遠回りこそ、最良の近道
「困っている人を助けたい」という原点
将来弁護士になりたいと考え始めたのは高校生のときでした。
幼い頃から「どんな仕事でもいいから困っている人を助けられるような仕事に就きたい」と思っていました。そしてテレビドラマの影響からか、なんとなく医者や弁護士をイメージするようになりました。人が病気になったときや、命の危険にさらされているときに、直接助けることができる医者の道もかなり魅力的でしたが、情けないことに、どうしても血を見るのが苦手で、弁護士を選びました。
2004年に大阪で弁護士登録してから、様々な分野の事件で、たくさんの依頼者と出会ってきました。
人の悩みや紛争を扱う弁護士の仕事では、現状に幸せを感じている依頼者は少なく、いつもマイナスからのスタートです。 しかも依頼者本人だけでなく、依頼者の家族の人生に関わることも多いので、時には想像以上のプレッシャーがかかります。
でもそのプレッシャーが、私の原動力になることも確かです。たくさんいる弁護士の中から私を選んで依頼してくださるのですから、私も全力でそのお気持ちに応えたい。
「先生に依頼してよかった」という言葉をいただく度に、言葉にならない喜びで胸がいっぱいになり、「もっともっと人の役に立ちたい」とエネルギーが湧いてくるのです。
心身のバランスを整える
「弁護士の仕事をする上で一番大事にしてることは何ですか?」と問われたら、私は迷わず「プライベート」だと答えます。
こんなことを言うと「何を言ってるんだ」と怒られてしまうかもしれませんが、これは決して遊びという意味ではなく、私生活を含めた私自身のコンディションづくりのことを指します。
どんな仕事でも同じだと思いますが、仕事とは自分以外の誰かのためにするものです。 つまり、どんな場合でも相手の都合や気持ちが関係してきます。 自分自身に余裕がないと、相手のことを思いやることはできないですよね。
ましてや、弁護士の仕事は、人の悩みごとを扱う仕事です。 弁護士本人の心身のバランスを万全に整えてはじめて、依頼者をより良い人生へ導いていくことができると考えています。
また、以前勤めていた法律事務所の所長弁護士が言っていた「弁護士は自分自身が商品である」という言葉も心に残っています。弁護士は組織に属することがないので、企業や組織で行われるような研修やオリエンテーションに参加することはありません。
でも、性別・年齢を問わずさまざまな人と関わる弁護士だからこそ、法律だけでなく、経済やスポーツ、ファッションに至るまで、高くアンテナを張る必要があります。そうすることで、法律相談でのコミュニケーションが円滑に進む場合も多いのです。
自分自身の名前で仕事をするということは、自分で能動的に知識や経験をアップデートしていくという責任と、いつも隣り合わせだと考えています。

「なんとなく」で人生を決めてほしくない
実際の仕事を通して私が一番感じていることは、どこか釈然としないお気持ちを抱えていらっしゃる依頼者が多いということですね。
先日も、「夫から離婚を切り出されたが、どうしていいか分からない」という女性が事務所を訪れました。
私が「これからあなたはどうしたいですか?」と尋ねると、「離婚した方がきっといいんですよね?」とおっしゃる。彼女自らの気持ちではなく、「なんとなくこうだ」という世間体や先入観に振り回されているように見受けられました。
私は彼女と一緒に、これまでの結婚生活や「離婚したい」という夫の言葉の意味をひとつひとつ整理していきました。彼女の人生においての重大な決断を、なんとなくで流してしまうのはあまりにもったいないことです。
離婚をしたあとも、彼女の人生は続いていきます。いつ思い返したとしても、「自分自身で納得して下した決断だ」と思っていただかなくては、弁護士が協力する意味はありません。
離婚や相続問題などの家事事件では、明確な理由や決定打がないまま、話を進めてしまう方が特に多いんです。これは、普段自分の気持ちを主張せずに我慢していらっしゃる方が「主張しても無駄だ」と思い込んでいることに起因していると考えられます。
このような潜在的なニーズを確実にキャッチするには、お話ししやすい環境を作り、親しみやすさを感じてもらうことが重要です。
モヤモヤした気持ちを持った依頼者に、弁護士が暗く厳しい表情で対応すれば、依頼者をさらに不安にさせてしまいます。これからも、話し方や表情などの小さなことにも気を配るのを忘れずに法律相談に臨みます。
人をゆるすことで、自分も楽になれる
この仕事の一番の醍醐味は、依頼者の気持ちが変わっていく瞬間に立ち会えることです。 曇っていた表情がスッキリとした表情になるのを見ると、弁護士業の意味や意義を考えさせられますね。
どんなトラブルでも深刻であればあるほど、お互いに「許せない」という気持ちは大きくなります。人を許すということは、本当に難しいことです。私も人間なので、相手に裏切られたり、傷つけられたりした依頼者が攻撃的な気持ちになってしまう気持ちは、十分に理解できます。
でも、許せない心を持ち続けるのは、想像以上にしんどい。
だから私は弁護士として、相手を変えるだけでなく「どうしたら依頼者本人の気持ちをポジティブで穏やかな方向に変えられるか」と、いつも考えを巡らせています。
希望どおりの慰謝料を獲得することも大事なことですが、依頼者が一番楽になれるのは、相手を心から許せる時だと思うからです。
私が誠意を持って尽くすことで、依頼者が「曽我部先生が分かってくれたから、なんだか気が晴れた」「これ以上追い詰めるのはやめよう」と穏やかな気持ちになってくれると、ありがたいですね。
迷いは、“ヒント”
法律事務所にお越しになる方は、思いがけないトラブルに巻き込まれ、心身ともに疲弊されています。また「自分のわがままなんじゃないのか」「今後どうしていくのが正解なのか」という“迷い”に苦しんでいる方も少なくありません。
でも、今このページを見ながら悶々と悩まれている方がいたら「迷いは、実はヒントかもしれないですよ」とお伝えしたいです。
「迷う」ということは、裏を返せば、特別気にかかるポイントということですよね。つまり、あなたの人生において大事な選択であることに間違いはないということ。それだけでも大きなヒントです。
迷うことがきっかけになって、あなたの大事な気持ちや価値観を取り戻せることがあるかもしれません。
そして、私はいつも事件の解決方法だけでなく、解決に伴う苦痛やストレスの可能性について、必ず依頼者と話し合うようにしています。
たとえば、「スピード解決できるけれど、依頼者に少し無理を強いてしまう解決方法」と「時間がかかる解決方法だけれど、依頼者のストレスは軽くて済むもの」があるとします。 そのどちらを選ぶかでも、依頼者の自身の求めているものを知ることができます。
道に迷うことこそ、道を知ること。 あなたに後悔のない人生を送っていただきたいです。 あなたが本当に進みたい道を、一緒に探していきませんか?
