人助けのために努力を惜しまず、依頼者の置かれた状況を理解して最良の解決策を提案
被害者救済に尽力する弁護士の姿に憧れる
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
大学生のときに見たドキュメンタリー番組で、中坊公平先生という弁護士が組織的詐欺事件の被害者救済のために奮闘する姿に心を打たれたことがきっかけです。
中坊弁護士は、悪徳商法により全国に多数の被害者を出した豊田商事という会社の破産管財人となった人でした。破産時の豊田商事には、財産がほとんど残っていない状況でしたが、中坊弁護士が破産管財人として豊田商事の資金を徹底的に回収し、悪徳商法の被害者に少しでもお金が戻るように尽力しました。
反社会的勢力や一部の金融機関から妨害を受けても、被害者のために妥協しない姿勢を貫く中坊弁護士の姿に感銘を受けて、自分も人助けをする弁護士になりたいと思いました。
ーーどんな学生生活でしたか?
大学時代は、自分の学びたい科目を好きに選択して学べることがとても嬉しく、また、親に大金を出してもらっていることが申し訳なかったので、授業から少しでも多くのものを吸収しようという姿勢でした。卒業に必要な単位は3年間で取り終わり、4年次は法科大学院入試のための勉強に力を入れました。サークルは、「ドイツ法研究会」というサークルに所属しました。飲み会や旅行がある一方で、顧問の先生の指導の下でドイツ語の法律論文を訳しながら学ぶという、硬軟ある楽しいサークルでした。
法科大学院に進んでからは、司法試験に向けて勉強漬けの生活でした。常にストップウォッチを持ち歩いて、一日の勉強時間を測っていました。一日12時間勉強することを最低限の目安として、司法試験直前の半年間はさらに多い週100時間を目安にしていました。
試験前年の夏には、願掛けとして、試験に合格するまで禁酒することを決意しました。ビールを全く飲まずに過ごす夏はなかなか辛いものでしたが、無事に合格して解禁したときのビールの美味しさは格別でした。
依頼者の置かれた状況を理解して最良の解決策を提案
ーー注力分野とその分野に注力している理由を教えてください。
大きく分けて二つあります。一つ目は相続や遺言、後見など高齢者関連の分野です。
高齢者の方々が歳を重ねるにつれて、体が思うように動かなくなり、判断能力が衰えるなど、それまでできていた財産管理を人に任せざるを得なくなり、亡くなった後のことまで手が回らないことが少なくありません。
そうしたときに、ご本人の力だけでは実現できないことを弁護士としてサポートし、ご本人の思いを実現することにやりがいを感じています。
もう一つは離婚分野です。
これまで弁護士として活動する中で、家庭は他人の目が届かない性質があると実感しています。夫婦円満の時はよいものの、上手くいかなくなったときに、夫婦の一方の言い分だけがまかり通って、その不公平が是正されないケースを見てきました。
離婚の際の話し合いも同様に、片方のみに有利な内容で財産分与や養育費などの合意をしてしまうことが少なくありません。法的に公平なルールをお伝えし、不公平にならないように手助けするという点で、弁護士として力になれる部分が大きいと感じています。
ーー仕事をする上で心がけていることは何でしょうか。
依頼者の話をよく聴き、その方の背景を把握して最良の解決策を考えるようにしています。
また、相手方や裁判所に提出する文書を作る際は、読む人に依頼者のことがより伝わるように、推敲を重ねることを心掛けています。
ーー弁護士として活動をされてきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
国選弁護人として、特殊詐欺の受け子をした20代男性の弁護を担当したときに、被告人の家族の愛情深さに心を打たれたことです。
被告人は新潟県内の留置場で勾留されていたところ、被告人の実家は、新潟県からとても離れた所にありました。それにもかかわらず、被告人の両親と祖父母は、自動車でおそらく片道約7時間をかけて、被告人のために何回も面会に来ました。
弁護人でない一般の方の面会時間は、一日15分間という制限があります。被告人の両親と祖父母が、被告人に会うために自動車で7時間もかけて来て、たった15分間面会して、また7時間もかけて帰っていく。その長い長い行き帰りのときにどのような気持ちだっただろうかということを、私は被告人に質問して、被告人自身に想像してもらいました。被告人は両親と祖父母に感謝の念を抱いており、事件を反省する一つの材料となったと思います。
また、被告人の祖父は、被告人の罪が少しでも軽くなるように、ご自身の老後の生活のために使われるはずだった退職金約1500万円をすべて被害弁償に充てました。このようなご家族のサポートもあり、執行猶予つきの判決が得られました。更生して真面目に社会生活を送っていることを願っています。
早めの相談でよりよい解決を
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
もっぱら子どもと過ごしています。一緒にでかけることもあれば、宿題を見てあげることもあります。
料理が昔から好きで、休日は私が夕食を担当することが多いです。妻が狩猟免許を持っていて、クマやイノシシ、シカの肉などの一風変わった食材が手に入ったときは、シチューや大和煮などにして楽しんでいます。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
専門分野の知識を得て経験を積むだけでなく、専門分野以外のことについても幅広い知識を持つことを心掛けていますし、今後もそうありたいなと考えています。
「弁護士は何か一つのことを全て知っていなければならないし、全てのことについて一つは知っていなければならない」。これは、ロースクールのインターンで指導担当の弁護士が仰っていたことですが、今後もこの姿勢を実践していきたいと思います。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
できるだけ早めに相談をしていただきたいです。早めの対処でよりよい解決に繋がるケースが多くあります。
私が経験してきた中でも、相続で多額の債務があったのに、相続放棄の期限を過ぎてしまったために放棄ができなかったケースや、離婚問題で養育費の相場を知らずに、とても低い金額で合意をしてしまったといったケースもありました。
法律相談だけでも大丈夫ですので、ぜひ足を運んでいただければと思います。