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木下 祐太弁護士

( きのした ゆうた ) 木下 祐太

弁護士法人後藤東京多摩本川越法律事務所新潟支所

借金・債務整理

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【初回相談・着手金無料】【分割支払い対応】この苦しみから逃れるために、ご相談ください。恥ずかしくも怖くもありません。安心いただけるよう、誠心誠意サポートします。
弁護士法人後藤東京多摩本川越法律事務所新潟支所

新潟市役所、新潟大学病院近くです。

借金・債務整理の詳細分野

依頼内容

  • 自己破産
  • 過払い金請求
  • 任意整理
  • 個人再生

対応体制

  • 24時間予約受付
  • 女性スタッフ在籍
  • 当日相談可
  • 休日相談可
  • 夜間相談可
  • 電話相談可

お支払い方法

  • 初回相談無料
  • 分割払いあり
  • 着手金無料あり
  • 完全成功報酬あり

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借金・債務整理

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※もちろん、なるべく早く申立して終わらせたいから、とか、債権者が訴訟を起こしてきて、差し押さえされるとまずいから、早く積み立てる、というのをお引止めする趣旨ではございません。
債務整理費用 ◆破産:29万円〜(税別)

◆再生:34万円〜(税別)

以上が費用の基本でございます。

また、任意整理につきましては、1社につき5万円(税別)でございます。

また、破産・個人再生については、3カ月以内に積み立てて申し立てが成功した場合のキャッシュバック・任意整理については費用一括払いの場合の20%ディスカウントも行っております。

分割払いは長期回数も可能とする一方で、短期払いには特典をつけることにより、いずれの方の場合にもインセンティブがあるようにして、少しでも多くの方が最後まで債務整理を断念せずに完了できるようにすることを心がけております。

任意売却 任意売却についてのご相談も賜っております。また、任意売却については債権者と交渉の上で、可能な限り、引っ越し費用や残置物処理費用等を認めてもらうようにしております。債権者の主導の任意売却ですと、売却金はすべて債権者への返済に充当されてしまい、引っ越し費用もなくたきょされるという事もございますので、まずはご相談ください。
個別料金に関しましては、直接弁護士にご確認をいただくことをお勧めします。

借金・債務整理の解決事例(20件)

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借金・債務整理の解決事例 1

自分が自由に使える金はなかったのでついキャッシングで借金をして飲食代を捻出してしまいました。そこそこ給与は出てますが自由にはできないので、任意整理を実施【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉
 結婚しており、妻1人子供2人の典型的なサラリーマン家族です。

 システム系の会社に勤務していたため、自分でいうのもなんですが、そこそこ、給与は高かったです。

 ですが、給与は、全て妻が管理しており、私はお小遣い&その都度、申告制の形でした。

 ただ、例えば、飲み会があるから、いくらいくら下さい、と言えば普通にくれました。

 お恥ずかしい話ですが、この年になるまで、クラブとかキャバクラとかいう場所に行ったこともなく、飲み会と言えば居酒屋で、たまに年配の方と飲みにいったときにスナックにいったことがある程度でした。

 ところが、ある日、東京から地元に帰ってきた友人に連れられて、地元のクラブに行きました。

 本当に今まで行ったことのないようなまばゆい世界で、その中でも友人は、店員の男性やついてきた女性達ともかなり親しい感じで、ボトルも入っていました。

 女性の人たちも、ほとんどがモデルやアイドルになってもおかしくないような人たちばかりで、こんな世界が地元にあったのかとカルチャーショックを受けてしまいました。

 たまたま、私の隣に座った女性も、色白で目がぱっちりして、話も面白くて、しかも、私にLNEのIDまで聞いてくれました。

 友人曰く、

「お前も、そこそこ稼いでいるんだから、こういう所に来ないと駄目だよ。」

と言っており、私もついその気になってしまいました。

 その女性からは、翌日から、早速、頻繁にLINEが送られてくるようになり、最低でも週1、多いときは週3で通うようになってしまいました。

 しかも、例の東京帰りの友人も相まって、行くお店の数も段々、増えて行ってしまい、おかげで、かなりどの店でも名前を出せば、通じないことはないようにはなりました。

 さらには、同伴と言って、彼女たちの出勤前の夕食に付き合ったり、アフターと言って、彼女たちが、店(キャバクラ)が終わった後に一緒にカラオケに行ったりと、正直、完全に生活リズムが滅茶苦茶になりました。

 そんな生活を続けていたので、当然、妻は、不機嫌どころか怒りだしましたが、その東京帰りの友人が、地元の取引先がベンチャー企業で飲み会や付き合いが大変だとか、いろいろ説明してくれて、その点は信じてくれましたが、さすがに、この飲み代を借金で賄っていることはとても言い出せるような状況ではありませんでした。

 こんなことをしておりましたので、当然、金がなくなります。

 1週間で10万程度の金を使っておりましたので、小遣いで足りるレベルではありませんでしたし、逆に、こんなに頻繁に飲み歩けたのも、相手の会社さんの接待だということで言いわけをしておりましたので、その飲み代をくださいというわけにもいきませんでした。

 最初はキャッシングから始まり、次に消費者金融、そしてカードローンと、それこそ借りられるところからは全部、借りるみたいな感じになってしまいました。

 それでも、どこかでなんとかなるだろうと思っておりました。

 というのも、私は、前に勤めていた大手IT企業で早期退職に応じたために、900万円の退職金をもっていたからです。

 もちろん、それも妻の管理下にはありましたが、最悪、それが引き当てになると考えました。

相談後

借金の返済が滞り始め、督促状が来ました。

当初は、

「あれっ?カードの支払って払ったはずなのにおかしいな。」

「会社の経費立替分の清算が遅れている。」

みたいな話をしておりましたが、いい加減やばいと思って、ネットで調べて、こちらの弁護士事務所に連絡をいれました。

実は、東京にしか事務所がないけど、「全国対応」してくれるというところに、連絡をしたのですが、

「一度だけ、東京にいらっしゃることできませんか?有給かなんか使って。」

とか、

「出張相談もあるにはあるけど、費用が高くつくので、できればいらしてください。一回で済みます。」

とか、なんとか東京に来させようとするので、話にならないと思いやめました。

それで、こちらの事務所に電話したところ、なるべく早くの相談を希望と言ったら、たまたま、その日の夜に弁護士の人が空いているということなので、たしか、夜の7時ぐらいだと思いましたが、相談予約をとれました。

「とりあへず、持ち物も何もいりません。」

「まずは、ご自身で借金の内容とご自身の状況を伝えていただければ大丈夫です。」

とのことでしたが、普段からカバンに持ち歩いている(隠している)督促状はたくさんあったのでそれらをガサっと渡して、経緯を説明しました。

当初は、キャバクラで飲み歩いたなどというと、怒られるかと思って、

「会社の接待費を会社が経費として認めてくれないので自腹で出していたため。」

と言っておりましたが、

「そんな会社の接待で600万円も使わせるところあるの?」

と言われてしまい、結局、本当のことを話すことになりました。

ざっくばらんではありますが、的確に詰められてしまい、やはり、プロというかその道の専門家には誤魔化しは効かないなあと感じました。

怒られたり、「怪しからん!」と説教されるようなことは一切ありませんでした。 

「多分、よその事務所に行っても、まずは同じことを言われると思うんですけど、奥さんに話をして、退職金で清算するのが普通の方法ですよね?」

「まあ、ただ、そんなことは分かっているでしょうし、それが出来ないから、わざわざ弁護士のところにきているんですよね?」

「それでどうするかと言うと、『任意整理』って言って、これはいわゆるリスケなんですが、なるべく分割払いの返済期間を長くとった個別の債権者との和解をするしかないんですよね。」

「すいません。私の給与はすべて妻が管理しているので、月に10万とか7万とかの余剰がひねり出せる気がしません。」

「そういうことですか。だけど、借り入れが最近なので過払いになっているという事もなく、元本を任意整理で減らすというのはなかなか難しいんですよ。」

「任意整理とかやってしまうと、もう、お金は借入できないんですよね?」

「まともに金融機関からは借りられませんし、それにまた借りちゃうと借金が膨れるだけですので、意味ないですよ。借りた金で返すなんて馬鹿な考えはやめた方がいいですよ。」

「要するに、月々のお小遣いというか、自由につかえるお金が少ないことが原因だとは思いますが、今までも、例えば、職場の歓送迎会とかは、きちんとお金は頂けたわけなんですよね?」

「だったら、そこは、ランチをしたつもり、飲み会にでたつもり、で少しずつ積み上げていくしかないんじゃないでしょうか?」

「そして、どこかのタイミングで、きちんと話せるときが来るかもしれないですし。」

等々のやりとりがありました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

自己破産ないし個人再生は借金があれば誰でも利用可能な手続きであると勘違いしている方がいらっしゃいますが、そうではありません。

例えば、破産手続を開始するには、「支払不能」であることが必要です。

ただ、この支払い不能も、

「貯金はあるけど、奥さんが管理しているので支払い不能だ!」

と言っても聞いてはもらえません。

支払い不能とは、借金の返済を一般的かつ継続的に行えない状態です。

例えば、毎月の支払が20万円で、給与手取りが18万円だったら不能です。

なお、個人の破産の場合は、この支払不能が破産手続の要件ですが、法人の場合には少し異なります。

そういうことで、今回のケースでは、自己破産だとか、個人再生だとか、その手の裁判所を使った法的な手続きは使えないのです。

今回のケースは、債務超過ならぬ資産超過と言って、借金が600万ですが、他方で資産が退職金の分だけでも900万円あるので、裁判所とか他の債権者から見ると、『払えるんだから払ってください』と言われてしまうわけです。

それでどうするかと言うと、『任意整理』というリスケをするしかないわけです。

交渉により、なるべく分割払いの返済期間を長くしてもらう内容の債権者との和解をするわけです。

仮に、5年間の分割払いにすると、600万円の60回払いで、1カ月10万円になります。

もし、7年間まで分割払いが認められるとすると、1カ月7万ちょっとになります。

7年は債権者によっては厳しいです。

NTT等は7年は受け入れないです。

任意整理は、利息がつかないので債権者としてもあまりに長期だと受け入れがたいのです。

結局は、債権者に7年をなんとしても認めないという業者はおらず、なんと頑張ってて、7年間で、月約7万円で各債権者との任意整理の和解ができました。

支払いについては現在、継続中です。

支払いはどうしているかというと、会社にお願いして、毎月の返済分だけ、別の口座に振り込んでもらっているそうです。

もちろん、その分だけ給与が減ってしまうと不審に思われてしまうので、月30時間ほど残業を増やしたとのことです。

任意整理をしているほかの方はどうしているのかを聞かれたことがあり、

「皆さん、親から借りるとか、本業が終わった後にバイトしたりしている」

とかお話ししました。

一瞬、この方もバイトをしようかと思ったらしいのですが、よく考えると、そんなら会社で頑張って残業すればいいやという、当たり前のことに気が付き、残業を増やした分だけ別口座に振り込んでもらうようにしたのです。

会社には、信じてもらえたかどうかは分からないのですが、最近、カードの引き落としが両方の口座でされるようになってしまい、お金を移動するのをどうしても忘れるときがあるので、お願いできないかと頼んだところ、了承してもらえたそうです(参考になります)。

しかも、残業が不自然にならないように率先して仕事を受けるようにしたら、会社からの受けがだいぶ良くなったという副次的効果もあったとか。

体は疲れるでしょうが、よく考えたら、これまでは早々に仕事を切り上げて飲み歩いていたのですから、よほど時間は効率化されております。

まだまだ気は抜けませんが、コツコツ頑張って借金を完済して、完済してもその勢いを忘れずに、貯金し続けられるようになってほしいものです。

https://債務整理新潟.com/

借金・債務整理の解決事例 2

子供にお金のことで迷惑をかけられない、けど、家を守りたいので任意整理で頑張る! もともと、私の借金ではなく、相続で発生した借金でした【事務所法人案件】

依頼主 女性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉

もともと、私の借金ではなく、亡くなった夫の借金でした。

かなりの大金で、本当に、いろいろ考えましたが、いまだに、何の借金かは分かりません。

夫が亡くなり、家には私と子供が住んでおります。

私自身は、小売りの店舗をほそぼそと営んでおりますが、赤字ではありません。

人件費もかかりませんし、ほとんどが仕入れ消化で在庫買掛もありません。

子供は、私の店舗とは全く関係なく、介護関係のお仕事をお勤めで行っております。

夫が亡くなり、自宅については団体信用生命保険がおりましたので、住宅ローンはなくなりましたが、他方で、借金の方が、消費者金融、銀行(信用金庫カードローン)、等々、どんどん請求書が見つかり、結局、500万円近い借金でした。

一緒に住んでいたので当然分かりますが、ギャンブルもしませんでしたし、女性がいたという事も考えられません。

別に、お酒が好きだという事もなかったですし、もともと、堅い職場にずっとお勤めしていたので、何かの商売で借金ができたということもありません。

ですが、どんどん督促状とか、最終通知書とか、おそろしい文書ばかりが来るので、怖くなって、弁護士さんに相談しようと思いました。

ですが、こんな身内の話を誰にも相談できないと思ってどうすればいいかと困っていたら、子供がいろいろ調べてくれて今の弁護士さんに辿り着きました。

ただ、弁護士さんに相談したら、家を売れ、と言われるのではないかと怖くて、実際に、相談の予約をとるのに躊躇しました。

しかし、そのうちに、あるクレジット会社から、

【訴訟提起予告通知〈最終〉】

なる書面が届いて、それを読むと、支払いがずっとないので、これから裁判を起こして、裁判をしたら、強制執行と言って、財産を差し押さえる、ということが書いてありました。

ただ、今なら、話し合いの余地があるから、連絡するように、とも書いていありました。

それで、子供に、

「弁護士さんの所に行く前に、こっちの会社が連絡した方がいいかしら。」

と聞いたら、

「そんな1社だけ連絡してどうするの?」

「それこそ、家を売って借金返せって言われるに決まっているじゃない」

「早く、弁護士さんに相談に行ってよ!」

と怒られてしましました。

何事にも優柔不断な私の背中を子供が押してくれる形でした。

本当に、夫が生きているときには夫の言いなりになっていたので、夫が亡くなってしまい、一人では何もできない私に、このような頼りになる子供がいてくれたことが何よりも救いでした。

いろいろ、何を聞かれるかを考えていても仕方がないので、とうとう、仕事を1日休んで、弁護士さんのところに相談にいくことにしました。

しかも、その日は、当初は私一人で行こうと思っていたのですが、子供が私一人では心もとないと思って、有給をとってついて来てくれることになりました。

ありがたいことです。

相談後

弁護士さんに相談したらどうなるのか分りませんでしたが、結局、ありのままをお話して、どうしたら一番良いでしょうか?とお尋ねしました。

弁護士さんは、

「逆に、どうなるのが一番良いとお考えですか?」

「もちろん、借金が消えてなくなり、ローンがなくなったご自宅にそのまま住み続けられるのが一番良いのですが、客観的な状況から言ってそれは難しいと思うので、端的に言いますと、家をとるか、借金の一括返済をしてきれいにするのをとるか、を選んでいただきたいです。」

と言われました。

それで、ようやく、私自身が何で悩んでいたのかが自分自身ではっきり分かったというか、何を決めればよいのかが分かりました。

ただ、弁護士さんが、

「ひょっとすると、ご主人は、ずいぶん以前から借りたり返したりしている可能性もあるから、その場合、過払いと言って、高い利息の払い過ぎがあるかもしれないね。」

「そうしたら、少しは、今の借金の額も減るかもしれないので、先に調査だけしてあげますよ。」

と言ってくれました。

それで、後日、調査結果の一覧が出ましたという事で、ドキドキしながら、債務の額と不動産の価値の説明を受けました。

不動産については、予め、弁護士の先生がいくつかの不動産屋に査定を出してもらって準備してくれていました。

不動産の価値については1500万程度だそうでした。

結論としては、債権者のうちの2社分に過払いが出ていたということ、及び、消滅時効が1社は成立していたということで、500万ちょっと切るぐらいの借金の金額だったものが、360万円まで減るとのことでした。

それでも、約5年間で月6万ちょっとのお金を支払わなければならないとのことでしたが、その場で娘と話し合いの結果、なんとか頑張って2人で支払っていこうという話になりました。

といいますのも、その前に、弁護士さんにお話した際に、私が、

「夫の遺影を見ていると、ばかばかしいというか、悲しくなってしまいます」

という話をして、思わず涙ぐんでしまったのですが、先生ご自身が、

「相続するものがあるだけ、恵まれていますよ。」

「今回の相続が家と借金だからそう思うんです。」

「たしかに、借金なしで家が相続できればそれに越したことはないけど、借金しかなくて相続放棄しかできない人も沢山いるんです。」

「こういう形だから、ご主人に対して複雑な思いを抱いてしまうのかもしれないですが、もともと、家が賃貸で、1000万円程度の貯金を残してくれたら、そういう感情にはならなかったでしょ?」

と言ってくれたためです。

「もともと借家で1000万円相続したら?」

そういう考え方はしたことがありませんでした。

たしかに、夫が亡くなり、すぐに借金の話が出てきてバタバタしているうちに、落ち着いて考えるゆとりもなく来てしまったのですが、なにがしかのものでも残してもらったことについての感謝の気持ちがないという自分に気が付いたのです。

子供に迷惑かける気持ちも大きかったのもありますが、子供が、

「家賃支払うと思えば、毎月6万ぐらいは、全然、大丈夫だから」

「それに、最後はどうせこの家は相続できるんでしょ?」

と言ってくれたのも大きかったです。

思えば何も分からず、債権者の方々とお話を進めていたら、過払いがどうとか、時効がどうとかは分からなかったわけですし、実際、100万近くの借金が減ったことも、大変ありがたい話ではあります。

ないものねだりをしないで、これから、子供と2人でコツコツと頑張っていきたいと思います。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

借金と相続放棄について

借金を好んで相続する人はいないでしょうから、相続の際に借金があると分かった場合には、通常は相続放棄を選択します。

しかし、借金ばかりではなく、不動産その他の財産もあるときには、相続放棄をすべきかどうか悩ましい選択を迫られます。

通常は、単純に、借金と財産の双方を比較して、借金の方が多ければ相続放棄をして、財産の方が多ければ相続をして、財産の一部を使って借金を返済します。

とはいえ、現金の資産ばかりではありませんので、例えば、1500万円の家の一部を売却して、1000万円分の家を残す、などということは簡単にはできません。

そうすると、全体として売却して現金化するか、家を残したまま借金を別の形で返済するかの方法になってまいります。

今回がまさにそのケースです。

なお、借金を相続しても自己破産したら同じではないか?と思われる方もいらっしゃいますが、相続放棄と自己破産とでは、借金の支払い義務がなくなるという点のみを見れば同じに思えるかもしれませんが、全然、違います。

相続放棄は、降りかかってくる返済義務と相続財産だけを放棄するものですが、一旦相続してしまえば、自己破産と言っても、自分固有の財産も放棄しなければならなくなります。

自己破産は、相続した財産も放棄するのみでは済まないのです。

相続を契機にそれまで築き上げた自分の財産まで放棄しなければならないとしたら、とても苦しいですね。

相続放棄は、言い換えると、借金も財産ももともとなかったものと思えばよいのです。

相続放棄と自己破産とは大きく異なりますので、とりあへず相続して等と安易に考えない方がよいです。

それに、自己破産の場合には、手続きが複雑で費用もかさみます。

その複雑さは相続放棄の比ではありません。

もちろん、相続放棄にせよ、自己破産にせよ、面倒な手続きは全部、弁護士に任せるからいいんだよ、と思われる方は、鋭いですが、それでも費用も全然違います。

相続放棄なら、どんなに困難な状況、例えば、相続放棄期間が経過した後の相続放棄等であっても、せいぜい、10万程度ですが、自己破産の場合には、この3、4倍の費用が必要となります。

繰り返しになりますが、

「最悪、自己破産すればいいのだから」

などと、相続手続きを安易に進めないで、必ず、弁護士に相談してみてください。

今回は、破産も何も、そもそも、不動産という形にせよ、資産の方が借金より多いという資産超過の場合でしたので、破産の前提要件を欠いているケースのなので任意整理になりました。

債権者との交渉中に、債権者から、

「家があるんだから家を売って返済してください」

と言われたら嫌だなあ、分割払いの交渉が難しくなるなあ、と思っておりましたが、相続人が債務整理に真摯に臨むケースはさほど多くなく、死んだ人の借金を相続人にまで追いかけるのは債権者としてもそれほど厳しくは行わないそうで(某保証会社の担当者との雑談)、助かりました。

ただ、家も、経年により、その資産価値は減りますし、土地だって、人口が減少する今の日本ではごく一部の地域を除いては、価値が下がるでしょうから、その家にしがみつくかどうか、現金化した方がいいのか、というのは感情論をひとまず置いておいて、客観的に判断した方がいいとは思いますが。

https://債務整理新潟.com/

借金・債務整理の解決事例 3

(その1)ギャンブル、浪費、無謀な貸付、全部やりました。厳しい自己破産手続き。散々あがいた挙句、ようやくたどり着いた免責【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 女性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉

実は、私は、こちらの事務所にお世話になる前に、別の弁護士の先生、司法書士の先生にもお世話になっているのです。

さすがに、ここまで、いろんな所を回っているのは私だけではないかと思います。

実家は東京ではないのですが、そこから、一度、東京に出て、また地元に戻るということをしております。

東京に出たのは、単に好奇心からなのですが、そこで、営業事務の仕事をしておりました。

実は、すごい会社の業績はよくて、社長もまだお若かったのに、高級外車を何台もお持ちでした。

従業員にも賞与も出るし、社員旅行も海外でした。

そして、その時に付き合っていた男性が、同じ会社の人で、彼は会社の成績もよく、社長からも気にいられていました。

彼の影響を受けてしまい、私も、だんだん生活が派手になってしまい、彼に付き合ってパチスロもやるし、よくブランドショップも出入りして、カバン、靴など、すべてブランド品でした。

ショッピングは、全部、クレジットカードを切ってやっておりましたし、パチスロも熱くなると、近くのコンビニATMでキャッシングしてお金を突っ込んだりしておりました。

それでも、またいつか、賞与がドンと出たり、彼の給与が右肩上がりになるだろうと思って、いつか返済できるようになる、と今から思えばよく分からない根拠でやりたい放題でした。

ところが、そんなにうまく続くはずはなく、会社がとある理由から業務停止になってしまいました。

それで大騒ぎになり、社員はことごとくリストラになってしまいました。

私は、しばらく失業保険をもらいながら無職を続けましたが、彼は、また別の会社に就職することになりました。

今度は、私も詳しくは分からなかったのですが、何か特殊な機器のようなものを売る仕事だということでした。

ただ、今度の会社ではなかなか苦戦していると泣きがはいっていたので、私も彼を助けるために、自分も無職なのに、キャッシングをしては、彼にお金を渡していました。

ですが、そもそも、私自身の返済もある中で、彼にお金を渡していたので、私も困ってしまい、

「いつになったら返してもらえる?」

「私もすごい困っている」

「今、お給料ってどうなっているの?」

などという話をしていたら、次第に、連絡自体がつながりにくくなってしまいました。

それで、あまりに音信不通が続くので、彼のマンションに行ってみたところ、なんと、彼はもうそこには住んでいませんでした。

家賃が支払えなくて追い出されたのかと思い、彼が勤めていると言っていた会社の電話番号に電話してみました。

ところが、驚いたことに、彼は在籍していない、と言われてしまいました。

仕事も辞めたのかと思い、いつ辞めたのかと聞いたところ、さらに驚いたのですが、一度も彼の名前で在籍した者はいない、と。

そんなことがあるはずがないと思いながら、毎日、毎日、何度も彼のケータイに電話・メール(LINE)をし続けましたが、まったく連絡なしで、LINEも既読にもなりません。

何が何だか全く分からないまま時間だけが経過したのですが、そのうち、私も返済が滞って、カード会社から逆に何度も電話を受けるようになってしまい、東京の弁護士事務所に相談に行ったのです。

たしか、ネットで検索して、上の方に名前がでていた事務所だったと思います。

相談後

(最初の弁護士さん相談)

そこで私はまずは、彼の居場所を探してほしいこと、および、彼からお金を取り戻したいと言ったのですが、弁護士さんからは、弁護士は探偵とは違うので、それは難しいと言われました。

それでは、私のこの借金だらけの状況はどうすればいいのかと言ったところ、

(最初の弁護士)「全部が全部、その男性のせいではないですよね?」

        「あなたにだって、パチスロやったり、ブランド品を買ったり落ち度はあるわけでしょ?」

        「そんなんじゃ、破産はできないので、任意整理にした方がいいですよ。」

        「とにかく、任意整理をした後でその男性のことはどうするか協議しましょう。」

  と言われてしまいました。

当時の借金の額が約400万円で、そのうち彼に貸したお金が150万円でしたので、その弁護士さんが言うのにはまず、400万全額について、3年払いの分割払いとする任意整理をして、月12万円を支払い、彼からもしお金が戻ってくれば、それを繰り上げ返済に使えばいいのではないかということでした。

ですが、月12万円なんて額は到底払えないし、もし彼からお金が戻ってこなかったらどうするのかを聞いたところ、

(最初の事務所)「その場合には、残念ですが、破産するしかないですね。」

        「ただ、破産もできるかどうか分からないですよ。」

  と言われてしまいました。

(私)「そんな、分割払いもできないし、破産もできるかどうか分からないのなら、私はどうしたらいいのですか?」

  と聞いたら、逆に、

(最初の事務所)「じゃあ、あなたは私たちにどうしてもらいたいのか言ってください。」

  と言われてしまいました。

それで、こちらの事務所の方たちとやりとりしても、どうにも先が見えないので、そちらには依頼はしないことを伝えました。

そうこうしているうちに、失業保険も切れるし、借金の返済もできなくなりし、家賃も支払えなくなりそうなので、実家に帰ることにしました。

(二番目の司法書士さん)
そして、次は、東京の司法書士の事務所に相談してみました。

そうしましたところ、

(二番目の司法書士さん)「弁護士さんはプライドが高いから、そういうことって多いんですよ。」

            「うちは顧客目線で考えているんで、ご安心ください。」

と言われて、ホッとして涙が出てしまいました。

そして、司法書士さんの作戦としては、彼に貸したお金については、破産が終わった後にゆっくりと取り戻せばいいということでした。

そこで、自己破産の申し立てをしていただくことになりました。

いろいろ準備する書類とかもありましたが、そちらのスタッフの方が優しく教えてくれたので、滞りなく準備することができ、破産の申し立てをしていただきました。

ところが、その司法書士事務所から連絡があり、

(二番目の司法書士さん)「すいませんけど、今週中に30万円ご用意いただけますか?」

  と言われてしまい、そんな大金を急に用意できるはずもないので、どうしてかと聞くと、どうも私の浪費の経歴が問題になってしまい、破産管財人が必要となるのだけど、破産管財人がつく場合には30万円が必要だということ。

「どうして、事前に言ってくれなかったの!」

「私の経歴は話してありましたので、プロならこうなることは予測できたはずですよね?」

「30万円を用意できなかったらどうなるんですか?」

と聞くと、破産は却下されてしまうとのことでした。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

ただ、30万円を用意できないものは用意できないので、結局、自主的に取り下げるように裁判所から言われたとのことで、結局、取り下げることになりました。

そして、また、司法書士から、30万円を毎月、積み立ててほしいと言われたのですが、破産管財人とかの話を全くされていなかったので、改めて、説明を求めたところ、その司法書士からは、

「150万円を彼に貸していることも問題視されている。」

「破産が終わった後に回収するなんてことはできない。」

とまた相談者を混乱させるようなことを言ったそうです。

(司法書士は、貸付金について何も対応していなかったようです。)

そこで、依頼者の方は、ちょっと信用できないので、費用を返してほしいと言うと、

「一応、申し立て自体はしたので」

と言われました。

しかし、事前になんの説明もなく、ただやみくもに申し立てだけされても納得できない旨を伝えると、渋々と言った感じですが、積み立てた35万円のうち、5万円が差し引かれて返金してもらえたそうです。

依頼者の方も、疲れ切ってしまったそうですが、これで最後にしようと思い、それこそインターネットで真剣に調べたとのこと。

そして、自分と似たような事例があったので、電話をされてきたそうです。

依頼者の方は、

「インターネットの事例を見ました。」

「この事例を担当された弁護士さんは誰ですか?」

「まさにこの事例を担当された弁護士さんを依頼することできますか?」

「図々しいようですが、もはや背に腹は代えられないところまで来ている」

と圧が凄かったので、通常は、こういうのっけからの指名というのはないのですが、お受けすることにしました。

こちらからご連絡を差し上げて、

「最初の面談はもちろん私が担当しますが、その後の手続きは自分一人では手が回らないので、複数で対応させてもらう形でもよろしいでしょうか?」

「何かあれば、私の携帯もメールも教えますし、ただ、そもそも、ご依頼されるかどうかは面談してからお決めになってからでもよいのでは?」

と言うと、笑いながら、

「それもそうですね。」

とおっしゃり、後日、面談させていただきました。

「そもそも、浪費とかギャンブルがある時点でまずは管財になります。」

「通常は、浪費やギャンブルは免責調査型と言って、免責してもよいかどうかを慎重に判断するために管財人がつけられるのですが、その場合には管財費用、要は、管財人の報酬分がかかるのです。」

「何をおっしゃりたいかは分かります。」

「管財人つけるかどうかを決められて、しかも、その管財人弁護士の代金をこちらに払わせるのかって思いますよね。」

「でも、制度の仕組み上、そうなっているのです。しかも、管財人も、管財報酬をお支払いいただきありがとうございますなんてお礼の一つも言わないですから、まあ、納得いかないとは思うんですが、ご理解くださいとしか言いようがないんです。」

「まあ、むしろ、ありがとうございますどころか、その逆で、自分が代官になったつもりの態度で臨んでくる破産管財人もいますから、予め言っておきますが、そちらもそういうものだと思って耐えてくださいね。」

  ⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒(その2)に続く。

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借金・債務整理の解決事例 4

(その2)ギャンブル、浪費、無謀な貸付、全部やりました。厳しい自己破産手続き。散々あがいた挙句、ようやくたどり着いた免責【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 女性

相談前

前回までの流れ

 いわゆるダメ男と付き合い、ギャンブル、浪費そして、そのダメ男そのものに貸付をしてしまった女性。
 交際当初は、ダメ男ではなかったのかもしれないが、女性も彼も、勤務先の会社が業績が右肩上がりのイケイケ企業だったので、その勢いにつられて、金遣いがあらくなってしまったというもの。

 しかし、そのようなイケイケ状態がずっと続くこともなく、会社はとある理由から業務停止になってしまい、当然、社員はリストラされることになった。

 もちろん、女性も彼も例外ではなく、リストラになるが、金遣いが荒かった当時にできたキャッシングやショッピングの借金の支払が重くのしかかる。

 それでも、女性は彼を応援するために、なんと自らが借り入れをして彼に貸し付けるということまでしてしまった。
 ところが、いつまでも金を返してくれないので、催促しているうちに音信不通状態になる。
 聞いていた勤務先も、実は、その会社には在籍していなかったということが判明。

 ダメ男はとんずらこいて、貸した金の回収もほぼ難しい状況。
 しかも、自分の借金の返済も難しい状況。

 窮地に追い込まれた女性は弁護士に相談することになる。

 最初に相談した弁護士からは、ギャンブル、浪費があるから、破産をするにも免責が認められないので、任意整理をしろと迫られる。

 また、男に貸した金の回収も聞いてみたが、探偵ではないので、居場所も分からない人間から金を回収するのは困難なので、任意整理をしてから、その件はゆっくり考えたらよいと言われる。

 しかし、任意整理というのは、今ある借金の額は減らずに、その1回あたりの返済額を伸ばすだけの手続きで、女性はその返済すら難しいという状況。

 こちらの弁護士とやりとりしていても埒があかないと考え、その弁護士に依頼することは断念。

 今度は、弁護士ではなく、司法書士に相談に行った。

 司法書士は、最初の弁護士と異なり、押しつけがましいところはなく、スタッフの方も優しかった。

 そして、任意整理では支払いができないというと、自己破産を選択するのがよいと言われて、自己破産を申し立てる。

 しかし、自己破産手続きには、破産管財人がつけられる管財手続きと、管財人がつけられない同時廃止手続きというものがあるが、ギャンブルや浪費がある場合には、通常、破産管財人が付される破産管財手続きに回される。

 破産管財手続きに回されると、時間もかかるが、費用も余計にかかる。

 破産管財人の報酬は、破産を申し立てる者が支払わなければならないとされているからだ。

 ところが、司法書士は、そのことを知ってか知らないでか、この女性については、破産管財人が付されない前提で破産の申し立てをしてしまった。

 当然、裁判所からは、破産管財手続きになるので、破産管財人の報酬も支払うようにと命じられる。

 しかし、破産管財人の報酬は、司法書士に依頼した申し立ての場合には、弁護士に依頼した場合と比べて高額であり、しかも、原則として、一括で支払わなければならないため、到底、女性は準備することができずに、せっかく申し立てた破産手続きを取り下げることとなってしまった。

 そのようなドタバタがあり、司法書士に継続して依頼する気が失せた女性は、これで最後と、さらに別の弁護士を探した。

 そして、これまでの経緯や今後どうなるのか?そして、どうすればよいかを弁護士に相談している。

相談後

弁護士さんからは、

「ただ、あなたの場合には、元カレに貸した金の回収可能性があるかもしれないので、いずれにせよ管財費用は必要になると思います。ただ、司法書士よりは管財費用は安くなります。」

と言われました。

「えっ?管財費用は弁護士も司法書士も同じではないのですか?」

と聞いたところ、

「弁護士が代理人としてついてるのと司法書士が書面だけのサポートをするのでは破産管財人の手間が違うのです。」

と言われて、

じゃあ、弁護士に頼んだ方が得ってことですか?」

と思わず言ってしまいましたが、

「まあ、得っていうか、そうですね。」

「その辺はね、弁護士もちゃんと皆さんに本当は周知しないといけないんですよ。」

と苦笑いしていました。

「それで、この元カレ貸金の件だけど、おそらく、回収できる可能性は低いと思うけど、何もしないで、管財人に『あとは、よろしく!』って言うわけにはいかないので、やれるところまではやりますね。」

と言って、もともとの彼の住所から、住民票を取得してもらったところ、なぜか、関西の方に住民票が移されているとのことでした。

彼からは実家は東北だと聞いていたのに、なんのゆかりがあって関西なんかに住所を移したのかが検討もつきませんでした。

そして、そこに何度も郵便物を送ったり、弁護士事務所から元カレの電話番号に電話してみてもらったりしましたが、やはり、連絡がつくことはありませんでした。

すると、弁護士さんは、私が、彼の実家が東北にあるということを聞いて、なんと、彼の両親の住所、正確には、もう母親しか生きていないので、彼の母親の住所まで調べて、そこに彼の連絡先を尋ねる文書を出してくれました。

そうしましたら、ついにアイツから連絡がありました。電話で。

「何の用?」

ひどい言い方でした。

私は、ずっとずっと連絡がなくて、借金の返済にも窮して困っていたことを伝えると、衝撃の反応がありました。

「知らねえよ。自分の借金だから自分で始末つけるの当たり前だろ。」

「弁護士なんか使って何がしてえんだよ。」

「どうせ、弁護士にそそのかされてんだろ!」

「その弁護士が報酬欲しさにあおっているだけだぞ!」

もう、頭に来るのを通り越して吐き気がしましたが、弁護士さんに連絡したら、

「分かった。すぐ連絡してみる。」

と連絡してみてくれました。

「何なのアイツ!あんな奴とよく付き合っていたね。」

やはり、弁護士さんにも同じ対応・回答だったとのことで、私が虚偽を言っている、証拠があるのか、等々の開き直りだったとのことです。

たしかに、証拠はないのですが、悔しくて、悔しくてたまりませんでした。

弁護士さん曰く、

「裁判起こすということもできるけど、やはり証拠がないと相手を追求しきれず費用倒れになる可能性が高いです。」

と言われてしまいました。

そして、こうも言われました。

「感情的に許せないのはよく分かりますが、仮に彼から貸した金が返ってきても借金は400万から250万円に減るだけです。」

「そして、自己破産というのは、借金が400万円でも800万円でも、免責がおりれば最後はみな同じで、借金はゼロになります。」

「それなら、ここまでにして破産を申し立てませんか?」
  
と説得され、ようやく落ち着くことができました。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

破産の申し立て時には、一応、申立代理人が、このケースは破産管財人がつく破産管財手続きか、それもとも破産管財人をつける必要がない同時廃止手続きかを選ぶチェック欄があります。

それなら、申立代理人が同時廃止と選べば破産管財手続きにならないで済むのではないか?と思われるかもしれませんが、そういうものではありません。

さすがに、浪費・ギャンブル、未回収の貸付金があるという状況で、破産管財人は不要です、と言っても、通常であれば、裁判所が、

「いや、このケースでは破産管財人をいれて調査させる必要がある」

と破産管財手続きに回すことが明らかです。

もちろん、ギリギリのケースもあります。

例えば、ギャンブルをやったことはあるけれども、数年前にやめており、しかも金額もそんなに多額でなかった、とか、浪費と言えなくもないけど、その当時は、十分に毎月のお給与から支払いを継続することができるはずだったのに、突然、リーマンショックやコロナショックのようなことがあったために、リストラ・失職したような場合です。

その場合には、上申書とというものをつけたり、資料を添付したりして、こういう事情だし、破産管財費用もないので、同時廃止手続きで進めてもらいたい旨の上申(要は、お願い)をすることにより、破産管財手続きに回されないで済むこともあります。

ですが、これはかなりレアです。

上申(お願い)しさえすれば、なんでも同時廃止手続きにできるというものではありません。

また、貸付金の未回収金についても、相手が行方不明であるとか、相手自身が自己破産している、生活保護を受けている等の状況ですと、回収することはほぼ不可能ですので、その旨を上申することにより、

「たとえ破産管財人をつけたとしても、もはや回収できる可能性はありません。」

「したがって、破産管財手続きでなく同時廃止手続きでお願いします。」

という願いが受け入れられる可能性があります。

本ケースでは、一応、元カレと電話連絡はつく状態なので破産管財人も多少、調査はしたようです。

しかし、結論としては、破産管財人は、申立人の女性に同情は示してくれましたが、元カレを訴えるとかはしないままで終わりました。

他方で、昔のパチスロやブランドショッピングについては、

「もうやっていないですよね?」

と確認されたぐらいで、ほとんど触れられませんでした。もちろん、反省文をしっかり買いて提出済みなので、聞いても同じことを言うだろうと思ったのかもしれません。

そして、なんとか破産の免責が認められることになりました。

結局、破産管財人も回収できず、破産管財人はその貸金請求権を放棄しました。

放棄したとは、要するに、

「あとは、自分で好きにしてください」

ということです。

そこで、

「もし、元カレの追及をするつもりなら、元カレへの債権が消えてはいないので、反省を迫る意味合いであれば、やってもいいかもしれませんがどうしますか?」

と聞きました。

しかし、実は、その時点で新たに交際を始めたそうで、とれもしないお金のために、元カレがどうのと騒ぐのも、その交際相手に悪いので、もういいです、って言うことでいした。

ちなみに、その交際相手とは最終的に結婚することになり、今は専業主婦です。

そういうこともあって、逆に考えれば、結婚前にすべてのゴタゴタを整理できて本当によかったとのことでした。

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借金・債務整理の解決事例 5

(その1)一時は退職を覚悟しました。ゲーム・アイドルにドはまり人生からの復活。公務員なので自己破産手続きは不可能だと思っていました。【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉

ゲーム課金にハマってしまいました。

最初は、本当に暇つぶし程度で、しかも、全くお金をかけずに、ゲームを楽しむだけだったのですが、段々と進むごとに、そのステージをクリアすることが難しくなり、そこで、ちょっとした武器のアイテム等を購入することになったのがゲーム課金の始まりです。

1つ1つは、100円とかそんなものなんです。

「普段、一生懸命に働いているんだし、そんな数百円ぐらいは良いんじゃないか?」

「ほかの人達は、ゴルフをやったり、飲みに行ったり、自転車を買ってロードサイクルやっているんだから、それに比べればかわいいもんだ。」

そういう意識でした。

ところが、段々とハマってしまい、今日は、ここまでにしよう、あと1ステージだけクリアしたらもう止めよう、と思うのですが、何やら頭が冴えてしまい、眠れないからもう1ステージだけやろう、と気がつけば夜が明けてしまい、疲れた体とボーっとした頭で出勤する、などということもありました。

そして、一つのゲームを攻略すると、今度は、もっと面白い、やりがいのあるゲームはないのか?とまた別のゲームを探す、という有様でした。

とにかく、早く仕事を切り上げてゲームをすることだけが全てだった時期です。

本当に今思えば酷い生活をしていました。

さらにひどいことには、会社というか(公務員ですが)、共済組合からの貸し付け制度があり、そのお金も借り入れてしまいました。

それも、ゲーム課金の為です。

さらに、それだけではないのです。

今度は、ゲームから派生して、あるアイドルにハマってしまいました。

もともとは、そのアイドルを主役にしたゲームをやっていただけだったのですが、そのゲームをやっているうちに、知らぬ間に、今度は、リアルでそのアイドルに会ってみたいという気持ちになってしまいました。

ライブに行くとしても、地元でやる講演は数少ないので、自ずと大都市圏、東京、大阪、名古屋に行く必要が出てきます。

ライブに行ったら行ったで、ライブに行くだけでは飽き足らず、握手会にも行きたいと思うようになり、そのためにはCDを購入しなければなりません。

そして、さらには、そのアイドルを応援するためにグッズを購入することも必要となってきます。

結局、CD、DVD、グッズ、ライブと、こちらも相当なお金を使ってしまいました。

できた借金の額は400万円程度で、当初は、自分は公務員は自己破産すると失職すると思い込んでいて、そのため、一番最初に相談に行った司法書士事務所では、自分は絶対に破産はできないと言われてしまいました。

そうしましたら、そちらの司法書士事務所では、任意整理と言って、それまでの借金を長めの分割払いにすることをやってくれました。

それはそれで利息がなくなって良かったのですが、共済組合からの貸し付けについては、

「これを任意整理の対象にすると、おそらく解雇されることになります。」

と言われましたので、そちらは、そのまま支払いを続けることにしました。
  
しかしながら、月10万円程度の支払いを続けて、かつ、その司法書士事務所の費用も支払い続けたので、全く続かなくなりました。

賞与で少し余裕が出るかもと思ったのですが、賞与分については、毎月ではない一時的な支払い・支出にも回さなければならなくなり、やはり、支払いを継続するのは困難な状況になってしまいました。

