依頼者に寄り添いつつ、客観的な視点で解決への方針を示し、丁寧に誠実に一件一件向き合う
高校時代に弁護士に助けられた経験から、法曹を目指す
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
高校時代に学校でトラブルがあり、そのときに弁護士に助けられた経験が、弁護士を目指すきっかけとなりました。
ある日、教師に顔を殴られたことがあったんです。当初は自分にも問題があったと考え、黙っていましたが、傷ができたことから周囲が心配し、事態が大きくなりました。
たまたま、同級生のお父さんが弁護士だったので、親が相談し、学校に内容証明郵便を送ってもらいました。書面を読んで、私はとても感銘を受けました。その内容は、教師の行為が法的に誤っていることを指摘し、学校に対して抗議するものでした。結果的に、学校から謝罪を受けて、問題は解決しました。
書面の内容に感銘を受けた理由は、自分を守ってくれる存在がいると感じたからです。私自身は学校側からあまり良い印象を持たれていなかったと思いますが、それでもおかしいことはおかしいと言ってくれる人がいたことが嬉しく、心強く感じました。
私を助けてくれた弁護士は、岡山弁護士会の会長を務めたこともある水谷賢先生です。3年ほど前に水谷先生に初めて会う機会があり、先生への感謝を伝えられました。弁護士になった今でも、当時の内容証明郵便が私の書面作りの目標となっています。
つらい思いを抱える人の味方になることがやりがい
ーー注力分野とその分野に注力している理由を教えてください。
刑事事件と離婚事件です。
刑事事件は、弁護士として、検察や裁判所という巨大な権力によって人権を制限されている人々の唯一の味方になれることに魅力を感じます。特に、否認事件に関わると、その過程は大変なことばかりですが、大きなやりがいを感じます。
離婚事件では、なかなか人に相談できずにつらい思いを抱えている方が多いと感じます。依頼者の感情に寄り添う過程では、一つの決まった正解があるわけではなく、試行錯誤が必要です。人間力が試されると同時に、やりがいを感じる部分です。
ーー仕事をする上で心がけていることを教えてください。
スピード感と丁寧さ、誠実さ、そして客観的な視点を持つことです。
まず、丁寧さについては、例えば、主張書面を作成する際に、自分が理解しているつもりでも、曖昧な部分がないかを条文や文献などで丁寧に確認します。基本的なことを怠らず、確実に進めるように心がけています。
誠実さについては、依頼者に対して、法律的にできることとできないことをはっきり伝えるようにしています。
また、客観的な視点を持つことも大切です。依頼者の話に共感しますが、感情に流されず、客観的に状況を見るように心がけています。
依頼者と完全に同じ立場に立ってしまうと、感情的になったり、視野が狭くなったりして、不利益な事実を見過ごしてしまうおそれがあります。依頼者に共感しつつも、冷静に、俯瞰的な視点を持つように心がけています。
ーー弁護士として活動されてきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
弁護士になって間もない頃に担当した刑事事件が印象に残っています。国選事件なので、私1人が担当でした。事件の内容が悪質だったため、メディアで大きく報道され、注目を集めました。
検察官の担当は2人、裁判官は3人の合議制で審理が行われ、傍聴席は毎回満員になり、司法修習生も見学に来ました。このような状況の中で、新米弁護士の私が1人で担当することに、大きなプレッシャーを感じました。
裁判が終わった後、裁判官や検察官から「よく頑張ったね」と声をかけられました。そのとき、自分のやってきたことが正しかったのだと安心しました。一生懸命取り組んだ成果が認められたことが嬉しかったです。
このように大きく報道される事件を弁護士1年目で経験できたことで、度胸が鍛えられ、よい経験になったと思います。
親身になって話を聞いてくれる人はどこかに必ずいる
ーープライベートについても伺います。休日の過ごし方や趣味を教えてください。
趣味はゴルフです。小学生の頃に習っていて、一時期は他のスポーツに興味が移りましたが、司法修習の際にゴルフ好きな弁護士と一緒にプレーする機会が増え、再び取り組むようになりました。
ゴルフは、弁護士の先輩や同期、仕事関係の方々と一緒に楽しむことが多いです。年齢や立場に関係なく、みんなが一緒に楽しめることが魅力です。
中には、弁護士歴30年以上のベテランの先生もいます。仕事などの相談をすると、親身になってアドバイスをしてもらえるので、とても心強いです。
また、「西日本法曹ゴルフ大会」という弁護士の大会があり、過去に優勝したこともあります。今年は岡山での開催が予定されており、楽しみにしています。
ーー今後の展望を教えてください。
一つ一つの案件について、事件処理の精度や法廷弁護技術などのスキルをさらに向上させたいと考えています。
依頼を受けた案件についてはもちろん全力で対応していますが、終わった後に振り返ると、改善点や反省点がまだまだあります。依頼された案件に対して、プロフェッショナルとしてより高いレベルで対応できるよう、スキルを磨いていきたいと思います。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
親身になって話を聞いてくれる人は、必ずどこかにいます。困ったときにはぜひ相談してください。それが法律問題かどうかは、相談先の弁護士が判断してくれます。まずは相談に行ってみて、話を聞いてもらうことが大切ですので、遠慮なく門を叩いてください。