遺産相続の解決事例
  • 相続放棄

被相続人の死後7年も経ってから多額の債務を負っていたことが発覚し、相続放棄をすることで請求を免れた事例

この事例の依頼主 年齢・性別 非公開

相談前の状況 7年前に亡くなられたお父様が生前多額の借金をしていたということで、突然債権者から支払を督促する書面が届き、大変驚いてご相談に来られました。お父様には特に財産はなく、借金もないと聞いていたのに、今更になってこんな多額の借金など請求されても支払えないとのことでした。

解決への流れ このような場合通常であれば消滅時効を援用することで負債の支払義務はなくなります。ただ、調べてみると、どうもお父様は生前債権者から裁判を起こされ、請求を認める裁判所の確定判決があるようでした。この場合消滅時効の期間は10年となり、時効を援用することはできません。そこで、相続放棄の申述をすることとしました。相続放棄は、「自己のために相続があったことを知った時」、つまり、(1)被相続人が亡くなったこと、(2)自分自身が相続人であること、を知ったときから3か月以内にしなければならないのが原則です。この熟慮期間内に相続放棄をしなければ、財産を相続することを承認したものと扱われます。ただし、これには裁判所の解釈によるいわば救済措置があり、①3か月以内に相続放棄をしなかったのは「被相続人に遺産がない」と信じていたためで、かつ、②遺産がないと信じたことについても相当な理由がある場合には、遺産があることを知った時あるいは通常知るべき時から3か月以内であれば相続放棄をすることができる、とされているのです(最高裁昭和59年4月27日判決)。そこで、今回のケースでもこの判例を援用して、死後7年後ではありましたが、裁判所に相続放棄の申述をし、無事受理されました。相続放棄が受理されたことを債権者に通知した後は、請求は一切なくなりました。

川村 和久 弁護士 川村 和久 弁護士からのコメント 当初相談者様はこういった借金も絶対に支払わないといけないのかと大変困惑してご来所されました。3か月を過ぎても相続放棄できる場合がありますよとお伝えすると大変安堵されておられました。皆さまも法律上の問題でお困りのことがあれば、まずは弁護士に相談してみるということをお勧めします。

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