それで、今度は弁護士事務所に相談することになったのです。

相談後

最初の面談で弁護士の人から言われた言葉が衝撃的でした。

「なんで、払えもしない任意整理なんてしたんですか?」

私は、

「払うのはきついと思いましたが、首になると困るので・・・」

とありのままに答えましたが、

「別に公務員だからって破産したら首になるってことはないですよ。」

私は、

「それではこれまでの任意整理をしたのはなんだったんだ」

とガッカリするとともに力が抜ける気がしました。

ただ、もう一つの気になること、

「破産しても首にならないのは分かりましたが、実は、共済組合からお金を借りているのです。」

「あともう少しで完済できますが、自己破産をするとその共済組合からの借り入れについても支払いできなくなるんですよね?」

「さすがに、共済組合の借金をチャラにするような真似をしたら首になると思いますが・・・。」

「ならないです。」

「ならないですが、非常に気まずいというか職場にいずらくなるでしょう。」

「会社からすれば、従業員に金を貸して、それを給与から天引きしていこうと思ったのにそれができなくなるのですからね。」

「それでは、どうしたらよいでしょうか?」

「もし、可能であればですが、ご親族か誰かに頼んで、会社への支払い分を一括返済してもらうことです。」

「今、あなた自身が支払うのは偏頗弁済と言って、破産を申し立てた後に問題になります。」

「つまり、あなたが返済したとしても、特定の債権者にのみ返済をしたとして、破産管財人が結局、会社に取り戻しにかかります。」

「要するに、会社側からすると、せっかく返済してもらった分をまた管財人に返さなければならなくなるのです。」

「もし、会社側が『そんな返済が大変になっているなんて知らなかった』と返済を拒むとすると、破産管財人が訴えてくるかもしれません。」

「ただ、本当に、会社が善意で受取ったのだとすると、破産管財人に返済しなくても済むかもしれませんが、そうすると今度はあなたがその分の返済をしなければならなくなるかもしれません。」

「分かりやすく言うと、『会社に支払ったのは無効だから、その分は破産管財人に返済しなさい』と言われるのです。二重払いさせられるわけですね。」

「とまあ、この話は、会社に返済してくれる人がいるか、会社に返済できる金がある場合の話です。」

「それが難しいという場合には、もう1つ手があります。」

「それはなんでしょうか?」
 
「会社に、『すいません』というのです。」

「さすがに、それだと・・・」

「さっき、先生も『非常に気まずいというか職場に居づらくなるでしょう。』と言っていましたよね。」

「そう。だから、借金を未来永劫、返さないことになるとそうなるのでしょうが、そうではなく、今回の破産手続きが終わった後のことは、相談させてくださいって言うんです。」

「??????」

「だからね。破産すると全ての債務については支払い義務はなくなるんですが、その後に、あなたが自発的に迷惑をかけた債権者の方になんらかの償いをするのは自由なんですよ。」

「どうせ、会社を続けるのですから、いくらでも償いをするチャンスはあるでしょう。」

「多分ね。その話をすると、あなたは、ゲームがどうとか、アイドルがどうとか、そういう話になるから躊躇しているんでしょうけど、別に借金の原因まで言わなければならない義務はありません。」

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

それでも、相談者の方は、不安そうでしたので、

「もし、それもこれも、どうしても不安だという事であれば、私があなたの上司なのか、人事部なのか、総務部の人とうまく話してあげますから、いずれにせよ、あなたは首になることはないし、会社で居づらくさせられることもない。」

「ただ、気持ちはしっかり持ってください。」

「あんまり、おどおどしたり、不安がったりしないでください。」

「そうしないと、今回の問題とは別に、あなたの勤務状況ないし勤務成績の問題として、職場で浮いちゃうかもしれないですよ。」

と励ましましたが、やはり踏ん切りがつかないようでした。

それで、依頼者の方は、一度は、両親に会社への支払いができないかを聞いてみようと思ったのですが、ちょうど折悪しく、父親が心筋梗塞で入院するという事件があり、とても、このような話を切り出せるタイミングはなかったとのことです。

そして、もともと、自分のことで親に迷惑をかけるのも忍びないと思っていたので、結局、「会社に素直に言う」作戦を実行することになりました。

さすがに、切り出す前には、『こう言われたらどうしよう』、『これはなんて説明しよう』と考えるだけで夜が明けるようなこともあったそうです。

そしてとある日、課の課長に、

「すいません。」

「ちょっとお話が。」

「・・・というわけで、これからは、共済組合への返済ができなくなるのです。」

と話をしました。

これについての課長の反応は、

「なあんだ。」

「そういう話か。」
  
「てっきり辞めるって言うのかと思ったよ。」

「俺も実際どうなるのかよく分からないけど、組合は組合、会社は会社だから、直接は関係ないだろ。」

「まして、弁護士まで頼んでいるのなら、そういうのは任せておけばいいんじゃん。」

「総務課長にも言うけど、同じことを言うと思うよ。」

「まあ、あんまりクヨクヨするな。お前の借金のことをそんなに気にするほど、皆、暇じゃないよ。」

と言われて、

「ご迷惑・ご心配かけてすいません。」

と、予想外の対応をされて、不覚にも泣いてしまいまったそうです。

ただし、その後、そんなに簡単に進んだわけではありませんでした。

やはり、共済組合の担当者から、いろいろな書類が送られてきて、その中に、「始末書」と「支払い計画書」っていう書類も含まれていました。

そのことを伝えられて、どのように記載すればよいのかを尋ねてきたので、

「そんな書類に絶対にサインしては駄目ですよ。」

「その共済組合の担当者さんも破産の手続きとか決まりとかは分かっていないみたいなので、こちらで直接話しますので、連絡先を教えてください。」

と言いました。

そして、共済組合から送られてきた書類一式とともに弁護士事務所にメールしてもらいました。

その後は、直接、弁護士と共済組合とやりとりをして、破産の仕組み上、偏頗弁済をするわけにはいかない旨を説明し、ご本人にはピタッと連絡がいかなくなりました。

それはそれで何か不気味な気がしたのか、弁護士事務所に、

「こちらには何も言ってこないのですが大丈夫ですか?」

「何か私にすべきことはありますか?」

「このまま、突然、首になったりとかはないでしょうか?」

等々、不安から、メールで連絡が来ておりました。

その都度、大丈夫とは言っていたのですが、不安が消えないようなので、申し立て前に最後の打ち合わせという事でご来所いただくことにしました。

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借金・債務整理の解決事例 6

(その2)一時は退職を覚悟しました。ゲーム・アイドルにドはまり人生からの復活。公務員なので自己破産手続きは不可能だと思っていました。【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

(前回までのあらすじ)

公務員で、それまではまじめに生活してきた依頼者の方。
しかし、暇つぶしから、少しずつやり始めたゲームが面白すぎて、ハマってしまい、ゲーム課金にどんどんハマっていきました。

しかも、アイドル関連のゲームをやっていたところ、そのアイドルそのものにも興味を持つようになってしまい、今度は、ライブ、CD、DVD、グッズ購入へと進んでいきます。

給与は安くはありませんが、こんなにゲーム課金、アイドルを追いかけてのライブ遠征、アイドル関連商品の購入を続けていたら、お金が足りなくなります。

そこで、彼は、公務員であることを利用して、低金利の公務員共済組合の貸し付けを受けます。

低金利であることはよいのですが、これがのちに、彼が自己破産を行う際の大きな足かせとなっていきます。

もちろん、借金を作った原因がゲームやアイドル関連だというのですから、これ自身が大きな浪費ですので、これも、自己破産をする場合の「免責不許可事由」と言って、借金の支払い義務を免除しない理由になっております。

ですので、かなり、ハードルが高い自己破産のケースではあります。

ただし、勘違いしている方が多いのですが、公務員は自己破産をすると懲戒解雇事由になる、つまり、退職せざるをえなくなる、と考えている方が多いようですが、そういうことはありません。

たしかに、自己破産することは、胸を張って威張ることではないですが、いずれにせよ、それはあくまでもプライベートに属する事項です。

ただ、問題は、会社に自己破産をしたことを知られるかどうかです。

たしかに、自己破産の手続きが開始されますと、「官報」という国の広報誌のようなものに掲載されるのですが、その「官報」を日々チェックしている人ってまずいません。

弁護士だってそうです。

当事務所も、官報検索サービスにお金を払って加入していますが、一々、ことあるごとに、

「この人は過去に破産した経験はないのか?」

などと検索などしません。

弁護士ですらそうなのですから、通常は、まず官報そのものを継続的にチェックするなんてことはしないのです。

ところが、この依頼者の方の場合には、共済組合から貸し付けを受けております。

つまり、この依頼者の方にとって、共済組合は債権者なのです。

したがって、共済組合にも破産をする際には通知が行くことになります。

いくら、共済組合と勤務先自体が別だとは言っても、共済組合への返済をストップすれば、それまでは、給与から天引きされていたのですから、勤務先にもそのことがばれてしまいます。

バレると、首にならないかもしれないけど、

・上司から怒られる
・同僚から白い目で見られる
・会社内で馬鹿にされる

等々、苦しい状況になるかもしれません。

ただ、普通は、上司の方もそれをあえて言いふらしたりはしませんし、経理・人事・総務の方も、個別に職務上の守秘義務があるわけですから、職務上知った個々の従業員の秘密を漏らしたりしたら、それこそ大問題です。

と、冷静に考えればわかる筈ですが、当の本人はそれどころではありません。

しかし、なんとか励まして、上司に言った方がいいと背中を押したところ、とうとう、上司にそのことを言って謝ることができました。

後は、共済組合に破産の手続きに則った対応をしてもらえればよいだけです。

相談後

弁護士さんからは、

「問題の共済組合のことですが、共済組合も破産の制度を理解してくれまして、結論としては、『返済はしなくても構わない』、『逆に受領していけないものを返済されても困る』、『別にこのことによって解雇したり不利益を与えることはしない』、『そもそも組合は組合で、組合が彼を雇用しているわけではないし、職場に何か指示できるわけではない』、
ということですが油断はならないので、何か動きがおかしいなと思ったら、すぐに弁護士事務所に相談する、と言ってその場で何かを約束したり、サインしたりしないでください。」

と説明を受けて、ホッとするとともに、なんだか、職場で

「あいつは弁護士なんかつけやがって」

とか、

「あいつに何かすると弁護士にチクられるぞ」

とか、陰口を叩かれていないかと不安になりました。

ですが、気を強く持たなければと、自分を鼓舞し、毎日、頑張って出勤するようにしました。

そして、とうとう自己破産を申したてることになり、私は、管財事件と言って、破産管財人という弁護士が私を調査する手続きになりました。

このことは予め、弁護士さんから、管財手続きになるからとは聞いていたのですが、私には市内の見た目40代くらいの男性弁護士さんが、管財人としてつくことになりました。

そして、ある日、破産管財人から呼びだしを受けて、その破産管財人の弁護士事務所に行くことになりました。

これも予め弁護士さんから聞いていたことではありました。

そして、おそらく、こういうことが聞かれると思いますが、何を聞かれるか全部は分からない、とも言われていました。

ですが、予め、事情はすべて破産の申請書に書いてあるから、聞かれたことはそのまま素直に答えてくれればよいですとも言われていました。

ですが、その管財人の方は、端的に言うと、すごい横柄な態度の方で、最も苦手なタイプでした。

「何で、任意整理なんてしたの?」

「何で、弁護士ではなく司法書士になんか頼んだの?」

「ゲームで、何でこんなにお金がかかるわけ?」

「いい大人になって普通ゲームになんかハマる?」

「あなたのせいで債権者の方が損害を受けているっていう自覚ある?」

「私はあなたが本当に反省しているのかを調査しているわけ。」

「どう反省しているの?」

「アイドルにお金を使って借金作るなんて、社会人としてまずいですよね?」

等々、約2時間。


苦痛以外の何物でもありませんでした。

その後、弁護士事務所に管財人事務所での様子をメールと電話で報告しましたが、さすがにその日は眠れませんでした。

私にとって、本当にあの面談は間違いなく、お仕置き部屋でのお仕置きとしか私には思えませんでした。

私は別に頼んでいたわけではないのですが、弁護士の先生が破産管財人に抗議を申し入れてくれたようで、破産管財人から、言いわけ半分、謝罪半分みたいな電話がありました。

「なんか、私の職務上、免責調査をしないわけにはいかないので、ちょっと言い方が冷たく感じる部分があったようですが、その点はすいませんでした。」

「○○さんについては、あとは、毎月、家計簿をつけてもらって今がきちんと生活できているということが分かれば問題ないとは思っていますので、その点、注意して生活してもらえればと思います。」

ということで、面談をした人とは別人かと思えるほど、丁寧な口調で、この時にはさすがに、弁護士さんに頼んでいてよかったと心から思いました。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

依頼者の方は、端的に言うと、非常に何事も気になる繊細・デリケートな方で、

「大丈夫ですよ。」

とお話ししても、また、すぐに不安がこみあげて仕方がない、という感じでした。

もちろん、公務員という特殊な立場であるからかもしれません。

また、自分が、ゲームやアイドルに金を使っているということに常に後ろめたさを感じていたのでしょう。

だからこそ、何か言われても、ビクッとしてしまうのです。

もちろん、破産管財人の面談は免責調査をするものですので、その反省の態度を確かめるということは必要ですが、犯罪者の取り調べをする警察や検察ではないのですから、行き過ぎた態度はいけません。

多少の嫌味はともかく、本件では、

「アンタさあ」

を連発したそうですでの、これはさすがにやり過ぎだと思って、管財人事務所に連絡をしました。

「面談の際に、『アンタさあ』などという言葉づかいで、人格攻撃をされたと本人は
感じてますけど、そういうことがあったのですか?」

というと、最初は、

「また、そんなに大げさな。」

「先生に大げさに泣きついてるだけでしょ。」

というので、

「そうですか。まあ、言った言わないは、あまりやりたくないですが、実際に、依頼者本人がそのように感じているので、何らかの形では裁判所に報告だけはしておきます。」

と言うと、


「いや、先生。ちょっと、私もこういうざっくばらんなタイプなんで少しきつく聞こえたかもしれないですけど、私は、二度とこういうことを繰り返してほしくないから、つい熱が入っただけですよ。」

と言うので、

「そうですか。先生のそのお気持ちがどうも本人に伝わりにくかったみたいなので、もし、よろしければ補足しておいて頂ければと思います。」

と電話を終えた後に、管財人が依頼者の方に連絡したようです。

管財人は免責を許可する、許可しないの意見を言う権限がありますので、時々、この権限を振りかざして勘違いしている弁護士がいます。

ですが、度を越えた人格攻撃は看過できませんし、後日、他の被害者が出てもいけませんので、裁判所に報告してやろうと思ったのですが、すぐに、対応を改めたので、そこまで騒ぐこともないかと、裁判所には何も報告しないことにしました。

その後も、家計簿で何やかんやと実は言われることがあったのですが、無事、債権者集会が終了して、晴れて、免責という裁判所の許可を得ることもできました。

依頼者の方も、

「身から出た錆ですが、結構大変でした。」

と言っておりました。

ゲームは本当にうまくできていて、ゲーム開発会社は、いかにユーザーをゲームの虜にして、お金を出させるのか、ということを考えに考えてますので、結局、ゲーム会社の思うつぼになったわけです。

アイドルも同様です。

この世の中は、そのような誘惑・落とし穴に満ち満ちていますので、正気を保っていくこと自体が大変です。

ただ、実際に、借金してしまった場合には、慌てて辞めなくてもいい会社を辞めてしまったりすると、取り返しがつかないことにもなりかねませんので、怖がらずに弁護士に相談していただければと思います。

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借金・債務整理の解決事例 7

特殊な仕事の状況で破産はできない。かといって任意整理したとしても月々の支払がとっても無理です。ということで個人再生にチャレンジ。引っ越しまですることになりました。【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 女性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉

借金をこしらえてしまった原因はネットショッピングです。

反省してます。

職場に若い子がどんどん入ってくるようになり、言い方は悪いですが、ゆとりというか、全く責任感ないし主体性がない、自分の頭で考えない、応用が全く効かない、ということでドンドンとストレスを抱えてしまっており、しかも、上司からは、私がうまく管理指導できていないからと追い詰められ、知らないうちに、そんなに欲しくもないのに常時、ショッピングサイトを見るようになりました。

もちろん、見るだけなら、タダなので、なんの問題もないのですが、どうしても、一度、見ると何か買わなきゃスマホを閉じれない、という自分でも良く分からない、変な習性がついてしまい、服や装飾品、バッグ、靴、雑貨が増えて行ってしまいました。

それだけなら、女子にはよくあるのかもしれませんが、なぜかご当地のスイーツや名産お取り寄せ等も、こまめにチェックして、見たことないもの、食べたことないもの、あるいは逆に、テレビで芸能人がお勧めしていたり、番組で紹介されているものを見つけては買っていました。

一人暮らしなので、誰も止める人もおらず、そんなことをしていたら、ショッピングの残高が大変なことになりました。

最初はリボ払いだったので、さほど、気にならなかったのです。

それに、自分で言うのもなんですが、独身ですし、いざとなれば、生活を切り詰めるなどすれば借金を返せると思っていたのですが、ちょうどその矢先に彼氏ができてしまいまして、デート代や旅行代、記念日のプレゼント代など、むしろ、借金が増えてしまいました。

別に、彼氏に貢ぐとかそういうことでもないですが、少なくとも、彼もそんなに経済的に余裕がある感じでもないので、むしろ、私が先回りして、支払いをしたという次第です。

それで、私は、自分の力で債務整理できないかと、スマホで探し始めたのですが、それを見ているとどうしても、弁護士や司法書士の力を借りないと難しそうなのです。

だったら相談すればいいだけの話なのですが、そこからが問題なのです。

私が勤めているところは、お取引先が裁判所を含む官公庁もあり、また、弁護士事務所、税理士事務所、司法書士事務所もありで、しかも、私がその対応窓口になるということも多く、とても、自己破産をしてその関係で裁判所の人や破産管財人の弁護士の方に会うことになるのは精神的に耐えられませんでした。

また、自分の知り合いでない弁護士に依頼すればいいではないか、と言われそうですが、弁護士同士の横のつながりも分からず、私の名前が情報共有されて浪費女とか言われるとこれまた辛いなあ、と思い、誰も自分のことを知らない場所で、なんとか債務整理できないかと、東京の司法書士に絞って、検索して、調べて、その司法書士に依頼するために有休をとって東京まで行きました。

その司法書士によると、もし、自己破産をするとなると、なんの無関係な場所の裁判所に自己破産の申し立てをすることはできず、自分の住所・居所、せめて職場がないと、その裁判所で管轄を認めてもらえないだろう、ということでした。

それで、裁判所と無関係にできる任意整理をしたらどうかと言われて、任意整理した場合の支払額を計算してみてもらったところ、どんなに少なく見積もっても、月々の支払金額が大きすぎて、とても無理だということになりました。

相談後

そこで、自己破産もできないし、任意整理もできないし、困ったなあ、と思っていたところ、司法書士が、

「せっかく東京に出てきてもらったのになんですが、知り合いの弁護士を紹介しましょうか?」

「債務整理でいつも面倒だったり、複雑なものがあると、その弁護士に頼むんですよ。しかも、事務所は東京にもあるけど、あなたの地元にもありますよ。」

と言われました。

「なんていう事務所のなんていう弁護士の先生ですか?」

と聞くと、面識のない事務所の弁護士の方だったので、安心しました。

ただ、弁護士間のネットワークで私のことが話題になると困ると思い、

「その弁護士さんは口が堅いですか?」

「大丈夫ですか?」

と司法書士に確認しました。

司法書士は、

「司法書士も弁護士も当然、守秘義務があるから大丈夫ですよ。」

「どうしても気になるというのなら私の方から念押ししておきましょうか?」

と言ってくれたので、

「是非、お願いします。」

「信用していないわけではないので、気を悪くしないような形で言ってもらえますか?」

とお願いしました。

それが、こちらの弁護士事務所です。

仕事が遅いので、夜の9時近くになってしまいましたが、普通に面談の時間を作ってくれました。

こちらの事務所を紹介してくれた司法書士さんも随分と誠実なよい方でした。

ただし、後日、こちらの弁護士事務所をインターネットで検索して見てみたところ、見覚えのあるホームページでしたので、実は、こちらの弁護士事務所があることは以前から知ってはいたことになるのです。

しかし、その時は、私の中では、地元の弁護士事務所さんだと、もし知り合いだったらマズい、という意識があったので、詳しくは見ないでスルーしたのだと思います。

こちらの弁護士事務所さんのように、全国チェーンではないけど、東京にも地元にも事務所があるところって、意外にありそうでないんですね。

そして、その弁護士事務所に行きましたところ会って間もなく、

「話は聞いてますよ。」

「個人再生がいいと思いますよ。」

「個人再生なら、免責不許可事由の調査というものもありません。あなたの浪費の件は申立書には書きますが、それが問題にされることはないんです。」

「加えて、あなたの職場に個人再生をしているということも知られることはありません。」

「債務整理の方法って言っても、5通りも10通りもあるわけではないんです。」

「今の状況でとり得る方法としては、個人再生がベストでは?」

弁護士さんが言っていることは良く分かりましたが、私にはさらに不安がありました。

それは、裁判所への提出書類です。

当然、私の勤務先名は出てきますし、見る人が見れば、私の名前を知っている人も出てくるかもしれません。

それをなんとか避けるわけにはいかないのか、と弁護士さんにお伺いしましたが、

「個人再生は裁判手続きだからね、さすがに、勤務先も名前も伏せるというわけにもいかないしねえ。」

と、苦笑いを浮かべて、その場では妙案はでませんでした。

そして、その次の面談において、

「ちょっと、今のお住まいの家賃が高すぎませんか?」

「個人再生するにしたって、もう少し安いところに引っ越した方がいいと思うんですけど、どうですか?」

「ちょ、ちょっと待ってください。」

「引越しするんですか?私が?」

「はい、そうです。」

「しかも、一回、ご実家に帰ったらどうですか?」

「えっ、実家に?」

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

依頼者の方は当初、仕事を辞めろと言われているのかと勘違いしたようです。

「仕事を辞めて?」

もちろん、仕事は継続していただかないと個人再生ができません。

「仕事は辞めないでください。」

「地元から市内に通っている人もいますよね?」

「少しの期間は頑張りましょうよ。」

とお話ししました。

「少しってどれくらいですか?」

依頼者の方は少し不安そうでした。

「そうですねえ、個人再生の認可がおりて支払いのリズムがうまく出来てくるまでがベストですが。」

要するに、個人再生の申立先を支部にしようとすることと、実際、家賃がしばらくかからないところで資金をためるという意味で一石二鳥だと思い、ご提案しました。

しかし、一石二鳥とは言え、本当に、実家から市内まで毎日毎日、通うのは2つ返事では大丈夫とは言えませんでした。

ただ、市内の裁判所では、依頼者の方の会社が取引業者だという事を知っている人は知っているでしょうし、裁判所内でどこからどのように噂が流れないとも限らないので、やはり、ここはひとつ頑張るしかないかと覚悟を決められたようです。

そして、実家への引っ越し(引き揚げ)を行った後に、個人再生の申し立て準備を本格的に行うことになりました。

最初は、母親は、私が結婚でもするのかと勘違いして、どうしたのか?と少し騒いでいたそうです。

ですが、母親には、母親の体調が心配だから、仕事も大分余裕が出来てきたからと言ってごまかしたとのこと。

ですが、母親はなんとなく気づいていたのかもしれません。

ただ、実家に引き揚げて実際、生活費が断然安くなりました。

家賃なし、水道光熱費なし、交通費は普通に会社から出してもらえる、夜も飲みに行かない(行けない)ということで、経済的には楽になりました。

会社の人も、

「実家から通うんですか?」

と驚いていたそうですが、母が高齢で、と言うとかえって同情していただき、

「出勤、退勤時間は相談にのるからね。」

と協力的な話もしていただけたとのこと。

結果オーライでした。

さて、個人再生の申請準備書類なのですが、いろいろ必要です。

給与明細

源泉徴収票

預金通帳

保険関係書類

などなど。

ですが、一番問題なのは、「退職金証明書」です。

つい先日、母親のことを言ったばかりですので、このタイミングで言えば、絶対に、退職することを考えていると思われてしまいます。

依頼者の方は、実家のリフォームローンを組むのに銀行から書類を求められている、と請求したそうです。

そして、証明書の様式は当事務所で作成して、その通りにその書類を提出して、金額を埋めてもらい、サインを頂きました。

そして、ようやく個人再生の申し立てをしたのですが、今度は、裁判所から、母親の年金の書類とか通帳とかを求められました。

依頼者は母親の家に転がり込んでいるだけで、家計はまったく別個で、部屋を一室借りているだけという「上申書」という文書を作成して、母親関係の書類は出さないで済むようなりました。

その後は、さほどの波風も立たず、再生委員の弁護士さんも当然ながら全く面識のない方で、裁判所の認可が出ることになりよかったです。

実は、本ケース、かなり、ご本人が気にしすぎの側面があったと思います。
裁判所の出入りの業者だからと破産や再生係まで知られているとは思えません。ですが、本人が不安を払しょくし、何より実家で生活を立て直すという意味で引越しは正解だったと思っております。

借金・債務整理の解決事例 8

(その1)子供の教育費で借金が膨れてしまいました。おまとめローンも失敗。住宅ローンもあるので個人再生をしようとするも、ペアローン問題も発生!【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉
  
10年前に結婚して以来、3人の子供に恵まれました。

そして、ちょうど3人目の子供が生まれるタイミングで、私と妻名義でマイホームを購入しました。

こういう事例は他にはないのかもしれませんが、我が家は共働きで、むしろ、妻の方が給与が高かったので、2人合わせると世帯年収は1000万円を超えていました。

今、思えば、自分の家は世帯年収1000万円の家だから、生活レベルが多少高くても大丈夫と潜在的に思い込んでいて、客観的に、家計の分析ができていなかったのだと思います。

そこに子供たちにも高い教育を受けさせなければならないという思いがありました。

自分は、大した学力がなかったので、国公立の大学には進学できず、かといって、私立大学に行けるほどの余裕もなかったので、夜間の専門学校に2年通ったという経歴で、そのため、妻よりも給与が安いという状況に、これまた知らず知らずにコンプレックスを感じていたのかもしれません。

それに、実際、子供たちが学力をつけて、皆が国公立に通ってくれれば、後で今かけた教育費は高くなかったと思える日が来るとも信じていました。

そのため、3人の子供それぞれに、私のこだわりがあって、相当な習い事や学習塾通い、高額な教材購入をしたため、教育関連支出がとても多くなってしまいました。

当然、教育費なので、無駄遣いしているという意識は全くなく、むしろ、教育に支出を惜しんではいけないという思いでした。

ところが、3人目の子供が生まれて家を購入後、妻が間もなく体調を崩してしまいました。

一旦は、妻は会社を辞めざるを得ないとも考えていたのですが、妻の会社の計らいで時短勤務を認めてもらえることになりました。

ただし、当然、給料は減りますし、世帯年収も減りました。

他方で、むしろ、家計の支払いはどんどん増えていきます。

「このままではヤバいなあ」

「なんとかしないとなあ」

という真綿で首を絞められるような息苦しさを日々感じており、一旦、先のことを考えだすと、仕事も手につかないという苦しい日々を過ごしておりました。

そして、時々、インターネットで、借金のことを検索して、漠然と「個人再生」という手続きがあることは分かっておりましたが、その際に、費用が50万とか60万とかの金額が必要と書いてあったので、とても、借金の支払いが大変な上にそんな金は払えないと思い、真剣には考えておりませんでした。

(そもそも、借金を圧縮する手続きなので、借金の支払額にプラスして考えるのはおかしな話なのですが、その時は思考が停止していたんだと思います。)

そこで、なとか月々の支払い負担を軽減する方法を考えていたのですが、「おまとめローン」で複数の借金(キャッシングやカードローン)をひとつにまとめるという方法を見つけました。

私自身の給与を増やすというのも容易な話ではないので、この「おまとめローン」で乗り切ろうと考えました。

そこで、ろうきんに、「おまとめローン」の相談・申し込みに行きました。

受付の方の対応も感じが良かったので安心でした。

ところが、理由は教えてもらえませんでしたが、審査が通らなかったのです。

ショックでした。

もはや、おまとめローンさえ組めない自分は終わっていると焦り、もはや費用がどうのこうと言っていられないと思い、スマホで調べて、大きくて信頼できそうな立派なビルに入っている弁護士事務所に相談に行きました。

相談後

その弁護士事務所さんで、

「家は絶対に手放せません。」

「妻には借金はありません。」

「私だけを破産か個人再生でできませんでしょうか。」

と相談したところ、弁護士さんから、

「あなたが自己破産したところで、奥さんのローンが一括請求されてしまいます。」

「あなたがた夫妻が組んでいるのはペアローンなんです。」

「分かりますか?」

「ご夫婦が住宅を2分の1ずつ持ち分を有して、それぞれの持分に応じてあなたと奥さんがそれぞれ個別に住宅ローンを組んでいるんです。」

「その限りでは、あなたはあなた、奥さんは奥さんですが、それぞれの住宅ローンを担保するためにお互いの持ち分が相手方の抵当に入っているので、どっちかが支払いを停止したり、破産したりすると、結局、住宅全体が競売の対象になってしまうのです。」

「ではあなただけが個人再生を住宅資金特別条項付きで申し立てればよいのかというと、それもできません。」

「住宅資金特別条項は、あなた自身の住宅資金貸付債権『だけ』が住宅に抵当としてついている場合しか認められないのです。」

「夫婦一体だと思うかもしれないけど、住宅資金特別条項に関して言えば、奥さんの抵当は、『他人の抵当』なのです。」

「?????」

「難しいことはよく分からないのですが、結論として、どうすればいいですか?」

「家を売るか、夫婦そろって住宅資金特別条項付きの個人再生の申し立てをすることです。」

「家を売るなんて考えられません!」

「しかも、妻は、借金と言っても住宅ローンがあるだけなのに個人再生を申し立てないといけないんですか?」

「そういうこと言う人いるんですけど、ペアローンの場合には、そういう決まりになっているので、従いたくないというのであればできません。」

にべもなく言われてしまった私は、一旦、検討すると持ち帰り、その夜、妻に話をしました。

妻の反応はと言いますと、

「私もその個人再生というのをする必要があるなら仕方ないけど、個人再生をしたら私はどうなるの?」

「何か、困ることが出てこない?」

「私もブラックリストに載ったりするわけ?」

「今は、時短扱いにしてもらっているけど将来、正社員に復活する場合には支障にならない?」

等々の質問攻め。

私は、妻が個人再生をすることをどう受け止めるかだけを気にしており、そう言われれば、個人再生をしたらどうなるかについては、ノーマークというかあまり聞いてこなかったので、その点について、妻が腹を立ててしまったのです。

「『個人再生して下さい』だけで、『ハイ、分かりました』と言う人間がいると思うの?」

「自分が逆の立場だったらどうよ?」

「自分自身がその個人再生とやらをよく理解していないのに、よく人に勧められるね。」

「大体、費用はどうするの?」

「そういうことだから、借金が膨れ上がるのよ!」

「何事に対してもそうで、深く考えずにやってきた結果がこれでしょ!」

等々の荒れようで、段々、夫婦間の根本的な問題にまで話が及びそうだったので、

「ごめん。」

「俺も今回のことでちょっと動揺していて要領がよく分からなかったんだ。」

「できれば一緒に、弁護士の説明を聞いてくれないかな。」

とようやく、一緒に面談をしてもらうところまで了解を取り付けました。

それで、最初に相談した弁護士事務所に連絡をして再面談を申し入れましたが、その弁護士のスケジュールと我々のスケジュールが合わないまま時間が経ってしまいました。夜の5時以降も土日もダメな事務所だったのです。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

奥さんの気が変わると困ると思ったご主人は、慌てて別の弁護士事務所を探し始めましたそうです。

もう、切羽詰まった状況でしたので、それこそ、市内の事務所を検索して、片っ端から、

「今週中で、夜か土日で、しかも、妻と子供たちを連れて行ってもいいですか?」

という条件で受けてもらえるところを探しまわっていたそうです。

お気の毒です。

ただ、これを聞いて分かりましたが、そういうニーズに対して弁護士はあまり応えていないですし、実際には対応していてもそのことをきちんと情報として整理して開示しているところってあまりないですよね。

これは当事務所も例外ではありませんでした。

そのため、これを契機にいろいろな体制を可能な限り整えたり、そのことを積極的に開示して弁護士探しに役立つようにしようと努めております。

(まだまだ十分ではないですが)

そして、ペアローンの件ですが、これは結構、込み入った話で、弁護士でもきちんと理解していない人もいるので、補足します。

ペアローンとは、現代の共働き世代ならではの問題もしれませんが、要は、1つの不動産を最初から2分の1ずつの持ち分にして、夫はその2分の1を購入するために自分の名義でローンを組んで、妻は残りの2分の1を購入するために妻名義でローンを組みます。

なんでこんなややこしいことをするのかというと、このペアローンのメリットは節税効果を享受することができることです。

住宅ローン控除の最大控除額は「1人あたり」上限400万円となっていますが、夫婦が共働きの場合、それぞれが、400万円まで住宅ローン控除の恩恵を受けることが可能となります。

さらに、「すまい給付金」といって、消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円を給付する制度があるのですが、これもペアローンの場合には、夫婦それぞれが給付を受けることができるのです。

それで、このペアローン、ここまではメリットのお話しでしたが、こと個人再生の申し立てをする局面ではやっかいな問題を引き起こします。

ペアローンの場合、それぞれが個別に2分の1ずつ持っていると言っても、所詮は1個の家なので、例えば、夫婦のうち、どちらかが支払いを怠った場合に、その2分の1だけを担保にとっておいても、その2分の1を独立して売却するなどということは現実不可能です。

そこで、奥さんのローンの支払の担保として、旦那の持ち分2分の1にも抵当をつけますし、旦那のローンの支払の担保としても、奥さんの持ち分2分の1にも抵当をつけるのです。

個人再生においては住宅ローン特別条項の適用を受けて、住宅ローンだけ別に支払いをすることができますが、その条件として、
「その住宅(持分)に他人の債務の担保がついていないこと」
があります。

妻は他人じゃない!と言っても、債務整理においては、本人以外はたとえ家族でも他人とされるのです。

そうしますと、結局、今回のようなケースでは、ご主人が個人再生を申し立てて住宅ローン特別条項を受けようとしても、ご主人の持ち分には、他人である奥さんのローンの担保がついているので、適用を受けられない、という事になってしまうのです。

適用を受けられないとされている理由は、せっかく、ご主人に住宅ローン特別条項を認めても、後日、奥さんがローンを不払いにすれば、結局、その家は競売にかかるから、認めることが無駄だと考えられているのです。

⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒(その2)に続く。

借金・債務整理の解決事例 9

(その2)子供の教育費で借金が膨れてしまいました。おまとめローンも失敗。住宅ローンもあるので個人再生をしようとするも、ペアローン問題も発生!【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

(前回までのあらすじ)

過度の教育費の投入により、家計は火の車。

もともとは、奥さんもフルタイムで働いていたため、世帯年収1000万円あったため、あまり支出についての緊張感がなかったのか、あるいは、ご主人が家庭の事情で、私立の大学に進学できなかったため、子供たちには早くから高度な教育を受けさせて、国公立大学に進学できる学力を身につけさせたかったというご主人。

もちろん、最終的に、子供たちが、私立ではなく国公立でずっと進学してくれれば確かに学費は大いに変わる筈ですので、ご主人の言っていることも一理あります。

ただし、借金してまで教育にお金をかけるべきだったのか?は今となってはよく分かりません。

ただ、現実問題として、借金の返済が終われており、しかも、奥さんがフルタイムで働けなくなり、世帯収入が減少した以上、なんらかの債務整理は必要です。

そして、最優先事項として、自宅を守りたいという事ですので、自己破産では守れません。

そうしますと、任意整理か個人再生ということになります。

個人再生とは、債務の総額を大幅にカットして、少なくしてもらった借金を分割で返済する方法です。

ただし、住宅ローンがある場合に、住宅ローンをカットしてしまうと、当然ながら、銀行ないし住宅ローン会社が住宅を競売にかけてしまいます。

ですので、住宅ローンは支払い続けなければなりません。

ただ、個人再生においては債権者平等の原則がありまして、特定の債権だけ全額支払うという事は認められておりません。

そこで、この債権者平等の原則の例外として、「住宅ローン特別条項」というものがあり、他の債権は一律にカットしても、住宅ローンだけは全額支払い続けてよいですよ、という特則があります。

ただ、この「住宅ローン特別条項」というのも無条件に使えるわけではなく、条件があります。

それは、「その住宅(持分)に他人の債務のための担保がついていないこと」という条件です。

もともと、住宅ローン特別条項として、住宅ローンだけ特別扱いを認めるのは、住宅ローンの支払いを継続して、住む場所を確保させてあげよう、という趣旨です。

ですが、他人の債務のための担保がついているとすれば、その他人が債務の支払いをしなければ、どうせ、その家は担保として処分される(競売にかけられる)ことになります。

そうだとすると、住む所を確保してあげるための住宅ローン特別条項は認める必要がないじゃないか、という考えにつながります。

そして、ペアローンの場合には、まさに、

「他人の債務のための担保がついている」

という条件に当てはまってしまうので、原則として、住宅ローン特別条項は使えない、とされているのです。

ただし、普通に考えて、他人と言っても、自分の妻で、同じ世帯なのに、そんな杓子定規に考えて、住宅ローン特別条項をはじいていいのか?と思われます。

ですので、ペアローンの取り扱いは裁判所によっても異なりますが、絶対に住宅ローン特別条項を使えない、ということはないのです。

相談者の方は、当初、別の弁護士事務所に行って、ペアローンだから、住宅ローン特別条項を使えない、使いたければ妻も一緒に個人再生するしかない、それも嫌なら破産しろ、と言われて、慌てて妻に話したら、妻に怒られました。

そして、当事務所にいらっしゃいました。

相談後

いちばん下の子は妻の両親にも預けられなかったので、下の子も一緒に、弁護士事務所に連れていくことになったのですが、女性の事務員さんがやさしく応対してくれて助かりました。

弁護士さん曰く、

「ペアローンの取り扱いについては、その最初の弁護士さんが言っていたことは確かに教科書通りではあります。」

「奥さんは、住宅ローンのほかには借金はありますか?」

と妻にいろいろ質問し始めましたので、妻が何と答えるか緊張しましたが、普通に口を開いてくれました。

「私は何もありません。」

「もともと借金をするのは好きじゃないんです。」

「子供たちの教育にお金をケチるつもりはないですけど、借金はかえって子供たちのためにならないと思っているんです。」

「それをこちらの人(私のこと)が、教育は投資だとか、どこかで聞きかじったような話をして・・・・」

などと妻が段々私に対しての怒りをヒートアップさせていきそうでしたが、弁護士さんがうまく調整してくれました。

「まあまあ、その辺の話は、奥様もいろいろご不満もあるでしょうし、これを機会に、教育や家計の話はきちっとした方がいいとは私も思いますけど、今はこの借金の問題をスピーディーに解決に向けて進めていかないと、そのうち借金の支払いが滞って、債権者から訴訟を起こされるようなことになりますと、それこそ大変なことになるので、そのお話を先にしましょう。」

「それで、奥さんには借金もなくて、住宅ローンを今後も円滑に支払っていけるという事ですよね?」

「まあ、パート扱いとはいえ、住宅ローンは支払えるようにと計算したうえで働いています。」

「そうしますと、おそらく、奥さんについては個人再生を申し立てせずに、再生委員をつけることで対応ができると思います。」

「?????????」

「つまりですね。」

「なんでペアローンの場合に、住宅ローン特別条項付きの個人再生を認めないのかと言うと、ご主人の方の個人再生をしたとしても、もし、奥さんの方の経済事情から、奥さんが住宅ローンの支払いを継続できず、家が競売になってしまったりすると、せっかくご主人のために行った個人再生が無駄になってしまうからです。」

「ですので、ご主人の個人再生を奥様とご主人が一体となって履行できることが、再生委員の調査により確認できるのであれば、奥様の個人再生は不要となるでしょう。」

「実際、住宅ローン以外に債務がないのに個人再生するなんて費用と時間と手間の無駄だしね。」

私は、内心、

「なんだよ。妻が個人再生しなくていい方法があるのなら、妻を連れてくるんじゃなかった!」

と思いましたが、案の定、妻は、

「あなたは何を聞いてきたの?」

と声が明らかに怒っていました。

私は、

「本当に、俺が前に聞いたときは、夫婦一緒に個人再生を申し立てないといけないことになっているって言われたんだよ。」

とうろたえる私を助けてくれて、弁護士さんは、

「まあまあ、弁護士もいろいろですから。」

「それはそれとして、今後、個人再生を申し立てると、いろいろな書類、家計簿とか、源泉徴収票、給与明細、預金通帳の写し、保険関係の書類、住宅ローン関係の書類、その他、奥様のご協力が必要な局面が少なからずあると思いますので、そちらはよろしくお願いします。」

とまとめてくれました。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

その後も奥さんはてきぱきと質問してきました。

「費用はどうしたらいいですか?」


「それは一括で難しいという事でしょうから、分割で積み立てて頂きます。」

「具体的には、住宅ローン以外の債権者に対してはこれから支払いを一旦、停止しますので、その間にコツコツ積み立ててください。」

「毎月いくら払えばいいんですか?」

「決まりはないので、無理のないところでお願いします。」

「ただし、積み立てあがる期間があまりに長期になると、そのうち債権者が待っていられないとしびれを切らして訴えを起こしてくる場合があるのと、遅延損害金がかかってくるので、個人再生により借金の額は8割カットにはなりますが、あまり長期もどうかなと。」

「例えば、これまで月々の返済が住宅ローン以外で約15万程度ですが、6万ぐらいの積み立ては可能ですか?」

「6万ぐらいなら大丈夫です。」

「なんなら、もう少し多めでも大丈夫です。」

「その方が早く手続きが進むんですよね?」

「繰り上げて積み立てる場合にはどうすればいいですか?」

「その場合には、多めに振り込んでください。」

「では、最低月6万円は積み立てて頂くとして、そのほかに余裕があるときは、多めに積み立てるという事でお願いします。」

「分かりました。」

こんな感じです。たしかにちょっと怖そうでしたが、頭の回転の速い、頼もしい奥さんでした。

その後も、ほとんど、弁護士事務所とのやりとりは奥さんがやってくれました。

ご主人しか分からない書類等もあったので、ご主人にお伺いしたこともあるのですが、あるはずの書類がないとか、しまった場所が思い出せないとかで、奥さんに

「だらしない」

「管理能力がない」

などと、キレられることもあったようです。

ただ、困ったことが判明しました。

車です。
 
もともと、債権者への通知を出す前に、

「住宅ローンを継続して支払うのは全然いいんですけど、車のローンは支払いが継続できないんです。」

「ですので、通知を出すと、すぐにローン会社から車を引き揚げさせろ、と言ってくるはずで、それを拒むのは所有権留保がついている以上は難しいんです。」

「どうしても車を維持しようとすると、ご主人以外の名義、例えば、奥様名義とか他のご親族名義とかで一括払いしていただくほかないんです。」

とお話ししたところ、

「残ローンが100万以上あるので、それは無理だと思います。」

「車は諦めます。」

「それで、何か中古の安い奴を買うことにします。」

とおっしゃっていたのですが、

なかなか安くていい車というのが見つけられず、予算が20万ほどオーバーしてしまったらしいのです。

「あのう、相談する先が違うというのは重々承知なのですが、車がないと仕事にならないもので、どうしたらよいかということをご相談したくて・・・」

と端的に、予算が20万オーバーしてしまったとのことでした。

そこで、通常はやらないのですが、積み立てを取り崩して、車の購入費用に充てて頂きました。

「なるべく早くに積み立て戻しますので!」

とおっしゃっていました。

通常は、積立金の取り崩しはあまりしません。

別に、ケチっているわけではないのですが、これを契機にずるずると申し立てができなくなっていくケースが結構あるのです。

ただし、今回は、奥さんがしっかりしているので大丈夫だと思って取り崩しをしました。

実際、その後、頑張って、予定よりも4カ月ほど遅れましたが、他は、着々と申請書類も整い申し立てに至ることができました。

借金・債務整理の解決事例 10

個人再生(民事再生)の住宅ローン特則で住宅を残せるという意味を勘違いしていました。住宅ローンの支払自体がきつい場合はどうすればよいのでしょうか?【事務所法人案件】

