山田 威一郎 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
京大の法学部に在学中に弁理士という仕事に興味を持ち、知的財産権法の勉強をはじめ、大学を卒業後、特許事務所で弁理士として働き始めました。当時、法学部の学生が弁理士を目指すことは珍しく、京大法学部出身で弁理士になったのは私が戦後4人目だそうです。
弁理士になってから2、3年したころ、弁護士の先生と一緒に何件かの知財の訴訟に関与させていただきました。その中で、知財の訴訟のダイナミックさに感動し、自分自身で知財訴訟をより積極的に動かしてみたいとの思いが強くなり、弁護士を目指すことにしました。当時、ちょうどロースクールが設立された時期でしたのでタイミングもよかったのだと思います。
仕事の中で嬉しかったこと
難しい訴訟や交渉で知恵を絞ってよい結果を勝ち取ったときはうれしいですね。
知財の訴訟は代理人の能力によって、結果に差が出やすい分野だと思いますし、やりがいの大きい分野だと思っています。知財の分野では、他の分野以上に、法律や技術の「解釈」が重要になってきますので、弁護士がより説得的な解釈をし、それを合理的にプレゼンテーションすることによって、依頼者の権利、利益を守れる可能性を大きくすることができると思っています。
弁護士になって大変だと感じること
大変なのどの仕事も同じでしょうし、弁護士の仕事が特に大変だと思ったことはありません。ただ、今年から独立して経営者の立場になったので、いかに経営を安定させ、事務所を成長させていくかは、非常に悩ましいテーマですね。楽しいことのほうが多いですが。
仕事をする上で意識していること
私は知財の専門弁護士ですので、少なくとも知財分野に関しては誰にも負けない専門性を身につけなくてはいけないと常に意識していますし、知財に関しては一番の弁護士だとお客さんに思ってもらえるようにならなくてはいけないと思っています。そうした高い意識を持ち続けていなければ、自分を選んでくれるクライアントに失礼だと考えています。
関心のある分野
知財分野です。もともと弁理士をしていたこともあり、現在、扱っている仕事も8~9割近くが知財がらみの案件です。知財の醍醐味、魅力はひとくちには言えないと思いますが、私が特にやりがいを感じるのは、先程も述べたように思考力や説得力といった弁護士の力量に左右されるところが大きい分野なので、知恵を絞ることで活躍していけるということです。
また知財の訴訟は会社の命運を決める深刻な問題であることが多くその意味でもやりがいの大きなものだと思います。自社の基幹製品が他社の特許権侵害であるとして差し止められることになれば、会社がつぶれてしまうこともあり得ますし、逆に、大切な技術が模倣されることによる不利益も非常に大きなものがあります。
そうした責任重大な問題に、依頼者の代理人として関わり、その企業の未来を守ることができるというのはなかなかない経験だと思います。
今後の弁護士業界の動向
弁護士の数が増えている以上、競争がますます厳しくなることは間違いないと思います。ただ、その反面、企業が昔からのしがらみにとらわれず、本当に優秀だと思った弁護士を流動的に使っていく傾向も増えてきているように思います。
私が担当している企業ももともとはほかの法律事務所や特許事務所に依頼をしていたところがほとんどですし、競争があるということは、若くて活力のある弁護士にとってはむしろチャンスなのではないかと思っています。