離婚・男女問題に注力〜感情がぶつかり合うシビアな局面で依頼者を支え、最善の解決に導く
社会の制度からこぼれ落ちた問題を拾い上げたい
ーー弁護士を目指した理由やきっかけを教えてください。
大学で法律を学ぶ中で、弁護士という職業にあこがれを抱くようになりました。弁護士ならば、社会の制度からこぼれ落ちてしまう問題を拾い上げることができると考えたからです。
国会や行政は、社会全体の制度の中で、最善だと思われる政策や施策を決定しています。
しかし社会の制度は完璧ではなく、目が届かない場所で苦しんでいる人もいます。このような人たち一人ひとりに目を向け、助けることが司法の役割だといえます。私もその一助になれればと考えたことが弁護士を目指した理由です。
ーー学生時代はどのように過ごしていましたか。
民事訴訟法を専門としていた先生を慕っていて、2日に1回は研究室に押し掛けていました。人や社会を独特の感性で捉えている先生で、話していて本当に楽しかったです。今思えば、研究の邪魔をしてしまったのでは…と思いますが(笑)。法律相談部にも入っており、友人と法律の談義をしたり、勉強会を開いたりしていました。
大学時代に司法試験に挑戦したのですが、残念ながら合格できず。ここで一旦、弁護士になることは諦めて一般企業に就職しました。ただ、毎月数字としてあがってくる利益がすべての世界で働く中で、ふと「ほかの(仕事や人生の)在り方もあるのではないか」と思うようになったんです。学生時代に抱いていた弁護士へのあこがれを思い出しました。
ちょうど司法制度の改革がされていた時期で、「もう一度挑戦してみよう」と決心し、法科大学院に入学して再び法律を学び始めました。37歳のときですから、ロースクールの中でも1番か2番目に年長者でしたね。
依頼者の思いを汲み取って解決に導く
ーー注力分野を教えてください。
離婚・男女問題に力を入れています。相談件数が多く、生の感情がぶつかり合う離婚や男女の問題を何とかして解決したいと思い、1件1件真摯に取り組んでいます。
男性・女性を問わず幅広い年代の方から相談をいただき、外国籍の方から依頼を受けることもあります。
ーー依頼者のために心がけていることはどんなことですか?
一人一人に寄り添い、思いや考えをしっかり聞くことです。また、依頼者本人の背後には、依頼者を心配されるお子様、ご両親、ご兄弟といった方々もいらっしゃいます。一つ一つの事件の重みを大切にしていきたいと考えています。
法律上難しいことは難しいと伝えますが、基本的には依頼者の決断を尊重するようにしています。解決のための選択肢やそれぞれのメリット・デメリットなどを十分に説明し、依頼者が一番納得できる形で解決できるよう心掛けています。
ーー印象に残っている案件を教えてください。
弁護士登録した後、3年間、秋田の法テラスで弁護士として勤務しました。当時は刑事弁護に興味があり、積極的に取り組んでいる法テラスを選択したのです。
そこで担当した事件の1つが、今でも強く印象に残っています。長期間にわたり献身的に愛情をもって母親を介護していた息子が、愛深き故に、病気で苦しむ母親を見ていることができず、手にかけてしまった事件で、裁判員裁判となりました。
弁護人として事件の背景を探る中、被告人が母親のためにいかに献身的に介護していたかが端々に見えてきたのです。被告人とは色々な話をしました。彼は「自分のやったことだから、責任を取ります」と言っていましたが、私は「自分が彼と同じ立場なら、こんなふうに介護できただろうか。この人を刑務所に入れるべきではないのではないか」と思うようになりました。
弁護人として、これらの事実を丁寧に集め、裁判員にしっかり伝えました。「この人を刑務所に入れることが本当に正義に適うと言えるのか、自分の目で見て、自分の耳で聴いて判断してください」と。結果、執行猶予付きの判決を得ました。うれしいというよりも、ほっとしたことを覚えています。
今注力している離婚の分野では、事件が決着したときに依頼者が見せる安堵の表情がいつも胸に響きます。私ができることは、依頼者の気持ちに寄り添いつつ、専門的な知識やノウハウを活かして法的な解決に導くことです。そのために、日々力を尽くしています。
ーー休日はどのように過ごしていますか?
本を読んだり、美術館に足を運んだりして過ごしています。
宮城谷昌光さんの小説が好きで、お気に入りは『青雲はるかに』。中国史の物語で、主人公に多事多難な出来事が襲いかかるのですが、彼はそのたびに立ち上がります。人生はあざなえる縄のごとしで、「幸せと不幸せは縒り合わせた縄のように表裏一体であり、幸せな時も無闇に得意とはならず、逆に不幸と感じる時であっても、なおも希望を持って生きることが大切なのではないか」といった漠然とした思いを感じつつ、過去にあったであろう出来事に思いを馳せたり、純粋に物語を楽しんだりしています。近頃は、朝鮮半島の歴史関係の本も読むようになりました。
企業のサポートにも意欲。外国人労働者の環境改善に取り組みたい
ーー今後の展望をお聞かせください。
今は離婚・男女問題に注力していますが、これからは外国人の雇用問題にも力を入れていきたいと考えています。
技能実習制度には廃止を含めて見直しを求める声が高まっていますが、現実問題として今の日本は外国人に労働力を借りなければ社会が回りません。いかにうまく受け入れるかが課題なのですが、制度や法律がとても複雑な上、違反した時のペナルティーが尋常でない程、厳しく定められています。
企業が外国人を受け入れる態勢を整えるために、法律の専門家である弁護士が手助けをできるのではないかと考えています。適正な雇用関係を成立させることは、外国人労働者の環境改善にもつながるはずです。日本経済の成長のためにも必要なことだと思うので、ぜひ取り組んでいきたいと考えています。
ーー最後に、依頼を検討している方にメッセージをお願いします。
まずは、相談してみることが重要です。法律上、実はたいしたことがない問題であっても、お一人で抱えているとどんどん悩みが深くなってしまいます。逆に、早めの相談によって大きな問題が見つかるかもしれません。
相談するタイミングは、早いに越したことはありません。お気軽にお問合せください。