  • 個人再生
依頼主 男性

相談前

住宅ローンの支払がきついので、銀行の相談窓口に行って、担当者にその旨を話してみました。
そうしましたところ、リスケにより、返済方法や返済期間の仕切り直しもできなくはないとのことでした。

ただし、リスケといっても、一部を免除してもらえるわけではなく、月々の返済額が減っても、返済期間は長くなって、完済に至るまでの総額は逆に増える場合もありますよ、と言われました。

具体的にどのようにすればよいかについては、いくつか提案をもらいました。

・返済期間を長くする
返済期間を延長をして、月々の返済額を少なくする。

ただし、ローンの期間全体で見れば、得になるわけではなく、金利をより長い期間支払うことになるし、先々の収入状況が安定しない場合には、たとえ期間を長くしたとしてもなるべく、少しでも余裕ができたら、繰り上げ返済をしていくことをお勧めしますとのことでした。

・元本の返済猶予
しばらくの間、例えば、1年間とかは、利息だけを支払って、元本の支払いを1年後から開始するというものでした。

ただ、こちらも、1年しのげば、何かが大きく変わるというものではないので、利息1年分だけ負担が大きくなりますよ、とのことでした。

また、利息払いに慣れてしまうと、いざ元本返済が始まるときに、家計が追いつかないということもあり得るので注意してください、とのことでした。

・ボーナス払いをやめる
今は、ボーナス払い併用型なので、ボーナス時には多く支払うことになっているのですが、ボーナス払いをやめて毎月、均等に支払うということも可能とのことですが、当然ながら、そうすると毎月の支払額が増えます。

・変動金利型にする
借りた当初は、利息が将来高くなることをリスクとして考えたので、固定金利を選択しましたが、現状では、明らかに変動金利型の方が利息が安いので、そちらを選択することも可能とのことでした。
ただし、もちろん、将来的に利息が上がるか下がるかは銀行では何も言えませんとのことでした。

それで、銀行の担当者の方が、

「自分が言うのもなんですが、ご自宅を維持するのが難しいという場合には、売却して賃貸に切り替えるというのも選択肢の一つかとも思いますよ。」

「今の時期、ご自宅がいくらで売れるかどうか等々を不動産会社に聞いてみるのも参考になるかもしれません。」

「別に、弁護士に相談してどうのこうのという局面ではないでしょうからね。」

と言われました。

「なんで、弁護士?」

と思ったのですが、自分で、インターネットで検索してみたところ、個人再生とか民事再生という手続きがあるということや、自己破産だと自宅を守れないけど、個人再生や民事再生という手続きをとれば自宅を守れるということを知りました。

そして、個人再生や民事再生をすれば、借金は8割とか9割カットしてもらえるという事も知りました。

まさに、実際の自分の今の状況は、ちょっと無理して購入した住宅ローンの支払に悩んでおり、しかも、住宅をなんとか残せないかと思い悩んでいたので、こんな手続きがあるのなら是非、行いたいと考えて、個人再生や民事再生を行っている弁護士を探したという次第です。

具体的には、住宅ローンがまだ2000万円近くあり、あとは、何枚かのクレジットカードのショッピングやキャッシング等が合わせて100万程度ある状況でした。

相談後

そこで、まずは、自分の状況を説明したところ、結論としては、個人再生手続きを行ったとしても、借金は全く減らない、ということを聞いてがっかりでした。

そもそも、今の自分の家は、売れば中古でも2000万円前後にはなると思うのですが、住宅ローンも2000万円前後なので、この住宅ローンだけを減額できると思っていましたが、それはできないそうです。

個人再生(民事再生)には、住宅ローン特則というのがあるのはあるけれども、その意味は、他の借金は減額することができるけれども、住宅ローンについては、そのまま支払いを続けることができる、という意味でした。

なんで、住宅ローンだけそのまま支払い続けるのが特別なのかというと、住宅ローンは家が担保にとられているから、住宅ローンをそのまま支払い続けることよって、家を守る、というそういう意味らしいのです。

すなわち、住宅ローンの支払自体が苦しい、住宅ローンがもう支払いできないという場合には、個人再生や民事再生をやったとしても、どうしようもないという事でした。

私は、住宅ローンがせめて半分ぐらいになれば、住宅の価値が2000万円程度あるので、1000万円は得するなあ、と思っていたのですが、そううまくはいかないみたいです。

さらには、住宅ローンが家の値段よりも低い場合には、その差額、つまり、住宅が2000万円で、住宅ローンが1000万円の場合には、1000万円が資産になるので、その1000万円分は支払いに充てられるとも言われました。

財産を残しながら、借金の額を減らすなんて言う方法はないのですね。

それから、せめて、カードのキャッシング等々で100万円の借金があるので、こちらは個人再生とか民事再生をすれば、減額できるのか、と聞いたところ、こちらも減額できないという事でした。

つまり、借金が100万円の場合には、それよりも低くはならないということでした。

ですので、結論として、私のケースではどうにもならないし、さらに言うと、仮に破産したところで、住宅は売却されて、住宅ローン会社・銀行の返済に充てられてお終い。

確かに、カードのキャッシング等々で100万円の借金は、免除されるかもしれないけど、破産費用を考えたら、やる意味があるのか疑問だ、ということでした。
また、その後のことも考えないとダメだとも言われました。

つまり、確かに、住宅を手放せば、住宅ローンはなくなるけれどもそれで終わりではなくて、次に、どこか借家とかアパートを借りないといけなくなるので、その初期費用もかかるし、日々のお家賃も、住宅ローンと同じくらいにかかるのであれば、なんのために、住宅を手放したのか分からなくなる、という事でした。

しいて債務整理をやるのなら、任意整理と言って、100万円の住宅ローン以外の借金について月々の返済額を債権者と交渉して、なるべく安くしてもらう(返済期間を長くしてもらう)ことぐらいだとのことですが、どんなに長くても7年程度が限界だという事でした。

ただ、そうすると、計算すると、今の月々のリボ払いも返済額は高くなるので、月々の支払い負担は逆に苦しくなります。

もちろん、任意整理をすれば、将来分の利息は発生しないという事ですので、支払えば支払っただけ元本は減りますが、それでも、目先の支払いが大変になってしまうのでは私にとっては意味がありません。

ということで、そうそう都合のいいい話ってないもんですね。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

ご期待に沿えなくて残念でしたが、今回のようなご相談のケースではたとえ、個人再生を行ってもあまり経済的に意味がありません。

個人再生手続きにおいて住宅ローン特別条項を検討する場合には、その住宅ローンが住宅の価値よりも低いか(アンダーローン)、住宅ローンが住宅の価値よりも高いか(オーバーローン)を考えなければなりません。

★住宅ローンが住宅の価値よりも高い(オーバーローン)ケースの場合

つまり、住宅の方が住宅ローンよりも安いので、住宅を売却したとしても、その住宅ローンの返済すら満足にできない、さらに住宅ローンの未返済分が残るという状況です。

例えば、住宅ローンの額が2000万円で、不動産の価格が1000万円の場合に、家を売却したとしても1000万円の住宅ローン債務が残ってしまいます。

したがって、住宅の資産価値はゼロ(マイナス)ということになります。

そこで、もし、住宅ローン以外の他の債務が100万円以上あるとすれば、個人再生をとる意義はあります。

ただし、個人再生には、「最低弁済額」というものが借金の総額(住宅ローンを除く)により定められておりまして、借金の額に応じて、最低この額だけは返済しなければならない金額があるのです。

具体的には、次のようになります。

債務が100万円未満・・・債務全額
債務が100万円以上500万円以下・・・100万円
債務が500万円超1,500万円以下・・・債務額の5分の1
債務が1,500万円超3,000万円以下・・・300万円
債務が3,000万円以上5,000万円以下・・・債務額の10分の1

ですので、債務の額が100万円ですと、最低弁済額基準は100万円となり、債務圧縮の効果が全くないということになります。

★住宅ローンが住宅の価値よりも低い(アンダーローン)ケースの場合

この場合には、住宅を売却しさえすれば、住宅ローンが完済出来て、さらに余剰まで生じる状態ですので、個人再生手続きをとる必要がないと言えます。

ただし、全てのアンダーローンのケースで個人再生の必要がないという訳ではありません。

例えば、アンダーローンとはいいつつも、余剰が100万円であり、他方で、住宅ローン以外の借金が1500万円あるとした場合、1500万円が圧縮されても最低弁済額は300万円になります。

このような場合には、100万円の資産があっても、最低弁済額はこれを超える300万円ですので、300万円を返済すればよく、300万円に加えて資産100万円分を返済しろとは言われません。

したがって、個人再生をとることにより、

1500万円ー300万円=1200万円

の債務圧縮効果が得られるのです。

逆の場合もあり得ます。

つまり、

例えば、アンダーローンの場合で、余剰が300万円であり、他方で、住宅ローン以外の借金が500万円あるとした場合、500万円が圧縮されて最低弁済額は100万円になります。

このような場合には、300万円の資産があるので、最低弁済額は100万円ではなく300万円となります。

したがって、個人再生をとることにより、

500万円ー300万円=200万円

の債務圧縮効果が得られるのです。

このように、住宅ローンがある場合の個人再生は、債務圧縮効果をどの程度、得られるかを資産・債務の状況からシュミレーションしなければならないので、まずは詳しい弁護士に相談する必要があります。

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借金・債務整理の解決事例 11

離婚後、不運続き。会社は倒産して解雇、新しく入った会社は超パワハラで退職。今は、保険関係の仕事をしてます。借金の督促の嵐ですが破産はしないで個人再生【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 男性

相談前

数年前に離婚しました。
子供は1人で、離婚後しばらくは普通に養育費も支払っておりましたし、子供ともきちんと面会できていました。
ところが、それまで勤めていた勤務先が倒産してしまいまして、当然ながら私は解雇になりました。
しばらくは失業保険で食いつないでいたのですが、私は技術職なので、なかなかうまく当てはまる再就職先が見つかりませんでした。
しかも、養育費も支払わなければいけませんでしたので、その間は、クレジットカードのキャッシングを利用してなんとかやりくりしておりました。
やりくりと言っても、支払いを先延ばしにして、再就職したらすべてきちんと清算しようと思っておりました。
しかし、いつまで経っても、技術職は見つからなかったので、全くこれまで未経験でしたが、未経験OKでしかも、給与が高かったので、思い切って営業職にチャレンジしてみることにしました。

しかし、入社当時は、ほとんどがルートセールスなので、簡単にノルマが達成できるし、ノルマが達成できていれば手当ても沢山つくというお話しでしたのに、全くもって話が違い、全部が飛び込み営業で、しかも、ノルマが到底、達成できるようなレベルではなく、それでも、営業報告会議で、達成できていない人は、順次、立たされて、なぜ達成できないのかを幹部の前で報告させられます。

「達成できなかったではなくて、では、どうするのかを言ってください!」

「あなたも頭を使って、何かを発信しないと」

「具体的に指示が下りないと動けないなら営業ではないですよね?」

「なんでも景気がよくないで済む話ではないでしょ?」

「実際、契約を取ってきている人がいるのはどう説明するの?」

などなど、過酷でした。

そして、ついには、辞めることにしました。

ただ、その際に、同時期に辞めた人から、保険の代理店の営業に誘われました。

私は、

「自分は営業に向いていないと思う。」

と断ったのですが、その方は、

「あれは、会社が売れないものを無理に売らせようとしたから誰でも無理だよ。」

「保険は割と決まった営業の型があるから大丈夫だと思う。」

「とにかく一度やってみたら?」

ということで、保険の仕事をすることになりました。

こちらは、たしかに、もともと保険に興味があって問い合わせをいただいた方に営業するものであり、いくつかの中から選んでいただくというものですので、慣れない私でも少しずつ、成約できるようになってきました。

これで、ようやく、復活できるかと思っていた矢先に、クレジット会社の方から、銀行預金の差し押さえが入ってしまい、丸々、1か月分のお給与がなくなってしまいました。

さらには、妻の方への養育費未払いについても、司法書士から内容証明が送られてきて、早々に未払い分を解消しないと、訴訟を起こすと警告されてしまいました。

1か月分の給与が吹っ飛んでしまったので、その月の支払もできず、他のカード会社からも訴訟予告通知などという書類がきたり、携帯に電話が来たりと、仕事も集中してできなくなってしまい、本当に、急転直下苦しくなってしまいました。

家賃も今月は滞納です。

食べる分については、妹が嫁いだ先から米やらなにやら食料を送ってくれて、しかも、封筒に5万円入っていました。

感謝に加えて情けなくて涙がでてしまいました。

もはや、どうにもならなくなって、とにかく、まずは無料で相談できる弁護士を探してここに行きつきました。

相談後

とにかく、自分の不運続きのこれまでの経緯についてお話ししましたところ、

「最初の会社の倒産と2つ目のパワハラ職場は気の毒でしたね。」

「ですが、そのルートを辿ったから、今の保険のお仕事に出会えたわけでしょ?」

「何が幸運で何が不運かなんていうのは時間が経ってみないと分かんないんですよ。」

「ただ、給与を差し押さえられてしまったというのは不運というよりも管理出来てなかっただけだと思いますけど。」

と言われてしまいました。

「つまり、クレジットカード会社は、いくら返済が滞っていてもいきなりは預金口座の差し押さえなんてできないんですよ。」

「その前提として、あなたに対して訴訟を起こさないといけないわけですね。」

「そして、その訴訟の判決がでて、その判決が確定して初めて差し押さえができるようになるのです。」

「ということは、あなたに対して、そのクレジットカード会社から訴訟が起こされて、裁判所から通知が来ているはずです。」

と言われて、私も気づきました。

たしかに、あのパワハラ会社で営業をしているときに、裁判所から送られてきた書類がありました。

ですが、当時は毎日、会社に行くのが辛くて辛くて、その上、裁判所なんて、とても自分の許容量を超えていたので、無視していたのです。

というより、いろんなところから、請求書やらなにやら書類が来てましたが、読んだところでどうしようもないものばかりなので、部屋の隅にずっと重ねるだけで何も対応しませんでした。

その当時は、借金問題について、弁護士に相談するなんていう発想もなかったのです。

そこで、しばらくしたら、このような差し押さえになったのですが、こういう事態になることも全く予測できませんでした。

甘かったです。

そして、弁護士さんからは、

「ご存知かもしれませんが、保険の外交員の方は自己破産ができないのです。」

「それと、もう一つ、未払いの養育費についても自己破産してもその支払い義務はなくならないのです。」

と言われました。

全然、「ご存知」ではなかったのですが、そもそも、自分も自己破産はしたくなかったので、むしろ、何か自己破産以外の方法があれば教えてください、と言いました。

そうしましたところ、

「任意整理」

と言って、債権者と個別に交渉して、月々の支払額をなるべく安くして支払っていくという方法があるとのことでしたので、それでお願いします、とお話ししたところ、

「任意整理ですと、養育費以外の借金が大体500万円ですので、5年間60回払いですと、1カ月当たり8万3000円程度になりますが、大丈夫ですか?」

と聞かれました。

ただ、今の家賃が、5万で、水道光熱費2万、電話代1万、養育費3万円として、月額これ等だけでも11万円。

それに、8万円の返済をしたら、月額19万円の固定費がかかり、かなり無理があると思いました。

「やはり、それは無理です。」

「何か他にはないでしょうか?」

と聞いたところ、個人再生という手続きがあるとのことでした。

これですと、500万円の借金が100万円程度になり、それを最長5年間なら、1万6000円ずつ支払うということでしたので、これならできると思い、それでお願いしまうと手続きを進めてもらうことにしました。しかも保険の仕事も続けられるし、未払いの養育費も個人再生の返済中は2割だけ支払えばよいとのことでした。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

まずは、早々に給与振込口座を変更してもらいました。

また、入金された給与が差し押さえられたら目も当てられませんので、こちらは最優先でやってもらいました。

また、個人再生の費用は月々の分割で積み立ててもらい、約1年半かけて準備しました。

その間、訴訟が起こされるかとも思いましたが、特に起こされることはありませんでしたので、ギリギリセーフでした。

また、養育費については、端的に、元奥さんに連絡していただき、今のありのままの現状をお話ししたうえで、当面は、支払いを2カ月に1回にしてもらいました。

保険のお仕事は順調らしく、債務の問題さえ処理できれば、十分に生活は建て直しがきく状態にまでなりました。

(補足)
なお、個人再生をする場合に、未払いの養育費がある場合には少し取り扱いが複雑ですので以下に補足しておきます。

1 個人再生の手続開始決定の後に支払期限が来る養育費については,他のクレジットカードや消費者金融と異なり、普通に支払います。支払います、というか、支払わなければいけません。
 この点、養育費は、共益債権と呼ばれています。

 逆に、他のクレジットカードや消費者金融については支払ってはいけません。

 なお、小規模個人再生の場合には、債権者集会ならぬ書面決議というものがあって債権者は異議を述べることができますが、養育費債権者(この場合、元妻)は異議を述べる権利を有しません。

2 個人再生の手続開始の決定前に支払期限が来ている養育費、つまり、未納・未払い養育費については、債務の圧縮はされません。

 逆に、他のクレジットカードや消費者金融の債務については、債務の圧縮(債権カット)がなされます。

 とはいえ、その未払い養育費の支払い方法については、未払い分を一括で支払うのではなく、個人再生の返済期間中は、他の債権者と同様に1割とか2割とかの基準で支払い、返済期間が終わった後に、残りの部分をまとめて返済します。

 これが法律(民事再生法)上の定めではありますが、現実には、個人再生の返済期間が終わったからと、パッと一気に返済できない場合も多いです。

 ですので、法律上の決まりは決まりとして、個別にやはり養育費債権者(元妻)と協議をする必要があるのです。

 また、場合によっては、つまり、養育費を決めた当時は、とても収入が高くて、養育費もそれなりに高額な約束をしたけれども、その後、例えば、今回のケースのように会社が倒産して解雇になり、収入がなくなったとか、再就職したけど、給与が減額してしまって、約束した通りの養育費が支払えないとなったら、協議をして養育費を下げてもらわなければいけません。

ただ、通常、養育費をさげてくれと言って、「はい。わかりました」と簡単に応じてくれるケースは少ないです。

ですので、その場合には家庭裁判所に養育費の減額調停を起こさなければなりません。もちろん、調停でも減額が応じてもらえるかどうかわかりませんが、調停が成り立たなければ審判になりますので、通常は、大体のところで折り合いがつきます。

何もしないまま、高額な未払い養育費を積み上げてしまうと、たとえ個人再生をしても減額されないし、自己破産したところで支払いは免除にならないので、早めにこちらも協議するなり、それが無理なら弁護士に相談するなりしないといけません。

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借金・債務整理の解決事例 12

個人再生?そんな手続きにご協力する気はありません。当社としては異議を出させていただきます。と言われてもあきらめず、自宅を守るために、給与所得者等再生で活路!【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

観光業に従事しておりますが、会社の景気が悪くなり、ボーナスがなくなったばかりではなく、給与まで減額となり、しかも、ちょうど、子供の進学が重なったため、生活費の補填及び教育ローンで借金が膨れ上がってしまいました。

思い切って転職も考えてはみたのですが、さすがに、いつまでも、このような不景気が続きわけではなく、いつかは元に戻るだろうという期待もあったので、辞めるのではなく、残業がなくなった分、アルバイトをすることにしました。

清掃のアルバイトです。

しかしながら、清掃とはいうものの、かなり体がしんどいもので、特に、中途半端にかがんでの作業が多いため、腰を痛めてしまいました。

そこで、清掃のアルバイトは辞めることにして、次に、夜専門のタクシーに乗ることにしました。

タクシーは、長距離が運よく、一発当たると、結構、稼げるので、なんとか借金の返済と生活費のために頑張りましたが、これまたずっと座りっぱなしもよくないようで、またしても腰を痛めてしまいました。

しかも、医者からは、もうアルバイトで無理するのは辞めた方がいいと言われてしまい、

「でも、借金返さないとヤバいんです。」

というと、

「でもね。体を壊して昼間のお仕事もできなくなったら、もっとヤバいでしょ?」

「医者の私が言うことじゃないかもしれないけど、借金のことは弁護士にでも相談したら?」

という事で、そこから、借金問題を誰かに相談するという頭になりました。

ただし、調べてみたところ、どこも、弁護士の事務所は東京の大都会ばかりで、近所にも弁護士の事務所はあるにはあるけど、名前しか載っておらず、どういう感じなのかもわからないので、いずれも躊躇してしまいました。

ただ、地元の司法書士で、明かる感じの事務所の写真も掲載しているし、なんか親しみやすそうな感じが持てたので、そちらに相談してみることにしました。

そして、頑張ってきたんだけど、ちょっと借金の返済が行き詰まってきたこと、子供の学校の関係があるので、なんとか家は今のままで維持したいこと、そして、妻や子供に迷惑がかからないようにしたいこと、などをお願いしたところ、

「民事再生という手続きもあるけど、手続きが大変ですよ。」

「自己破産ですっきりした方がいいと思うけどなあ。」

「家を手放しても、また近くでどこかに借りた方がいいんじゃないかな。」

と自己破産ばかりを勧めてくるので、

「そうは言っても簡単に近所に賃貸できる家が見つかるか分からないし。」

「個人再生が大変ってどう大変なのか教えてください。」

「できるだけ頑張りますんで。」

と言いましたところ、

「正直、うちの事務所で個人再生をやりたい人ってあまりいないから、実際、やったことはないんですよねえ。」

と言い出しました。

ですので、

「やったことないのに、大変とか、大変じゃないとか分かるんですか!?」

「ぎりぎりまでなんとか考えてもらえませんか?」

と言いましたが、明らかにやりたくなさそうなので、もう、その司法書士に相談するのは無駄だと思ってやめました。

そして、改めて、弁護士事務所を探したところ、近所とは言えないけれども、よく見ると新潟にも事務所があるということなので、そこで再度、相談してみることにしました。

なお、複数社から借入があるのですが、そのうち1社だけが借入額が多い状況でした。

相談後

早速に、

「個人再生っていうのは、大変ですか?」

と尋ねると、弁護士先生曰く、

「大変です。」

「大変ですが、大変だから通常は弁護士や司法書士に依頼するので、それを気にする必要はあまりないです。」

「他の裁判だって大変ですが、大変だからやらないっていうことはないですからね。」

「個人再生は、自己破産と比べると責任が重いというか、再生が通らなければ、例えば、家が維持できないとか、明確な結果が出るので、そういう意味で嫌がる司法書士とか弁護士はいるんでしょうね。」

ということでした。

なるほど、たしかに、自己破産であれば、もともと、家がとられてしまうことも覚悟の上だから、何とか家を守らなければいけないという責任感も何もないというわけですか。

「もちろん、自己破産の場合でも、『免責不許可事由』と言って、例えば、ギャンブルとか浪費とか投機行為とかで、本来は、自己破産が認められないかもしれないものについて『免責』を認めてもらうために、いろいろな準備をしなければならない、という大変さがある場合もありますよ。」

「ただ、今回のケースの場合には、そういうことではないですもんね。」

「今は、観光業は苦難の時代ですからね。」

「同様に困っている人はたくさんいますよ。」

「それで、個人再生の件ですが、ざっと計算すると、返済額は3年間での返済の場合には、毎月○○円ぐらいになりそうですが、大丈夫ですか?」

と示された数字が私が予想していた金額よりもはるかに低かったので、

「えっ?こんなに少なくていいんですか?」

「これなら、正直、バイトしなくても全然、払えます。」

とお答えしました。

「ただ、債権者の顔ぶれを見ますと、ちょっと気になる点があるんですよ。」

と言うので、私が身構えたところ、こういう話でした。

個人再生をする場合には、原則として、債権者の決議に回されるそうです。

そこで、債権者の中で、過半数の債権(債務)の額の債権者が個人再生に反対するとその個人再生はそこで手続きがストップして進められなくなるとのことでした。

ちなみに、私の債権者と言うのは、

A社    500万
B社    100万
C社     50万
D社     30万
E社     20万
(ただし、B社~E社は全部保証会社が同じF社)
という感じで、A社がダントツ債務が多いのです。

ですので、もし、A社が個人再生に反対をする場合には、そこで個人再生はおジャンになるということです。

「普通、反対するもんですか?」

「普通はそんなに積極的に反対することはありません。」

「ですが、この会社(A社)は結構、異議を出します。」

「特に、自分の会社が異議を出して個人再生を左右できる状況にあるときに限って、異議を出してくること多い気がします。」

そこで私はお願いをしました。

「先生、では、事前に、A社に個人再生に協力してくれるかどうか聞いてみてもらえませんか?」

「もし、それでダメだというのであれば、自分も破産の覚悟をしなければいけないし、妻にもそのことを伝えなければなりませんので。」

とお願いしてみたところ、

「多分、事前に聞いても、『その時になってみないとなんとも言えません』と回答してくると思いますよ。」

と言われてしまいましたが、とにかく、一度、聞いてほしい、とお願いしましたところ、なんと、こういう返事だったという事です。

「個人再生?そんな手続きにご協力する気はありません。当社としては異議を出させていただきます。」



木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

そういうことで、さすがに、この回答には驚きましたが、実は、このような意地悪をされても、結局、この方は、破産する必要はありませんでした。

個人再生の認可を得て、きちんと家に住み続けております。

どういうことかと言いますと、この方は、個人再生のうち、

『給与所得者等再生』

という手続きを使ったからです。

通常、個人再生を行う場合には、

「小規模個人再生」

という手続きを選択します。

給与所得者等再生はあまり利用者数が多くありません。

それはなぜかと言いますと、個人再生の場合、返済額は、その借金の総額に応じて大幅に借金の免除が認められますが、給与所得者等再生の場合には、

【可処分所得の2年分以上】

であり、しかも、小規模個人再生の場合よりも高い返済額でないといけないと決められているからです。

分かりますでしょうか?

給与所得者等再生の返済額 ≧ 小規模個人再生の返済額

という風に決められているのです。

そうであれば、わざわざ、返済額が高くなる可能性のある給与所得者等再生をあえて選ぶ動機ってあまりないはずですよね?

ところが、今回のケースでは給与所得者等再生を行いました。

それは、なぜかと言いますと、債権者からの異議が出されることが明らかだったからです。

小規模個人再生の再生計画が認可されるためには、債権者の頭数の半数以上または債権総額の過半数を有する債権者が異議が出されないことが必要です。

今回のケースでは、結局、

A社 500万円

F社 200万円

というこの2社のみなのです。

もし、

B社    100万
C社     50万
D社     30万
E社     20万

が保証会社が同じという事ではなくバラバラであれば、ひょっとしたら、A社は反対してきても、B社~E社が反対しなければ、債務の過半数の債権者が異議を出したとしても債権者の頭数としては、半数以上から異議が出ない、という事で、決議が通る可能性はありましたので、そのまま小規模個人再生にチャレンジするという事もあり得ました。

しかし、今回は、たとえ、F社が異議を述べなかったとしても、結局、A社が反対してしまえば、

「頭数の半数以上」

にはならず、「債権総額の過半数を有する債権者」であるA社が反対していることをもって個人再生はつぶされてしまうと言ことになるのです。

小規模個人再生は失敗です。

なお、言っておきますと、そんなにどこの業者も意地悪ではありません。

個人再生で異議を述べてくるというのは全体から見れば、一部の業者です。

ですが、異議を出すという方針を何がしたいのだか頑なに続ける業者がいることも事実です。

そこで、そういう異議を出す業者が債権者の中に混じっており、しかも、その業者が債権額の半額以上を持っている場合には、小規模個人再生ではなく、給与所得者等再生を選択する必要が出てくるのです。

すでに述べた通り、給与所得者等再生を選択した場合には、可処分所得の2年分以上という要件がかぶさってくるので、通常であれば、小規模個人再生を選択した場合よりも、返済額が高くなるのですが、必ずしも、高くなるとは言えません。

「可処分所得」というのは、年間の収入から、住居費や必要生活費を控除した残りの金額(『所得』のうち『処分』が『可』能な金額)であるので、必要な生活費が高額な場合(例 不要な必要が子供がたくさんいる)には、可処分所得が多くありません。今回も、可処分所得が、多くなかったので、給与所得者等再生が利用できました。

借金・債務整理の解決事例 13

(その1)借金地獄で自転車操業。しかし、個人で事業をしているので自己破産は回避したいし、車がなくなるのも困ります。[個人事業主の方の債務の法的処理として自己破産か個人再生か]【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

個人事業主と言いますか、便利屋サービスを行っている個人事業主です。

便利屋なので理屈から言えば、なんでもやるという事なのですが、現実には、ほとんどが大規模な掃除の手伝い、ごみの撤去、そして、引越しの手伝いです。

仕事道具と言っても、掃除用具一式と簡単な工具、そして、ハイエースワゴンです。

何がなくても、この車、ハイエースワゴンがないとご飯が食べられません。

従業員はいません。

一時期、最大、2人雇っていたのですが、結局、教えても全然、覚えようとしませんし、何より、この手の仕事は、臨機応変にお客様の要望に応えるという事が大事なのですが、全く、そのような能力がない。

要するに、「気が利かない」のです。

最近の若い人は、という気はないのですが、ちょっと考えれば、ここに荷物を置いたら汚れるかもしれない、傷つくかもしれない、ということで、場所を考えるとか、毛布や段ボールを下にひくとか、ちょっとした人間の感性があれば分かりそうなものですが、それができないのです。

マニュアルがないとか、事前に言われていないから、とか、そんなの全く同じ仕事と言うのは一つもないのですから、できるわけがありません。

それでも、結構、いい待遇で雇ってあげていたつもりです。

売り上げが立たなくて、厳しい時でも、社員の首は絶対に切ってはならない、との信念のもと、銀行や政策金融公庫からの借り入れをして、なんとか、首は切らず、それどころか、一切、給与も減額しないで頑張ってきました。

それなのに、要求ばかりがどんどんエスカレートして、福利厚生がない、とか、普通の会社なら○○してくれるはず、とか、挙句の果てには、ブラックな職場だとか言うのを、従業員が会話しているのを聞いて、いい加減、ブチ切れてしまいました。

「お前はいくら稼いでいるんだ!」

「今月は、売上ないので給料は辞退します、ぐらい言ってもいいんじゃないか?」

「文句ばかりで、営業の1つでもやってみろよ。」

「仕事もとれない。」

「俺がとってきた仕事もきちんとこなせない。」

「そのくせ、いっちょ前に待遇がどうたらこうたらと文句だけ言う。」

「お前らなんかを雇って、今の給料を支払う会社がほかにあるのなら教えてくれよ。」

「なんで、お前らのために、俺が借金まみれになっているんだよ!」

と普段、言わずに耐えてきたことを言ってやりました。

これでも、言い足りないぐらいです。

実際、借金の返済もよそで借りて、返すみたいな状況になっていたので、いい加減、緊張感を持って仕事をしてもらわないと、真剣に破産に向かっていました。

ところがです。

そいつらはつるんで、2人で退職届を出してきました。

しかも、これまでの未払い残業代を支払えと言ってきたので、

「暇な時期は会社に来てもパソコンやスマホ見てくっちゃべっていただけだろ!」

と言い返したら、労働基準監督署から、支払うよう勧告がきてしまいました。

事情は話したのですが、

「労務時間の適正管理は経営者の仕事でしょ?」

残業代は労働法上の当然の従業員の権利ですので、支払わないと大変なことになりますよ、と脅され、

「じゃあ、また借金しろというんですか?」

と言ったら、

「どのように支払いをするかは、労基署は関知しません。」

と冷たく言い放ちました。

そこで、消費者金融とカードローンを目いっぱい使って、仕方なく支払いました。

その後、1人でなんとか頑張ってみたのですが、もはや、返済が追いつきません。

早めに首切っておけば良かったです。

相談後

そういうことで、個人事業であるこの便利屋サービスをつづけることを前提として、相談にのってもらえる弁護士さんを探し回りました。

最初に、電話相談したところは、地元でテレビCMとかもやっている大きそうな事務所だったのですが、

「個人事業をやっておりまして、破産でなくて借金の見直しをしたいのですが。」

と相談したところ、それなら、任意整理という形での整理ができます、と言われたので、銀行、政策金融公庫、カードローン、キャッシング、消費者金融と説明していくと、

「これですと、月々、大体58万円ずつをお支払いして、5年で完済というプランがよろしいのではないかと思います。」

と言われました。

「?????」

「あの、今、月20万ぐらいの支払なんですけど、なんで増えているんですか?」

「そんな金額が払えるんなら別に弁護士さんに相談しませんけど。」

と言うと、その方は弁護士でなく、スタッフの方らしいのですが、

「しかし、総額で3500万円もございますし。」

「どれも過払いの対象ではありませんし。」

「もともと、銀行や政策金融公庫は支払期間が長いので、任意整理といっても、支払期間は大体5年程度ですから、月々の支払額はかえって増えるんじゃないでしょうか?」

と他人事のように言います(まあ、他人事なのでしょうが)。

「あの、あなたが、その任意整理って話は言い出したんですよね?」

「私がそうしてくれって頼みましたか?」

あまりに言い方が冷たく、例の労基署の人間を思い出してしまったので、ちょっと感情的になってしまいました。

すると、

「だったら自己破産するしかないと思いますけど。」

「自己破産をしたくないとおっしゃったのは、そちら様ですよ。」

とさらに言うので、

「じゃあ、自己破産したら仕事は続けられるんですか?」

「続けられるのなら自己破産でもいいですよ。」

「その辺を教えてください。」

というと、急に、

「少々お待ちください。上の者に確認してまいります。」

と少々どころか、えらく待たされました。

そして、ついには、

「あのう、別の弁護士事務所にご相談されてはいかがでしょうか?」

「当事務所は、主に、個人の方を対象にしておりまして、会社様とか個人事業主の方を対象にしていないのです。」

「そういうデリケートな案件は、それを専門にされている事務所にご相談された方がよろしいかと思います。」

とさらに、冷たい言い方なので、

「だったら、それはどこの事務所に行けばいいんですか?」

「会社さんとか個人事業主の専門の事務所を教えてください」

というと、

「そういうご紹介はしておりませんし、当事務所でもどこが専門かについては情報を持っているわけでもありませんので。」

とさらに他人事。

「じゃあ、専門にしている事務所があるかどうかも分からないってことでしょ?」

「俺を厄介払いするために、適当なこと言ってんの?」

「お宅がやっているCMとは全然、違うじゃん!」

「どんなことでもご相談ください、って言ってたぞ。」

もう我慢がなりませんでした。

「さあ、そのCMとかを私は見たことないので。」

もう、時間の無駄なので電話を切りました。

そこから、必死の弁護士探しを行いました。

そして、ついに、

「個人事業主の方ですね。」

「自己破産なのか、コジンサイサイかともかく、事業継続できる前提で法的処理ができるかご相談しましょう。」

と言ってもらえました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

【任意整理で支払いが楽になるとは限らない】

任意整理というのは、弁護士や司法書士が債権者と交渉をして、将来利息のカットや現在よりも負担の少ない支払い月額による内容とした和解をすることです。

裁判所が関与する手続きではありません。

また、様式も決まっていませんし、特に任意整理を規制する法律もないので、裁判手続きである自己破産や個人再生と比べて、手続きが簡単です。

任意整理をすると、以降、将来利息は支払わなくてよくなります。

元本を分割して支払うのみです。

最近は、ほぼすべての金融機関は法定利息内での貸し付けなので、過払い金が生じるという事もあまりなく、利息制限法内にするための引き直し計算というのも必要ないのですが、取引期間が長期にわたる場合(平成19年以前に開始した取引)には、利息制限法の引き直し計算を行います。

そして、減額された場合には減額後の債務額を、3年~7年程度の分割払いで支払う旨の交渉を債権者と行うことになります。

そして、合意した分割払いの内容を和解書という書面で合意することにより、以後は、将来利息のカットの上で長期で分割弁済していくことになり、月々の支払いが楽になる(であろう)というわけです。

なお、将来利息のカットについては、ほとんどのケースで可能ですが、元金の減額ができることは、ほぼありません。

多額の遅延損害金が発生しているケースでは、遅延損害金を減額または免除してもらえることはあります。

裁判手続きではありませんので、自己破産や個人再生の場合のように、裁判所に提出するための書類を作成したり、ご自宅から持ってきていただく必要はありません。

任意整理は、その簡便性から、すべての債務整理の手続きの中で、最もよく利用される形ですが、それをとったから必ずしも支払いが楽になるというわけではありません。

その一番、顕著な例が、もともとの債務の支払の期限が長い借金がある場合です。

金融機関からの事業性の融資ですと、長いものだと10年とか15年の支払のものがあります。

そうしますと、任意整理をすることにより、期間が5年とか長くても7年とかで、支払期間が短くなり、むしろ、月々の支払額ははねあがってしまうのです。

それはそうですよね。

15年で1000万円支払うともともとなっていたものを5年で支払うとすれば、利息のことを考えないでおくと、単純計算で月の支払額は3倍になってしまいます。

しかも、通常、このような事業性の長期融資の場合には、キャッシングや消費者金融の場合と異なり、利息も15%とか18%なんていう高金利のケースはほとんどなく、2%とかですから、短期にすればするほど支払いが苦しくなるのです。

そして、月の支払が苦しくなるもう一つのケースが、もともとリボ払いを利用しているケースです。

リボ払いとは、残債務額にかかわらず、月々の返済額を1万とか5000円とか一定額にしている場合です。

例えば、100万円の残債務があっても、月の支払は1万円だとすると、ここに任意整理をすると、100万円を5年で支払うとすると、月々の支払額は1万6000円となり、1.6倍の返済額になります。

200万円の残債務で月の支払を1万円のリボ払いにしていたとすると、これに5年の任意整理をすれば、月の支払は3.3万円となり、3倍以上になるのです。

「総額で見れば利息がなくなるのでよいですよ」

と言われても、目の前の支払がどうにもなりませんよね。

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借金・債務整理の解決事例 14

(その2)借金地獄で自転車操業。しかし、個人で事業をしているので自己破産は回避したいし、車がなくなるのも困ります。[個人事業主の方の債務の法的処理として自己破産か個人再生か]【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

(前回までのあらすじ)

便利屋サービスを行っている個人事業主の方。

使えない従業員2名を抱えておりましたが、そこは経営者、社長として、どんなに苦しくても従業員の首だけは切ってはいけないという信念のもと頑張って雇用を維持しました。

そのため、借金を抱えてしまいました。

ですが、そのような社長の苦労を知ってか知らずか、従業員の方は恩義にかんじてくれるどころが、要求がエスカレート、不満たらたらでした。

とうとう、我慢の限界に達した社長は、その従業員たちに説教しましたが、それで奮起するどころが、逆に、辞めると言ってきました。

辞めるだけならまだしも、未払いの残業代を支払えと言ってきました。

何を寝ぼけたことを?暇なときに散々おしゃべりしていただろ?

と思うのが通常ですが、そういうまともな人情論はこういう従業員には通用しません。

ついには、彼らは労基署(労働基準監督署)に駆け込みます。

そして、労基署もそういう話は一切、聞く耳持ちません。

ただ、社長に払え、と。

それで会社が倒産しようが、破産しようが、知ったこっちゃない、という態度です。

それで個人でサラ金まで利用して支払いました。

可哀そうですね。

その後は、人間不信になり、誰も雇わず、一人で奮闘しましたが、借金の返済が追いつかず、弁護士に相談しようと考えます。

破産はしないで、なんとか便利屋をつづけるための債務整理を模索して、地元でテレビCMとかもやっている大きな事務所に相談してみることにしました。

しかし、そこのスタッフは、破産が嫌なら、任意整理がいいと勧めてきます。

あんまり、任意整理があまりよく分からないまま、任意整理をするとどうなるかを尋ねると、なんと、1カ月あたりの現在の支払額の2倍以上になると言う。

支払いが苦しいから相談しているのに、なんで?と疑問に思いますが、破産したくなければ任意整理しろと、冷たく言い放つ当該事務所のスタッフ。

そうでなくて、破産がいいとか嫌ではなくて、事業を継続するためにはどうすればいいのかを問うと、

「別の事務所に相談したら?」と。

もともと、会社や個人事業主は対象にしていないとのことを言い出して、もはや、幾ら話をしても意味がないと断念。

その後、弁護士に相談しようと、何件も聞いては見ますが、

「もう、事業は辞めてお勤めにしたら?その方が楽だよ?」

「破産するということは全部を諦めることだよ。」

「民事再生っていうのもあるけど、うちはあまりやらないんですよ。」

等々、どこも芳しい返事を頂けません。

そのような経緯を辿って、当事務所にいらっしゃいました。

相談後

正直、もうかなり自分自身がいろいろな弁護士事務所、司法書士事務所で相手にされなかったり、門前払いされたり、今の個人事業を辞めるよう説得されたりして、疲れていましたし、正直、もう無理なのかなあ、と諦めかけておりました。

弁護士さんからは、

「便利屋って、範囲が広すぎて私もよく分からないんですけど、何か売ってお金になるような設備とかってあるんですか?」

と冒頭に聞かれました。

(やっぱり。全部を売って事業を辞めろと言い出すんだな。)

と思いながら、

「売ってお金になるようなものはありません。ただ、車、ハイエースワゴンはたしかに売ればいくらかにはなるかもしれないです。」

と正直に言いました。

ですが、

「車が以外は無しですか。さすがに車は売ったら商売続けられなくなるでしょ?」

と言うので、

「えっ?商売続けてもいいんですか?」

と自分でもおかしな質問をしてしまいました。

「えっ?商売続ける、ってお話ではなかったでしたっけ?」

「辞めるんですか?」

と言われて、

「いえいえ、もちろん、自分は商売続けたい、って思っているんですけど、なんか、これまで、いろんな弁護士とか司法書士とかから、もう辞めた方がいいとか、辞めるしかないとか言われたもので。」

「どうやったら、続けられるんですか?」

と聞くと、

「そうねえ。とにかく、破産なり、個人再生なりの費用が準備できれば。」

と言われました。

「破産したら、商売できなくなるんではないですか?」

というと、

「いや、そんなことはないですよ。」

「破産したら、その時点での資産を手放さなければならないということから、通常は、事実上、商売を続けられなくなるけど、資産と呼べるようなものは車を除いて何もないんでしょ?」

「あと、確認ですけど、売掛けとか買掛けとかも便利屋さんだからないですよね?」

と言われ、

「はい。現金商売です。それに、車以外お恥ずかしいぐらい金目のものは何もないです。」

と言いました。

「それで、どうしますか?」

「ご存知の通り、自己破産と言うのは、手元にある資産的なものは全部、手放すけど、免責が認められれば借金の支払い義務は免除される手続きで、個人再生というのは財産を手放す必要はなく、借金のうち約8割ないし9割を免除してもらって、残りを分割で支払う手続き。」

「あなたの場合には、3500万円だったので、借金の9割カットだね。だから、350万円を返済することになる。」

私は耳を疑いました。

「3500万円が350万円?」

「私の場合、本当にそうなりますか?」

再度、念押ししました。

「うん。なる。」

「だから、この350万円を3年で分割支払いすると、月9万7千円、5年だと、月6万円という感じですね。」

「もちろん、自己破産すると、支払額はゼロだけどね。ただ、車の価値によっては、その車の買い戻し費用がかかるかも。」

「いずれにせよ、自己破産費用ないし個人再生費用はかかるからね。」

「もちろん、分割払いの積み立てでよいですが。」

なんだか、キツネにつままれたような感じでした。

なんで、これまで、あっちこっちで商売辞めろと言われ続けたのか訳が分からなくなりました。と同時に諦めてなくて良かった、というか、そこで辞めていたらと思うと怖くも感じました。

人の出会いって本当に大事だな、と思うと同時に、出会いは自分で動いて掴み取るものだということを実感しました。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

結局、この方は、個人再生の手続きを選択されました。

その理由は、「破産」だと聞こえが悪く、その後の商売に響くからだということでした。

別に、破産であることを他の方々に通知する必要はありませんよ、と言ったのですが、「破産」したのを隠すのは良くないし、民事再生なら正々堂々と言えるから、と言っておりました。

そのあたりは、業界的なものもあるのかもしれず、無理やり自己破産をさせるというわけにもいきませんので、個人再生として進めることにしました。

車は返済額である350万円を超える価値があるとすれば、たしかに問題になりますが、当然ながら、そこまでも価値はありませんでしたので、普通に、車を維持したまま商売を続けることができます。

個人事業主の事業継続前提での自己破産ないし個人再生は、嫌がる人が多いです。

一つは責任が重くて怖いからです。

事業継続が本当にできるのかどうかは、大変、複雑な諸問題・諸事情が絡んでくるので、やった結果、継続できなかった、となると、それは当然ながら依頼者さんとの間で大きなトラブルになります。

「嘘つき!できるって言ったじゃないか!」

と、事業継続はお仕事の問題で生活の根本に関わることなので、トラブルの深刻さが違います。

なので、諦めてもらって、粛々と自己破産にしてしまえばそういう精神的負担はありません。

それに、たしかに、業種によっては、お金の出入りが頻繁で数字を追っかけるのが大変です。

ですので、手間が掛かりますし、見落とし、見間違いが生じるリスクもあります。

なので、そもそも、事業継続はしないんで、という事業廃止の前提だとしても、事業主の案件自体をやりたくない、という人も少なからず存在しております。

ですが、破産はともかく、小規模個人再生と言うのは、小規模事業者のために用意された再生手続きなのです。

せっかく、再生できる事業があるのに、これを潰すなんて、当事者の方にとっても不幸ですし、日本社会にとっても損失なのです(何もそんな大げさなことを普段ずっと考えているわけではありませんが)。

そういうわけで、当事務所は個人事業主の方のご依頼が多分、よその事務所に比べても多いと思います。

なお、個人事業主の方が小規模個人再生をする場合において、重要なポイントについて少し補足しておきます。

再生という以上は、収入見込みが立たなければなりません。

通常、過去2年分の事業収益をベースにして、今後も継続的収入があるかどうかの見込みの説明を裁判所にしていくことになります。

借金の点を除いてずっと赤字ですと、

「借金をせっかく減額しても返済できないのでは?」

ということになり、再生手続きが認められないことになってしまいます。

また、今回のケースでは問題になりませんでしたが、買掛がある場合には注意を要します。

事業・商売をするために必要な原材料の仕入れとかが買掛けになっている場合、再生手続において、その債務をカットするとどうなるでしょうか?

