んでいることは何かということを時間をかけてお話するということを意識しています。また、それを実現するために可能な手段を考えうる限りの方法を依頼者の方とご相談しながら取っていくように努力することを考えています。
今後の弁護士業界の動向
決して安泰といえませんが、今の状況を見ていると、弁護士自身の努力がこれからより必要になる時代ということは間違いありません。弁護士が取り組むべき課題をきちんとアピールして、依頼者の方々に信頼いただける関係が築いていければ、より弁護士の活動の幅も広がっていくのではないかと思います。