西 晃 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
高校2年の時、歴史(日本史)の先生で、広島で被爆された先生がおられました。何故日本があんな道を選んでしまったのか?二度と再び愚かな戦争の道を歩まないために自分達にできることは何か?それを真摯に問い続ける生き方に深い感銘を受けました。
その後、学校の授業の中で私達の社会のこと、日本国憲法や法律のこと等に興味を持ち、社会正義の実現という弁護士の世界に興味を持つようになりました。そして大学1年入学時には既に弁護士を目指そうと思っていました。
その時には、弁護士になって労働事件や公害訴訟、刑事事件など手がけたいと思っていました。
仕事の中で嬉しかったこと
やっぱり自分の努力や苦労が身を結んだ時だろうと思います。長年苦労した裁判で成果を得た時、依頼者と共に成果を喜びあえた時。弁護士やっていて良かったと思う瞬間です。苦労して勝利した労災訴訟、労働事件、原爆症認定訴訟等々・・・。
それと自分の正義を主張できる仕事だということです。自分の考えや主張がそのまま通ることは実は希ですが、少なくとも堂々と法廷で職業として自分の意見を主張できること。その時弁護士としての喜びを感じます。
弁護士が仕事をする司法という領域は、政治の世界ではどちらかと言えば少数者、多数決では勝てない、劣勢に置かれている方々の立場に立って仕事をすることが多いです。沖縄で米軍基地の恐怖に怯えながら暮らしている人々、国から全く援助の手を差し伸べられて来なかった空襲被災者の方々、そんな方々の立場に立ちきって、主張するべき点を主張する。それができる仕事だということです。
己が正しいと信ずることを堂々と胸を張って言える。これは考えてみれば当たり前のことですがそれを職業として堂々と行い得ること。それが職務内容そのものであること。これは弁護士業としての本当に嬉しい点です。
弁護士になって大変だと感じること
いろいろとありますが、大変なことの中心はお金と人間関係ではないでしょうか。
何の仕事でもそうかもかも知れませんが、自営業者である以上、お金にまつわる問題は大変な問題の一つです。
売り上げとか、収入とか・・・気にしないではおられません。司法修習生の時(奈良の検察修習で)指導担当検事さんが「検事は弁護士と違ってお金のことを全く気にしないで仕事できるからええで~検事にならんか~」とよく言われていました。その言葉の意味がズシンと心に響くのは弁護士になって数年してからのことでした・・・。
それと人間を相手とする職業ですので、相手(特に弁護士の場合には自己の依頼者)との距離感、関係性を如何に良好な関係に維持するか。常に相手の立場を考える必要を認識しつつ、感情の入れ込み過ぎはかえって事件を見る目を曇らせてしまうことも多いです。そのあたりのバランスを取ることがなかなか大変です。
これは知識では解決できず、誰もが経験する問題なのです。そのため、その解決策は経験を積む中で見つけていくしかありません。私はこれまで人間関係で一番大事なことは「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)だということも日々痛感しております。
仕事をする上で意識していること
自分の専門性やスキルを如何に磨き、それを必要としている人に提供しうるか。それを常に考えています。そのためのスキルアップを常に心がけておきたいです。
弁護士をやっていく中で誰かに勉強しろとか、ノルマを課せられることは基本的にはありません。しかし、より質のよいサービスを行おう、いい仕事をしようと心がけていくことにより、自然とそれに合った事件の依頼がくると考えています。したがって、常に自己を磨き学ぶ姿勢が大切だと思います。
関心のある分野
今まで労働・労災(過労死関連、労災民事訴訟)・憲法訴訟・行政事件訴訟、を数多く手がけて来ました。これからも、これらの分野を中心に取り組む意向です。また、新たな分野としては自治体訴訟にも取り組めたらと考えています。
今後の弁護士業界の動向
分化傾向、専門性が進む傾向が強くなると思います。
また事件が起こる前の予防的意味合いでの企業訪問を行う弁護士の役割が高くなるはずです。社会のすみずみにまで「法の支配」が行き届くようにするために、弁護士という仕事のイメージは、もっと多様化していくはずですし、そうならなければならないと思います。
またこれから、弁護士業務とは比較的縁遠い分野にまで弁護士の需要が増える可能性があると思います。かつてのような訴訟の解決をするための事務所と裁判所の往復が主体にはならず、それ以外の問題において弁護士が活躍することが増え、仕事内容の比重が変わっていくと考えられます。