通常、もう、2度とその仕入れ先から原材料が入ってこなくなりますよね?

そこから買えないのであれば、また別の仕入れルートを探すからいいですよっていう方もいますが、そうでないとすると、事業の継続ができなくなってしまいます。

そうすると、そもそも再生なんて言ってられなくなります。

そのため、

「事業を継続するために必要な買掛金なんです。」

「ここだけは支払いすることを認めてください。」

と裁判所に届け出て支払うようにしなければなりません。

借金・債務整理の解決事例 15

(その1)自己破産の費用が惜しいので、自分で自己破産手続きを進めようとしたところ分からないことだらけ、裁判所書記官からも急に冷たく突き放されるようになりピンチ!今から依頼すると?【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 男性

相談前

自己破産手続きは、司法書士や弁護士に頼まなくても自分でもできるとインターネットの掲示板や口コミサイトに書いてあり、司法書士の費用とかもったいないので、自分で
やってみることにしました。

そして、

「分からないことがあったら、裁判所に聞けば教えてもらえる」

とあったので、何度も何度も、裁判所に電話したり、場合によっては直接、窓口に出向いて教えてもらいました。

そこで、必要な書類とかがあるということでした。

・住民票
・戸籍謄本
・給与明細(2か月分)
・源泉徴収票(もしくは課税所得証明書)
・預金通帳(2年分)
・賃貸契約書の写し(賃貸の場合)
・不動産の登記事項証明書(不動産を所有している場合)
・退職金を証明する書面
・車検証
・保険証券
・解約返戻金の有無が分かる書類(積立型の保険を契約している場合)

順番に、
・住民票
・戸籍謄本
の違いが分かりませんでした。

それで、どういう書面なのかを問い合わせると、

住民票とは、住所を記載した役所の書面で

戸籍謄本とは、籍を登録した役所の書面ですと。

そこで、それをどこに行けばもらえるのですか?と尋ねたら、市役所に行けばもらえると教えてもらいました。

分からなければ、市役所の窓口で、

「住民票と戸籍謄本を取りにきたのですが、どこに行けばいいですか?」

と聞けば教えてもらえるとのことでした。

そして、実際に、市役所に行ったところ、聞くまでもなく、

「住民票の交付はコチラ」

と書いてありましたので、戸籍謄本も併せて無事に取得することができました。

次に、
・給与明細(2か月分)
・源泉徴収票(もしくは課税所得証明書)
とあったのですが、「源泉徴収票」というものをもらった記憶がないので、これも聞きに行きましたところ、

「そんなはずはない。会社に再度、確認してみてください。また、もし、無くしたとかいうことであれば、再発行を受けてください」

と言われましたので、会社で、

「あのう、源泉徴収票ってもらったりしていないと思うんですけど。」

と言ったところ、

「源泉徴収票は、ご自身で会社の派遣社員管理システムにログインしていただき閲覧するか必要に応じてダウロードする形式です。」

「源泉徴収票のご用途は何ですか?」

と言われてしまったので、

「あの、いや、ちょっと友人と会話していて、そういえば、どうなっているのかなと思って・・・。」

とおかしな返答をしていると、

「確定申告で紙の源泉徴収票が必要だという事でしたら、そのための手続きをしますがどうしますか?」

と言われ、

(確定申告?まさか、自己破産するためとは言えないし、ダウンロードするんじゃダメかな。今から、裁判所に電話してみようかな。でも、ここで電話したら怪しまれるからな。)

と、どうしようか迷っていると、

「では、もし、必要があれば言ってください。ログインIDとパスワードは分かりますか?」

と聞かれて、そういえば、それも分からなかったので、ログインIDを教えてもらい、パスワードは、あとで、メールで送ってもらいました。

そして、裁判所に電話して、源泉徴収票の仕組みと、ダウンロードしたやつをプリントアウトしたものでもいいかと尋ねると、

「それで結構です。」

と教えてもらいました。ところが、

「弁護士を探して相談された方がいいでよ。この調子だとすごく時間もかかるし、裁判所も個別の事件についてまでアドバイスはできませんよ。」

と急に突き放すような態度になってしまいました。

相談後

せっかく、自分で手続きを始めたのに、急に裁判所の書記官の人が冷たくなったので、とりあへず、弁護士無料相談に行って、やり方を全部、教えてもらうつもりで相談に行きました。

すると、

「やり方そのものについては、裁判所のホームページ等に必要記載事項、書式や必要書類が書いてありますよ。」

と言われました。

「しかし、個別に事情が違いますよね?」

「例えば、源泉徴収票とかですが、うちの会社は派遣社員管理システムにログインして閲覧するか必要に応じてダウロードする形式なんです。」

「ですから、そういう場合は、どうすればよいのかとか、実際にやり始めたところ、そもそも、その書類の意味も分からないのもあるし、分かっても、どうやって準備すればいいのかが分からないのもあるし、手続きが凄い大変なんです。」

というと、弁護士さんは、

「まあ、そうでしょうねえ。」

「でも、本当に分からなければ裁判所に聞くしかないですよ。」

「要は、破産って言うのは、裁判所で行われる裁判手続きなんですから、当の裁判所がその書類で受け付けるかどうかの問題になります。」

「うちの事務所が代理人になって手続きをする場合でもたしかに、これはどういう風にすればいいかなあ、と悩む局面もありますから、その場合には、裁判所に協議します。」

「ただし、それは、破産手続きが開始した後の話ですから、受付前の事件については、裁判所の書記官も市民の窓口として、一般的な手続きのご案内をするだけで、個別具体的な事項については答えないでしょうね。」

「もちろん、源泉徴収票の提出が原本か写しかについては一般的な手続きの案内に入ると思いますよ。」

「それで、本日は何をお聞きになりたいですか?」

と言われたので、ふと考えてみると、具体的に何を聞けばよいのかさえ、分からないと思い、

「具体的な質問事項については用意していないですが、こういう場合、何を聞けばいいんですかね?」

と訳の分からない質問をしてしまいました。

弁護士さんっも苦笑いしながら、

「まあ、とにかく、おっしゃる通りで、破産の手続と言っても、個別に置かれた環境が違うので、マニュアルだけでは何ともならないのですよね。」

「臨機応変に頑張って頂くしかないと思います。」

と言われてしましました。

そこで、

「今から、弁護士さんを依頼する場合、最初から頼んだのと同じ費用がかかりますか?」

と端的に聞いてみたところ、

「最初から頼んだのと同じ費用になります」

と即答でした。

「ここまでは自分の力で書類を集めたので、その分、費用はディスカウントされるのではないか?」

と多少、期待していたのですが、全く費用が変わらないということでした。

というよりも、

「源泉徴収票」などは、そもそも、本人が取得して、弁護士に渡すというものなので、仮に最初から依頼していたとしても、自分で会社に請求したり、自分の家に保管されているものを弁護士さんに送るなりするという性質のものだと言われました。

ただ、

「例えば、あなたの会社の源泉徴収票がそういうシステムなのだとすると、写しでもいいのか、ということについては、あなたがもし依頼しているのであるとすると、当事務所にその都度、お電話なり、メールなりでお問い合わせいただけます。」

「それに、重要なのは、いかにして破産申し立てにより免責の許可がもらえるかどうかを事前に検討して準備することです。」

「そもそも、本件は、管財(カンザイ)事件になるような要素はないのですか?」

とまた新しい言葉。。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

以前は、「自分でも自己破産手続きできますかね?」というご質問については、

「できますよ。」

とお答えしていたのですが、最近はずっと、

「それは各個人の方の能力や事情等によりますので分かりません。」

とお答えしております。

実際、インターネット等で、自分でできた、と自己破産手続きを自分で行った体験談を書いたブログ等があるようです。

ですが、それは、そもそも、その方がこの手の手続に慣れているのかもしれないですし、(言い方がなんですが)あまり、問題の少ない簡単なケースだったのかもしれません。

また、働き方も、資産の状況(家、車、保険)も借金の状況(住宅ローン、オートローン、キャッシング、ショッピング、教育ローン、おまとめローン)も、個別に異なりますので、同じようにできるかどうかなんて分からないですよね。

しかも、その人が手続きするのに十分な時間的余裕があるのか、書類の説明を一回聞いただけで理解できる能力があるのか、等々に左右されるので、後から、

「先生は、私でも自分でできるって言ったじゃやないですか!」

と言われても困るんですよね。

なお、弁護士に依頼すると、当然、費用の問題が出てきますが、依頼するメリットとしては次の通りになります。

・面倒な必要書類の取得や裁判所のやり取りをしてくれる

 今回のケースではこちらがどうも相談者の方にとっては大変だったようです。
 ただし、すでにお話ししましたように、給与明細とか源泉徴収票とか、弁護士がまさか本人に代わって会社の経理や総務に電話して送ってもらうわけにもいきませんので、どうしてもご自身で取得していただく必要がある書類があります。

 ただ、その場合でも、

「どうやって会社に言ったらいいか分からない。」

「会社に○○って聞かれたけど、なんと回答すればいいのか分からない。」

等々、いろんな働き方や会社さんがありますので、その状況に応じたアドバイスはさせて頂きます。

 他方、住民票や戸籍等は、弁護士事務所で取得することも可能です。

・免責のための必要書類の準備のアドバイス

浪費、ギャンブル、投機行為、偏頗弁済(特定の債権者にのみ返済する事)等は免責不許可事由といって、自己破産による借金の免除が認めてもらえない理由になります。

しかし、免責不許可事由があったとしても、「裁量免責(さいりょうめんせき)」と言って、免責が裁判官の裁量によって個別に認めてもらえる場合があります。

ただし、何もしないで裁量免責は認められません。

内容のある反省文を始めとして、ケースに応じて、家計簿をつけてみたり、ショッピングやギャンブルの取引履歴を作ってみたり、と免責を認めてもらうために、ケースに応じた、いろいろな準備が必要です。

・破産管財費用が安くなる

自己破産手続きにも実は2つあり、1つは破産管財人がつく自己破産のケースでこちらは破産管財手続き、ないし、管財事件、と言います。

もう1つは、破産管財人がつかないケースで、こちらは、同時廃止手続き、ないし、同廃事件、と言います。

そして、例えば、免責不許可事由があるとか、不動産とか車とか生命保険解約返戻金とか何か財産があるとか、個人事業主であるとか、いうケースでは破産管財人がつきます。

管財事件になった場合には、費用が別途かかります。

そして、本人が申し立てた場合と、弁護士を代理人につけた場合とでは、弁護士を代理人につけた場合の方が費用が安いのです。

これは、弁護士がついていれば事前に書類等、整理がなされているからです。

借金・債務整理の解決事例 16

(その2)自己破産の費用が惜しいので、自分で自己破産手続きを進めようとしたところ分からないことだらけ、裁判所書記官からも急に冷たく突き放されるようになりピンチ!今から依頼すると?【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 男性

相談前

(前回までのあらすじ)

自己破産しなければいけない状況ではありますが、自己破産手続きを司法書士や弁護士に依頼すると費用がかかります。

何十万もするお金をもっていないし、そもそも、そんな高額なお金を支払わなくても自分で行うのであれば、タダできるのだから自分でやろうと思ったという相談者の方。

実際に、自分で自己破産の手続をしたという体験談をインターネットでも見たことがあるとのこと。

しかし、実際にやり始めると、集めなければいけない書類として、
・住民票
・戸籍謄本
・給与明細(2か月分)
・源泉徴収票(もしくは課税所得証明書)
・預金通帳(2年分)
・賃貸契約書の写し(賃貸の場合)
・不動産の登記事項証明書(不動産を所有している場合)
・退職金を証明する書面
・車検証
・保険証券
・解約返戻金の有無が分かる書類(積立型の保険を契約している場合)
とたくさんの書類が必要で、しかも、意味というか具体的になんのことを指す書類なのかもわからずに、インターネットで調べたり、裁判所に聞いたりしていました。

当初は、裁判所の書記官の方もよく教えてくれていたそうですが、最後は、

「弁護士を探して相談された方がいいでよ。この調子だとすごく時間もかかるし、裁判所も個別の事件についてまでアドバイスはできませんよ。」

と冷たく突き放すような言い方をされてしまったとのこと。

そこで、弁護士事務所の無料相談をご利用されたうえで、自己破産手続きを進めようと考えたらしいのですが、実際の所、

「何を聞けばよいのかさえ分からない」

という状況で、段々と、自分で自己破産の手続きをできるのかと不安になり、仮に、弁護士を今から依頼したら、一番最初から依頼した場合と、何か費用に違いが出るのか(安くなるのか)を聞いたところ、

「安くはならない」

「当初から弁護士に依頼するのと変わらない」

と言われて、少し、がっかり。

それに、そもそも、弁護士に依頼したからと言って、自分は全く何もしなくても良いわけではないということを言われる。

そして、改めて、自分の破産しようという経緯を伝えると、

「破産管財※」

という手続きになるのではないかと指摘される。

※破産管財とは、破産手続きにおいて、一定の資産がある、浪費・ギャンブル等の理由によりできた借金がある、2回目の破産である、等の理由から、破産管財人を入れて調査したり、場合によっては何らかの業務を行う必要があると判断される破産手続きのことを言う。

ちなみに、その具体的な破産せざるを得なくなった理由とは、もともと、アパレル関連の仕事についており、店長職でお店の売り上げの責任も持たされていたため、一定の売り上げに達しない月には、自分のクレジットカードを切って、お店の商品を購入していたという事が組み重なって借金が返済できなくなったそうです。

そして、自宅には、小さなお店が開けるぐらいの洋服の在庫を抱えているとか。

ですので、このケースは、別におしゃれしたいとか言う動機に基づくものではありませんが、洋服の大量購入による借金の増大、なので、一見、浪費による借金の増大とも見えなくはありません。

さらには、一度、購入された洋服が売れるのかどうかは、ともかく、これまた、一定の財産・資産があると見えなくもありません。

相談後

そして、破産管財の説明を受けて、

「じゃあ、弁護士さんの費用に加えて、その破産管財人の費用も必要になってくるのですか?」

「その破産管財人の費用っていくらなんですか?」

と聞くと、

「本人手続あるいは司法書士に依頼なら30万、弁護士に依頼なら20万」

と弁護士さんは答えました。

「司法書士さんに依頼しても30万っていうのは何故なんですか?」

と聞くと、

「司法書士の場合には、依頼すると言っても、代理権はないわけですよ。」

「つまり、司法書士は、書類作成のサポートをするだけで、あくまでも手続きはご本人がやるということなんです。」

ということでした。

それで、結局、費用としてはいくら必要になるのかを尋ねると、

「大体、60万ぐらいですね。あとで実費も含めて正確なお見積りは出しますが。」

と言われて、

「えっ?60万円?」

「そんなのみんな支払うんですか?」

とアホみたいな質問をしてしまいましたが、

「ご依頼される方は皆さん、そうですね。」

「ただし、一括では無理ですよ。」

「みんな、そんなまとまったお金は持っていないですからね。」

「なので、どうしたって分割で費用を積み立てる形になります。」

ということでした。

分割払いなのは、安心しましたが、とはいえ、結局、毎月、いくら支払わなければいけないのかと思い、

「何回払いになるんですか?」

と聞くと、

「別に、決まりはないですが、何回払いぐらいなら可能ですか?」

と逆に聞かれてしまいました。

そこで、

「何回っていうか、月3万円であればなんとか。」

ということで答えますと、

「月3万円なら約20回払いということでいいですか?」

と言われ、

「えっ!そんなに長期の積み立てでも大丈夫なんですか?」

と念押ししました。

ただ、弁護士さんも、

「うん。本来であれば無理なく積み立てできる期間でご自由にどうぞ、っていう所なんですが、あんまり長く積立期間をとっていると、そのうち債権者が騒ぎだして、もう待てない、とか訴訟を起こしてくる場合があるんですね。」

「そうなりますと、訴訟を起こされれば、たしかに借りていることは間違いないので、返済しろという裁判所の命令がでるんです。これがいわゆる判決ですね。それで判決自体は、支払い義務があるので支払えという書面なんですが、その判決がでてしまうと、今度は給与の差し押さえとか強制執行を受けてしまう恐れがあるんです。」

と言われてしまい、

「それはマズイですね。」

「いや、でも、もう辞めてもいいかなあ。」

「会社にこの洋服類って返して、逆に返金してもらうってできるんですかね?」

と段々、弁護士さんから、会社とか給与差し押さえの話をされていると、会社に対して許せない気持ちになってきました。

「うん。これから実際に債務整理手続きのご依頼をいただく場合には、その点についてもお話ししようかと思っていたのですが、全額はともかく、いくらかは回収したいなと思っておりまして。」

「そうすれば、多少なりとも、費用の足しになりますもんね。」

なるほど、こんなことなら、たしかに最初から弁護士に相談した方が良かったな、と思いました。

それで、まずは、月3万円ずつ積み立てて、もし、会社からいくらか取れたらそれを費用に充当するということで、ご依頼することにいたしました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

もともと、司法書士ないし弁護士に依頼しようかなとは思ったそうなのですが、何十万円ものお金も持っていないし、困ったなあ、と、いろいろ調べていたところで、自分で自己破産はできる、というブログのようなものを見て、自分でやろうとしたようです。

なんでも、そうですが、自分でやれば、その分、費用が掛かりません。

例えば、家も自分で建てれば材料費だけで済みます。

材料を購入して、自分でログハウスを建てるというような動画を何かで見た記憶があります。

しかし、実際には、自分で家を建てるという人はあまり多くありません。

1つは、どうやって家を建てたらよいか分からない。

また、家を建てても、住めるようなものになるのか分からない。

さらには、調べたり、作業したりする時間が膨大過ぎて、自分は別のことやって稼いだ方が実は効率がいい、

こういう理由から、あまり自分で家を建てようとしません。

ただ、これがリフォーム程度ならどうでしょうか?

やってみたら意外にできた!

内装屋さんに見積もり出してもらったら何十万だったのに自分でやったので、クロスとか必要な資材を買うだけで済んだ!

という人も少なくないのではないでしょうか。

要は程度問題ですね。

実は運転免許の更新なのですが、こちらも費用を支払って手続き代行を「行政書士」という資格事務所に依頼することもできるんです。

ですが、こちらは、私の周りで、免許更新の書類作成を行政書士に依頼したという人を見たことがありません。

運転免許の更新なんて、お金と通知の紙をもって警察なりセンターに行けば誰でも自分でできています。

しかも、インターネットで、

「自分で免許更新の作成ができました!」

ってその経験談を書いている人ってほとんどいません。

自分でやれるのが普通だから、わざわざ書く必要もないし、書いても、それを読んだ人は、

「ふうん。それで?」

という反応しかしてくれないのが分かっているからです。

自分でできるかどうかは、多くの人がどうしているのかを参考にするとよいでしょう。

そして、本件ですが、債務増大の原因がお気の毒なことに、店長の責任を全うするためにお店の商品を自腹で購入していたという事ですが、実は、このケースよくあります。

よくあるのですが、その自腹を切らされていた当人が会社を訴えたりすることがあまりありません。

それはなぜかと言いますと、その店舗の売り上げが良いことにより、自分にもメリットがある場合があるからです。

賞与が増える
インセンティブがもらえる
人事評価が良くなって出世できる

等々のために、やむなく詰め腹を切るのです。

また、そう思いこんでいるというだけの場合もあります。

ただ、本件では、本人がもうこの際、会社を辞めてもいいや、という気持ちになっていたので、出世もへったくれもないということで、会社に返品要請をしました。

そうしましたら、驚いたことに、なぜか窓口として、

「お客様センター」

につなげられ、そこで何も分からない若い女性に対応させようとするではないですか。

それで、さすがに、これはバカにしていると思い、本部に内容証明を送ったところ、相手の会社の窓口も弁護士になりました。

その弁護士も、会社は何も知らなかった、買えなどと一言も言っていない、返品は一切受け入れない、などと当初は言っておりましたが、破産管財人からの請求とどっちがいいか?と言うと直近1年以内のものに限り、返品を認めてくれることになりました。なので、費用は手出しはほとんどなかったです。

借金・債務整理の解決事例 17

ブラックリストや信用情報について質問しても明確に答えてくれない、挙句の果てには逆切れする弁護士に失望。任意整理も破産も自分はどちらもできない!(個人事業主の民事再生)【弁護士事務所案件】

依頼主 男性

相談前

ようやく、個人再生の依頼の手続きが終わり、先日、弁護士事務所の方から、費用を書いた請求書と月々の積立額、そして、いつまでに支払えばよいかと、振込先の口座を書いた「積み立て実行表」という書面が送られてきました。

この積み立て実行表によると、2週間に一度の積み立てで、全部で半年で完済するというものでした。ただ、よくよく考えると、この2週間に1度というのは忘れがちになるので、シンプルに毎月1回のお振込みで構わないですか?と聞いてみました。

そうしましたら、

「別に、うちは最終的に6カ月以内に積みあがればいいんですけど、2回分を1回に支払うって大丈夫ですか?」

「よく、最後にまとめて支払うとか言う人いらっしゃるんですけど、結局、払えなくなっちゃうんですよね。」

「お宅がやろうとしている手続きは個人再生ですから、支払いの習慣をつけた方がいいと思うんですけどねえ。」

などと言われてしまいました。

ただ、その方に言われるのと、弁護士さんに相談の時に言われたことが違うなあと思って再度説明しました。

「いや、弁護士さんとの面談の時には、『私が個人事業で売り上げが入る収入のタイミングが毎月10日と25日にあるんで、その都度ごとに支払いしましょうか?』って最初言ったんですよ。そしたら、弁護士さんから、『個人再生の返済は1カ月に1回だから今からそのサイクルを作った方がいいじゃないですか?』って言われたんです。」

「その時は、私がでも、お金が入ったときに積み立てておかないと後で支払えなくなると困るからって言ったんですけど、たしかに、それでは個人再生の返済が始まってから逆に、そういう習慣をつけないとまずいと思ったんです。」

そう説明すると、その電話口のスタッフの方は腑に落ちない感じで、

「でも、そうすると、またこの『積み立て実行表』を修正してお送りすることになるので、時間がかかりますよ。」

って言うので、

「別に修正までしなくても、もともと、10日と25日に支払う金額を合わせて25日に支払うので、それで大丈夫ですよ。」

と答えると、

「ちょっと、弁護士に変わりますね。」

とスタッフの方から弁護士に変わってしまいました。

しかし、面談の時とは別の弁護士だったので、改めて経緯を説明すると、

「まあ、どっちでもいいですよ。とにかく半年以内でお願いします。」

という事でした。

それで、ついでに、

「個人再生を始めるとブラックリストになって信用情報が傷つくから、カードやローンがダメになるっていうことでしたが、何年すれば大丈夫なんでしょうか?」

と聞きました。

「大体、5年から7年って言われてますよ。」

と言うので、

「5年から7年するとブラックリストから消えるんですか?5年と7年の差は何になるんでしょうか?」

とお伺いすると、

「そんなのどっちでも良くないですか。」

と適当なので、

「5年か7年の差は大きいですよね?そもそも、ブラックリストにはいつ載るんですか?いつからカウントされて、いつ消えるんでしょうか?」

と突っ込んでみると、

「あのう。よく勘違いする方いるんですが、ブラックリストってリストはないんです。信用情報機関というのがあって・・・。」

と知っている話に戻っていくので、

「それは知ってます。それで、何月何日から始まって、そこから何年で消えるのかと・・・」

と補足しようとしたら、

「借金返済できなくなったくせにカードだ、ローンだっておかしいでしょ?反省しているの?」

とキレられてしましました。

相談後

そこで、ほとんど依頼寸前まで来ていたのですが、ちょっと不安になって、再度、別の事務所に相談してみることにしました。

その相談と言うのは、今のまま委任契約を進めてよいかというものでした。

「うーん。それは何とも答えずらい質問ですね。」

「正直、今、お伺いした弁護士の名前を言われても、良く知らないので、何とも言えないなあ。」

「今回は個人再生の件ですが、ほかの件でもたまにあるんですよ。『○○っていう事務所に依頼しようかと思っているんですが、ここは評判どうですか?』とか、『□□っていう先生を紹介されているんですけど、ちゃんとやってくれますかねえ?』とか。」

「今回は知らない弁護士だけど、たとえ知っている先生だとしてもね。その先生が仕事しているのを横で見ているわけでもないし、これまでどんな事件をどういう風にやってきたかも分からないから、いいとも悪いとも言えないじゃない。」

「もし、私がいいですよって、言ってそれを参考にあなたが決めて実際には良くなかったら、『全然良くないじゃないか』って思うでしょ?それに、『良くないですよ』っ手言ったらなんか悪口言ってるみたいになるし、ちょっと難しいな。」

と言われて、それもそうだと思いました。

それで、個人再生の支払方法について尋ねると、

「たしかに、月2回か月1回かは事務所側からすればどちらでもよいです、ってなるでしょうね。」

「今まで、月2回って言うのはあまり例がないけどね。」

「なので、本当に依頼者の方の都合がよろしければそれでいいです。」

「ただ、半年間だと1カ月の積立額が約10万円だけど、本当にできるんですか?」

と聞かれて、

「でも半年じゃないとダメだから、家族や知人から援助してもらうとかなんか考えてって言われちゃいました。」

「ちなみに、先生の所は分割は何か月までOKなんですか?」

と聞いてみると、

「別に、何カ月という縛りはない。しいて言うなら、依頼者の方ができる範囲で、かつ、債権者に待ってもらえる期間かな。」

と言うので、

「例えば、1年とかでも大丈夫ですか?」

と聞いてみると、

「1年なら大丈夫じゃない?」

と言われて、かなり心が揺れました。

実際、毎月10万円というのは、かなりキツいなあと思っていましたが、最初の事務所の弁護士が、

「うちは半年猶予しますが、これ以上猶予してくれるところはないと思いますよ。」

と言ったので、そういうものかと思っていたのです。

それと、ブラックリストについて聞いてみましたところ、ズバリ、

「信用情報機関というのは3つあるんですけど、個人再生の場合には、開始決定の日からJICCには5年、全銀協には10年、もう一つのCICには載らないけど、もう延滞しているのであればその延滞情報は掲載される。」

「なので、銀行系のローンやクレジットは10年、それ以外なら5年と考えてください。」

と即答でした。

「5年から7年と言われたんですけど。」

と聞いてみると、

「それは間違いか勘違い。なんか根拠あるの?」

と言われました。

やはり、あの弁護士は自分が分からないのを誤魔化して、しかも、私に対して、「借金返済できなくなったくせにカードだ、ローンだっておかしいでしょ?反省しているの?」などと暴言を吐き、怒りがふつふつと込みあげてきました。

「あのう、今から先生の所にお願いするというのは可能でしょうか?」

と聞いたところ、

「もちろん可能ですが、逆に、大丈夫ですか?」

と心配されました。



木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

結局、この相談者の方は、最初に弁護士事務所に依頼しないという事を告げて、当事務所にご依頼になりました。

費用も10万円ほど安くなったそうです。

それで、例の5年~7年の根拠は聞いたのかと尋ねてみたのですが、「やはり依頼するのは見合わせたいと言ったら、厄介払いでもするような感じで、さっさとキャンセルの手続きをされてしまいました。」とまた怒ってました。

細かく突っ込まれて、怖かったのか、嫌になったのか、どちらかでしょう。

まあ、そういう事務所は無理して合わせても、後々、またトラブルになる可能性もあるので、依頼しないことにしてお互い良かったのではないでしょうか。

ちなみに、この方は、デザイン系のフリーランサー・個人事業主でしたので、小規模個人再生で手続きは進めさせていただきました。

当事務所から見れば、非常にきちんと書類等もご準備される方で、喧嘩になるような要素は全く見当たりませんでしたが、相性なのでしょうか。

それから、個人再生をする場合の信用情報については、本当におかしなことを言う専門家もいるので気を付けてください。

補足しておくと次のようになります。

◆信用情報機関の種類
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
【加盟会員の業態】
消費者金融会社、流通系・銀行系・メーカー系クレジット会社、信販会社、金融機関、保証会社、リース会社など

・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
【加盟会員の業態】
割賦販売や消費者ローン等のクレジット事業を営む企業

・全国銀行個人信用情報センター
【加盟会員の業態】
銀行、信用金庫、信用組合、政府系金融機関、保証会社

◆期間
・株式会社日本信用情報機構(JICC)・・・開始決定から5年

・全国銀行個人信用情報センター・・・開始決定から10年

(解説)
よく、クレジットカードやローンは何年すれば大丈夫なんでしょうか?というご質問がなされますが、聞き方がちょっとあいまいですね。

私は、○○というクレジットカードを将来、作ろうと思うのですが、何年経ったらつくれますでしょうか?

これなら、答えやすいです。

そのクレジットカード会社がその信用情報機関に登録されているのかを調べて、

JICCなら5年後

全銀協なら10年後

となります。

では、そのクレジットカード会社がCICに加盟している企業だったらどうでしょうか?

CICの場合には、個人再生によって法的整理を行うことを登録する箇所がありません。

ですので、そのクレジットカード会社がCICに加盟している企業だったら、信用情報を照会しても、CICの信用情報上、何もブラックリストになっていないので、カードは作れる、とそういうことになります。

しかし、個人再生についてはそうですが、個人再生をする前にすでに支払いを延滞している場合には、延滞情報としてその事実が登録されます(契約期間中および
契約終了後5年以内)。
また、多くの金融機関がCICとJICCの双方に加盟しております。

さらに、クレジットカードの与信審査は、ブラックリストに載ってさえいなければ通るというものではありません。

当然ながら、申し込み時点での収入状況等も加味されますし、急激にカードの枚数を複数申し込むなどと言うのもマイナス点なので、必ずしも、ブラックリストに載ってさえいなければカードが作れる、ローンが組めるというものではないので、そこは誤解しないで頂きたく思います。

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借金・債務整理の解決事例 18

(会社法人破産 その1)会社を畳むということが怖くて決断できませんでした。シラケる従業員を尻目に金策に走りまわったのがバカみたいです。会社の破産って大変ですが、踏ん切りがつきました。【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 男性

相談前

前の会社を退職して独りして会社を立ち上げて15年間。

調子がいいときは、年商も億越えで、私の役員報酬も高めに設定して、それでも余剰があるので、マンションを購入して、車も高級車に買い替えるなど、本当にいい時でした。

さらに、自分も贅沢させてもらいましたが、社員たちにも特別ボーナスを支給したり、ベースアップしてやったり、社員旅行で家族も呼んでいいという事で海外にもいきました。

ですので、私だけでなく、いい時は、皆でその恩恵を受けました。

しかし、いいことは続かない、と他の会社の社長さんから聞いてはいましたが、その通りになりました。

売り上げが減り始めした。

社員たちが変わってしまったのです。

まず、営業が、

「こんな面倒な仕事は受けない方が会社のためだ」

「今は、手が空いてないので丁寧な仕事ができないので断った方がいい」

「あの会社は本当に支払いをきちんとしてくれるのか分からないから受けないようにしよう」

などなど、様々な理由をつけて仕事を断るようになってしまったのです。

当然、社員の手持ち案件は少なくなりますが、売り上げは減ります。

そこで、社員旅行は中止にすると告げても、別に、何の変化もなかったので、ボーナスを前期は支払わない、と告げたところ、

「一生懸命にやっているのにボーナスも出ないんだったら、もう仕事したくないです」

「売り上げがどうとかは関係ない。社長の給与を減らすのがまず筋ですよね?」

などと、急に、一致団結し始めました。

しかも、役員であるはずなのに、専務までもが、

「賞与は儲かったから出すもんではなくて苦しい時にこそ社員を鼓舞するために無理をしてでも支払うもんだ」

などと従業員側に立った無責任なことを言い出しました。

「売り上げが減ったのにどこから出すんだ!」

というと、

「運転資金に困ったときはリストラではなくまずは金策ですよ。」

「銀行回りしてから言うのが普通でしょ。」

など言い出して、しかも、信じられないことに、その専務が勝手に、信用金庫に融資の打診までしているのです。

「だけど、連帯保証人は俺がなるんだそ!」

と言っても、

「それは社長だから当然ですよね?」

「会社を私に譲るというのであれば、私は喜んで社員たちのために保証人でもなんでもなりますよ。」

というではありませんか。

ただ、社内が私1人対残り全員という図式になってしまったので、私も業務を継続するために致し方なく、借り入れをすることにしました。

ですが、年を重ねるほどに右肩下がりで、どんどん借入額は増えていきました。

しかも、借り入れをするために、無理な黒字決算をしていたため、税金の負担もとても重くて、毎月、口座の残高を確認しては、吐きそうになっていました。

最後の方は、いよいよ、通常の借り入れが難しくなり、私の個人の保険を解約したり、個人のカードでキャッシングをするようになってしまいました。

そして、それすらできなくなった時に、一晩考えて、全社員に言いました。

「専務は君たちのために保証人でもなんでもなると言っているし、君らも専務がいいんだろ?」

「会社譲るから、この借金は専務と君たちとで考えてくれ。」

というと専務から電話がかかってきて、

「そんなのできるわけないでしょ?」

「辞任届を送るんで取締役から外しておいてね。」

と一方的な通告。

しかも、翌日、翌々日と、続々と社員全員から退職届が届けられました。

相談後

最初は、もう、どうしたら分からなくて、会社の社労士に相談しました。

しかし、社労士は、

「退職届が出たのであれば、離職票の発行をした方がいいのかどうか、社長から社員の方に聞いてもらえますか?」

と、とんちんかんなことを言うので、

「いや、そうではなくて、社員、全員から退職届が出てるんだけど。」

と切迫感を持ってもらおうとしたのですが、

「はあ。」

「誰か次に採用されるのですか?」

など、全く会社の存続ができなくなっていることが分かっていない反応なので、

「じゃあ、あんたの事務所で、全員が退職届を出して来たら、『はあ』とか『離職票が・・・』とか言うのか?反応がおかしいだろ!」

と初めて怒鳴りつけました。

しかし、

「そんなこと言われても私は社会保険の手続きをするだけで・・・。」

とそんな感じなので、即日、委託解除しました。

次に、税理士に相談すると、

「それは、一種の会社破壊行為ですね。とにかく、弁護士に相談した方がいい。」

「どなたか知り合いがいますか?いなければ受けてくれるかどうかは分かりませんが紹介ぐらいはできると思いますよ。」

と言われました。

ただ、その時点では、弁護士に知り合いがいないこともなかったので、自分で相談してみると言いました。

私の知り合いというか、以前、会社の請け負い代金のトラブルで依頼した弁護士がいたので、そんなに親しいという訳ではなかったのですが、相談してみることにしました。

私は、会社をここまでにした社員や専務を訴えたい、と相談したところ、

「従業員全員に損害賠償請求ですか?」

「その前に、落ち着いて考えてもらいたのですが、これからどうする気ですか?」

「返済もリスケして利息だけの支払にしてもらっていますが、それすら支払えていないですよね?」

「しかも、そんな社員や取締役はいなくなった方がいいに決まってますが、その場合には、今の仕事はまた人をとって続けるんですか?」

「何人いたら続けられるんですか?」

「おそらく、この社員たちは、まともに引継ぎなんかしないですよ。」

「なんで放置してたんですか?」

「客観的に見て、これは倒産状態ですよ。」

と畳み込むように言われてしまい、ようやく気付きました。

「会社倒産」

自分の立ち位置は、倒産した会社の社長だということです。

「今からの方向性としては2つ。」

「1つは、もし、債務がなければ黒字で回る事業があるというのであれば、支援企業を探して、私的再建策を立てる。ただし、こんな債務超過の会社をそのまま引き受ける企業があるとはちょっと考えにくいです。これなら、破産なり民事再生で債務を整理してからでないと引き受けたくない、と考えるでしょう。そう、そして、もう一つが破産ないし民事再生です。」

とうとう、恐れていた「破産」とか「民事再生」という言葉が出てきてしまいました。

「破産」という言葉は特に、衝撃でした。

ただ、「民事再生」という言葉は、よくニュースでは聞くのですが、実際に、どのような内容なのかは深く考えたこともなく、しかも、「再生」という響きはいいものの、ニュースなんかでは「民事再生で倒産」とか、良く分からないところもあるので、民事再生について、さらに突っ込んで聞いてみることにしました。

https://債務整理新潟.com/

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

おそらく、相談者の方も、なんだか従業員に対する恨みつらみが、いつの間にか、会社の倒産処理に話が行ってしまってかなり動揺していたのだと思いますが、弁護士からの説明としては、
1)私的整理(私的整理ガイドラインを含む)

2)法的整理
を説明いたしました。

私的整理というのは要するに裁判所を介さない会社再建であり、法的整理は、会社再建を前提とする民事再生と会社を畳むことを前提とする破産をご説明したつもりです。

さらには、私的整理と一口にいっても、中小企業再生支援協議会を利用するものや特定調停やいろいろなパターンがありますが、最近、増えている方法としては、

「私的整理ガイドライン」

に則ったものです。

過剰債務が経営を圧迫していて、経営を継続することが困難な状況にある会社の再建を目的としたものです(清算型もあります)。

ただし、

「事業価値があり、重要な事業部門で営業利益を計上しているなど債権者の支援により再建の可能性があること」

という要件があります。

これが最も大事です。超重要ポイントです。

これがないとダメです。

借金の返済さえなければ会社が回る、という事実ですね。

経営が傾いてきた会社の社長さんからの相談で、

「今の事業はダメなんですけど、新事業を考えていて、これならうまく行くはずなんです。」

とおっしゃられる場合がありますが、これはまず無理です。

そんな、捕らぬ狸の皮算用をせっせと事業計画書にしたとしても、どの銀行も見てもくれません。

その意味では、今の仕事を頑張ることが何よりも重要という当たり前の結論に行きつきます。

あとは、重要ポイントは、リストラです。

これも、当然ですが、どの社長さんも嫌がります。

怖がると言ってもよいでしょうか。

ですので、いい社長さんなんですね。

「従業員を路頭に迷わせたくない。」

「長年、会社について来てくれた。」

「能力はイマイチだけど、真面目で素直ないいやつなんです。」

「あいつは今年、子供が生まれたばかりなんです。」

「住宅ローンを抱えちゃっているんで会社が首になったら、あいつは破産しちゃう。」

と、どの社長さんも、なんとか従業員の首切りだけは回避して、別の方法を考えてください、と言います。

ですが、人件費以外で削れる固定費って、そんなにないんですよね。

これができないまま、ズルズルと会社が破産してしまったケースもよくあります。

そして、これは債権者側からの要件になりますが、

「法的整理(民事再生)をとると、そのこと自体で会社がつぶれてしまうおそれがあること」



「法的整理(民事再生)をするよりも、より多くの回収が見込めること」

が必要になります。

だからこそ、銀行も私的整理にのってくるんです。

ただ、「私的」という言葉が示すように、オブザーバーないし監督的役割の人がいないと、単なる、当事者間で、

「再建の見込みがある」

「いやない」

「民事再生よりも得である」

「いや違う」

という言い争いにしかならない恐れがあります。

そこで、私的整理ガイドラインをするにしても、債権者からの信頼が得られるような説得力をもつ弁護士をつけられるかどうかが再建の成否に大きく依存しております。

なお、費用については、法的整理ではないので、私的整理の方が安くつくのではないかと思われるかもしれませんが、必ずしも、私的整理であるから、法的整理に比べて費用がかからないとはいえません。

借金・債務整理の解決事例 19

(会社法人破産 その2)会社を畳むということが怖くて決断できませんでした。シラケる従業員を尻目に金策に走りまわったのがバカみたいです。会社の破産って大変ですが、踏ん切りがつきました。【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 男性

相談前

(前回までのあらすじ)

独立して会社を興して15年間、奮闘してきた社長さん。

会社なのでいい時も悪い時もあるのですが、会社がいいときに、おそらく、その状態に社員たちも慣れてしまったのでしょう。

厳しくなってきたときに締められなくなってしまいました。

つまり、会社がよかった時の記憶があるため、それより下の待遇に耐えられなくなってしまったのです。

そういう場合、給与や待遇が下がるのが嫌なのであれば、頑張って、会社の売り上げを伸ばすしか方法がないわけですが、それは、通常以上に知恵を絞って、通常以上に時間と体を使わないといけません。

それも、とても苦しいことです。

そして、社員の人たちは、仕事がきつくなるのも嫌だと。

会社の業績が悪くなっているのに、給与も下げてほしくない、仕事もこれ以上頑張れない、と言われてしまうと、残された方法は2つしかありません。

1つは、そういう社員には辞めて頂く。

もう1つは、会社が赤字でも無理に借金してでも社員の待遇を維持する。

社長さんは、後者を選択しました。

あとは、自然と会社の売り上げが回復するのを祈るのみです。

ですが、自然と会社の売り上げが回復する、などという事はありませんでした。

悲しいことに、経営側の他の取締役でさえ、社員の側につきました。

金融機関からの会社の借り入れは、当然ながら社長の連帯保証を求められます。

社長さんも同様です。

そして、借金は膨れ上がります。

赤字を累積するということはそういうことです。

そして、ついに、借入さえも難しくなってしまいました。

社員たちを路頭に迷わせないために、頑張ったのに、いずれにせよ、会社は立ち行かなくなり、社員たちはむしろ、泥船から逃げ出すべく、退職届を突き付けてきました。

取締役もいなくなりました。

ただ、社長は、社員たちに裏切られた気持ちでなんとか、こいつらに復讐できないかという思いで弁護士に相談に行きました。

しかし、弁護士からは、復讐も何も、この借金だらけの会社をどうするのかと問われました。

会社の倒産処理の話になり、会社の倒産処理にも、私的整理や破産や民事再生があるということを言われました。

破産と言うのは、会社が消えてなくなることだということは知っていました。

破産と言うのは、すべての財産を手放して、その代わりに借金を帳消しにしてもらう手続きであるという事も知っていました。

破産については、誰でもそうですが、その社長自身も、本当に、本当に、最後の手段であるという風に考えていました。

破産をするということは、人生の落後者がするもので、自殺行為に等しいものだ。

ですので、できれば、破産だけはしたくない。

他方、民事再生と言うのは、「再生」とい言葉の響きが、破産に比べると、復活のイメージを有しており、まだしも明るい希望が持てる気がしました。

しかしながら、テレビや報道では、

「○○会社倒産!民事再生申請へ。」

と、破産と同じような扱いで取り上げられています。

「民事再生」という用語は、よく聞くことはあったのですが、実は、その社長は中身を知りませんでした。

「民事再生」というものを申請したら、会社はどうなるのか?どういう会社が民事再生になるのか?

