綿密な打ち合わせを通して正確な事実を把握し、強固な主張を構築〜依頼者の味方として解決まで伴走
依頼者の話にじっくりと耳を傾け、事件解決のヒントを掴む
ーー注力分野と、依頼者のために心がけていることを教えてください。
弁護士になって約20年、離婚や相続、成年後見など家事事件のご相談を多く受けてきました。
事件解決のためのヒントは依頼者の話の中にあります。そのヒントを引き出すために打ち合わせに重点を置き、時間をかけて話を聞くようにしています。
依頼者の話を聞く際には、資料などと照らし合わせながら、客観的な事実関係を把握します。人の記憶はあいまいなので、事実と依頼者の記憶との間にはズレ(特に時間に関する記憶)があることが少なくありません。まして、詐欺被害者などは、当時自分を被害者として認識しておらず、被害状況を日常的出来事としてしか事実を受け止めていないのですから、騙された経緯など記憶を喚起するためには、客観的手がかりを必要とすることはよくあります。
交渉や裁判の場で法的に説得力のある主張を展開していくためには、正確な事実関係を把握することが何よりも重要です。依頼者が話す内容に整合性があるかどうか注意を払いながら、じっくりと事実関係を整理していきます。
ーー事実関係を聞き取る過程で、依頼者が「先生は自分を疑っているのではないか」と不安に思うこともあるのではないでしょうか。
まさに、そのような経験をしたことがあります。
DVの加害者として妻から訴えられた、ということで相談に来た男性の案件を手がけたときのことです。依頼者と話しながら、DV行為が実際にあったのかどうか確認していくのですが、いろいろな角度から仔細に聞き取っていく中で、依頼者が自分を疑っているのではないかと不満に思われることもあります。
裁判で一本筋が通った主張を展開するためには、依頼者が話す内容と客観的な証拠との間に矛盾がないか何度も確認するプロセスが発生します。特に依頼者としては、嘘を言っている認識がなくとも、人間は時間に関する記憶を正確に保持することは難しく、時期を誤って記憶していることはままあることですが、これを相手方から指摘されると、依頼者の信用性にかかわります。
事案によっては、事件の展開を体感された後で、当職の聞き取りの重要性を理解して頂き、強い信頼関係を遅れて作れたこともありました。
依頼者とは事件解決までの長い時間をともに歩むことになります。人生の重要な局面に立ち会う者として、依頼者の声に真摯に耳を傾け、最善の結果を得るために力を尽くすことが、我々の役割です。事件解決に取り組む中で依頼者との信頼関係を構築し、最終的な結果にも満足していただけたとき、弁護士としてのやりがいを感じます。
地域のために紛争防止の啓発を続けたい
ーー今後の展望をお聞かせください。
今後も、地域の方から寄せられる相談に対して丁寧に取り組んでいきたいと思っています。
駆け出しの頃、遠方迄出張相談に行ったときの経験が、地域の紛争解決に取り組みたいと思った原点です。相談内容を聞き、法律に基づいて解決方法をアドバイスしたところ、「だって、○○さん(地域の有力者)が言っている」という反論を受けたことがあります。
法律で解決するのではなく、地域の有力者の言いなりになっている方や慣習に固執している方がいることを知り、驚きました。このような現状を理解しつつ、法的な解決へ導くことに力を尽くしたいと思うようになりました。
起きてしまったトラブルの解決とともに、紛争防止の啓発も積極的におこないたいと考えています。
ーー紛争防止の啓発というと、具体的にどのようなことでしょうか。
先日は事務所主催で相続・生前対策セミナーを開催しました。たくさんの方がご来場くださり、みなさん高い関心をお持ちのようでした。ただ、「遺言を書くのは面倒だ」「財産の話を弁護士にしたくない」という方も少なくなく、実際に対策をする方はあまり多くありません。
これまで様々な相続の案件を手がけてきましたが、「遺言があれば紛争が起こらなかったのに…」と思うケースはいくつもあります。無用な紛争を防止するために、生前に取り組める対策についてもっとアピールしていきたいですね。
ーー今後、新たに取り組みたい分野はありますか。
知的財産権の分野に関心があり、これから研鑽を積んでいきたいです。弁理士の友人らと連携し、特許出願後に起こりうる紛争解決のサポートなどができればと考えています。
ーー最後に、トラブルを抱えて悩んでいる方にメッセージをお願いします。
一人で悩んで行き詰まってしまったら、他者の意見を聞いてみてください。自分とは違う視点の考え方を知ることで、新しい気づきがあり、そこから解決への突破口が見つかるかもしれません。
弁護士に相談していただければ、あなたの悩みを聞いて現状を分析した上で、法的な視点から問題を解決するための方法をアドバイスします。どうぞお気軽にご相談ください。