そこで、弁護士に民事再生について具体的にどのようなものかを尋ねました。

相談後

弁護士さんから説明のあった民事再生と言うのは、要するに、債務の返済を免除してもらえれば黒字を生み出せる事業がある場合に、債務の免除を債権者にお願いして、決議してもらう手続きだという事でした。

ですが、もともと、うちの会社は慢性的な人件費赤字の会社で、黒字は生み出せない、と言ったところ、リストラで黒字化できるのであればまだ芽がある、とのことでした。

しかしながら、リストラも何も、そもそも、従業員が全員で結託して辞めるというこの状況下で仕事をやる人がいないし、今から新規で人を雇って育てるなんていうことも現実的には不可能です。

しかも、こんな倒産状態の会社に入ってくれる人がいるとは思えない旨を述べました。

そうしましたら、弁護士さんが言いました。

「よく分かりました。」

「一旦、破産して整理しませんか?」

「社長と話していると、弁護士である私が再生するためには、あれはどうか、これはどうかと提案して、社長は、あれが無理だ、ここが難しい、と言っています。これでは、とても再生なんて無理です。」

「社長も、心の中で、こんな穴だらけの船は、あっちをふさいで、こっちをふさいで、なんてやっていてもどうせ沈むと思ってますね?」

「そうだとすると確かに沈みます。」

「社長がそういうマインドあって、私がそれを無理やり継続させるということはできないんです。」

「再生と言うのは、ある意味、無理に無理を重ねる手続きであって、実際には、弁護士に依頼したから、あとは家で待っていれば、会社が知らぬ間に立てなおって返ってくるなんていうものではないんです。」

「もう、人を使うことが怖くなっているんじゃありませんか?」

とズバリ、嫌なことを言うなと思いましたが、私自身、もう誰か社長を代わってくれよ、と思っていたのです。

こんな自分が嫌になってしまいますが、人から言われると嫌なものです。

ただ、会社の負債の処理がなされないまま、どこかに逃げるということもできず、そうなると、一番、自分が恐れていた、

「破産」

ということになります。

こうして、第三者と話してみると、行きつくところは破産なんだな、というものが分かるものですね。

「先生、会社が破産すると、私や私の家族はどうなりますか?」

と聞いてみると、

「会社が破産するとその連帯保証責任で社長ご自身も破産せざるを得ません。」

「もちろん、ご家族は別に会社や社長の借金とは関係ありませんが、社長名義の財産を処分する関係で、大きな経済的な影響を受けるのは間違いありません。」

「まずは、端的に分かりやすい所で言いますと、ご自宅を手放さざるを得ないことになります。」

「その他、お車も会社名義のリースなので、返却することになります。」

「逆に、お伺いしますが、社長はこれからどうするのですか?」

「仕事のあては何かありますか?」

と聞かれて、

「えっ?仕事をしていいのですか?」

と問い返してしまいました。倒産する会社の社長がどこかで仕事をするなんて許されないようなイメージを持っていました。

「もちろん、だって仕事しないと生きていけないじゃないですか。」

「あてがあるならお願いするし、なくても何か探さないと。」

と言われました。

そこで、私は、恥を忍んで、取引先の社長に泣きついたところ、業務委託という形で仕事をもらえることになりました。しかも最低保証付きです。

後は、破産手続きを進めていくことになりました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

結局、ご自宅は売却することになり、その過程で、なんとか引っ越し費用を捻出して、社長一家は、借家住まいをすることになりました。

会社については、まずは、数少ない売掛先からの回収金をもとに、破産費用を捻出して、あとは、事務所は申し立て前に解約して、重要書類を除いては、廃棄業者に依頼しました。

こういう風に書くと2,3行ですが、重要書類を箱詰めするだけでも、とても大変な作業です。

また、家賃も滞納しておりますので、大家さんもカンカンですが、このままですと、どんどん滞納家賃が増えるだけなので、一旦、退去はさせてくれと言って、お話をしましたところ、大家側にも弁護士がついて、その弁護士も、当然、会社が破産すると、もっと大家に被害が拡大すると言うのが分かっておりますので、そこは退去はさせてもらいました。

ただし、退去作業をしている最中に、債権者が来ました。

事業会社ですが、売掛金があるというわけではなく、貸付金があるというものです。

「何、夜逃げみたいなことやってんだよ!」

「このオフィス用具とかどうするんだよ!」

「売れば金になるんだろうから、少しは返済できるんだろ!」

などと、かなり、とっぽい感じの債権者です。

その事業会社の社長とその部下が、3,4人ですが、その部下たちも、弁護士から見たところ、普通の堅気の商売には思えない感じのいでたちでした。

社長も怖がってしまって、奥に隠れてしまいました。

その債権者の社長さんとお話をしました。

「窮状を憐れんで貸してやったのに、これは後ろ足で泥をひっかけるようなもんでしょ。」

「この荷物はどうする気なの?」

とこれまたカンカンでしたが、廃棄業者の引き取り兼重要書類の保全である旨を話して、むしろ、このオフィス用品一式、タダで引き取ってくれるのであれば、お渡ししますよ、と述べたところ、

「なんで、金もかえしてもらえないのに、さらに廃棄処分までこっちでやるんだよ!」

と言うことで、

「そうではなくて、まるで、これらが資産価値がある財産であってこれを持っていくのがズルいみたいな言い方をされていたので、それならお譲りします、と言っただけのことなんですが。」

というと、

「こんな売れるか売れないか分からないものを押し付けられて、ハイ、そうですかっていう債権者がいるわけないだろ!」

とさらにお怒りです。

廃棄業者も、茫然と立ち尽くしており、

「あのう、これ、運んでいいんでしょうか?」

と言うので、

「では、これ出しますけど、良いんですね?」

とその債権者の方に言うと、

「何があるのか、チェックさせてもらう。」

と言うので、

「そもそも、こちらでチェックしてますし、廃棄業者も明細をちゃんと出すところを選んでますけど、チェックするなら、してください。」

と言うと、適当にその部下たちが事務所の中やらトラックの中やらを見回しただけでメモすら取ってませんでした。

まあ、これは、オフィス整理の一端に過ぎません。

その他にも、いろんな局面がありましたが、会社の破産については必ず債権者集会というものがあります。

こちらの会社は、規模は中規模ですが、債権者は多くは金融機関です。

ですので、債権者集会にどの程度、債権者が来ると思うか事前に書記官から聞かれて、7,8社は来るのではないかと、思う、と述べましたが、2社しか来ませんでした。

ちょっと、気恥ずかしい感じでしたが、それはそれでよしです。
社長は、その後、取引先の社長の業務委託から今は正社員で仕事してます。

借金・債務整理の解決事例 20

飲食店舗の倒産。自分ではリスケをすれば立ち直れると思っていましたが、多店舗展開しすぎて、管理ができていませんでした。破産費用が捻出できず一時は断念。(会社破産のケース)【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

もともとは、エステ系の会社を経営していました。

エステ系の3店舗をやったら、どこもそれなりにうまくいったので、さらにエステを拡大するという選択肢もあったのですが、そうではなくて、違う業態をやってみたくなりました。

そこで、私は、知り合いで居酒屋の厨房を任されていた男がそれまでの店を辞めるという事を聞いていたので、そいつにやらせてみようと思い、居酒屋と焼き肉屋を融合させた感じの店をやることにしました。

こちらも当初は、うまく行きました。

場所もいいところで居抜き物件が格安で出ていたのを譲り受けて、初期費用をあまりかけずにできたのが大きいと思います。

そして、それに味を占めた私は、ちょうど、オリンピックも開催されるという事で、それを目標に、大画面を導入した、皆で、その時々のスポーツ観戦しながら盛り上がれるカフェバーと言うのを考えました。

こちらは、設備やら内装やらでかなり大型の借り入れをすることになりましたが、かけた分だけ他店にはないド迫力の店舗が作れると思い、思い切って借り入れ及び発注をしました。

ところが、どうも設計を頼んでいた業者がポンコツで、店ができてからも、換気が上手くいかない、水が漏る、床がべこべこになるで、しかも、そいつはとぼけて、全然、修繕に対応せず、かといって、放っておくわけにもいかないので、結局、また借り入れで修繕費が嵩んでしまいました。

そういうバタバタがあったせいで、お店も全く客足が伸びません。

大画面がむなしく感じるぐらいに、客がおらず店の中が閑散としておりました。

それでも、他の居酒屋やエステの利益があるので、それを回しながら固定費を支払いつつ、赤字をしのいで来ました。

しかし、理由は全く分からないのですが、エステの方もピタッと新規の予約がなくなってしまいました。

そこで、ホットペッパーだけでは広告が足りていないのだと思い、広告業者に、ホームページから予約システムまで一貫して、発注し、広告媒体も多種類に増やしました。

しかし、もちろん、予約が来るには来ますが、到底、広告費には及びません。

かといって、広告を切ると、一切、予約どころか問い合わせも来なくなりました。

完全にパニックになってしまい、理美容コンサルを依頼して、コンサル料は高かったのですが、何が悪いのかを見てもらうことにしました。

そうしましたところ、この数年で、近隣に競業店舗が約3倍ぐらいまで増えていること、値段が高いこと、その割にスタッフがさほど高いレベルではないこと、等々を指摘され、そこで、思い切って値段を下げるか、高度なスタッフ教育をして、設備も一新するかを提案されました。

しかし、今更、スタッフ教育と言われても、そんなお金もかけられないし、仮に、教育したとしても今後も店舗のために働いてくれるかの保証もないので、私は、値段は少しだけ下げて、設備も全部ではなく一部だけ最新式のものを導入するという第三の選択肢を選びました。

そのため、また、借り入れを起こしました。

そして、結果は、最初だけ少し反響がありましたが、その後は、やはり、以前の状態のようになってしまい、要するに、新規顧客が取れなくなってしまいました。

唯一、焼肉居酒屋だけがとんとんなのですが、トータルでは、完全な赤字で、支払いもできなくなってしまいました。

そこで、以前から、友人がたまに店に連れてくる弁護士さんに恥を忍んで相談することにしました。

ただ、冒頭言いました。

「今、手持現金はないです。」と。

相談後

弁護士さんに相談したところによれば、結局、その焼肉居酒屋だけでもトントンなら、その店舗を事情譲渡して、その代金で破産費用を確保して、他の店を閉じる、要するに、破産するしかないような気がすると言われました。

破産管財人があとは、その大画面テレビ付きの店舗として売るとか、エステ機材も含めて売るとかはあるかもしれないけれども、売れるかどうかは分からないし、売りずらい、と。

それよりかは破産費用を捻出という意味だけで考えれば、焼肉居酒屋店舗の売却が一番、現実味がある、ということでした。

ただ、売るにしても、どこに頼めば買ってくれるかも分からない、と話したところ、そういう専門業者が知り合いでいるから、そこに仲介を頼んで、一番高い値をつけてくれる業者に売ればよいのではないか、と言われました。

弁護士さんは、そういう事もするんだなあ、と初めて知りました。

そして、事業譲渡というのは、後々破産する場合に、その値段が適正な値段であったのか、が問題にされるから、必ず、一定期間で複数業者からの買い付けを受けるようにしないといけないとのことでした。

「そもそも、1社からしか買い付けが出なかったり、誰も買ってくれなかったとしたらどうなるんですか?」

「1社しかいなかったのなら、それが結論なので、そこに売却することになると思います。もし、1社も手を上げるところがなかったら、売れないという事なので、別の方法で破産の費用調達を考えるしかないかな。」

「別の方法とは?」

「何か売れるものを他に探すということです。テレビとかエステの機器とか、そんなのがいくらになるかは分からないですが。」

「それも大した金額にならなかったら破産費用はどうなりますか?」

「コツコツと費用を積み立てるしかないですね。」

「でも、どんどん債権者が押し寄せてくるから、商売なんて続けられないですよね?」

「うーん。押し寄せてまでは来ないと思うけど、いずれにせよ、これ以上の赤字垂れ流しはできないから、エステとカフェは閉じるしかないと思うけど。それで、大家の協力がいることだけど、なるべく造作譲渡をすることができるように時間を頂けないかとお願いはしてみた方がいいですよね。」

「すぐに破産というわけにはいかないですよね?」

「うん。そうだけど、まずは債務整理の通知を弁護士名義で出せば、一旦は、その窓口が弁護士になって、あなたには直接に連絡や督促がいかなくなるから、そのうえで、いろいろと臨機応変に考えるしかないのかなあと。」

「えっ!じゃあ、先生、受けてくれるんですか?」

と私は驚いて聞いてみると、

「まあ、しょうがないからね。ただ、実費等で最初に10万ぐらいはなんとか用意できませんか?」

と言われて、それぐらいで債権者からの連絡が直接来なくなるのであれば、と、意気揚々と弟に10万円を借りて、先生にお支払いしました。

ただし、会社の破産の費用を支払うのは分割払いにしてもらっても、かなり先が長い話にはなってしまう感じでした。

焼肉居酒屋も売り上げと経費がトントンなだけで、私の給与が取れる状況ではないので、私は私で、別途、仕事をしなければなりませんでした。

ですが、破産すらもできるかどうか分からない状況で、どこかに就職してなんてやっていられる心境ではなかったので、土木作業員、深夜代行、水商売等々で掛け持ちして日銭を稼いでいきました。

これが社長と呼ばれた男の現実です。

https://債務整理新潟.com/

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

そこから、本来は、毎月、破産費用を積み立てつつ、もし、店舗売却等でまとまったお金が入ったら、それで破産しよう、という事になっていたのですが、店舗売却は店舗単体ではトントンだと聞いていたのですが、全然、そんなことはありませんでした。

「この時期は売り上げはそんなに行かないんですよ。」

と、そこの店長から言われたので、その後の推移を見ていても、売り上げが伸びる気配がなく、スタッフを削ることを提案すると、

「それでは店が回らない」

と言うし、単価を上げたらというと、

「それだと客が来なくなる」

と言うし、こういうやりとりをしているうちに、ダメになったのは、この

「店長」

のせいだ、と分かりました。

もちろん、直観ですが。

そこで、

「店長に辞めてもらって、合わせて、スタッフのリストラをするしかない。」

「手が足りない等の部分は何か合理化の工夫をしないといけない。」

と依頼者の方には言ったのですが、

「あいつで店は持っているようなところがあるんで。」

「今まで残業代も払わずに無理してもらったんで。」

と辞めさせたくなさそうでした。

そこで、

「せめて、トントンにしないと店は売れないよ。」

「売れないなら、もう閉じるしかないと思うんだけど。」

と言うと、

「店長にその辺を直接、先生から説明してもらえませんか?」

と言うので、仕方がないから話をすることにしました。

「弁護士さんさあ。あんた、あの社長の言っていることを分かってかばっているの?」

のっけから喧嘩腰です。

「かばっている?なんのこと?」

「あいつ(社長)が店の利益を変なカフェにぶち込んだせいで、こういうことになっているのをあんた知ってんの?」

とおっしゃるので、

「そういうことで社長からは話を聞いていたんですが、この店舗自体が赤字です。売り上げがこれ以上、伸びないんだとすれば、月の固定費・人件費と各種支払いでマイナスです。どこかに振り分ける利益もない。」

と説明して数字を見せました。

「だから何?だから俺らに辞めろって言ってんの?」

「首にするっていうんなら退職金は払ってもらえんの?」

と言うので、

「退職金なんて、そんな状況じゃないのは、これを見れば分かりますでしょ?」

と話すと、突然、

「おい、ちょっといいか?今、弁護士が来ていて、俺らを首にするんだって!」

とスタッフに声をかけました。

睨みながら出てくる男性スタッフもいましたが、あとの人たちは遠巻きに見ているだけです。そこで、

「皆さんが全員で辞めてしまうと、店がその時点でストップします。ですので、店を回せる必要最小限度の数の方だけ残ってくれるのであれば、まだ店が続く可能性はあります。ただ、今の人数のままでは店が赤字です。」

そうすると若い女性のスタッフが、

「でも、社長が給与をたくさんとっているんですよね?」

と穏やかな感じではありますがそのように聞いてきました。

「社長は給与は一切とれておりません。」

「資料にも社長の給与無しで赤字になるのが書いてありますよ。」

というと、店長が

「もう、こんなやつの相手してらんねえから、もう、明日から休もうぜ。」

と言って、本当に店長は来なくなりました。

しかし、結局、半分位が残ってくれて、ようやく黒字化して売却完了。

無事、破産もすることができました。社長のバイト掛け持ち生活もようやくピリオドを打つことができたのです。もう、商売はしないそうです。

借金・債務整理

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離婚・男女問題

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【夜間・休日相談可】【迅速対応】弁護士を強力な味方とし、あなたの人生を取り戻しましょう。(DV・モラルハラスメント・離婚に伴う財産分与・子どもの問題)
弁護士法人後藤東京多摩本川越法律事務所新潟支所

新潟市役所、新潟大学病院近くです。

離婚・男女問題の詳細分野

原因

  • 不倫・浮気
  • 別居
  • 性格の不一致
  • DV・暴力
  • セックスレス
  • モラハラ
  • 生活費を入れない
  • 借金・浪費
  • 飲酒・アルコール中毒
  • 親族関係

請求内容

  • 財産分与
  • 養育費
  • 親権
  • 婚姻費用
  • 慰謝料
  • 離婚請求
  • 離婚回避
  • 面会交流

対応体制

  • 24時間予約受付
  • 休日相談可
  • 夜間相談可

お支払い方法

  • 初回相談無料
  • 分割払いあり

【あなたの人生を取り戻してください】
離婚問題でお悩みでしょうか。私たちは、相手側のDV・モラハラなどが理由のご相談も多くお受けしてきました。

このような行為をする人間は、いくらあなたが真摯な態度を持って話しても、無駄に終わることが多いでしょう。一度は理解し合えたと思っても、翌日には真逆なことを言い出し、がっかりさせられる経験をお持ちの方も多いかもしれません。

こちらが穏便に済ませようとすればするほど、このような相手の行動は助長され、あなたはどこまでも譲歩し、我慢を強いられることになります。相手の対応に翻弄されている間に人生が終わってしまいます。あなたの人生を取り戻しすために、弁護士を味方としてください。

当事務所は、DV・モラハラ案件と財産分与(特に不動産が絡む)案件、そして子供に関する案件は、実績多数です。早くこの問題と生活に蹴りをつけて、あなたの新しい人生の再生に向かって、進みましょう。

■「何から話せばいいか分からない...」大丈夫です。
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相談することは、恥ずかしくも怖くもありません。まずはメールでも電話でも無料相談をご利用ください。電話は、弁護士直通で繋がるようになっています。うまく話せなくても、何から話していいか分からなくても大丈夫です。とにかく「相談を希望します」とだけ伝えてくれればきちんと対応いたします。

■安心の対応体制
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◇【連絡は弁護士直通】
電話は、弁護士直通で繋がるようになっています。事情があり対応できない場合も、極力早くに折り返しのご連絡をいたします。

◇【分割支払いにも対応】
弁護士費用は、極力分かりやすい形態を採用しています。また、人によっては一括支払いがご負担となるケースもあるでしょう。このような時には、分割支払いにも応じております。無理のない支払い計画を一緒にご相談いたしましょう。

■こんなお悩みございませんか。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
✔︎DV・モラハラで何を言ってもまともな会話にならない。
✔︎財産分与で不合理な提案をされている。
✔︎しつこく親権を主張されている。

◆アクセス
新潟駅より車・バスで10分
※近くにご利用いただける駐車場あり

離婚・男女問題

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離婚・男女問題の料金表

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項目 費用・内容説明
相談料 【初回相談は無料です】
じっくりとご状況やお気持ちをお聞きした上で、最善の解決方法をご提案いたします。
着手金 20万円 (税別)
報酬金 基本報酬 20万円 (税別)
備考欄 分割のお支払いにも対応いたします。

ご依頼者の生活再建を目指し、ご提案いたしますので、ご希望をお聞かせください。
個別料金に関しましては、直接弁護士にご確認をいただくことをお勧めします。

離婚・男女問題の解決事例(20件)

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離婚・男女問題の解決事例 1

離婚(婚姻費用)調停に1人で臨むことにしたが、調停委員が全くイメージと異なり、調停期日のたびに、神経をすり減らして疲弊困憊になり、とうとう弁護士に相談・依頼することにした事例【事務所法人案件】

  • 生活費を入れない
  • 親族関係
依頼主 女性

相談前

 その女性は、とある男性と結婚したのですが、男性は家業を継いだ自営業の方で、その女性(奥さん)は、その家業をやっている自宅兼店舗において婚姻生活を行う事となり、夫に加えて、その夫の両親(義父・義母)とも同居することになりました。

 本当に同居です。二世帯住宅のような仕様ではありません。

 家事は、義母と奥さんが共同して行うというものでしたが、うまく役割分担ができず、奥さんは、こんなことなら自分が全部するか、義母が全部するように、調整してほしい、と夫に何度も頼みましたが、夫は、
 「そんなの直接話し合って、適当に案分しろよ」
と言うばかり。

 奥さんは、家業も手伝います。税務申告上は、奥さんも給与が出ている形になっていましたが、実際には何も給与などもらえません。
 家計は、義母が取り仕切ります。
 結論として、奥さんには自由になるお金が1円もありませんでした。

 そのことでも夫に、何とかしてほしい、そうでなければ、自分は家業を手伝うのではなくパートやアルバイトをよそでやりたい、と言いました。
 
 それも、夫は、
 「母さん(義母)が、それでいいというならいいよ」
というだけで、自らは何もしてくれませんでした。

 仕方なく、意を決して、外に働きに出たい、といういことを言ったら、烈火のごとく怒られました。
 「お金お金って、はしたない」
 「あんたは、なんのために結婚したのか」
 「私が嫁いできたときは、もっと身を粉にして働いて4人の子を必死で育てた」
 「3食きちんと食べれて、雨露凌げて何が不満なのか」
 「今の若い連中は甘やかされて育ったので忍耐が足りない」

 そして、さらにショックだったのは、このように罵倒されている間、聞こえているはずなのに夫はビールを飲みながらテレビを見ていたことでした。

 耐えきれなくなり、


からつらくあたられ続け、自分は給与もなく、商売においても目いっぱい働かせ続けられた、ということで実家に逃げ帰りました。

 その後、調停を起こして、離婚等を請求していたわけですが、調停委員のうち、女性の調停委員(調停委員は、男性と女性の組み合わせからなります)が、自分自身が同様の立場だったらしく、二次被害が発生します。

「このあたりではみんなそんなことは我慢している」
「そんなのは覚悟のうえで嫁いだのでしょ?」
「家業を手伝うのは当たり前でしょう?」
「給与はでなくても生活費はもらっているのでしょう?」
「商売というのは大変なんだから少ない生活費をやりくりするのが妻の務めでしょう?」

などなど、おそらく、その女性調停委員はそのような環境の中でも、我慢してやってきたので、離婚調停の申立人をみて我慢が足りない妻だと思ったのでしょう。

 男性調停委員は終始黙ったままで何も言ってくれません。

 裁判官と直接話をさせてほしいから裁判官を呼んでほしいとお願いしても、

「裁判官は多数の事件を抱えていてお忙しい」
「まだ裁判官に来ていただくような段階ではないから」
などと言って、その女性調停委員は「商売をやっている長男にに嫁いだ妻の覚悟」を説き続けたのです。

 さすがに、奥さんも、もはやこの調停委員を相手に調停が続けられていくことに絶望ないしは恐怖を感じて、インターネットで必死に弁護士を探しました。
 ですが、浮気や暴力がないと離婚は難しい等と言われることが多く、いくつかの弁護士事務所に当たったうえで弊所に連絡してきました。

相談後

 「調停待合室にいるときも、半分ぐらいの人は弁護士さんと一緒に来ているので、うらやましいというか、弁護士さんがいなくて心細かったです」
 「ただ、最初のうちは、どちらの調停委員さんも優しそうに見えたのでほっとしました。」
 「しかし、夫の話を聞いたら、態度が豹変した感じで、もっぱら私がわがまま言っているみたいな雰囲気になってしまいました。」
 「夫は外ずらが良くて、人に甘えるのが得意なので、おそらくは、うまく調停委員にとりいって、私がごねているみたいに印象付けたんだと思います。」
 奥さんは、涙ながらに孤立して辛かった調停の経緯を説明しました。
 
 今の時代に、こんな戦後みたいな話があるのかと、驚きましたが、まだまだ、そういう地域ないしは年配の人はいるようです。

 ただ、いずれにせよ、調停委員が自分の価値観を押し付けて、一方に与するような態度は許しがたいです。
 また、何も言わずに、ただ座っているだけの男性調停委員も同罪です。

 さらには、裁判官に確認したのかどうか、裁判官にどのように報告しているのか不明ですが、評議(調停委員と裁判官の打ち合わせ)において、裁判官が今のままでは離婚は難しいと言ったと奥さんに告げて、暗に調停を取り下げるような話もしたという事です。

 早速に委任契約を締結したうえで、家庭裁判所に委任状を提出しました。
 また、奥さんは離婚調停を申し立てたものの婚姻費用の請求をしていなかったので、婚姻費用の分担を求める調停も併せて申し立てしました。
 婚姻費用の請求がないと、ずるずると調停が長引いても、夫は全く長引くことに不都合を感じず、むしろ、引き延ばしの弊害が生じるからです。

 なお、婚姻費用や養育費というのは、裁判所が公表している算定表というものに基づくのですが、今回のケースでは、婚姻歴が浅くてまだ2人の間に子供がいないので、これまで税務申告書上計上されていた奥さんに支給されたとされている給与額を婚姻費用として請求しました。

 そうしましたら、夫は慌てて、「職場放棄を理由とする解雇」という書類を送ってきました。
 それならと、職場放棄する前の給与は実際には1円も支給されていなかったので、過去2年分の未払い給与の支払いを求めました。
 すると、今度は、雇っているというのは形だけのものだから、などと言い出したので、そうだとすると、税務申告上の架空経費を捻出するためのものだったのか、と返すと、しぶしぶ2年分の給与相当額を支払ってきました。
 (もし払ってこなければ奥さんと話して税務署に行くつもりでした)
 そして、調停です。
 女性調停委員に対して、奥さんがこれまで言われていたことを述べて二次被害が生じている旨を述べたところ、すました顔で、
 「そんなお話はしてません」
 「相手方(夫)が言っていることをそのままお伝えしただけです」
 「ただ、誤解させてしまったのならその点は申し訳ありません」
とこんな感じです。
 
 言った言わないを調停委員と繰り広げても仕方がないので、その点は深追いせずに、離婚を求めたところ、相手は、婚姻費用を払い続けるのが嫌だと思ったのか、態度を一転させ、離婚に応じてきました。
 慰謝料については、最初はびた一文支払わないと言っておりましたが、義母にも慰謝料請求すると告げると高額ではないですが、こちらもしぶしぶ支払ってきました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

離婚調停の調停委員とは、何をしてくれるのか?が良く分からないという方が多いですが、調停期日の一番最初の日に彼ら/彼女ら、から説明がなされます。
 必ず言う台詞は、
 1 我々は公正中立な立場です
 2 調停は裁判の場と異なり、どちらかの言い分を正しいかを証拠で判断する場ではありません
 3 我々の言うことはすべて、裁判官に報告され、裁判官と評議の上ことを進めます
 4 我々には守秘義務があります

 つまり、結論としては、調停委員において、夫と妻のどちらが悪い、という判断はしないということで、あっちの言い分を聞き、こっちの言い分を聞き、なんとか、双方で折り合えるポイントを探して、そこで調停をまとめる(まとめようとする)というのが、調停委員の仕事です(とされています)。

 たとえ、こちらの話を聞いてくれない、理解してもらうのが難しいと感じたとしても、調停委員を交代させることは原則としてできません。

 原則としてであって、例外的に交代してもらえるケースも確かにありますが、なかなか交代までを裁判官は認めません。

 そして、調停は基本的には、調停委員2名しか関与しません(裁判官は、忙しい?ので調停中、ずっと臨席してくれるということはありません)。

 また、子供の問題(親権、養育費、監護権、面会交流)が絡む事件では、多くの場合、調査官という人が調停に関与する場合があります。

 そして、調査官のキャラクターによって調停の流れがガラリと変わる場合がありますので、調停委員が○○で、にっちもさっちもいかない、という場合には調停委員の交代を求めるよりも、調査官の関与を求めるほうが現実的かつ効果的な場合があります。
 
 調停委員に何か不都合があれば、書記官経由でお申し出ください、と言う裁判所もありますが、クレームを言っていることは調停委員に伝わるわけですから、その後も、いちいち、事あるごとにつっかかってくるという、姿勢になるかもしれないとの懸念がぬぐえません。そう簡単なものではありません。まして、素人の方がそんなことをするなんてよほどの勇気が必要です。特異な調停委員にあたって、しかも、代理人を付けていなかったら、当事者の方はわけが分からず、調停の取り下げに追い込まれるかもしれません。

 他方、【調停委員は、どちらの味方でもなく、公正中立な立場である】ということの意味をよく理解しないで、およそいかななる場合でも何もしないタイプの調停委員もいます。
 
 つまり、こちらの言い分(それが良かろうが悪かろうが、現実的であろうがなかろうが、常識的に通用しようがしまいが)を相手方に伝え、それに対する相手方の反応をこちらへ伝え、それについてのさらなる反応をこちらに伝える、ということを延々と繰り返します。

 相手方がおかしなことを言っていて、「それはおかしい!」と言っても、調停委員はスルーして、「まあ、じゃあ、相手に伝えましょうね。」と言って、ただ伝えるだけ。

 結論が出るはずはありません。ただ疲弊します。

 調停は密室で、しかも、録音・録画も禁止されるある意味ブラックボックスなので、考えようによっては怖いところでもあります。

離婚・男女問題の解決事例 2

DVの写真も診断書もバッチリあるので、当然、こちらに有利になるはずだと信じて臨んだ調停だったのに、裁判所(調停委員)の反応は意外なもので絶句【事務所法人案件】

  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
  • 親族関係
依頼主 女性

相談前

1 DVなので顔を合わせたくない

 DV夫なので、調停では絶対に顔を合わせないようにお願いします、と申し出たのに、待合室は別々ですから、と説明されたのみで、それどころか、
 「最初の説明だけはご一緒に聞いていただくようにしているのですのでおねがいできますか」
 となんだか断れないような雰囲気で言われて、渋々、最初の説明の際に同室しましたが、頭が真っ白になって、何も調停委員が言ったことは頭に入ってきませんでした。
 それに、部屋は別々とは言っても、夫だって調停に出てくるわけですから、いつ、鉢合わせするしかありません。
 そこで、調停の日を別々にしてもらいたい、とお願いしましたが、そういうことはお受けしていない、とにべもなく断られてしまいました。

2 DVなので慰謝料は当然(と思ったが)

 インターネットで見ても、DVは当然に慰謝料の対象となると書いてあったので、慰謝料を請求したところ、
 「まあ、いきなり慰謝料の話を持ち出すと相手はまだ離婚に同意したわけではないので・・・」
などと渋るので、どうも理解していないと思い、診断書や写真を出そうとすると、「まあ、こういうものを出しちゃうと相手方も感情的になってしまうかもしれないので・・・」
などと、それを調停の場に持ち出すことを婉曲に拒絶しました。

 それで、
「資料も出させてくれないんですか!」
と言うと、ようやく受け取ってはくれましたが、
「相手方に見せるかどうかは、裁判官ともよく評議して・・・」
などと、相手方に見せると言わないのです。

 インターネットでは、DVの慰謝料は、通常よりも高いと書いてありました、300万円の慰謝料の裁判もあると書いてありました、と述べても、

「まあ、インターネットは誰が書いたか分かりませんし」
「そもそも、ここは裁判の場ではなく、話し合いの場なので」
とこちらもまともに取り合ってくれません。

 それで、絶対に慰謝料がなければ納得できないので、伝えてください、とお願いすると、夫は、
「なんで離婚しなきゃいけないの?」
「それなら、こっちも家庭を放棄したことについて慰謝料を請求したい」
と言っていたらしく、調停委員は、それを伝えてきました。

 頭がおかしくなりそうでしたが、調停委員に、
「なんで、そんなことを夫に言わせるのですか?」
「どうして、そんな非常識なことを言うなって言ってくれないんですか?」
と言っても、逆に、また、
「調停は、判断を下す場ではなく、双方の話を聞いて、落としどころを探る場なので」
などと言う始末です。

3 そこだけ?裁判?
 そして、養育費については、同居していた時に、生活費として渡された金額を求めたところ、
 「これは算定表の金額から大きくかけ離れている」
 「審判(裁判)になったらこんな金額はとても認められない」
等と言うので、
 「話し合いの場だから何を言ってもいいんじゃないですか?」
 「慰謝料の時は裁判は関係ないとか言って、なんでこっちの養育費の話になると裁判になったらこうなるとか言う話になるの?矛盾してないですか?」
 「なんでDV夫なのに、そっちの言い分ばかり聞こうとするんですか?」
と言うと、もう、調停委員はまるでヒステリー妻に詰め寄られているような苦虫をかんだような表情で、何を言っても理解されないという状況になりました。

相談後

 そもそも、調停期日の開催に問題があります。弁護士がついたとすると余計に、
「先生がついていらっしゃるから大丈夫でしょう」
などという調停委員や書記官がいますが、当然に、開催時刻をずらすことを求めました。
 すなわち、夫は10時からにして、こちらの妻側は10時30分にしてもらうという具合で、常に、開催時刻をこちらが30分遅らせるようにしてもらいました。そうすると、夫は、調停時間に間に合うようにするためには、10時には遅くとも裁判所に入ることになり、逆に言えば、妻は、10時以降に裁判所に入れば、夫と顔をあわせないで済むのです。

 終了時間はその逆で、こちらを先に終了させてもらいます。
 そうすると、夫はまだ調停室にいる段階で、妻は裁判所を出てしまいますから、これで顔を合わせることがありません。
 
 今回は、奥さんが最初の説明期日で、夫と短時間ながらも同室してしまったために、裁判所の反応は、今更的な感じでしたが、そんなのは理由になりません。
 昔は、「同室しますか?しませんか?」と聞いてきていたので、「しません」と言えば済んだのに、段々、同室させようとする傾向があります。
 ですが、したくないものはしたくないできっぱり断らなければなりません。
 
 また、DV慰謝料についても、きちんと、準備書面(主張書面)の形にして出してしまえばよいのです。
 出してよいかどうか、出したら相手方に見せてもらえるかどうか、などとお伺いを立てる必要はありません。
 出さなかったから出さなかったで、あとから書面や証拠を提出すると、
「今まで出してなかったのに急になんだ」
「もう遅い」
などと言われるのがオチです。
 
 そして、養育費については、調停委員(裁判所)は、2枚の論理を使い分けることがあります。
 裁判(審判)基準を超える金額の養育費を請求したり、基準を下回る養育費しか支払わないと言った場合に、この請求や言い分を引っ込めさせようとする際には、
 「そんなの裁判(審判)では認められない。」
 と言います。

 逆に、裁判(審判)基準を超える金額の養育費を飲ませようとしたり、基準を下回る養育費を受け入れさせようとする場合、
 「ここは裁判の場ではないので」
 と言います。

 調停を成立させるためには、裁判基準であろうがなかろうが、譲歩させればよく、譲歩させるための理屈は、1通りではない、というのが曲者です。

 留意すべきは、最後は、裁判基準になる、ということです。

 ですが、調停委員だって、「ここは裁判の場ではないから」と基準を無視することがあるのなら、こちらも基準を超える養育費を請求したって良いはずですので、恐れずに請求してもよいのです。

 ですが、さんざん引っ張られましたが、結論、調停は成立しませんでした。

 そして、その後、訴訟になりました。

 訴訟では、養育費は、やはり算定表基準になったのですが、なんと相手(夫)が、

「給与が今年は減らされる予定である」

等と言って、その算定表基準にすら従わない(従いたくない)と言っておりましたが、和解期日では、こちらも、裁判官も、
 
 「その話は実際に下がってからしてください」

ということで、まともに取り上げられることはなく、慰謝料もきちんと認められました。ついでに言うと、DVについては、
 「よく覚えていない」

を連発して、かえって心証が悪くなっていましたが、判決で遅延損害金も含めて払うのか?と言われて和解で払うことに同意した次第です。
 

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

 割とちゃきちゃきした性格の女性の方なので、あまり被害者という雰囲気を調停委員は感じ取らなかったのかもしれませんが、明らかなDVの証拠がある中で、公平だから、と両者を同列に扱うのはかえって不公平です。

 それなら、何をしても調停では加害者も・被害者もない、フラットな関係として扱うという事になってしまいます。

 ですが、こういう事なかれ調停委員もいます。
 被害者に譲歩を求めるような感覚はどうかしていると思うのですが、意外にも、譲歩しそうな方に譲歩させるとという事はよく行われているのです。

 あとは、調停委員はこれを言えば、当事者は和むとでも思っているのか、

 「一度は好きになって結婚した相手なのだから」
 「とはいえ、あなたが夫に選んだ相手なんだし」

と、結婚しているわけですから当たり前の話をしてくる調停委員もいますが、離婚調停でそんな話をしてどうしようというのでしょうか。
 これを言いだしたら身も蓋もありません。そんなことを言っていたら、離婚は論理上あり得なくなってしまいますし、離婚を望んでいる当事者は自分が責められているような気持ちになってしまいます。離婚したいと思うには理由があってのことですので、『相手を選択した責任』を感じさせるような発言はよろしくありません。
 調停でなくても、実家の親や親せきでこのように諭して、無理やり破綻した夫婦をやり直しさせようとする人もいるようです。
 関係者の方もそういう雑ぱくでかつ論理的でない意見は言わないようにする必要がありますし、実際に、
 「あの時、娘の言う通り、離婚させてやればよかった。」
と涙する両親もいることを知ってほしいです。

 DVなんて論外です。
 調停委員は、DV案件の場合にこそ、 相手方のDV(暴力)の証拠として、診断書や写真があれば、それを見せて、夫を説得するべきである。

 別に説教したり、避難糾弾する必要はないですが、折に触れて、「まあ、暴力の写真等もあることだし、裁判になさっても必ずしもいい結果にはならないのではないかと思いますので・・・」

と説得しないと、調停なんて成立するはずがありません。

 こちらが離婚を求めたり、慰謝料を請求したりしているのに、相手方のDVを全然考慮しないまま、調停を成立させようとすると、
 「離婚しない」
 「慰謝料は請求しない」
という不合理な譲歩を被害者に迫るしかなくなります。

 つまり、事を荒立てないこと、を第一に考えている調停委員にあたってしまうとこのようなことが起きるのです。

 そんな調停なら成立させない方がよいのです。

 最後に、DV離婚の調停において、顔を合わせない工夫についてです。
 当事者の話し合いでは上手くいかなくて、調停をするぐらいですので、通常、離婚調停では相手の顔を見たくありません。
 これがDV離婚の場合ですと、見たい見たくないの話ではなくて、過去にも暴力をふるってきている相手ですので、調停とかで顔を合わせると相手方(夫)が激昂して殴りかかってくるという場合も考えられます。
 しかし、多少なりとも常識を持ち合わせているのであれば、そのようなことをすれば自分が不利になることは当然分かるはずですので、通常は、裁判所内で暴れたりということはありません。
 それでも、やはり相手方の顔を見ただけで、それまでの恐怖がよみがえって怖くなると自分の言いたいこともいえなくなるという場合もありますので、相手方と顔を合わせないようにする配慮が必要です。

離婚・男女問題の解決事例 3

とにかく、DV夫と離婚したい。酒癖が悪くて、借金だらけで仕事もすぐに辞めてしまうので、子供の親権と離婚さえあればそれでよいのですぐにでも縁を切りたい【事務所法人案件】

  • 別居
  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
  • 借金・浪費
  • 飲酒・アルコール中毒
依頼主 女性

相談前

 もともとは、お酒もそんなに飲まないし、ましてや、手を出すなんて考えられない夫でしたが、建築関係の会社に勤務して営業に回されて以降、そのノルマに耐え切れなくなり、酒に走るようになり、そこから、手をあげることもしばしばになってきました。

 (その会社も結局は勤まらずに辞めましたが、以降は、どの会社勤めも長続きはしないで、入っては辞めて、入っては辞めてを繰り返していました)

 奥さんは、DVを受けていることも恥ずかしいし、母親に少し相談したこともありましたが、
「まだ、子供も小さいのだから多少のことは我慢しないと」
と言われてしまい、ずっと、我慢してきました。

 なお、子供が2人いましたが、子供に手を出すことはありませんでした。
 ただ、家が広いわけでもないので、子供も母親が怒鳴られたり、叩かれたりしたところは何度も目にしていたので、当然、父親に対する恐怖心をもっていました。

 奥さんとしては、子供にとっては父親であることに変わりがないし、私が我慢すればいつかは夫もいい会社に入って立ち直るかもしれない、と思って生活してきましたが、我慢することの見返りは何もありませんでした。

 一時期は、夫が失業中で、生活費があまりにもなさ過ぎて、昼間のパートだけでは足りずに、夜の水商売をやったこともありましたが、夫は、そのうち、酒に酔っては、

 「男ができたんだろう」
 「いい年こいてみっともないんだよ」

などと暴言を吐くようになりました。

 しかも、

「だったら、生活費が足りないのをどうするの?」

というと、

 「馬鹿にしているのか!」
 「お前の名義でクレジットカード作ってキャッシングしろ」

などと、理不尽に怒鳴られ、最後は必ず手を出されました。
 
 本当に、酒が入ると人格が変わったのかと思うほど、大暴れをするので、ついには、警察を呼ぶことになり、子供2人とともに保護されて、もう自宅に帰るのは危険だからと、実家ではなく、姉の家に避難させてもらうことになりました。
 (ちなみに、実家でないのは、実家は、母が1人暮らしで、怒り狂った夫が怒鳴り込んできた場合に危険だから。姉の家は、姉の夫と社会人と大学生の男の子が2人いるのでまだしも安全だろうとという配慮で。)

 最初のうちは、電話に出ないと逆に何をしでかすか分からないという恐怖から、電話に出て、

 「居場所は言えないけど、落ち着いたら帰る」

などと適当に言っていましたが、段々、電話の頻度もLINEの頻度も一日数十回という気違いじみたものになり、留守電や送られてくるLINEメッセージにも脅迫的な言葉が入るようになったため、さすがに、もう自分では対処できないと考え、姉が弁護士を探しました。

 もちろん、相手(夫)が相手なので、男性弁護士限定で探しました。

 ただ、男性でも、夫の行状を話したり、それでも大丈夫かと尋ねると、

 「うちはそういうのは専門ではないから」
 
 「事務員が女性なので相手が乗り込んできて何かあると困るから」

などと何件か断られたそうです。

相談後

 まずは、保護命令は、どうするのかを尋ねました。

 ちなみに、保護命令とは、本人(被害者)に近づくな、という接近禁止を命じる保護命令と今いる場所から出ていけ、という退去を命じる保護命令があります。

 ただ、自宅から夫を追い出してそこに暮らし続けるというのも精神的に緊張を強いられるし、姉の家にいることも夫に明かしておらず、接近禁止命令をすることでかえって刺激することを好まない、ということでしたので、保護命令をとるメリットはあまりないなと判断して、それは行わないこととしました。

 次いで、まずは、一旦、夫を事務所に呼んで話をするか、あるいは、いきなり調停を申し立てるかを検討しましたが、そもそも、調停の呼び出しに応じない可能性も多分に考えられますし、過去の経験上、たとえ、そこで協議離婚が成立しないまでも、一度、直接に話をしておくことで、相手の争うポイントや言い分、それに何より相手の癖等が分かりますので、事務所に呼ぶことから始めることとしました。

 奥さんもなるべく早く離婚になる方がいいので、調停前に話してもらう方が、とおっっしゃっていたので、まあまずは会ってみようかということになりました。

 とは言うものの、そう簡単に、事務所には来ません。

 「なんでお前と話しなきゃいけないんだ。」
 「あいつと直接、話させろ。」
 「どうせ、お前らが金ふんだくるために煽っているんだろ。」

等々、よくある話です。

 そして、こちらと話する以外に選択肢はない、奥さんに直接連絡するなと言っているのに、電話やLINEを性懲りもなくするので、奥さんには、もう電話の電源を一定期間入れないでとお願いしました。
 また、万が一、お姉さんの所にいることが判明して、お姉さんの家に言ったりした場合にはすぐに警察を呼ぶようにとお願いしました。
 念押しで、警察にも相談しておき、警察も周辺パトロールを強化してくれるとの話ももらっておきました。

 すかさず、夫にも、そうなっているから(つまり、奥さんとは連絡はとれないし、奥さんや子供に無理やり近づくようなことがあれば警察が来るかもしれない)、一度、話をしましょう、と言うと、ようやく事務所にやってきました。

 こういう場合、相手(夫)も緊張しているはずです。ですが、それを悟られまいと、むしろ通常以上に強硬に出てくるというものです。

 まさに、そのままの感じの夫でした。

 話を聞くと、
 「DVなどではない」
 「あいつ(奥さん)には男がいて、男と一緒になるために話をでっちあげている」
 「子供に合わせろ」
 等々。
 
 では、DVの話は置いておいて、離婚すること自体はどうなのか?
 仕事もなく、現実、経済的に奥さんに負担がかかっているのは?

 「仕事は間もなく始める」
 「友人から誘われている」
 「最悪、生活保護を受ければよい」

 などと言うので、それは無責任だろう、離婚ぐらい認めてもいいんじゃないか、という話をしましたが、どうにも夫は離婚したら奥さんがすぐに別の男と一緒になるという考えが捨てきれず、示談では、離婚は成立しませんでした。

 ただし、夫の考えのベースは分かっていたので、調停では予め、DVを否認するし、妄想(?)で離婚を否定しているに過ぎない、という話で、裁判官が大分説得してくれたらしく、離婚調停は成立しました。養育費も認めましたが、面会交流も月1回でつけました。


木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

 ただ、本件、ある程度、予想されていたことではありますが、調停成立後、1度も養育費は振り込まれませんでした。
 一度、こちら(弁護士)から連絡するのと、裁判所からも履行勧告と言って、要は、調停の約束事を守りなさい、と促すことをやってもらいましたが、反応がありませんでした。

 養育費の支払いがない場合、例えば、相手の預金だとか、給与を差し押さえる、という強制執行をなすことができますが、いかんせん、相手の預金はおそらくゼロで、むしろ借金があるだけです。
 また、給与と言っても、友達の会社に入るんだか、友達と一緒に事業を起こすんだか言っておりましたが、全く信ぴょう性がなく、少なくとも、調停中は、ずっと失業ないし求職中でしたので、差し押さえる先が分からないという状態でした。

 こういう場合、どうするかというと、探偵を雇って、勤務先を突き止めて給与差し押さえを行う、という方法がありますが、探偵費用(調査費用)がかかります。

 しかも、探偵費用(調査費用)をかけたとしても、相手が失業中だったら、どうしようもありません。

 そういうこともあって、奥さんも、
 「もういいです。」
 「そっちはもともと当てにしていなかったので。」
 「それに、養育費払うから子供に会わせろとか言われても嫌だし。」
 ということで、そのままになりました。

 あと、本件では、調停の際に、夫といかに接触しないかについてが配慮のポイントとなります。

 弊所がDV離婚の調停をやった中では、そのような経験はないですが、当事者のみの調停の場合、調停委員の中には、顔を合わせたくないとお願いしても「離婚の場合には、当事者出席が原則ですから…」などと、つれない態度をとって全く配慮をしてくれない委員もいるようです(それで困って相談にうちの事務所に相談に来たというケースもあります)。

 それで、どうやって顔を合わせないようにするかというと、待合室はもともと別なのですが、廊下とかで顔を合わせないようにするために、まったく別の階の待合室を利用する等します(相手方には当然知らせません)。

 それで、調停でうまく和解が成立したときも通常は当事者が揃ってその和解内容を確認するのですが、このような場合にも、代理人である弁護士のみが相手方と列席して和解を行います。

 また、場合によっては、日にちをずらして根本的に会わないようにするということもあり得ますが、このやり方ですと、相手方が言ったことが本当なのかどうなのかすぐに確認出来ないというデメリットがありますので、迅速に調停をすすめる上ではあまりお勧めできません。
 他方、開始時間をずらすという事は、DV案件ではある程度メジャーなやり方です。

 いずれにせよ、DV離婚調停の場合の代理人弁護士は、もちろん法的なサポートの側面もありますが、他面において、ある意味ボディーガードのような役割も果たすことになります。 
 
 今回の場合には、奥さんが一度、うちの事務所に来て、そこから一緒に裁判所に出向いていました。
 (一度、出先から裁判所に向かうというときがあり、その時は、とある交番の前で待ち合わせをしてから、一緒に行きました。)

離婚・男女問題の解決事例 4

誰に言っても理解されない離婚したい気持ち。こんな理由では離婚できない、でも今のままでは夫婦としてやってけないと追い詰められた気持ちで弁護士相談【事務所法人案件】

  • 離婚請求
  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
依頼主 女性

相談前

 たしかに暴力を振るわれたわけでもないし、夫が不倫しているわけではないけど、離婚がしたい。
 ただ、理由を言っても、説明をうまくすることができないためか、夫はもちろんのこと、周囲も理解してくれません。

 内容としては、1つ1つ挙げるとすごい、つまらないことのように思われてしまうのですが、

・家族で食事していても(外食していても)、ずっとスマホをスクロールしている
 (見ている内容は様々だが、主に、ゲームとアイドル関係)

・子供の教育に関心がないくせに、教育費ついて異常に出したがらない
 (もちろん、公立で、塾も行かせない)

・そのくせ、ゲームについては、支出に寛容で、しかも、子供が喜ぶからと押しつけがましく買ってくる

・親戚づきあいも難しくて、夫の実家に行っても、奥さんの実家に行っても、ずっとテレビを見ているか、スマホをいじっている

・家族で旅行に行っても、すぐに疲れた、面倒くさい、ホテルでゆっくりしたい、と言って、部屋でテレビかスマホ

・夫婦の会話は奥さんからふらないとないし、ふっても、そっけない対応しかない

・2人の子のうち、下の子とは、たまに一緒にゲームで盛り上がるが、上の子とはほとんど会話も交わりもない

・共働きで、家事はやってと言えばやるが、必要最小限

 友人や実家に愚痴を言っても、

 「まあ、ちょっと根暗な感じは受けるけど、離婚はやり過ぎじゃない?」

という感じの反応しかありません。

 自分でも説明しながら、なんか、重箱の隅をつつくような人間だと思われるんじゃないかなあ、と思いながらも、それでも、なぜか息苦しい日々を送る日々。

 これからの長い人生をこの夫と暮らしていくのかと思うと、いてもたってもいられなくなり、心理カウンセリングに通うことに。

 そこで、心理カウンセラーからは、

 「夫は悪い人ではないかもしれないが、あなたに無関心」
 「結婚というものに無関心」
 「ただ、世間では、あなたが苦しみを訴えても、おそらくは理解されない」
 「そんなのよくある話だと流されるでしょう」
 「それでさらにあなたは苦しむことになる」

などと言われ分析されるが、だからと言って、何かが解決するわけでもありません。

 一時は、何か自分が別の趣味を見つけたり、仕事にやりがいを見出したりすることで、うまく解決できないかと、チャレンジするも、ついには、家に帰る時間になると、胃が痛むような感覚を覚えるようになってしまいました。

 そして、ついには、心理カウンセラー自身に、

 「ダメでもいいから、一度、離婚を相談できる弁護士を紹介知ってもらえないか」

 とお願いしたところ、

 「受けてくれるかどうかは分からないけど、話は聞いてくれるはずなので、知っている弁護士を紹介する」

 と言われて、弊所に紹介されてきました。

 (事前に、「そう言ってあるので」、と言われている以上、話を聞かないわけには当然いかなくなるのですが。。。)

 

相談後

 正直、当初、スマホをいじっているから、等々の話を聞いても、それを離婚理由にもっていける気が全くしなかったので、傷つけたらマズイなとも思いつつ、端的にいろいろ聞いてみました。

 「いやな質問だと思われるかもしれませんが、このままだと離婚調停ないし裁判をやったとしても、どうせ相手方や裁判所から同じようなことを聞かれると思うのであらかじめお聞きしちゃいます。」

 「家計はどのように管理されているのですか?」

⇒「なんとなくですが、家賃、水道光熱費、電話等の固定的に支払うものは夫が支払い、そのほかの食費とか日々の生活費は私が支払うことに」

 「貯金は?」

⇒「双方が余剰があればやることになってますが、夫がいくら貯めているのかは全く分かりません」

 「家事・育児はどのような分担に?」

⇒「夫が決まって行うというものはないですが、洗濯物を取り込んでおいてとか、遅くなるから適当に子供たちに食べさせて、と頼めば買うなり、簡単なものを作るなりしています。育児と言っても、下ももう小学校の高学年なので、そんなに手はかからないですが、学校関係の連絡や書類確認、面談等は全部、私がやっています。」

「夫には暴力も女性問題もないとのことですが、喧嘩等はないのですか?」

⇒喧嘩等はないです。というのも、私が何か言ってもすぐに面倒くさそうな顔でスマホいじりながらいなくなっちゃいますから。

「お子さんの教育方針について意見が合わないとか?」

⇒「というよりも、お金を一切、支払いしたくない、というだけです。方針等はありません。」

「交際期間・結婚当初は今のような感じではなかったのですか?」

⇒「交際期間は短かったのですが、もっと、会話もありましたし、たまにはどこかに行こうとかの提案があったりもしました。」

「あなたが現状の夫について不満を持っていることや、ましてや、離婚を考えていることについて話はしたことありますか?」

⇒「だから、話にならないんです。話しようとしても、無視とまではいかないですが、スーッといなくなってしまうのですから。」

「ズバリ、あなたが離婚したいという決定的な理由はなんですか?」

⇒「すべてです。とにかく、スマホいじりながら家の中を歩いているのを見ているだけでも腹が立ちます。なんか馬鹿にされているというか、話しかけるのも惨めな気持ちになってきます。」

というわけで、どうやって夫にまず伝えたものか、と躊躇しましたが、奥さんと話をするにつれて、なんとくなく、奥さんの不愉快さが分かってきました。

それで、離婚理由があるとかないとか以前に、まずは、奥さんがもうこういう生活を続けることに意味を感じないと考えていることを伝えることから、始めることにしました。

とはいえ、同居生活はしているので、

「弁護士から夫に通知をする場合、通常は、もう奥さんには直接話をするな、ということを要求するのですが、一緒に暮らしている以上、現実には難しいかもしれません。何か話しかけてきたらどうしますか?」

と尋ねると、

「大丈夫です。この件は、もうあなたとは話さない。先生と話をして、ってつき返しますので。」

ということで、暴力等の危険もなさそうなので、なるべく簡潔に、「スマホや
ゲームばかりで、妻を1人の人格ないしはパートナーとして取り扱わない態度が我慢できない」ということで、離婚を求めると伝えました。





 

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

 そうしましたところ、夫の反応は、どうしても妻が別れたいというのであれば応じてもよい。親権も譲ってやってもよい。ただし、慰謝料、財産分与はおろか、養育費すらも1円も支払わない、それでもよければ、離婚してもよい、というものでした。

 「うん?これは?」と思いました。ひょっとすると、妻から離婚を切り出させるためにあえて、ずっと妻に虚無感を与え続ける作戦だったのか?

 奥さんとどうするか協議しました。

 「・・・というわけで、離婚についは全然、争う気配もないし、婚姻生活に未練はなさそう。それに、子供についても親権を譲ってやってもなどという言い方はしているけれども、結局、子供に対する執着もなさそうです。夫もひょっとしたら、結婚生活は面倒くさいと思っているんじゃないかな。ただ、自分から面倒くさいとか言うと、お金を支払わないといけないから、あなたが言い出すのを待っていたんじゃない?」

すると奥さん、

「先生!ありがとうございました。これで夫の一連の行為がスーッと入ってきました。あいつ(夫のこと。このあたりから呼び方が変わる)は、根性なしだから、自分からはアクション起こせないし、でも、結婚もいやになっちゃったから、ああやって表現していたんですね。もう、大丈夫です。」

「大丈夫とは?」

「あいつの心底が分かった以上は、ずけずけとこれからは、請求していきたいと思います。まずは、家計管理を合算管理することから、始めていきたいと思います。もうこうなったら、私は私できちんと子供を育て上げることを目標に頑張ります。」

「でも、夫はそういうことはすごく抵抗してくると思いますが。ケチっぽいよ。」

「そしたら、また、先生にご相談します。ですが、1円もいらないので離婚させてくださいなんて、口が裂けても言いたくないので。」

「そうですか。まあ、頑張ってみてください。」

ということで、終了?になったのかどうか、ともかく、奥さんは元気になりましたので区切りは付いたと言えば付きました。

 その後も連絡はありません。

 こういう場合に、夫婦関係調整調停(円満調停)を起こすということも考えられます。離婚調停という言い方をされることが多いため、調停=離婚と思われている方も多いかもしれませんが、夫婦間の調停(夫婦関係調整調停)には、(離婚調停)のほかに、(円満調停)というのもあるのです。

 (円満調停)というのは、まさしく、夫婦関係が上手くいっていない、円満でないというときに、一方が他方に対して、円満にすることを目的として起こす調停です。

 ただ、双方が円満調停を望んでいるケースというのはとても少なく、一方が、円満調停を申し立てると他方は離婚調停を申し立てると言ったケースが圧倒的に多いです。

 それで、(円満調停)ですが、いろいろ調停しようと調停委員の方も努力はしてくれますが、片方が、離婚で構わない、むしろ離婚したい、と思っているときには、それを翻して円満に持っていくというのは中々に至難の業です。

 それに、今回のケースの場合、仮に円満調停にもっていったとしても、おそらく夫は、
 「別に円満ですよ」
 「何も問題ないんじゃないですか?」
等という対応に出たと思います。自分の手を汚さずに奥さんを精神的に追い込んで離婚を切り出させる、そういう相手もいることを知っておくとよいです。

 調停と裁判とは全く関係がないのかというと、関係ないはずがありません。

 
 



 

離婚・男女問題の解決事例 5

DV夫に子供を合わせる面会交流なんてとんでもない!子供の福祉ってなんでそんなに夫のごり押しを認めるの?そのくせ養育費はケチる夫の方を持つの?【事務所法人案件】

  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
依頼主 女性

相談前

 さすがに殴ったりまではしませんが、それでも、大声で怒鳴り散らす、壁、椅子をけ飛ばす、ドアをバタンと閉める、わざと大きな足音で階段を上り下りする、本当に、ひどい対応です。
 うまく避けられたので、あたりはしませんでしたが、エアコンのリモコンを思いっきり投げつけられたこともありました。あたっていたら大けがしていたところです。

 子供は一人ですが、子供に対しても、自分(夫)がテレビを見ているときに、子供が騒ぐとものすごく怒鳴ります。
 腕をひっつかんで、ベランダに追い出したこともあります。
 本人(夫)は躾だと言っておりますが、夫が怒ることは、自分の利害にかかわることばかりです。
 テレビの件とか、自分が家で仕事をしようとする際に、部屋が散らかっているのを片付けないとか(しかも、自分では絶対に片付けません)、家族で外で食事をしているときに自分は早々に終わってしまったからと言って
「しゃべっていないで、とっとと食べろ!」
とか、子供も全く夫になついてませんし、2人ではいられません。

 たまに、どういうわけかやたら機嫌がよくて、子供にお菓子やおもちゃを買ってきたときもあるのですが、子供が
「あまり好きじゃない」
と言ったり、あまり遊ぼうとしないと、
「もう、絶対にお前のためには金は使わない!」
などと大人げないことこの上ありません。

 ようやく小学校に上がりましたが、実は、まだたまにおねしょすることもあり、医学的なことは分からないですが、絶対に夫のせいで子供が精神的に不安定なのだと確信しております。
 
 ある日、例によって、月末にお金のことで夫婦喧嘩になってしまったのですが、夫が

「出ていけ!ここは俺の家だ!」

と言うので、身の回りの荷物をまとめて、子供を連れてそのまま実家に帰りました。

 早速、翌日には、実家に連絡がありましたが、夫が実家の父親に言うことは私の悪口ばかりで、さすがに父親も、

「もう別れた方がいい。このままこちらにいなさい。」

と言ってくれて、ようやく離婚に踏み出す決心がつきました。

 家庭裁判所に行って、離婚調停の手続きを教えてもらい、離婚調停を申し立てました。
 初老といった感じの男性と割と若めの女性の調停委員さんで、私の話をうんうんと聞いてくれましたが、私が夫には絶対に子供を合わせるつもりはない、と言ったら、急に調停の雰囲気がおかしくなりだしました。

 いくら、私のわがままや復讐心から子供を合わせないと言っているのではなく、そもそも、子供が情緒不安定になっているし、どうせ子供に聞いても会いたくないと言うに決まっているから、と言っても、子供の福祉の観点から絶対に面会交流は必要だ、と全く聞く耳を持ってくれません。

 かといって、子供にこういうお金がかかると言っても、

 「相手が払うと言えばいいけど、払いたくないと言ったら仕方ない」
 「相手もいろいろ支払いがあるので大変みたいですよ」

と夫が払いたくないと言っているのを説得もしてくれず、ただただ子供に会わせろというばかりです。

 ついに、私が、
 「じゃあ、面会交流できるようにできれば、子供のお金の面倒はちゃんと見てもらえますか?」
 と聞いたら、
 「それとこれとは話は別」
 「別に面会交流はお金を引き出すカードじゃない!」
 と説教されてしまいました。
 
 もはや、単独で雰囲気が最悪の調停を続ける気力も失いそうになり、母の知り合いの紹介で弁護士と相談することになりました。
 

 
 

相談後

 まだ、調停2回目だったからかもしれないですが、ここまで面会交流についてこちらが拒絶しているのですから、普通は、調査官が入る筈です。
 調査官とは、主に子供の件(親権、面会交流、養育費等)が調停上、問題となっている場合には、子供の状況等を調査して、その調査結果を裁判官にあげる役割の人です。

 調査官が調停に関与して、意見を言うこともあります。
 ただし、確かに、こちらが調査官調査を入れてくれ、と言ってもすんなり入れてくれないケースも確かにあります。
 人手不足なのか、そう簡単に調査官調査を発令するのはよいこととされていないのか、そのあたりの内部のことは分からないのですが、調査官が出てくるのが遅くなるケースもあります。

 調停においては、改めて、こちらが夫との面会交流が適当ではない理由を書面にして提出しました。
 すると、調査官が参加するようになったのですが、裁判官も出てきて、
 「こんなんでは面会交流を拒否する理由にはならないですね」
 「予め言っておきますが、審判になったら面会交流は認めますからね」
 「このまま面会交流を拒否続けると、親権だって認めるかどうか危うくなりますよ」
 などと、はっきり言って脅してきます。

 こちらが、そもそも婚姻費用も満足にもらっていないのに面会交流だけを求められても困ると述べても、
 「そちらが面会交流について拒絶しているから相手方も態度が頑なになってしまっているのでしょう」
 などと相手方の態度を擁護するので、
 「ならば、面会交流が実現したら、確実に支払うように約束を取り付けてください」
 と言うと、案の定、
 「面会交流とはそういうものではありません!」
 とキレ気味です。

 まあ、ただ、言う事は一通り言ったので、ひと呼吸入れて、
 「可能な限り、努力はしますが、本当に子供が父親を恐れているので、調査官調査をしてください。泣きじゃくる子供を無理やり引っぱってこいというわけではないですよね?」
 と述べて、調査官調査が行われることになりました。
 調査官調査は当事者の聞き取りは、3回に分けて行われました。
 1回目は夫の聞き取り。
 2回目はこちら(妻)の聞き取り(子供同席)。
 3回目はその後、子供単独で調査官と話をしました。
 なお、小学校の担任にも聞き取りをしたようです。

 調査官の調査は「調査報告書」という書面に記載されるのですが、書いてある内容は、夫側は、いかに子供が夫になついているかを述べているもので、妻側は、これまでの子供と夫の関係や、いかに子供が夫を恐れているか、を述べているのものでした。
 
 これは、ある意味、予想された内容です。
 問題は、子供単独の聞き取りです。
 内容を見ると、
 「パパと遊んで楽しかったことを1つでもいいから教えて」
 など、どう考えても、誘導としか思えないような質問がなされており、そこから結論として、
「表面上は父親に会いたくないと言っているが、それは母親を遠慮しているものだ」
と結論付けられていました。
 
 ひどいもんです。なんとしても面会交流を認めさせようとする裁判官に忖度しているとしか思えない内容でした。 

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

 そして、その後、「試行」が行われました。
 要は、面会交流できるか、お試ししてみようというものです。
 場所は裁判所内です。
 奥さんは、嫌がる子供を無理やり裁判所に連れてくる形になり、大変だったようです。

 試行する部屋はマジックミラーになっており、こちらからは室内の状況は見えますが
、室内からは鏡にしか見えない、あのマジックミラーです。

そこで、実際に夫と子供を会わせてみて、面会交流ができそうかどうか確認してみようというものです。

 最初は、妻(母親)と調査官と子供が試行部屋に入り、おもちゃで遊んで、最初に妻(母親)がいなくなり、調査官と子供が2人になったところで、夫が部屋に入って、最後に調査官がいなくなるという手はずでした。

 最初は、妻(母親)が
  「ママはちょっと用事があるから待っててくれる?」
 と聞いても、子供は、当然、不安でしょうから、
  「いやだ、いやだ」
 と母親の服を引っ張っていましたが、
  「大丈夫、すぐに戻ってくるから。」
 とかなり強引目に退出しました。

 調査官も
  「大丈夫だよ。ママはすぐに戻ってくるからね。」
 と言って、なだめていました。
 
 そして、子供は箱庭キットみたいなもので遊んでいたのですが、そこへ、相手方(夫)が入ると、子供は、振り向いて顔がハッとなりました。

 ここで泣くかな?と思いましが、何と言うのでしょう凍り付いたような表情で、また父親に背を向けて箱庭キットみたいなもので遊び始めました。

 マジックミラー越しに様子を見ていた調停委員は、
 「しばらくぶりだから、恥ずかしいんだね。」
 と本心なのかなんなのか言っていました。

 夫は、
 「何で遊んでいるの?」
 とか、別のおもちゃを持ってきて、
 「こんなのもあるんだね。」
 とか差し出したりしていたら、なんと、子供は、無言ですが、箱庭にいた動物のミニチュアを父親に差し出したのです。
 「これ、パパにくれるの?」
 と言うと、無言ですが、うなづいたではないですか。

 今度は、父親が泣くのかな、と思ってみていたら、なんと、父親の携帯に電話が入り、さらになんと父親は電話に出るではないですか!
 しかも、ずっと、その相手と微笑交じりに会話して、調査官も出るタイミングがつかめず、ずっと、部屋にいたまま。

 20分のうち、9割方は、夫は電話をして、その試行は終了しました。

 そして、その後、相手方の弁護士からは、試行は大成功だったので、子供と今度は、裁判所の外で面会交流させるべきだと言ってきました。

 調停委員も、「とってもいい試行だったですね。」と言います。

 さすがに、試行についてこの評価をするって、強弁を通り越して頭がどうかしているとしか思えません。
 もう、キレても良い頃です。

 「はい?あんたたち本気で言っているの?」
 「どこの世界に一世一代の試行面会で電話に出るやつがいるんだよ!」
 「電話したいんだったら、わざわざ子供にストレスかけてこんなことさせるなよ!」
 「面会交流に臨む基本姿勢がおかしいだろ!」
 さすがに、裁判官もこれをおして面会交流を認めろとは言わず、結局は、当面は、父親からの贈り物を受け取る、子供の写真を送る、近況を簡単に報告する、という間接交流だけが認められることになりました。
 ただ、何も言わなきゃ、あの状況で面会交流をさせようとしていたましたから、どんなに無茶苦茶でもコチラから言わないとダメだ、という一例です。

離婚・男女問題の解決事例 6

「夫のモラハラに悩まされています」という相談が増えています。モラハラというものが何を含むのかについてはかなり難しいものがあるのですが、精神的DVとほぼ同義です。【事務所法人案件】

  • 生活費を入れない
  • 親族関係
依頼主 女性

相談前

夫は、自営業で、その祖父の代からの家業三代目。
三代目というもののまだ実権はその父が握っている。
そこに嫁いだので、やはり家業を手伝うことに。
事業所と自宅とは離れてはいますが、自宅は、義父・義母の実家の敷地内に、新たに新居を作ってもらって住んでました。
ちなみに、妻の実家も近くにあり、妻の実家は母はずっと専業主婦で、父は某大手企業を務めあげて今は年金暮らし。

こんな状況でした。

何かと言えば、夫は、
「商売やっている家に嫁いできたのに分かっていないな。気が利かないんだよ!」
「お前の親父みたいに、ただ勤めていれば給与があがる会社とは違うんだよ!」
「うちの商売のことを真剣に考えていないから未だに車の免許もとらないんだろ!」
「商売って言うのは甘くないんだよ!命がけで社員が路頭に迷わないようにしなきゃいけないんだよ!」
「大学なんて出ても意味ないんだよ!大学出たからって1円も稼げないだろ」
「大企業だって、これからは潰れる時代なんだよ。お前の親はたまたまいい時に会社を逃げ切っただけなんだよ。」
などと、とにかく、「商売は」「商売ってものは」「商売するのは」とずっと「商売」の話で、妻を責め立てました。

ちなみに、夫は、大学には進学せず、そのまま家業に入り、逆に妻は、4大の大学を卒業後、しばらくは大企業の東京本店で勤務をしておりました。

結婚当初は、夫の両親(義父・義母)も、
「会社勤めのお家だったから勝手が分からないことがあったらなんでも聞いてね」
とや策してくれていたのですが、
夫の発言について、精神的に耐えられないことを相談すると、
「別に、口で言っただけでしょ?」
「手を出されたわけでもないのに」
「そこまでなるにはそうなる過程があったんだろ」
などと言って、むしろ夫(息子)の肩を持つ態度に出られ、しかも、妻がそのような相談したことを「告げ口」ととらえ、
「商売人の妻は、どんなことがあっても外では夫を立てるものよ」
などとたしなめられてしまう状況でした。

妻は、それでも、子供もまだ小さいし、自分の育ってきた環境が違うから、なるべく夫の環境に合わせなければならないと、毎日、孤立感にさいなまれながらも、自分なりに頑張り続けました。

しかし、やはり自律神経をやられてしまい、めまい、耳鳴りで寝込む日が多くなり始めました。

最初は、義母も
「しょうがないわね」
と言いつつも、食事を届けたりしてくれていましたが、夫は、妻を看病するどころか、
「商売に差し支えるから俺は当面は実家で寝起きするから」
と妻と子供を置いて、実家にいたままになってしまいました。
妻が、
「しんどいから居てくれると助かる」
「実家に行くなら子供だけでも見てもらえると助かる」
とお願いしたところ、
「甘えないでくれる?」
「そんなの怠け者病じゃん」
「気が張っていないからそうなるんだろ?」
「おれは毎日、商売でクタクタなんだよ」
「子供の面倒まで見たら俺が倒れてしまうだろ!」
「そしたら誰が商売するんだよ」
「でかい会社でなんとか手当てが出るわけじゃないんだよ」
などという信じがたい応答をされました。
妻が泣きながら母親(実母)に連絡すると、実母は娘がひどいことになっていると、即座に夫の家に抗議に行きました。
すると、
「子供の問題に親が介入するのはどうかと思うけど」
「娘さんが仕事しないんので労働力がマイナスになっている」
「本当なら別のバイトでもあてがうのがそちらの筋でしょ?」
とちょっと理解できない返答があり、そのまま娘と子供(孫)を連れて帰りました。

相談後

DVという用語が認知され始めた当初も、じゃあ、DVとは具体的にはどこまでのことを含むのか?というのは、問題になりました。「モラハラ」も、「モラルハラスメント」の略語でフランスのお医者さんか誰かが言い始めた言葉ぐらいで、厳密な定義はかなり難しいのです。
ですが、現場で実際の離婚事件にあたる弁護士は、依頼者の方の

「これって離婚事由になりますか?」
「これは裁判で離婚する原因として見てもらえますか?」

というご相談・ご質問にお答えしなければなりません。

今回のケースはどうでしょうか?
その前に、言っている当人たちはどういうつもりでこの言葉を発しているのでしょうか?

おそらく、商売が大変なのはそうなのかもしれません。
それなりにプレッシャーがあるのもそうなのでしょう。
ただ、加えて、夫については、妻や妻の実家に対する何と言いますか、劣等感のようなものもあるのだと思われます。

自分たちは、あくせく仕事をしているのに、大企業は、手厚い保障のもと、楽に仕事して高い給与をもらっている(そんな楽な世界は本当はどこにもないのですが)、そういう劣等感というか僻み・妬みが根底にあると思います。

また、その夫の義母にも、そのような感情もあるのかもしれませんが、むしろ、会社勤めの世界しか知らない妻(嫁)のことを逆にバカにしているようにも思われます。
加えて、義母からすれば別に妻(嫁)が好きとか嫌いとか言うわけではなく、息子が連れてきただけですので、冷徹に、妻(嫁)が家業の労働力としてふさわしいかどうかを見ているのでしょう。
そしてさらには、いざとなれば我が子(息子)が可愛いというものです。

ですので、こういう人たちに、そんなのはモラハラなので、以後、気を付けてください、と言っても、そこでハッと気づいて、以後、態度が変わることがあるとは思えません。

そして、これは、離婚理由になるかどうかについてですが、

「もちろん、離婚理由になる」

ということです。

そもそも、会社の求人に応募してきたわけではないので、労働力としてふさわしいかどうかなどを吟味される覚えはありませんし、そもそも、体調が悪い時に、妻と子供を見捨てて実家で自分は義母に甘えた生活を送るなんて、そもそも、あなたはいくつだよ、って話です。

「商売は」どうのこうのも、そんな演説はどこか他所でやってくれよと、なんで妻にそんなことを偉そうに述べているのか、器が小さいです。

ただ問題は、奥さんの気持ちです。

これだけ言いましたが、まだ離婚するまで気持ちの踏ん切りがつかないとのことでした。

もともと、結婚は当人同士で決めたものの、決まった時から、夫の実家だの、家業だのと余計なものはくっついてきてしまいましたので、あまり冷静に夫婦間のことを考えたこともなかったのです。

弁護士としては、
「あなたが望むなら離婚手続きを進めることはできますよ」
「ここまで言われているので、これは十分に離婚理由になります」
とまでは言えますが、無理に離婚させることはできません。

相談には、妻の母も付き添ってきて、お母さんも、
「あんな子(夫のこと)とんでもないよ」
「離婚のことを先生にお願いしちゃいなさい」
「もうずっと家にいなさい」
と言いますが、

「うーん。」

という感じでした。かと言って、夫が迎えに来る様子もなく、義母が謝罪するわけでもなく、このままでというわけにはいきません。


木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

そこで、離婚については、さておき、いくつかの選択肢を相手(夫)に提示することとしました。

1)夫が実家から離れて、どこかを借りて妻と子供と生活し、そこから、仕事場に通う。そして、妻は一切、夫の仕事には関与しない。加えて、夫は、これまでの言動について反省し、夫婦間のことに夫の両親を関与・介入させることはしないと約束する。

2)夫が実家を出て、実家と離れた遠いところで妻と子供と暮らす。

おそらく義母が介入してくることは、夫が家業を続ける限りありそうなので、そもそもその家業を夫が辞めてどこか遠くで別に仕事に従事する。もし、会社勤めをするなら会社勤めの苦労も分かるだろうし、妻や妻の父をとやかく言うこともなくなるだろうとの考えからです。

3)当面の期間、別居し、夫が婚姻費用を支払い続ける。

以上の3つを提案して夫の様子を見てみましょう、ということになり、夫に提示したのですが、案の定というか、

「仕事は辞めない」
「(なので)実家も離れない」
「婚姻費用は、1、2万なら払ってもいい」

というものでした。

ただ、仕事を辞めること、実家を離れることを強制はできませんが、婚姻費用は、夫が思い付きの金額で決められるものではありません。

ただし、適正な婚姻費用を確定するには、調停・審判が必要です。

そこで、婚姻費用分担調停を申し立てたところ、これも案の定というか、夫に弁護士がついて、夫から離婚調停が申し立てられました。

理由は、家事・育児を義母に任せっきりで全く家の中のことをしない、家業においても文句ばかりで夫を精神的に追い詰めた、夫の給与が安いのに家計を切り詰めずに家計を破綻においやった、等々。

奥さんも奥さんのお母さんも、怒りに打ち震えるといった感じでした。

ただ難しいのは、夫の収入です。

夫は、代表取締役で一応、形上は給与、という事になっていますが、それこそ、課税逃れで、義父は取締役会長、義母も取締役にしており、典型的な同族企業として、夫の給与の額面は低く抑えられているのです。

ですので、その会社の経費やらを解明して、本当の夫の実態的収入を明らかにしなければなりません。

当初は、相手方の代理人も必死に抵抗しておりましたが、いろいろな私的経費を会社に回している(現物給付)ということを説明して、かつ、義母は何もしてないのに、給与をもらって、それが夫に回っているということなどを説明して、婚姻費用を吊り上げることに成功しました。

そうしましたら、今度は、早く離婚しろ、今なら慰謝料は請求しないが、長引くようなら慰謝料も追加で請求するなど言ってきました。

相手(夫・義母)が婚姻費用をダメージに感じてくれているというのがよく分かったので、
「慰謝料はこちらから請求するものであり、当方がお支払いするものではありません。早期に離婚されたいという事であれば、これまで言動に見合う慰謝料をご提示いただけないと検討すら致しかねます。」
と返答して、あとは、待つだけでした。

通常は、モラハラは、慰謝料を獲得するという事までは難しいことが多いのですが、今回は婚姻費用の所で頑張ったおかげで、それがいつまでも続くのを嫌った相手(おそらく義母)が早く分かれろという事で慰謝料を提示してきました。もちろん、養育費もその吊り上がった婚姻費用をベースに約束してもらいました。

奥さんは、もし、再婚するにしても商売している相手は絶対に選ばないとのことでした。




離婚・男女問題の解決事例 7

一応、大手企業のエリートサラリーマンで周りからはよく見られているかもしれない夫だが、実は、ギャンブル依存症、借金で家庭の中は火の車【事務所法人案件】

  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
  • 借金・浪費
  • 親族関係

相談前

1)ギャンブル依存症
 およそ、ギャンブルというものは、何でも手を出し、パチスロ、競馬、競艇、競輪、また、たまに会社の出張で海外に行ったときは、本人は否定しておりますが、カジノに出入りしておりました。
 もともと、職場が同じで、今でも夫の会社の人のうち、数人とは交流がありますので、夫の行動など筒抜けです。

 完全に趣味の範囲を逸脱しており、これはもはや病的でした。

2)借金

 そして、たまに勝つこともあるようでしたが、そこはギャンブルです。最後は負けており、しかも、知らない間に、500万円近い借金をこしらえていました。
 ある日、某消費者金融からの督促状がきていたので、それを問い詰めると、何と言い訳として、
 「実は、友人が金に困っており、仕方がないから名義だけ貸した」
 「ただし、支払いは友人がしているから別に自分の借金ではない」
などと言うではありませんか。

 そこで、
  「友人が支払っているのであればなぜにこのような督促状が来るの?」
 とさらに問い詰めても、

  「たまたま、今、海外にいて支払い送金ができていないだけ」
  「もうすぐ日本に帰って処理するから大丈夫だって」
 などと次から次へと言い逃れをしようとします。

3)夫の実家

 夫は、父親(義父)とはものすごく仲がよくないですが、そのせいかどうか母親(実母)とはべったりです。
 ですので、逆に、妻は、今回の困りごとを義父に相談しました。
 すると、義父は、夫に対して、

 「ギャンブルなんかで借金を作るなんて怪しからん!」
 「すぐに弁護士に相談してその借金をなんとかしろ!」
と怒ってくれました。

 しかし、そこはもともと仲が悪い父子関係ですから、
 「親父は勘違いで口挟んでくるな!」
 と義父に従うそぶりもなく、
 「なんで親父に余計なこと言うんだ!」
 と、等々叩かれました。

 ただし、夫は、今回の件で、借金のことが義母にも伝わったらしく、義母がその借金を肩代わりしてくれました。
 「なんで、あなたの借金じゃないのでお母さん(義母)が払うの?」
 と聞いても、
 「名義が俺(夫)になっているんでひとまず母親に立て替えてもらうだけ」
 「友人が帰ってきたときには、すぐに母親に返す」
 と言い訳が止まりません。

 ですが、妻としては、そんな言い訳を信じるはずもなく、今後の生活上の不安やギャンブルは辞められないのなら、そういう依存症の人たちがいくクリニックに行くように勧めると、

 「そういう態度がイラつくからギャンブルでもやらないとやっていられないんだよ!」
 「生活費も渡しているし、何が不満なんだ!」
 「家でゴロゴロしているお前に何が分かるんだよ」
 「文句があるなら出て行けよ」
とブチ切れられてしまい、妻も、頭にくるというよりも、目が血走っており、叩かれたことも実際にあることから、子供2人を連れて実家に帰ることにしました。

 ただし、実家も、どうも説明しても、大変なことだとは理解してくれないので、自分で弁護士を探すことにしました。
 ちなみに実家の反応は、
 「お父さんも競馬はやっていたしねえ。」
 「借金は向こうのお母さんが払ってくれたんでしょ?」
 「手を出すのはよくないけど1度だけのことだから許してあげたら?」
 とどうも、一流企業のサラリーマンイメージが勝っているという感じです。 

相談後

 問題は、夫が出て行けというから出てきたものの、夫に離婚する意思があるかどうかです。夫が離婚したくない、手を出して済まないと謝罪してきた場合に、現時点では、向こうの母親が借金を返済してしまっており、あるのは、将来に対する不安なので、すんなりと離婚とはならないこと、そうすると裁判という事になりますが、ギャンブルの証拠がどこまで示せるのか、ということになります。

 早速ですが、内容証明にて、婚姻費用の請求とともに離婚の請求をすると、早々に婚姻費用の請求を争うでもなく、婚姻費用を支払ってきました。
 そして、連絡してきて、
 「家内が世話になってます。」
 「先生にも、あることないこと言って先生にご迷惑かけているんじゃないですか」
 「手をあげたのも事実ですし、カッとなって出て行けと言ったことを謝罪します。」
 「妻にも直接、謝らせてもらいます。」
 「ギャンブルっていうと烈しい言い方ですが、趣味でやっているだけなんでたまにやるぐらい大目にみてもらえないでしょうか。」

 やはり、そういう対応でした。
 企業のエリートサラリーマン風の人の対応として、よくある対応なのです。
  
 企業の不祥事対応などでよく見ませんか?こういう対応。

 ・非があって逃れられない点は謝罪する。
 ・言い逃れできる部分は言い逃れする。
 ・冷静かつ穏やかな口調で、むしろまるで相手が過剰反応・ヒステリーであるかの受け答えをする
 
 これをされると妻は、結構、追い詰められます。 
 「嘘です。家の中ではあんな感じじゃないんです。」
 「外ずらだけですよ。お願いですから先生は騙されないで。」
 「調停をやっても多分、調停委員は私じゃなくて夫のことを信じると思う。」
 などと、弱気になっていくことが多いのです。

 ですので、ここで弁護士までも、
 「意外といい旦那さんじゃない」
 「そんなになんでも悪く捉えるのはどうかと思うけど」
 と言ってしまうと完全に奥さんも孤立してしまいます。

 実際、奥さんの実家もそんな感じだと想像します。
 だからこそ、弁護士を探して相談・依頼しているのですから、そういう対応はいけないですね。
 そして、このような慇懃な夫に対しては、別にこちらも慇懃に要求をすればよいのです。
 「婚姻費用の早速のお振込みありがとうございました。」
 「今後も毎月お振込みください。」
 「なお、今後の生活の不安を奥さんは抱えておりますので、今後は、生活費の管理を奥さんがすると申しております。」
 「当面、一旦、給与口座は奥さんの方で管理させていただけませんでしょうか。」
 「また、カードの支払も管理したいので、お使いのカードのIDとパスワードを教えて頂けませんでしょうか。」

  等々を申し入れました。

  そしたら、今度は、すぐに夫に代理人が付きました。

 ・貴職の申し入れは、プライバシーの侵害にあたるので一切応じるつもりはない
 ・貴職の依頼者は過剰反応により無理やり婚姻関係を破綻させようとしている

 などと言ってきました。

 もちろん、別に、家計の管理を奥さんがするのは珍しいことでもありません。
 (弁護士である私がクレジットカードを管理すると言っているわけではないんで)

 そして、夫がもし本当に家計管理を奥さんに任せて御小遣い制度で、カードも自由に使えないようにしたら過度のギャンブルはできなくなるはずです。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

 もちろん、ギャンブルの資金欲しさに、奥さんに無断でクレジットカードを作ってキャッシングしたり、消費者金融でお金を借りたりは、たとえ、給与口座をおさえても、いまあるクレジットカードを監視しても、やろうと思えばできたはずです。

 ですが、さすがに、そこまでして、経済的リスクを負いたくなかったのでしょう。
 
 ただ、もし、夫が離婚を拒まないのであれば、奥さんが家に帰ることを受け入れなければなりませんし、自由に家に出入りすることを禁じたら、それこそ、夫は自分から奥さんを締め出しているので、これはまさに離婚事由です。

 よりを戻すという気があるのかどうかは、口ではなくその態度で分かります。
 そこで、奥さんや子供が家に入ってもいいのかと聞くと、相手の代理人から当然、入ってもいいと言ってきました。
 なるほど。

 そこで、奥さんも、家に取りに戻りたいものがあるのというので、1つお願いをしてみました。
 それは、夫の通帳の履歴をなんとか入手できないかという事です。
 
 そうしますと、なんと、連続してはおりませんでしたが、いくつか繰り越し済みの通帳が入手できました。

 結構ありました。

 まず、競馬や競輪は、夫は、競馬場や競艇場で買っているだけではなく、インターネットでもやっており、銀行通帳からその引き落としが確認できました。

 それから、なんかやたらと個人名でお金が入ったり、出て行ったりしていたのですが、その中の一つに、奥さんも見覚えのある名前がありました。
 夫のいとこにあたる人です。
 
 その人から入金があったり、その人に支払ったり、とどういうことなのかと、実際にその人にお話しを聞ければよいのだけど、もし、夫と大の仲良しなら、本当のことを言ってくれるはずもないし、と悩んでいると、奥さんが聞くだけ聞いてみましょう、というので、お話を伺っていただきました。

 そうしますと、そのいとこさん、まだ返済してもらっていないお金があること、お金を借りるときは奥さんが病気でその治療費が高額なのだけど、いずれ保険金が入るのでそれで払うと言っていたこと、等が判明。

 そして、夫側は容易に離婚に応じるともなりませんでしたので、事件は調停不成立⇒裁判と進んでいきました。

 相手の弁護士さんは、若くて爽やかな感じの先生ですが、出てくる書面は、毎度毎度、要するに奥さんが騒ぎすぎで、そんなにギャンブルなんてしていないし、借金も義母が全部、精算したのにずっとそれを持ち出している、など結構な攻撃性のある文書を提出してきていました。

 裁判も和解にもならずに、とうとう、本人尋問にまで進みましたが、その時点でも、夫本人は、見た目いい人系の感じで、妻が重箱の隅をつつく感じで困るんですよねえ、という態度でしたが、ギャンブル狂いできちんとした生活資金管理をするなどできていないでしょうから、通帳の履歴に従い、どの程度のお金を何に使っているのかを聞くとしどろもどろで、加えて、いとこの借金はどうしたのですか?と聞くと、
 「何のことか分からない」
 「ちょっと記憶にない」
 「そのいとこが勘違いしている」
 等々、当然、裁判官もそういう所は食いつくので、補充質問してきましたが、
 「妻が病気の時にお金を借りただけで治療費に使うとは言っていない」
 などと、最後まで粘るので、裁判官も、
 「その態度では婚姻関係を維持するための信頼関係が築けないですよ」
 と言っており、これで判決は大丈夫と確信しました。

離婚・男女問題の解決事例 8

守られない協議離婚の約束。協議離婚でせっかく養育費・住宅のことを記載したのに無視。逃げてばかりで一向に守ろうともしない。逃げ得は許せない【事務所法人案件】

  • 生活費を入れない
  • 借金・浪費
依頼主 女性

相談前

夫の浮気が原因で数年前に離婚。

子供は2人で夫が家を出ていくことになった。
下の子が成人になるまでは住宅ローンを夫が支払い、その後は、母も子供たちも家を出て明け渡す。
養育費は支払う。
相手の女性も含めて慰謝料請求はしない。
という内容で、最初の3年程度は、ローンも支払い、養育費も支払っていました。

しかし、どうも、また別の女性と付き合いだしたらしく、そのこと自体は夫も,
もう独身なので、私がとやかく言うつもりはないですし、何も感じませんが、そのあたりから、養育費が滞るようになり、メールをしても、返信すらよこさないようになりました。

そしてさらに、ある日、家に怪しいスーツを着た男が2人が家の門の前に立って写真を撮っているではありませんか。

声をかけると、
「こちらにお住まいの方ですか?」
「失礼ですが、10分程度で終わりますので中を見せて頂くことはできませんか?」
「こちらオーナー様が売却を考えていらっしゃるという事で、居住者の方がよろしければ内見も可能だとお聞きしたので。」

「ふざけないでください。」
「ここには、そのオーナーの子供が住んでいるんですよ!」
「子供が大きくなるまでは出ていかないので家は売れないですよ!」
と追い返しました。

さすがに、ひどいと思い、元夫に抗議のメールをしましたが、やはり返事もなく、電話をしたところ、
「お掛けになった電話番号は現在使われておりません。」
となっていました。

元夫の勤務先に、知り合いのふりして電話してみたところ、
「もう退社されてますよ。どちらの関係の方ですか?」
と言われました。

もはや万事休すです。
このまま養育費も打ち切られ、母子共々、家を追い出されることになると思いました。

しかし、これでは、あまりにも身勝手な夫に対してふがいないですし、悔しくて納得いきません。

そもそも、経済的にも大きな減額になり、今後の生活もにわかにどうやって成り立たせていけばいいのかと愕然としてしまいました。

そこで、このまま泣き寝入りはできないと、市の無料法律相談に申し込んで、なんとかならないかを無料相談の弁護士さんに相談したところ、
「元夫のやっていることは明らかに約束違反」
「養育費を払わないなんて怪しからん」
「家を売るなんてひどいね」
と言ってくれましたので、

「では、どうやったらいいですか?」
と聞くと、
「養育費も勤務先が分からないと給与の差し押さえができないんですよ。」
「家も元夫名義なので、元夫が売却してしまうとどうしようもないんです。」
「酷い話だけど、どうしようもないんですよねえ。」
「元夫と何とか話をしてきちんと約束を守るように言うしかないですね。」
と急に心もとないことになってきたので、
「話ができないからこうして弁護士さんにお話ししているんです」
「先生のお力でなんとかできないんでしょうか」
とお願いしてみましたが、
「まあ、私は正直、弁護士の力でどうにかなる局面ではないと思うけど、念のため、ほかの弁護士さんも当たってみたらどうですか」
と最後は、半分、投げやりです。

その弁護士さんがそう言うのであれば、本当にどうしようもないのかなあと、かなり戦意喪失してしまいましたが、もう1件ぐらい聞いてみようかと思い、インターネットで離婚に詳しそうな弁護士が地元でいないものかと探してみました。

相談後

まずは、その協議離婚の内容を確認するために、その書類を確認させていただきました。

【概要】

・離婚する
・親権は母親(妻)
・養育費
・住宅については、下の子が20歳に達する月の月までは無償で、妻と子らが居住することを夫は認める。
 夫は、その間、住宅ローンを遅滞なく支払うことを約束する。
・その他、名目の如何を問わず、お互いに金銭の請求をしない

こういう内容でした。

どちらも、弁護士をつけずに、当事者間で考えて作成したものですので、詰めの甘さは否めませんが、最大の問題は、これが、単に当事者間で取り交わしただけで、公正証書になっていないことと、家の処分権限について、夫が勝手に処分できないようにしておかなかったことです。

養育費の取り決めを当事者間で行うことは、協議離婚ではよくあることなのですが、公正証書になっておらず、かつ、調停を経てもいない場合には、強制執行をする場合に問題があります。

どういうことかというと、もし、公正証書にしていたり、調停調書になっていたとするならば、相手が養育費を不払いにした場合に、すぐに給与や相手の財産を差押することができます。

ところが、当事者間で作っただけの協議書、合意書、念書の類は、再度、調停ないし裁判を起こして、調停調書や裁判判決、和解調書等、公的な裁判所が関与した書面にしないと強制執行(給与や財産の差し押さえ)ができないのです。

その他、もちろん、改めて、公正証書にするという方法でもよいですが、今更、メールの返信もしないで逃げ回っている相手と一緒に公証役場に行って公正証書をつくるなんてことは難しいです。

公正証書は、双方が公証役場に出向くか、一方が他方に、公正証書を作成することをお任せするという書面(いわゆる委任状)が必要ですが、それも、利害が対立している相手方から委任状を取り付けるのはまず無理でしょう。

それからもう一つの問題である家の点ですが、いくら当事者間で子供が20歳になるまで住んでいいという合意ができていたとしても、実際に、他方が売り払ってしまえば、新しい買主はそんな合意には縛られずに、

「私がこの家を買いました。」
「私の家なので出て行ってください。」
「前の所有者とどういう合意があったか知りませんが、私は住んでいいなどという約束はしておりません。」
と言われれば、法律上、これに対抗するのは難しいです。

もちろん、約束違反をした元夫に対しては損害賠償を請求することはできます。
居住権を侵害されたのであるから、例えば、妻と子供が同程度の物件を賃借した場合の家賃を下の子が20歳になるまで支払うよう求めることができます。

ですが、これも結局、裁判をする等の時間・費用・手間がかかります。

ですから、こういう合意をする際には、家を売る際の足枷をつけておく必要があります。
一番良いのは、賃借権の登記を入れておくことです。

賃借権の登記をいれておけば、借地権・借家権を第三者(新たな買主等)に主張して、
「私(たち)には賃借権がありますから出ていきません」
ということができます。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

実は、建物の賃借権については、その建物の引き渡しを受けることで賃借権の登記がなくとも、第三者に対抗できますが、外部からはその事実が良く分かりません。

他方で、登記をいれておけば、不動産売買で登記を確認しない人はいませんから、その時点で、
「なんだ、この不動産には賃借権の登記がついているから、このままでは買えないじゃないか」
と断念していきます。

「でも、賃借権というのは、賃料を支払うことでしょう?」
「そしたら、賃料を支払わないでタダ(無料)で住む場合には、登記できないんじゃない?」

と思われる方は鋭いです。その通りです。

ですので、できれば、その家に住む権利は賃貸借にするべきでした。

すなわち、賃料を支払うことにして、その分、養育費を高めに設定して、毎月の養育費から相殺するという形にしておけば、実際に、自分の手元から金銭が出ていかなくても、賃料は自動的に毎月支払っている形にできるのです。

このあたりはかなり法律上のテクニック的なことで、弁護士でも、こういうことまで配慮して条項を作成しないのもいますが、本来であれば、相手がもし家を売却しようとした場合に、どうやってそれを阻止するかまでを考えて行うべきです。

というのが、以上、タラレバ論ですが、時計の針を巻き戻すことはできません。

では、本件の場合はどうしたかと申しますと、まず、元夫の電話番号が分からないという事で、それを調べないといけないのですが、家に内見を申し入れに来ていた不動産屋に対して、連絡先の開示を求めたところ、それは、個人情報なので教えることはできないと、言われました。

そこで、不動産屋には、
「そうではなくて、家を売るにも明け渡しの手はずとか整えないとダメでしょ?」
「そういう調整をしたいから連絡先を教えてもらって話をしたいわけですよ」
と言って教えてもらいました。

それで、早速、元夫に連絡(電話)すると、
「金がないものは仕方がない」
「来月から住宅ローンも支払わない」
「そしたら競売になると思う」
などと、開き直りのような回答をしてきました。

そこで、こちらも
「それならそれで仕方ない。」
「こちらも引っ越す金も新たにアパートを借りる金もない。」
「競売になって安く落札されても動けないものは動けない。」
というと、
「競売になったらローンの残債が残るかもしれない。」
「そしたら、こちらは住んでもいないローンの残債を返済することもできない。」
というので、
「そしたら、破産の手続きをとるしかないんじゃないかな」
と説明すると、激高して、
「なんで、こっちが破産しなきゃならないんだ!」
などと言うではありませんか。

結局、破産するなんて気はないんです。
それで、最終的には、住宅はこちら(元妻側で)で売却して、もし余剰が出れば元妻がもらうこと、
養育費はきちんと支払う事、
勤務先を開示する事、
以上については調停調書にすること、

を合意しました。

元夫としては、住宅ローンが苦しくて仕方がなくて、手放せるのであれば、余剰があれば持っていってもらって構わない、ということだったんですね。

調停では、事前にこちらから合意内容をFAXして送っておきましたので、第一回だけですべて合意して終了しました。

なお、結論として結構な余剰は出たのですが、それは今後の賃料に充てられます。元奥さんが買取できればよかったのですが、ちょっと収入の関係でそれはできませんでした。しかし、養育費が定期的に入るようになり、元夫の職場も把握したので、これでよしとしたという次第です。

離婚・男女問題の解決事例 9

養育費を支払わないのであれば不貞相手にも請求するし、夫の給与も差し押さえてやる!しかし、夫の勤め先が分からないのはどうすればよいでしょうか?【事務所法人案件】

  • 生活費を入れない
依頼主 女性

相談前

元夫は、不貞をしたのですが、その当時は、不貞のことは謝罪しようともせず、さらには、不貞相手の女性には慰謝料請求するな、と虫のいいことを言うではありませんか。

ですが、別に、元夫にもはや未練はなく、愛想が尽きていたので、子供のことだけちゃんと成り立つようにしてくれれば許してやると言ってやりました。

ただ、口先だけでは到底信用できないので、公正証書にきちんと養育費のことを記載してもらい、いざとなったら、すぐに給与の差し押さえができるようにしました。

公正証書の記載の仕方はよくわからなかったので、インターネットで調べたところ、行政書士という人が格安で作成してくれるサービスがあったので、こちらを利用して、その他は、公証役場の公証人先生に手直ししてもらいました。

もちろん、費用はすべて、元夫に出させました。

ぶつぶつ言っておりましたが、不貞しておきながらそんなこと言える立場なのかと言ったところ、しぶしぶ金を出しました。

そして、あれから約3年、2,3度期限までに養育費を支払わないことがありましたが、LINEで
「お支払いが確認できません。給与差し押さえになりますよ。」
と送ると、間もなく、振り込んで来ていました。
なお、なんの謝罪もありませんでしたが。

ところが、今回は、期限を過ぎても養育費の振り込みがなく、しかも、LINEをしても一向に反応もありません。

よくよく考えると、
「給与を差し押さえる」
と脅してはいましたが、実際に、どうやったら給与をおさえられるのかはよく知りませんでした。

インターネットで調べてもよく分からなかったので、結局、以前、公正証書を作ったときにお世話になった行政書士の先生に、これからどうしたらよいか質問したところ、
「自分(行政書士)は離婚協議書作成専門なので強制執行は分からない」
「ただ、提携している弁護士がいるので、こちらを紹介する」
と言われて、弁護士の方を紹介してもらいました。

公正証書の原本をお渡しして、費用をお支払いし、あとは結果を待つだけ、と言われました。

ところが、

「差押してみたんですが、もう、元旦那はその会社を辞めているそうですよ。」
「なので当たり前ですが、差し押さえる給与債権がありません。」
という報告を受けました。

「えっ?」
「そんなのなんで今更言うのですか?」
「事前に確認していただけなかったのですか?」
と素直に疑問を述べただけなのに、

「だって、あなたがその会社に差し押さえしてくれって言うから私はやっただけです」
「逆に、なんでいないかもしれないので事前に確認しろって言わなかったんですか?」
「なんでもかんでも私のせいにするのはやめてもらえますか!?」
「とにかく、もう元旦那は会社にいないので、新しい勤務先が分かったら連絡してください。」

と怒られてしまいました。

こういうものなのでしょうか。
しかも、新しい勤務先を調べるって言っても、何をどうすれば分からず、本当に困ってしまって、また、給与差し押さえをした弁護士を紹介してくれた行政書士に相談してみたところ、

「じゃあ、こちらは提携しているわけではないですけど、別の弁護士を紹介します。」

「ただ、先日、紹介した弁護士は費用は安いと思いますけど、今度、ご紹介する弁護士さんの費用は分からないですよ。それに、そもそも依頼を受けてくれるかどうかも直接、お話ししてみてください。」
と紹介されました。
費用が高かったらどうしようと心配でしたが、結局、今回の費用は全部、ムダ金になったのでそれよりはマシかとも思いました。

相談後

行政書士の方から事前に概要は聞いていたので、やることは決まっていました。

【元旦那の新たな勤務先を調べること】

この1点です。

そのためには、興信所(探偵)が必要です。
知り合いの探偵は、小さい事務所ですが、相場から言うと、割とリーゾナブルで、かつ、気兼ねなく、いろいろ注文を付けられるので、初回の打ち合わせから同席してもらいました。

元旦那の自宅は分かっているので、ランダムに任意の2日間を選んで、朝から自宅を張ってもらいます。

通常であれば、そこから勤務先に向かうでしょうから、そこで調査終了にしてもらい、次に電話をかけて、在籍を確認する、ということで、いかがでしょうか、と見積をだしてもらいました。

もちろん、リーゾナブルとはいえ、そこそこ費用は掛かります。

就職していればいいけど、悪くすると、失業中で、家を出ないかもしれないし、家を出てもそのままパチンコ店に向かうかもしれないし、コンビニに行って帰るだけかもしれない、というリスクはあります。

どうするか少し悩んだようですが、何もしなければ進展しないのも事実ですので、結局、進めることになりました。

そして、初日から元旦那は職場に向かってくれたので、すぐにヒットしました。
良かったです。

そして問題は次です。

いきなり給与差し押さえをするのも良いですが、するとすぐにその会社を辞めてしまうかもしれません。

そうすると、1か月分だけ差し押さえてお終いです。

しかも、1カ月分だけと言っても、その全部を差し押さえることができるわけではありません。

ですので、やり方としては、元旦那に勤務先をこちらが把握していることを告げて、大人しく払ってもらうよう警告するという手もあります。

どうするかをまた決めて頂く必要があるのですが、

「まずは警告してください」
「ですが、絶対に払って来ないと思います」
「そういう人です」

と言います。

ただ、弁護士がついていて、養育費を支払わなければ、次は給与差し押さえになるというのは普通に考えれば、分かる筈なので、払ってくるんじゃないかなあとは思っておりました。

ところが、元旦那から警告に対して返答はありましたが
「まだ勤務したばかりで給与が少ない」
「もし、給与差し押さえなんかしたら首になる」
「そしたら、ますます養育費は支払えなくなる」
「落着くまで、1年ぐらい待てないのか」
などという随分と上から目線の返答が来ました。

この返答を伝えたところ、
「やっぱりそうでしょ?」
「絶対にあいつは払わないと思っていました。」
「もう、辞めようが首になろうが仕方がないので給与差し押さえしてください。」
と決断されましたので、早速、債権執行という強制執行の申し立てを行いました。

そうしましたら、早速、元旦那から連絡があり、
「しばらく待ってくれると言っただろ!」
「会社からはすぐに取り下げてもらえと言われた!」
とまたしても、随分と横柄な口調で電話がかかってきました。

「待つ、なんてお約束は一切しておりません。」
「未払い養育費を一括して支払っていただき、かつ、今後の支払が確実になされるという担保があれば取り下げを検討します。」

と言ったら、ブチっと電話が切られてしまいました(自分から掛けてきたくせに)。

その後、会社を辞めるかなとも思っていたのですが、辞めずにずっと差し押さえが続きました。これはこれで大変なのですが、毎月、勤務先から当事務所の口座に一旦、振り込まれて、手数料を控除して、さらに送金するという事を続けました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

通常は、給与差し押さえと言っても、その未払い分を回収すればそれで終わりなのですが、養育費のような毎月毎月、継続的に支払う債務については、一度、差し押さえると、こちらが取り下げない限りずっと差し押さえを続けることができます。

つまり、養育費も毎月発生し、給与も毎月発生しますので、20歳になる月まで養育費を支払う義務があるとすれば、そこまでずっと差押えが継続します。

また、給料の差押えは額面給料から、公租公課(税金や社会保険料等)を控除した後のの4分の1までとその範囲が決められておりますが、養育費の場合には特別に、その2分の1まで差し押さえの範囲が拡張されております。

さらに、手取り額が月額44万円を超える場合には33万円を控除した全額が差し押さえの対象となり、

さらにさらに、会社の取締役等の役員報酬の場合には全額差押えの対象となります。

ただし、気を付けなければならないのは、会社もグルになるとか、そもそも、相手がその会社の代表取締役社長などの場合には、自由に会社の給与を操作することができます。

場合によっては、その会社は辞めさせて、別の関連会社の所属にして、そこから給与を支払うなどの場合もありますので、さらに追跡調査が必要な場合があります。

もちろん、大企業などはそんなことまでして一社員をかくまうなんてことはできませんので、同族や友人の中小企業等が要注意です。

結論として、元旦那は差押えを受けた場合の態度がよくありませんでした。

もし、差し押さえの際に、
「すいませんでした。」
「今の手持ちはこれだけなので取り下げてください。」
「会社にいられなくなると困るので勘弁してください。」
と言われたら、逆に、情にほだされて取り下げてしまったかもしれません。

そして、また不払いにされて、また強制執行をしなければならない、という手間をかけさせられていたかもしれないのです。

なお、元旦那は、裁判所の方にも抗議を申し入れたらしいのですが、裁判所の書記官から、法律でそうなっているから仕方がないとすげなく説明されたらしく、しばらくしてから、元奥さんの方に元旦那が、

「こんな弱者に国家権力でひどい仕打ちをするなんて絶望しております」

というメールがあったらしく、元奥さんからは、

「今まで、一切、返事もくれなかったくせに、よく言いますよね。」
「やっと報われました。」

と安堵の連絡がありました。

元旦那は、勤務先が変わってしまえばもう追いかけて来れないものと思って養育費を不払いにしたのか、別の事情で不払いになってしまったのかは、元旦那も本当のことを言うはずがないので分かりませんが、もともと子供がいればその養育について一定の経済的負担が生じるのは当然のことですし、払わないで済ませるという理屈はありません。

むしろ、養育費だけで子供を養育できるなどということは稀で、それで子供を育ててくれる元奥さんに感謝してもらいたいぐらいなのですが、実際に離婚してしまうとそういう意識もなくなってしまうものらしいです。

ただ、今回のケースのように探偵を使ったり、弁護士に差し押さえを依頼したりするのは、かなりの決断力が必要とされるので、元奥さんの強い意志が養育費回収につながったと言ってよいでしょう。

離婚・男女問題の解決事例 10

無理やりねじ込まれた面会交流。良かれと思って涙を呑んで譲歩したのに、子供に悪影響が出てきたみたい、相手(元夫)の態度が酷いと思うけどうでしょうか?面会交流をやめられますか?【事務所法人案件】

  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
依頼主 女性

相談前

2年前に、とてもとても長い期間をかけての離婚調停が成立しました。
後半は、私も正直、疲れてしまって、子供たちもまだ小さかったという事もあり、子供たちの心情に配慮せずに、半ば無理やり、面会交流の元夫の要求をのんでしまいました。

以降、毎度毎度、ぐずる子供をあやして、毎月の面会交流をこなしていましたが、元夫は子供たちを遊園地や映画館等のレジャー施設に連れて行き、お菓子でもおもちゃでもなんでも好きなものを買い与えるという事を繰り返していましたが、どうも、子供たちには受けいれられなかったようで、
「疲れる」
「面倒くさい」
「せめて毎月でなくてもう少し間をあけてほしい」
「友達と遊びたい」
「どうしてもいかないとダメ?」
などと明らかに面会交流に行きたくないと言っている子供に、

「ママを助けると思って頑張ってくれない?」
「行って来たらなんでも好きなメニューを作ってあげるから」
「お願い。そうしないとママがパパからなんか言われちゃうの」

等と言って、子供の心情を考えずに大人の都合で、とりあえず子供を行かせておけば、その場は丸く収まるから、とずるいことをしてきてしまいました。

しかし、ある日、下の子が、面会交流の当日の朝、微熱を出したので、慌てて相手(元夫)にメールをしましたが、私も少し気が動転していたのか、うまく送れずに、メールの下書きフォルダに残ったままになってしまっていました。

夫は、遊園地の前で待っていたらしく(まあ、そういう約束でしたから)、30分程度過ぎたころに、私に電話をしてきて、

「何?車?道、混んでるの?」
「ずっと待っているですけど」

というので、
「えっ?メールしたよ。ちび(下の子)が熱出したから今日は中止にしてって」
と答えたところ、

「そんなの来てねえ!」
「嘘つくな。」
「だったら片方だけでも連れて来れるだろ!」
などと、ものすごい剣幕で怒鳴られました。

ですが、
「メールは本当に送ったし」
「上の子だけ連れてくなんて、ちびを残して無理だし」
「そもそも病気なんだから仕方ないじゃない」
「子供が可哀そうでしょ」

と答えたところ、その後もいろいろ罵倒されましたが、とにかく、

「その送ったというメールを再送しろ」
「本当に熱が出たんなら医者の診断書を見せろ」

ということになりました。

ところが、すでに述べた通りで、メールは送れてませんでしたし、熱も、昼過ぎになったら、スーッと引いてきて、食欲も出てきたので、医者に連れていくという感じでもなくなってしまいました。

ただ、それを元夫にそのまま告げると、
「ふざけるな!」
「約束違反は慰謝料だ!」
「弁護士から罰金を請求させるからな!」
と言って、ガチャっと切られました。

そして数日後、元夫の弁護士から慰謝料10万円の支払いと、今回、面会交流をできなかったので、その穴埋め日を指定した内容証明が送られてきました。

ただ、その日は都合が悪く、また、その日以降、次の面会交流の日まで都合の良い日が見当たりませんでした。

ですので、代替日を設定するのが難しい旨を元夫にメールで送ったところ、

「こういうメールはキチンと届くんですね。」
「もう、あなたのことは信用できないのですべて弁護士からの指示に従ってください。」

と取り付く島もない返答でした。

さらには、下の子が、

「もうパパの所に行くのやだ」
「お兄ちゃんだけ行って」

などと言い出してしまいました。もう私の手には負えず私も弁護士を依頼することにしました。

相談後

離婚はその瞬間のことですが、離婚後も、養育費だとか面会交流だとか、継続することがいくつもあります。

継続することには、途中、何かといろいろな障害が生じがちです。

その日の面会交流は、通常の面会交流よりも、少しイベント性が高い面会交流だったこともあるのかもしれませんが、元夫の反応は過剰反応です。

それもそうですが、それにくっついた弁護士もその過剰反応に乗っかって慰謝料を請求するなどはやり過ぎです。

ただ、こちらも、メールがうまく送れてなかったことや熱が出たって言ったのにそれが急に引いてしまったので、なんだか引け目を感じて、精神的に追い込まれてしまっていました。
そのうえ、子供が行きたくない、と言っているのですから、もはや、このツギハギだらけの面会交流のやり方は破綻しているとしか言いようがありません。

経験則上、本当にいやな日が来ると、熱が出たり、おなかが痛くなったりすることは子供にありがちな症状です。
しかも、子供も子供なりに、母親の立場を慮って、自分が頑張ろうとして、それでストレスがかかることもよくある話です。

ですので、その発熱についても、熱が下がったので病院には連れ行かなかったのですが、そうではなくて、子供を連れて心療内科に行くようにアドバイスされました。

そうしましたところ、案の定と言いますか、面会交流が子どもたちにとって大きな精神的負担になっているとの診断がありましたので、そちらをもとに、改めて、面会交流を見直すために面会交流調停を申してることになりました。

ですが、相手(元夫)の弁護士は、早く代替日を設定しろ、面会交流調停を申し立ててもこちらは応じない、と言っておりましたので、第一回目の調停期日は、本人も含めて欠席でした。

そこで、こちらから、相手が来ないのであれば仕方がないので審判にしてください、と申し入れしました。
そして、当面の間は、面会交流は、間接的なものとするという審判の趣旨を主張したうえで、調査官調査を求めました。

ところが、裁判官は、
「相手方が来ないからと言って、すぐには審判にはしないし、調査官調査を入れるかどうかもまだ時期尚早であると考えている。」
「そもそも、相手が出席するように調整してから申し立てをすべきであるのに、それをしないで申し立てをするなんて怪しからんことだ」
と言うではありませんか。

「一度、中止にしただけで慰謝料まで請求する相手とどう調整するんですか?」
「そんなこと言っていたら、相手が応じない、出席しないという以上は、面会交流の見直しもできないままではないですか?」

という事を散々申し入れて、書記官がどうやら相手方本人を説得したらしく、次の期日からは相手(元夫)及び弁護士も出席することにはなりました。

しかし、どうも裁判官はのっけから、
「子供が気分よく面会交流に臨むように仕向けるのが監護親の務めだ」
「逆に、心療内科に行ってこんな診断を受けるなんて怪しからんことだ」
などと、無茶苦茶、強引です。

なんども、
「子供が行きたくないっていうのを引きずってでも連れて行けと言うんですか?」
「発熱を契機に心療内科に行って診断をしてもらうことの何が悪いというのですか?」
と言うと、ようやく、調査官をいれて調査する旨の決定が出されました。

とにかく、調査官に見てもらえれば少しは事態の実態が伝わるかなと期待しました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

しかしながら、調査官、調停委員というのは、裁判官の顔色をうかがうものです。
要するに忖度します。

裁判官が何か意見を言うのに、
「いいえ、裁判官、それは違います」
「裁判官、このようにお考え下さい」
など、意見をする調査官や調停委員を見たことがありません。

といことで、調査官が調査した調査報告書が上がってきましたが、
「母親に随分と遠慮している様子がうかがえる」
「口では行きたくないと言っているが、心の中では父親を慕っていると思われる」
などと抽象的な話ばかりが書き連ねてあり、しめの言葉は、

「子らの心情に配慮して、監護親(元妻)と非監護親(元夫)のより深い協同が求められる」

などと言っているだけです。

目の前で「行きたくない」と子供が言っているにもかかわらず、それに対する答えは何もありません。ひどいもんです。

協同関係って言っても、1回、面会交流を中止にしただけで、しかも、慰謝料を請求するような相手とどうやって協同しろというのかも、何も書いてません。

精神論だけで丸く収まるなら、審判なんていらないじゃん、と思うかもしれませんが、こういうこともママあります。

ですので、その後も、大変でした。

とにかく、短時間でもいいから、会わせろ、会わせろ、裁判所は言います。

「何度も言っているけど、こっちは会わせないなどと言っていない」
「時間の問題ではなく、会いたくないと言っているものをどうするの?」
「じゃあ、調査官が迎えに来たらどうですか?」

というと、また裁判官が怒り出します。

もう手に負えません。

審判にして下さい、と何度も言いましたところ、ようやく審判になりましたが、裁判官は、

「面会交流に非協力的な態度は非常に問題だ」
「相手がだったら親権を譲れと言ってきても知らないですよ」

等々、とにかく、審判をしたくなさそうでした。

それで、
「ずっとではなく、少し様子を見るという事でその間だけ間接交流にしてください」
と言っていたところ、審判が出ました。

内容は、半年間だけ間接交流にして、その間に、直接面会ができるよう双方調整するというものでした。

ですが、相手(元夫)はそれには納得せずに不服申し立てをしました。

これでようやく裁判官が変更することになりました。

そして、さらには、相手(元夫)の弁護士も変更となりました。
前の弁護士は辞任して、新しい弁護士がついたのです。

そこでは裁判官は、かなり、ざっくばらんな方でした。
「審判を維持してもいいけど、何か少し元夫に配慮したものを入れられないか?」
「そしたら、その内容で和解できるようにする」
「ああいう相手(元夫)なので和解の形をとるのが一番いいと思う。」
という事でした。

元妻も「ああいう相手」と裁判官が相手について理解してくれたのがよほど嬉しかったらしく、上の子供とは自由に話をすることができるように携帯を買い与えるということを付加することで合意することとしました。

もちろん、強制的に話をさせるわけではありません。
そういう拘束力のある内容は一切ありません。
上の子が電話に出なくても、メールの返信しなくてもそれは自由です。

あとは、元夫がどういう内容で子供とやりとりするかを工夫するだけです。

以上、面会交流実施に対する圧力は本当にすごいので、1人で立ち向かうのは場合によってはかなり難しいと思います。

離婚・男女問題の解決事例 11

とにかく別れたい、離婚したい。結婚生活は、毎日の生活の基本です。些細なことでも、積もれば結婚生活がうまくいかなります。仕事に影響が出たり、精神的にもダメージが大きくなっています【事務所法人案件】

  • 親族関係
依頼主 女性

相談前

婚姻生活は、日々の生活の基本です。
「暴力」「DV」のように生命身体の危険が差し迫っている場合は分かりやすいと思うのですが、たとえ些細なことでも、積もりに積もって婚姻生活がうまくいかなくなると、やはり、仕事に影響が出たり、精神的にもおかしくなってきてしまいます。

しかし、離婚の一歩を踏み出すに多大な勇気・思い切り・エネルギーが必要です。
「子供はどうなる?」
「親や周りからはなんて言われる?」
「家は?」
「仕事は?」「生活は?」
いろいろ考えるだけで疲れて、結局、何もできませんでした。

だけど、
「やっぱり、この人(夫)とは一緒には暮らせない」
と落胆する。

同じことの繰り返し。

ある日、インターネットで何となく、離婚のブログを読んでいたら、私とかなり境遇というか考え方が似ている人の記事を見つけ、その人が弁護士に半年に一度ぐらい、定期的に、相談に行っていると書いてあったので、そんなことが可能なのか、と思い、私もとにかく弁護士に相談予約してみることにしました。


仕事が振替休日の日に、市内で離婚をやっていそうな弁護士事務所を探して電話してみたところ、最初は受付の女性の方だったのですが、次に、弁護士が電話口に代わりました。
何を話せばいいか分からず、
「あのう。まだ離婚するって決まったわけではないんですけど、」
「考えも自分自身まとまっていないんですけど、」
「こう、何と言うか、離婚できそうかどうかだけでもお話し伺ってもいいですか?」
というと、
「どうぞ。」
「たまたまですけど、本日の夕方の相談予約がキャンセルになったんで空いてますが、どうですか?」
と言われ、
「えっ、そんなに急に?心の準備が。。」
と思ったのですが、たしかに、また日程調整するよりはいいかと思い、即日、弁護士相談という思い切った行動に出ることなりました。

相談後

弁護士と軽く挨拶したのちに、どう話をすればいいのか分からないでいると、私の相談票の【勤務先】欄を見て、

「これって、○○を売っている会社だよね?」

と言い出しました。

「よく知ってますね。先生、かなり詳しいですね。」

などと業界人でないと分からないような話になって、私が任されている仕事とか、生活リズムの話等になり、いつの間にか、結婚生活の話になっていました。

そして、私がなんで離婚を考えるようになったかの話をするうちに、自分が本当に離婚したい理由が自分の中でも整理されて行きました。

また、離婚を切り出せない、踏み切れない最大の理由が子供にあることも、自分で話しているうちに自分の中で分かってきました。

普段、頭で考えているだけだと、いろんな問題がグルグルまわるだけですが、こうして話すことにより自分を発見できるものだと思いました。

また、自分が大変だと思っていたことは、よくよく考えるとそんな大変なことでもないということも分かりました。

最も、離婚したい理由というのは、
1)共働きなのに多岐にわたって夫が偉そうで平等でないこと、
2)生理的に合わない、
の2点に集約されました。

また、私が離婚に躊躇する子供の問題点については、
「端的に聞いてみたら?」
と言われました。

そして、子どもの意見として、
「ママとパパともし別れたらどうする?別れてもいい?」
と聞いて、子供が
「うん」
と言ったら、

「このように子どもが答える場合には、子どもはかなり夫婦仲が悪いことを認知していますよ。」

と言われました。

「普通は『うん』とは言いません。」
「両親がいつも家にいて仲良くしている(喧嘩しない)方がいいに決まってます。」

「『別れてほしくない』というのが通常の反応です。」
「ただ、だから、別れるのはダメだ、とかそういう話をしているのではありません。
「もし、子どもが別れてほしくないという意見だからと、我慢してみても、根本的な解決がないのなら、やはり結婚生活はストレスでしかありません。」
「苦痛は苦痛のままでしょう。」
「さらに最悪なのは、どこかの局面で、つい『あなたのために我慢した』などと言ってしまうということです。」
「これは、子供にはショックです。」
「私のせいでママを苦しめたと罪悪感を持たせるだけです。」
「だから、我慢すると決めたなら何も言わないことです。」

「そこまで我慢できないかもしれないのなら、別れてママが楽しく生活できるようにしてください。」
「そうやって、動いてもらった方が、子供にとってはどれだけいいか分かりません。」
「その時は分からないかもしれないですが。」

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

重要なのは、問題は先送りにせず、何かあった際は、早期に専門家に相談し、客観的に自分や自分を取り巻く環境を分析するということです。

離婚というものは、当事者になってみないと分からないぐらい非常に大変なことです。

と同時に、

離婚というものは、当事者になってみれば分かるのですが、やってできないことはないのです。

もちろん、簡単ですとは言いません。
大変なことで、コンビニで買い物をするようなわけにはいきません。

しかし、別に離婚をすることが悪いことだという意識を持つ必要はありません。

色々な不安があるのは当然だと思いますが、

「もうこの人と一緒に暮らすのは苦痛でしかない」

と思い詰めているのであれば、離婚というものに正面から向き合ってみることも必要です。

ただ、1人で考えても、経験もなく(普通はそうでしょう)分からないことが多すぎて、頭がパンクしてしまうかもしれません。

まずは、信頼できる誰かに相談してみて下さい。
別に、弁護士である必要はありません。

相談する中で自分の考えが整理されていくということもあります。

例えば、

・旦那と喧嘩をして実家に子供を連れて逃げ帰った。
・すると、しばらくして旦那が実家に謝りに来た。
・妻の両親も「○○君も反省してんだから、もう少し頑張りなさい」と娘を諭す。
・しかし、その後、旦那の所に戻って頑張ったけれども、

「ついには、言葉や暴力によるDVにまでエスカレートしてしまった」
「何の準備もしていなかったので着の身着のままで逃げ出す羽目になった」
「相談者の方やそのご両親も『あのとき別れて(別れさせて)おけばよかったんですけど…』と後悔する」

離婚するしないからの相談を聞いている弁護士としての経験則上、よくこういう一幕が出てきます。

「だから、あの時に別れた方がいいんじゃないですか」って言ったのに、と思いはします(口に出して言いはしませんが)

また、我が国一般において、

「可能な限り、結婚生活は続けなければならない」

という暗黙の規範(みたいなもの)があり、それに縛られている人も少なくありません。

しかし、結婚を続けるのが正しく、離婚をするのが間違っているなどということは誰にも言えません。

ましてや、

「盛大な結婚式をしたから」

とか、

「○○さんの紹介で知り合ったから」

等も関係ありません。

自分が置かれた境遇を客観的に判断した上で、離婚すべきか否かの判断をする必要があります。

離婚・男女問題の解決事例 12

夫のDVから逃げるために、一旦、子供を連れて実家に帰りました。しかし、夫がとても神妙な態度で実家に謝罪に来ており、両親も情にほだされて私に帰るように言っていますが帰るべき?【事務所法人案件】

  • 親権
  • 別居
  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
  • 親族関係
依頼主 女性

相談前

生まれてこの方、親からも叩かれたこともないのに、先日、夫から、

・叩かれ、
・床に引き倒され、
・倒れたところを髪の毛をひっつかんで起こされ、
・壁に打ち付けられ、
・水を浴びせられました。

寝ていた子供も起きてきて、ワンワン泣いているのに、子供にも、

「黙れ!」
「寝ろ!」

と足で壁をガンガン蹴り飛ばしながら怒鳴りつけました。

本当に、このままでは殺されるかもしれないという恐怖を感じて、子供を連れて、財布と普段の買い物袋だけを持って、実家に帰りました。

きっかけは、何という事でもありません。

夫の職場がテレワーク勤務というのを開始したために、無理くり、家の中に夫の仕事場所を確保して、仕事ができるようにしたのですが、ふるさと納税で送られてきた荷物の置き場所がなかったので、その夫の仕事場に置いたのです。

ところが、私は荷物を置いただけなのに、なんか仕事上の書類か何かがないっ、って私のせいにしようとするので、あまりにしつこいので、

「あなたの管理能力の問題でしょ!」

って言ったら、凄まじい暴行を受けたというわけです。

実家に帰って、両親に話したら、特に、父は、

「こんなやつだとは思わなかった!」
「絶対に別れろ!」
「向こうの親にも文句言ってやらなきゃ」

と憤って、夫の親に電話をして、電話口ですごい口調で怒っていました。
「警察沙汰にしてもいいんだぞ!」
とも言っていました。

そしたら、夫の母親に言われたのかどうか、夫がスーツを着込んで翌日に実家にやってきました。

私は、当初は、自分の部屋で子供とこもりっきりで、

「会う気はないから」
「次、来るときは離婚届けにサインしてくるように言って」

と対応は両親に任せました。

顔も見たくなかったですし、夫は口が上手いので、変に言い争うと言い任されてしまいそうだったからです。

ところが、私が引きこもっていると、母親が部屋に来て、

「お父さんが話だけでも聞いてみたらって呼んでるけど」

と母親が私の部屋にやってきました。

一旦は、

「『聞く話は何もないので、離婚届けを持ってくるか郵送してくれればそれでいい』と言って!」

と母親に言いました。

ところが、また、母親が来て、

「お父さんが、このままではどうしようもないから、って呼んで来いって言うのよ。」

と母親も私と父親に挟まれて困っているようだったので仕方なく、子供も連れて行きました。

そうしたところ、夫は、土下座をして、

「すいませんでした。本当に悪かったです。」

と白々しい神妙な態度。しかも、もっと腹立つことには、父親が、

「もう、頭は上げてもらっていいから。」
「娘がこれから安心して生活できるようにきちんと話をしてくれればいいので。」

と訳の分からない夫への肩入れをし始めたのです。

ただ、そこで話をし始めると、私もうまく話を持っていけなくなると思ったので、

「返事は改めてするので今日は帰ってください」

となんとか追い返しました。

子供の顔を見て、多少涙ぐんだりして、

「ごめんな。また、パパ来るからな。」

等と言うもんだから、子供までなんだか夫に同情し始めた感じです。

それで、私がおかしいの?何だか分からない、と思い、とりあへず、弁護士に現状を話して戻るべきかどうかを相談しに行きました。

相談後

まず、最初に言われたのは、「一線超える」理論です。

要するに、どこの夫婦でも喧嘩も争いも一切しないということはないし、手を出したい、物をぶつけてやりたい、という衝動に駆られることも普通にある、ということ。

だけど、暴力はいけないという通常であれば当たり前の理屈があるから、皆、それを守って堪えて、話し合ったり、時が経ってそういう感情が薄れていくのを待ったり、気を別の方向に紛らわしたりするものである、と。

しかし、それができずに、一線を越えてしまう場合もあるし、一線を越えてしまう人がるということ、そして、それまで一切、手をあげなかった人でも、一度、一線を越えてしまうと、そのハードルがグッと低くなるということ。

なので、次は、我慢がもっと利かなくなるということ。

それから、会社の書類の件はどうなったのか確認されたので、そう言えば会社の書類はどうしたのかを聞くのを忘れたと思って、確認したところ、何の書類かも、本当に無かったのかも、うやむやにされてしまい、なんか、おかしいなあと思いました。

それで、自分でも分からなくなったので家に戻った方がいいのか悪いのかを弁護士に尋ねたところ、端的に、

「帰らない方がいいと思う」

と言われました。

ただし、

「堪え難きを耐えて戻る理由があるとすれば、今回、着の身着のまま出てきてしまっているし、今後、離婚の争いになる場合には、いろいろ相手の財産についての資料も必要となるので、荷物や証拠を確保するために、というのであれば、まだあるかも。」

ということでした。

「これで戻って、また、何かの際にDVされたら、物凄い後悔ですよ。」

と言われて、本当に、それはそうだと思いました。

「普通は、一度、こういうことになって本人も失敗・反省しているわけだから、同じことをしない可能性は普通よりも高い、と思ってはいけませんよ。」

「もう、一線を越えたんで、次も、DVされる可能性は高くなってますからね。」

「例えが、ピッタリではないけど、企業でも一度、不祥事起こした会社ってまた不祥事起こすでしょ。あれと同じですよ。」

と言われて、後は作戦上、戻るか戻らないか、だけが残りましたが、どうしても戻ることを考えると、吐き気がして仕方がないので、戻らないまま、離婚の話を進めていくことにしました。

でも、戻らなくてよかったです。

実は、その後、離婚協議、離婚調停と進んでいくのですが、あんなに実家で土下座して神妙にしていたのに、相手にそのことを指摘したら、父から脅迫・強要されて、

【土下座させられた】

ことになってました。

父も、さすがに、

「申し訳なかった。人を見る目がなかった。」

と私に謝っていました。

さらには、

・自分(夫)がいかに慣れないテレワークで神経をすり減らしていたか
・妻(私)がいかにテレワークに理解がなく何度も妨害されたか

等々、言うわ言うわで、反省のかけらもありませんでした。

それにしても、実家に帰って、すぐに弁護士に相談しておいて良かったのは、DVのあざの写真を撮ったり、医者の診断を受けて診断書を貰っておいたりしたことでした。

私や両親は、そのことまでは頭が回らず、おそらく、写真も通院もしなかったと思います。

そしたら、夫のことだから、とぼけたり、私が大げさに騒いでいるだけだと、私の方を過剰反応扱いしたであろうことは間違いありません。


木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

夫も本当に円満復帰を望んでいたかどうか、そこは今となっては分かりません。

つまり、一旦、双方に代理人がつきますと、

事実を素直に認める=負け(不利益)

と考えるので、謝ることをしなくなります。

夫側についた弁護士も悪気というよりも、闘いの一環として、不利な事実は認めない、という戦法に出たものと思われます。

ただし、本当に、円満回復したかったのなら、その戦法は完全に失敗です。

結局、明白なDVの証拠もあるのだし、逆に、元妻が書類をどうにかしたという証拠も全くない中、理不尽極まりない夫のレッテルは言い逃れができませんので、これは当然慰謝料の対象になりました。

加えて、子供にまで怒鳴って、子供が怖かったと言っているのですから、親権が夫にわたる筈もなく、養育費も決まり、財産分与については、奥様が専業主婦で、ほぼ家計は把握していたので、着の身着のままの家出になりはしましたが、きちんと財産分与の計算もできました。

これで、何の障害もなく、テレワークに集中できるからいいじゃないですか!とは、もちろん相手(夫)には言いませんでしたが、そうやって、奥さんと調停の帰りに話しながら帰った次第です。

なお、いったんDV等から逃げだした妻が、夫の元に戻る際の胸中は複雑です。

「反省しているみたいだから…」

「子供のこともあるし…」

「自分(妻)も少しは我慢しないと」等々、

前向きに考えるようにして、婚姻生活を続けようとします。

しかし、実際に自分に降りかかった災難ですから、過去は水に流し、何もなかったように婚姻生活を送る、というのは不可能です。

また、DV問題についての根本的な解決がなければ、家に戻っても事態が好転することはなく、取り返しのつかないトラブルが起きる可能性もありえます。

本当によくよく考えてもらいたいと思います。

離婚・男女問題の解決事例 13

これは、モラハラ・DVに当たりますか?当たるとした場合、いくらぐらい慰謝料がとれますか?芸能人たちは何で慰謝料が高いのでしょうか【事務所法人案件】

  • 生活費を入れない
  • 親族関係
依頼主 女性

相談前

自分なりに、インターネットや雑誌で見たところだと、夫の対応は、モラハラ・DVに当たると思うので、ある日、思い切って夫に言いました。

「あなたのしてることは、モラハラ・DVにあたると思う。」
「なので、もう止めてください。」
「これ以上続けられると離婚するしかないと思っている。」

と言っても、

「そうやって、なんでも騒ぐのは間違いなんだよ。」
「今の時代、なんでも、モラハラだ、マタハラだ、何ハラだって、おかしいんだよ」
「俺は、一切、暴力をふるったことはないし、浮気もしていない」
「裁判になったら、俺が100%勝つ」
「お前が慰謝料を払うことになる」
「そもそも、こんな痴話げんかみたいなものは、裁判所は取り合わないと思うけど。」
などとやり込められてしまいます。

とにかく、気に入らないことがあると、

・聞えよがしのため息(ハアー)
・舌打ち(チェッ)
・「使えねえなあ」、「普通の会社なら即クビだ」など従業員のような扱い
・(自分だって間違えることがあるくせに)私が何か間違えるとか忘れる※と、とことん詰問される
※振り込みや買い物をするのを頼まれていたのを忘れたとき等
・(私がニュースを見ていると)「専業主婦に世界経済って関係ないでしょ?」
・家族旅行等の計画を立てても、お店が閉まっていたり、道を間違えると、「段取り悪いなあ」「俺が金出しているんだからしっかりやれよ」
・ドアをバタンと閉めて寝室に籠る
・自分が気に入らないと机をたたく
・足で椅子を蹴る
等々、たしかに、直接殴られたりはしていませんが、わざと私や子供に精神的な緊張を強いるような行動をしたり、人格を否定するような暴言があります。

だけど、経済的にはたしかに、彼のお給与で暮らしているし、何かいい争いしてもすぐに「社会じゃそれは通らない」とか言われると、私も委縮してしまいます。

実際、一度、市の女性相談に行って、別れようかと思うと相談したところ、その担当の方から、

「別れてどうやって暮らしていくの?」
「離婚理由になるかなあ」
「大体、証拠があるの?」
「慰謝料なんて絶対に無理だよ」

等々、かなりきつめに言われてしまったことがあります。

ですが、子供も小学校の高学年になったし、私もパートぐらい始めようかと思って、仕事を探していたら、夫から、

「パートでいくら稼げんだよ」
「中途半端に仕事して家のこともこれ以上おろそかになると意味ないんだけど」
と言われてしまい、

「あなたのしてることは、モラハラ・DVにあたると思う。」
「なので、もう止めてください。」
「これ以上続けられると離婚するしかないと思っている。」

と言うことになった次第です。

市の無料相談でなくて、真剣に自分で弁護士を探すことにしました。

相談後

まずは、殴るけるだけがDVではないというのが、よくわかりました。

「直接加害だけがDVではありません。」
「『一切、殴ったりとか手は出していないので、離婚できない』という夫がたまにいます。」
「それどころか、妻までも、そう思いこんでいるケースが時折あります。」
「しかし、そんなことはありません。」
と断言してくれました。

 例えば、
  ①物にあたる場合
   ・テーブルをひっくり返したり、食器を壁にぶつけたり、
   ・ドアを蹴破ったり、携帯電話をへし折ったり、
   ・衣服を破ったり、車で猛スピードを出したり、等々

   こういった類はDVに該当するとのことで、夫の

   ・ドアをバタンと閉めて寝室に籠る
   ・自分が気に入らないと机をたたく
   ・足で椅子を蹴る

  こういう行為もDVに該当します、とのこと。

  ②暴言
    ・とにかく大声で怒鳴り散らす。
    ・「死んでくれ」、「いやなら出て行け」、「誰のおかげで生活できているんだ」、「1人で何もできないのに」等々の内容的にひどい発言

   こういった類はDVに該当するとのことで、夫の

   ・「使えねえなあ」、「普通の会社なら即クビだ」
   ・「専業主婦に世界経済って関係ないでしょ?」
   ・「段取り悪いなあ」「俺が金出しているんだからしっかりやれよ」

 こういう発言もDVに該当します、とのこと。

 ただし、慰謝料は難しいとのことでした。

私は、芸能人とか有名人の離婚のニュース記事等を見て、慰謝料が何百万とか何千万と書いてあったので、何千万という慰謝料も離婚裁判ではあり得るのかと思っていたのですが、もし、裁判になったら、そのような金額は出ないそうです。

もちろん、相手方が同意して払うということになれば、何千万という慰謝料もあり得るけど、芸能人の場合には、「慰謝料」と言いつつも「財産分与」であることも少なくないそうです。

そもそも、こんな暴力も不貞もない事件を裁判所が取り上げてくれるのかも心配になっていましたが、その点は、離婚理由は別に暴力と不貞に限定されているわけではないとのことで、安心はしました。

それで、結局、私は、今後の自分の人生を鑑みて、子供を連れて家を出ることにしました。

その際、私は、本当に世の中のことを何も知らなくて、正直、アパートの借り方も良く分からなかったのですが、全部、弁護士さんが教えてくれました。

また、市の福祉課も教えてくれて、いろんな手当てがあることも知りました。
生活面では、取り急ぎは、アパートを借りるけれども、正式に離婚になったら、市営住宅の優先枠があるようなので、そちらに申し込みをすることになりました。

さらには、子供手当も私の方に入るように手続きをしました。
夫は、
「子供手当分は養育費から差っ引くから」
などと言っていましたが、弁護士さんによると、その公的扶助は養育費に関係しないということでした。

慰謝料もなかったし、財産分与と言っても、さしたる財産もなかったために、養育費をもらうだけの離婚にはなりましたが、もう、あんな夫のあら探しを受ける日々と決別出来て良かったです。

それに、社会に出て働き始めて思いましたが、夫は言うほど別に偉くないなんじゃないか?ということも気づけて良かったです。実力がないから家で威張っていたんですね。


木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

「慰謝料を請求したい」、「慰謝料請求できますか?」、「慰謝料いくらぐらいになりますか?」とご相談にいらっしゃる方はたくさんいらっしゃいますが、そもそも、「慰謝料」の概念をあまり理解されていらっしゃらない方が多いです。

 慰謝料とは、相手方の行為によって、結婚生活が破綻した(ダメになってしまった)ことによって受けた精神的苦痛を金銭に置き換えたものです。

 もちろん、結婚生活がダメになってしまう理由は様々です。

 ・相手方の暴力・暴言
 ・性生活の不一致
 ・性格の不一致
 ・相手方の両親の問題
 ・経済的な問題
        等々、

 これらのうち、どれか1つ、あるいは、複数の要因により結婚生活を続けることが困難になる場合で、程度がひどい(悪い)場合に、慰謝料の問題になります。
 この場合の慰謝料を(離婚慰謝料)と言います。

 なお、離婚にならなくても慰謝料を請求できる場合もあります。

 例えば、相手方からの暴力によって、怪我を負った場合は、離婚云々と関係なく、暴力行為それ自体が不法行為・違法な犯罪である以上、これによって受けた精神的苦痛に対しては、慰謝料を請求できます。

 夫婦だから、とか、家庭内のことだから、とか関係ありません。

 「法は家庭に入らず」「民事不介入」とか誤った言葉の使い方により、家庭の中の問題がブラックボックスないしは治外法権状態になっていたのは昔の話です。
 今はそうではありません。
 暴力はそれ自体が犯罪であり、不法行為であるという当たり前のことが、ようやっと理解されています。これは家庭の中でも外でも変わりありません。

「単なる夫婦喧嘩に過ぎない」ということで、暴力がまかり通るなんて思っている人がいたらそれは大きな間違いです。

慰謝料の話に戻りますが、そして、暴力だけの慰謝料と暴力によって結婚生活がダメになってしまった場合の慰謝料との金額には若干差があります。

後者の場合は、理屈上は、暴力そのものの苦痛に加えて、離婚になってしまった苦痛もありますので、苦痛の程度は大きいと考えられます。

お分かりいただけますでしょうか?

前者 (暴力の慰謝料)
後者 (暴力の慰謝料)+(暴力によって結婚生活が破綻した慰謝料)

ということです。

ですが、では、前者の慰謝料は幾らですか?後者の場合にいくらプラスされるのですか?と聞かれても、ピッタリ計算してお応えを出すことは事前には難しいです。

(よくある回答だと思いますが、)

「額はケースバイケース」

です。事案により、また、裁判所(裁判官)により判断は異なります。

 ただし、具体的にご相談頂いた方に対しては、事情がある程度判明しておりますので、幅がある程度ありますが、相場的なところをお答えしております。

 しかし、「絶対いくらいくらです。」と断言できる弁護士はおそらくいないと思います。

 また、今はインターネット上で慰謝料の相場とか場合によっては慰謝料計算ソフトというものがあるそうですが、そんなものを見て

 「このケースでは○○円程度だと書いてありました」

とおっしゃる方がいますが、その場合には、それを書かれた方(弁護士なのか知りませんが)に相談して慰謝料請求を依頼してください、とお話しするようにしております。

離婚・男女問題の解決事例 14

夫の不貞ですが、夫は相手の女にたぶらかされただけだと思うので、相手の女にだけ慰謝料請求してもいいですか?後から、夫も追加することができますか【事務所法人案件】

  • 不倫・浮気
  • 慰謝料
  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
依頼主 女性

相談前

夫の不貞が発覚しましたが、相手の女性は、○○というキャバクラの女性で、夫はうまく利用されているとしか思えませんでした。

ですので、夫にはきつくお灸をすえることとして、反省を促し、今回のことは許してやってもよいと考えましたが、相手の女性は、夫に散々、お金を使わせていましたので、慰謝料請求をしたいと思いました。

ですが、そういう片方の女性だけを訴えるという事は可能なのだろうか?

それから、もし、夫が反省しないで、まだその女性に未練を残すような態度でしたら、追加で夫も訴えることも考えていましたが、そういう事はができるのだろうか?

その場合には、その後、どういう流れで進んでいくのだろうか?

そんな疑問がありましたので、一旦、同じように、旦那の不貞による慰謝料請求をしたことがあるというママ友に相談してみました。

ただし、ママ友の彼女の場合には、私の場合とちょっと事情が違っており、不貞と言っても、その相手の女性も結婚しており、その相手の女性の旦那さんも慰謝料請求をうちの夫に対してすることができるという状況でした。

それで、そのママ友は、相手の女性だけを慰謝料請求の対象にして訴えたところ、案の定、相手の女性の旦那さんも、ママ友の夫を訴えてきたそうです。

それで、裁判所から、お互い請求をしないということで和解しないか、ということを言われたそうで、相手の女性の旦那さんは、それでいいと、言ったのですが、ママ友は釈然としないからと断ったら、結局、同じ金額をそれぞれ支払うという判決になったそうで、裁判までやった意味が全くなかったそうです。

しかも、その時点では、ママ友は夫が反省しているようだったので、夫を訴えることはしなかったのですが、やはり、夫を許せなくなり、夫に対して離婚請求をしたらしいのですが、その時には、すでに相手の女性に対して慰謝料請求をして、しかも、その慰謝料請求の対象から夫を外していたので、もはや慰謝料請求は認められない、と裁判所から言われたらしいのです。

この話を聞いて、やはり、最初から夫も一緒に訴えないといけないのだろうか?夫と一緒に暮らしながら夫を訴えるなんておかしくないだろうか?

一体、裁判はいくつになるのだろうか?

そもそも、相手の女性は、夫が結婚していることを知っているのだろうか?

知らなかったらどうなるのだろうか?

等々、やはり、ママ友がいくら経験者だと言っても、ケースも違うし、手続きは全部、弁護士さんに任せていたっていうから、これは、私も弁護士に相談しないとダメだと思って、夫婦関係を多く扱っている弁護士に相談してみることにしました。

相談後

まず、夫を訴えるか訴えないかは、私次第という事でした。
当然ですよね。
ただ、夫を訴える場合と訴えない場合では慰謝料の額は変わるという事でした。
どういうことかと聞いてみますと、要するに、夫を訴えていないという事は、夫の不貞があったにもかかわらず、不貞が私たちの結婚生活に及ぼす影響がさほど大きくない、ということですので、うける精神的被害もそれほど大きくない、という判断になるそうです。

ところが、夫も相手の女も一緒に慰謝料請求の対象になっているということは当然ですが、もはや、夫婦関係も断裂しているということになるので、被害の程度が大きいと判断されるそうです。

そして、さらに、夫に対しては離婚請求等もなされているという事ですと、夫婦関係が破綻ということになりますので、これが一番、不貞による被害の程度が大きいパターンになるそうです。

なので、一番、最小の裁判の数にとどめるという事であれば、夫に離婚請求をして、そこに相手の女性もくっつけるというのが一番、裁判の数は少なくて済む、というお話でした。

重要なのは、やはり、私の気持ち、決断。

ただ、決断するには夫の気持ち、考えをただす必要がありましたので、夫には、相手の女性とのやりとりのLINEも含めて全部、見せるように言いました。
(これは、後々、女性との裁判でも必要になるそうです)

ところが、夫はLINE開示を拒否しました。

私は、
「はあ?何言ってるの?あなたが拒否しても女性を訴えたら女性側から開示されるんだから、今、見せて。」
と言ったのですが、夫は、

「そんなのはプライバシーの侵害だ。」
「大体、彼女を訴えるなんて話は俺は承諾していない。」
「彼女を訴えたら、こちらも大きな傷を負うかもしれない。」
「もう、終わったんだから、火に油を注ぐような真似はやめてくれ。」
「もし、彼女を訴えたら、俺は家を出る。」
などと言うではありませんか。

要するに、もう終わったんだから何もしないで黙っていろ、ということでした。

そこで、再度、弁護士に相談してみたところ、
「たしかに、夫婦関係を継続したいという事であれば、旦那を訴えるというのはしない方がいいかもしれない。」

「もちろん、今回の慰謝料請求ということで、旦那と相手の女性の連帯責任を追及することは可能ですが、相手の女性はキャバクラ勤めでどの程度の資産があるかどうか分からないし、給与の差し押さえも店を辞められたら意味がないです。」

「さらに言えば、もし、旦那と相手の女が口裏合わせて、相手の女が結婚しているとは知らなかったと言い、旦那も結婚していることを隠していた、と言われてしまうと、女性の方に請求することが難しい。」

「そうすると、旦那から慰謝料をとるということになりますが、もともと、家計の管理を奥さんがやっているのだとすると、別に裁判所を間に挟まなくても、給与の口座から慰謝料分を差っ引くという事になりますので、裁判費用はかける意味があるとは思えないです。」

ということで、冷静に考えると、お金の流れとしては弁護士さんの言う通りで、なんか
家計の財布から慰謝料払うとか意味がないし、相手が素性も良く分からない女性だし、お金を請求すると言っても、なかなかに難しいという事でした。

ですが、だからと言って、私の気持ちが落ち着きません。

特に、夫の発言中、
「もし、彼女を訴えたら、俺は家を出る。」
というのがどうにも許せませんでした。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

今回は、経済的な側面を重視して、奥さんは、子供が学校を卒業するまでは離婚はしない、相手女性への請求も2年間は様子を見る、ということになりました。
これはこれで一つのやり方です。

ただし、旦那に以下のことを約束させることにしました。

1 離婚届に印を押して妻に託す
2 家計については完全お小遣い制にして、夜、飲み行くことは会社関係以外は一切認めない
3 女性と不貞をしたことについての反省文に女性について知る限りの情報を書いて妻に提出する

これで2年間様子を見ます。

なぜ2年間なのかというと、不貞行為というのは、民法上、不法行為なのですが、不法行為に基づく慰謝料請求権は3年の消滅時効にかかるのです。

つまり、逆に言えば、3年間は慰謝料請求する権利が存続します。

夫も今は反省していると言っておりますが、2年間、奥さんに経済的に管理された生活ができるかどうかは不明です。
(おそらく、できない可能性が高いとみております)

それで、もし、夫の態度が芳しくなければ、改めて女性に対する慰謝料請求をするということでした。
その際には、今のお店を辞めているかもしれませんが、それでも、慰謝料請求するとのことでした。

なお、慰謝料請求と裁判管轄について述べておきます。

離婚請求事件というのは、夫婦間の問題ですので、家事事件に分類されます。

そして、家事事件についての裁判は、家庭裁判所において扱わなければならないということになっております。

離婚慰謝料を請求する場合には、離婚に付随する請求ですので、離婚請求と同時に請求される場合には、家庭裁判所において行われます。
(なお、離婚請求をする場合にはあわせて離婚慰謝料を請求するケースがほとんどですが、必ずしも同時にしなければならないというわけではありません。)

他方、例えば、不貞行為の慰謝料請求のように、離婚とまではいかないけれども、配偶者とその不貞相手を訴える場合には、単なる不法行為に基づく損害賠償請求という扱いになり、管轄が家庭裁判所ではなく『地方裁判所』というところで扱われます。

したがって、当初は、不貞に基づく慰謝料請求をなしたが、その後、いろんな事情で配偶者と一緒にはやっていけないと考えて離婚請求も起こしたいということですと、裁判が2つ係属することになります。

最初に訴訟を起こす時点でよく検討する必要があります。


そして、不貞慰謝料請求の相談で極めて多く寄せられる質問に、「慰謝料は幾らですか?」というものがありますが、幾らかどうかの前に、一体、お金がどこから出てくるのだろうか?ということを検討した方がよいです。

夫から、

「慰謝料とってやった」

と言っても、その分、家計の貯蓄や生活費が減るんではあまり意味がないですよね?

また、

「慰謝料裁判で、300万円の慰謝料が認められた」

ということであったとしても、相手が金を持っていなければ、その裁判の判決は単なる紙切れです。

ただ、

「慰謝料請求なんて無駄だから、夫婦でお互いよく話し合って…」

などということを言っているわけではありません。

要するに、やっていることが無駄にならないように、よく検討する必要があるということです。

友人同士で無責任に

「それは絶対、慰謝料請求できるよ」

等というのは、一見優しいですが、何の解決にもなりません。

とは言え、裁判の見通しを一人で悩んでも仕方がないので、まずは専門家に相談してみて下さい。

離婚・男女問題の解決事例 15

子供を連れていかれてしまいました。おかしな言いがかりをつけられて返してもらえません。どうやったら引き渡してもらえますか?子供の親権は私がとれますでしょうか?【事務所法人案件】

  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
依頼主 女性

相談前

私は仕事に夜勤があるので、夜勤の日は夫に子供の面倒を見てもらっていたのですが、本当に、ある日、突然と言いますか、家に帰ってみたら、置手紙がしてありました。

書いてあることもあまりに唐突で訳が分かりませんでした。

・私が会社の同僚と不貞をしている
・子供は俺(夫)が実家で育てる
・親権を争わないなら慰謝料請求しないが、争うなら慰謝料も請求する
・財産分与と言っても子供の学資保険ぐらいなのでそれはこちら(夫)がもらう
・養育費は相場通り払う事

そういう内容でした。

全く、何を言っているんだろう、という感じです。

そもそも、私が同僚と浮気なんて、そもそも誰のことかもわかりません。

完全に言いがかりです。

しかも、子供を連れ去るなんて酷すぎますので、すぐに、警察に連絡しました。

しかし、警察の方は、

「誘拐って言っても、父親で別に親権が決まっているわけでもないんですよね?」
「しかも、ご主人の実家に子供を連れて帰っただけだと言われると警察としてもそれ以上どうこう言えないんですよね。」
「こういうことは弁護士さんに相談したもらうしかないんですよね。」

ということで、取り合ってもくれませんでした。

ひょっとすると、夫の置手紙を見せて、私が不貞していると誤解されてしまったのかもしれませんが。

いずれにせよ、このままではどうしようもないので、慌てて、親に相談したところ、親が同級生だという弁護士さんを紹介してくれたので、早速、この件をお願いしました。

なんか、父と同年代なので、頼もしいような気もしたのですが、どうも、こちらの話をしても、反応が薄いというか、落ち着きすぎているような印象を受けたのですが、ベテランだろうと思って全てをお任せすることにしました。

その弁護士さんによると、
「ご主人はあなたが不貞していると誤解しているから、その誤解を解かなければいけない。」
「誤解がとければ、また元のようにやっていけるでしょう。」
とのことで、まずは、私自身が連絡をとって話し合う機会を持った方がいいと言われたので、電話連絡してみました。
ところが、
「何の用?」
「離婚届けは準備できたの?」
「養育費なんだけどさあ」
等というので、

「ちょっと待ってよ。勝手に話を進めないで。」
「不貞って何のこと?」
「変なこと言わないで連れて帰ってきて。」

と言うと、嘲笑うかのように、

「はいはい。」
「まあ、そういう感じになるんだろうね。」
「あのさ、○○ちゃんのそういう話に付き合う気はないからね。」
「大人しく離婚届け書いて来て。」
「俺も慰謝料とか請求したいわけじゃないからさ。」

と一方的に話をされて、終わりにされてしまいました。

そこで、このやりとりの結果を報告しようとしたところ、夕方5時過ぎになってしまって、その先生の携帯番号も分からないし、じりじりしながら翌日の朝になるまで待って、朝一番に連絡しました。

そうしましたところ、その先生は、

「うーん。電話だけじゃ無理じゃないかな。」
「なんで誤解したのか知らないけど、やはり、ここは一つ、向こうの実家に行ってお話ししないと難しいのではないかな。」

というので、つい、

「あのう。あの調子ですと、わざわざ彼の実家に行っても、入れてももらえない気がするんです。」
「先生から夫にお話ししていただくというわけにはいかないのでしょうか?」
と言うと、先生は、
「じゃあ、私から手紙を書くので、その打ち合わせを来週あたりで・・・」
というので、もう無理だと思い別の弁護士を探すことにしました。

相談後

紹介してくれた父には、悪いと思いましたが、あの調子だと、いつまで経っても、子供が返ってくる気が全くしなかったので、自力で探した弁護士に相談しました。

そうしましたところ、
「時間勝負なので、やりとりは無駄」
「最短だと、今日中に準備して明日にでも仮処分の申し立てを出さないと、もう、10日間もロスしているよ。」
「依頼について検討したいというのなら、2日で決めてください。」
「時間が経つとどんどん難しくなるんです。」

と言われました。

そんな会ってすぐに、そんな決断迫られても、本当にこの弁護士でいいかどうかも分からないし、着手金って言っても、すぐに用意できるかどうか分からないし、と躊躇しましたが、それを察したのか、

「まあ、急にそんなことを言われても、また、この弁護士も違ったな、とか思うかもしれないですもんね。」
「だから、じゃあ、3日だけお待ちします。」
「それを過ぎたら、その年配の弁護士先生にお任せしてやってもらっても同じかもしれないです。」
「あと、断りずらいなと思ったら返事もしなくて大丈夫ですから。」
と言われました。

私も時間勝負だとは思っていたのに、いざとなると決めきれない自分に嫌気がさしてましたが、
「1つだけ聞いてもいいですか?」
「先生は、子供の引き渡しを今まで何件やりましたか?」
「どのくらいの確率で成功しましたか?」
と失礼かもしれないと思いつつ、聞いてみました。

「7件。1件はダメだった。別に言い訳するつもりはないけど、時間がすごく経ってからの介入で、高裁まで争ったけど、ダメだった。本当に無念だけど。」

ということでした。

ただ、成功の確率よりも、無念、というのが本当に無念そうな感じに見えたので、その日のうちに先生にお願いすることにしました。

実際には、翌日ではなく、さらにその翌日になってしまいましたが、子供の引き渡しを求める審判・仮処分というのを申し立ててもらいました。

その審判の第一回目。
相手方の夫にも弁護士が付きました。
女性の弁護士で見た目は母と同年代ぐらいかと思われましたが、私や私の先生のことをものすごい形相で睨みつけていました。

そして、裁判官は男性でした。
裁判官からは、冒頭、
「申立代理人、どうして審判を申し立てるのにこんなに時間がかかっているのですか?」
と質問がありました。

私は、正直、驚きました。
私にしてみれば、子供を連れ去られて、親に相談して、弁護士さんを紹介してもらって、打合せをして、夫に連絡して、ということで、自分なりには焦って行動していたつもりだったのに、裁判所から見れば、

「どうして審判を申し立てるのにこんなに時間がかかって・・・」

って映るんだ、と改めて時間の大事さを思い知りました。

ただ、先生は、顔色一つ変えずに、当初依頼した代理人が思うように動かず、しかも、代理人を付けた以上は、勝手に動いてはいけないと思って動けなかった等々の説明をしておりました。

その後、裁判所から調査官という人が自宅にやってきて、一緒に暮らしていた時の状況や母子手帳を見せながら、子供の発育の状況、夫が言っている不貞については本当に心当たりすらないことをお話ししました。

弁護士先生も一緒に同席していただき、私としては、調査官に理解してもらえた気がしました。
なお、事前に、弁護士先生からは、こういうことを聞かれるという事で想定問答もして頂いておりましたが。









木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

結果、本件は、調査官による調査報告書が出た段階で、相手方代理人から、ここまで言うのかあ、という調査官を大バッシングする調査に対する意見書が提出され、これについてさらにこちらが意見書を出すという作業がありました。

もちろん、意見が真っ向から対立しているので、折り合いがつくはずもなく、もはや裁判所の決定を待つという状況になっておりましたが、突然、こちらの方に相手方代理人からFAXが入り、

「ひどい調査報告書を読んで依頼者(夫)が精神的にやり切れなくなったということなので、子供を引き渡します。下記の場所にて受け渡しをしたいので、都合の良い日時をご連絡ください。」

相手の夫も訳が分からないですが、相手の代理人も訳が分かりません。

日時の連絡を電話でする際に、

「『ひどい調査報告書を読んで依頼者(夫)が精神的にやり切れなくなった』ってどういう意味ですか?」

と聞いたら、またすごい剣幕で、

「別に裁判で負けると思ったから引き渡すわけではないですからね!」

「これ以上、不公平な裁判に付き合うのが依頼者の方は馬鹿馬鹿しくなったということです!」

「お宅らは、子供が返ってくればなんでもいいと思っているんでしょ!」

って、怒り方が尋常ではありませんでした。

夫の親戚か何かだったのでしょうか?(聞きませんでしたが)

そういう次第で、無事、子供が返ってまいりました。

ですが、その後、今度は離婚請求がなされました。
理由は、やはり、妻の不貞です。

相手は特定されておりません。
ですので、立証も何もないとは思ったのですが、

・夜勤だと嘘をついて家に帰ってこなかった
⇒夜勤です。シフトが直前で変わることがある。

・歓送迎会だと嘘をついて男と飲みに行った。
⇒歓送迎会です。多い時期もあるのですが。

・電話がかかると別の部屋にいなくなる。
⇒仕事の電話なので、雑音を避けるためです。

ということでした。

ただ、離婚は、もう妻も一緒に生活する気がとっくに失せてしまったので、離婚は同意しました。

そして、親権も当然に認められ、親権が認められればこれまた養育費も認められるはずでしたが、相手は実家に帰ってしまい、精神を病んだという事で、診断書を提出し、そのまま、実家引きこもりになってしまったため、おそろしく養育費が低額になってしまいました。
相手はゼロを主張していましたが、さすがに裁判所もそれは認めませんでした。

そして、そんな引きこもりなら、面会交流はできないですね、と言ったら、なんと、

「それとこれとは別だ」
「子供に会うのがリハビリだ」

などと、すごい主張を展開してまいります。

そして、ここから、今度は面会交流をめぐるバトルに突入していくことになりました。

結果としては、子供はセラピーの道具ではない、ということで、当面は、面会交流は認められないことになりました。

いずれにせよ、元奥さんの家と元旦那の家は遠いですから、元旦那が会いに来ないといけないのですが、精神を病んでいるのにどうやって会いに来るのか、ひょっとして養育費を支払いたくないので詐病なのか、というと、相手方代理人はまたヒートアップしておりましたが、皆、口に出さないだけでそう思っていたと思いますよ。

結語ですが、とにかく、子の引き渡しは時間との勝負です!

離婚・男女問題の解決事例 16

親権と養育費だけはきちんと確保したいですが、夫は、頑として親権を認めてくれません。夫の両親も総がかりで私を責めてきます。親権はどのように決まるのでしょうか?【事務所法人案件】

  • 養育費
  • 親権
  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
  • 借金・浪費
  • 親族関係
依頼主 女性

相談前

5年前に、一度、夫の不倫が発覚したのですが、夫が一応は悪かったと反省したのと、子供が小さかったのと、私も経済的に子供を引き取り一人で育てる自信がなかったのと、ちょうど当時、実家で父の体調が悪くて娘の私のゴタゴタで心配かけたくなかったというのがあり、その時はやり直しの道を選びました。

ところが、なんと言いますか、今度は、私の方が不貞をしてしまいました。

別に、開き直りをするつもりはないのですが、最近、仕事を始めて、その仕事の悩みを当初は夫に相談していたのですが、パートだからとバカにするような発言が多く、その時に、昔からの友人であった彼が同じ目線で話を聞いてくれるので、話をしているうちに不貞になってしまいました。
(もう、きちんと別れてはいます。)

夫や夫の両親は、

・男の不貞と女の不貞は訳が違う
・自分(夫)の場合には、当時、仕事上のストレスがあったのに家庭内で癒されなかったからだ
・お前(私)には、夫を敬う気持ち、夫に感謝する気持ちが足りない

など、自分(夫)のことを棚に上げて私のことばかりを責めるので、私もなんだか、素直に反省だけする気になれませんでした。

そうしましたところ、夫から、

・そもそも、今回のことがあろうがなかろうかお前(私)とは無理だと思っていた。
・離婚する。
・子供は俺(夫)が実家で育てる。
・お前(私)はどうせすぐに男を作るだろうから親権は渡さない。
・養育費もいらないし、慰謝料もいらない。
・財産分与はしない。
・今の家は売って住宅ローンを返済する。
・住宅ローンを返済して余りがあれば、俺(夫)がもらう。
・住宅ローンが売却代金で払えない場合には、俺(夫)が払う。

という内容でした。

私も、お金のやりとりをどうこう言うつもりはもちろんないですが、子供は譲れませんし、養育は支払ってもらいたい、と言いました。

しかし、夫の母親(義父)が出てきて、

・あんた(私のこと)、男作っておいて、そんなこと言える立場じゃないでしょ!
・子供(孫)が可哀そう。
・子供(孫)はうちの唯一の直系だから、息子(夫)が引き取るのが当然。
(夫は一人息子(長男)で、かつ、うちの子は男の子1人)

離婚の他の条件は飲んでも構いませんが、親権と養育費だけなんとかならないだろうか?

そういう思いで一人で悩んでいましたが、調べれば調べるほど、私が不貞してしまったという事が理由で親権を取られてしまうような記事ばかり見つかりました。

そこで、弁護士に相談しようかとも思ったのですが、不貞したことを怒られるのではないかと気がかりで、なかなか、実際に相談を申し込むという事ができませんでしたが、たまたま、似たような事例を書いてある弁護士さんを見つけたので思い切って相談してみました。


相談後

弁護士さんによると、もし、夫が離婚そのものを承知しない、という場合には、こちらから離婚を申し入れても、離婚それ自体が難しく、親権ないしは養育費の話にまでそもそも進まないけれども、夫から離婚を言ってくるのであれば、親権は大丈夫じゃないか?そして、親権が認められれば必然的に養育費も大丈夫、と言われました。

有責配偶者といって、不貞の当事者から離婚を請求しても、裁判になればそれは認められないとのことでした。
ですが、有責配偶者だから、親権が認められない、という理屈は当然には認められないそうです。
ですが、夫ないしは義母が言うように、すぐにほかの男と暮らして、子育てがおろそかになるのではないか?とか、そういった点は、もし、そういうことがあるのなら問題になるそうです。

ですので、問題は、子の養育環境としてふさわしい環境を提供できるかと、もう一つは、やはり、子供の意向だそうです。

そして、実際には、私は、子供を連れて実家に帰ることにしました。
実家に帰った理由は、義母です。

義母が近くに住んでいて、それこそ離婚話が持ち上がってからは、毎日のように、家にやってきては、2人がかりで私を責めるので、精神的に耐えられなくなったからです。

そうしましたら、夫の弁護士から、内容証明が届きました。

ところが、その内容を見ると、

・夫は離婚する気は全くない
・子供を連れだしたのは不当だ
・離婚する気がないのだから子供を連れて自宅に帰るようにしないと慰謝料を請求する

というものでした。

そこで、私も自分の手には負えないし、帰るべきなのか否かも判断がつかないので、弁護士さんに正式に依頼することにしました。

弁護士さんに

「帰った方がいいですか?」

と聞くと、

「おそらくですが、あなたが子供を連れて帰ると、今度は、隙をついて、夫の方が子供を連れて実家に帰ってしまうでしょう。」
「離婚しないというのは、多分、言っているだけです。」
「向こうの弁護士もこのまま離婚協議・調停に突入すると親権確保が難しくなるから、一旦、あなたをおびき寄せる作戦です。」

「もちろん、私が意地悪な見方をしているという可能性もゼロではなく、夫は、やり直したいと考えだしたのかもしれません。」

と言われてしまい、当然ですが、私が帰るか帰らないか、最終的には決断しなくてはならず困りました。

ただ、もともと、私は毎日のように義母が押しかけてきて、夫と一緒になって、責め立ててくるのが辛くて家を出たのであり、それは、私が戻っても何も変わらない気がしました。

「もし、このまま、私が家に戻らないと、どうなりますか?」

「そうですね。夫側が離婚しないという立場を示しているので、離婚の手続きをこちらでどんどん進めるというわけにはいきません。」

「まずは、あなたが家に戻れない理由を示して、当面の間、別居するので婚姻費用を支払ってくれ」というのがいいのではないでしょうか?

「私は、自分の側からお金を請求する気はありません。」
と言いましたが、弁護士さんは、

「あなたの分ではなく、子供の分です。しかも、これも請求しないとなると、ますます、話が長引くかもしれません。」

と言われ、そういうものかと婚姻費用を請求してもらいました。

夫側弁護士は、自分で不貞して、自分で子供を連れて家を出ておきながら、金を請求してくるなんて図々しいにもほどがある、と激怒していたそうです。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

夫側の弁護士もこちらが不貞しているので、こちらで主導権を持って手続きを進められないのは分かっているために、離婚拒否の姿勢をしめしてきたもので、離婚が請求できない以上、調停をこちらからおこしても効力がないと思い、離婚調停は起こしませんでした。

また、離婚させてくださいとも、特に申し入れもしませんでした。

ただ、婚姻費用は激しく争ってきました。
そして、婚姻費用の点だけで調停・審判になりました。

こちらは、むしろ、調停・審判になって良かったです。

調停調書・審判書があれば、いざという時に、給与の差し押さえがすぐにできるようになるからです。
ですので、中途半端に、金額で合意ができてしまって、支払われなくなったら、またその時から調停をおこさなければならなくなるので嫌だなあと思っていたら、相手方代理人は、支払わない、と言ってきたので、即、婚姻費用分担請求の調停を起こしました。

なお、この婚姻費用分担請求の調停はスピードが大事です。
なぜなら、審判が下される場合であっても、支払い開始時期は、調停申して立て日を基準とされるからです。

相手方は専ら、妻が一方的に悪いという主張をしていましたが、5年前の夫の不貞、それを棚に上げての義母とつるんでの妻への精神的圧迫を訴えて、婚姻費用は認められることになりました。

そして、その後は、面会交流の申し入れが来ました。

子供に会わせろ、という申し入れはずっと来ておりましたが、こちらとしては、子供がそのまま連れ去られるのを警戒しておりますので、

・面会交流は双方の代理人が同席か、
・FPIC等の第三者機関を通しての面会交流、
でないと認められない旨の回答をしておりました。

相手代理人は、それでは十分な面会交流ができない、連れ去りなんてするはずがない、と言って、頑として、父と子だけの面会交流を要求して譲りませんでした。

そこで、それならと、妻の監護権を認めるなら父子だけの面会交流を認める旨を提案しましたが、それには一切の回答がなく、

「子の引き渡しを求める審判」

が申し立てられました。

そして、正式に、裁判所の調査官が妻の実家にやってきて、現在の子供の生活状況や別居に至る経緯、そして、妻のこれまでの子供の養育状況、実家の両親がどれだけサポートしてくれるのか等が調査されました。

調査官意見としては、特に今の生活上、子の福祉に関して支障が出ているとは思えないというものでした。

そして、裁判官からは、
「父子だけの面会交流を認めろ」
「そしたら監護権は(妻に)認める」
というものでした。

そこで、監護権が認められるのならと、父子だけの面会交流を認めると回答したところ、相手方代理人は、
「父子だけでなく、義母も認めろ」
と言ってきたので、
「それは趣旨が違う」
と争いましたが、
裁判官が今度は
「義母も認めてもいいではないか」
「義母が万が一連れ去ったら、そもそも誘拐になる旨をきちんと釘をさすから」
と言ってきたので、
「連れ去りだけではなく、面会交流中に子供に母親の悪口を言わないとか、細かい規制をしないと認められない」
旨述べて、いろいろ、条件についてやりとりした結果、面会交流を実施することになりました。

なお、結果ですが、これを2年間ぐらい続けたのちに、向こうから離婚調停・離婚裁判が申し立てられ、慰謝料も請求されましたが、財産分与があったので、多少の解決金をもらって無事、離婚となりました。

離婚・男女問題の解決事例 17

家事育児をほぼ半分でやってきたため、妻である私が親権とれるというわけではなさそうです。私は子供と離れたくありません。養育費もいらないのでなんとか親権をとれませんか?【事務所法人案件】

  • 親権
  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
  • 親族関係
依頼主 女性

相談前

離婚することになりました。
子供は1人でまだ保育園です。

通常の家族と違うかどうかは分かりませんが、うちの夫婦は共働きという事もあり、ほぼ完全に家事育児は分担されていると思いますし、家計についても、私と夫が同額を家計支出口座と呼んでいる夫名義の口座に入金して、そこから生活をまかなうようにしております。

なお、私と夫の収入は、最近は確認しておりませんが、ほぼ同等で、若干、夫の方が収入が高いぐらいです。

夫は、フリーランスではないのですが、かなり時間的に融通が利く勤務形態であるため、保育園の送り迎えは、夫の役割となっています。

また、食事の用意や掃除・洗濯等は、曜日でほぼ半分になるように取り決めしており、都合が悪い日は、どこかを交代するような感じで帳尻を合わせています。

家計に支出後は、残りの金額をどのように使うかは自由という約束になっております。

ですので、家計支出後、貯金してもいいし、投資みたいなことをしてもいいし、保険に入るか、あるいは好きなものを買うか、という話にて約束済みです。

そのため、私がどれだけ貯金しているか、とか、何を買っているか、とかは、夫も知らないですし、私も、夫の残額の使い方について干渉したこともありません。

私たちは、なるべく夫婦生活ないしは家族生活に問題が生じないように、いろいろな事項について、結婚する際に取り決めをして、それなりに、うまく機能していたと思うのですが、そのいくつかの条項について、夫が違反し、私が怒りはしないけれども、そんことを指摘すると、

「こういうのって、結婚とは言わないのではないか?」
「なんか、あら捜しをされている気がする」
「これなら、ロボットと暮らせばいいんじゃない?」

などと言われてしまい、大変ショックを受けました。

もともとは、私は、別に今の職場にどうしても勤務し続けたいと言ったわけではなく、むしろ、

「この子が小学校に入るぐらいまでは私は仕事を休んでもいいよ」

と言ったら、

「いやいや、そしたら、家計の収入が半減しちゃうでしょ。」
「なんで、僕一人の給料で、妻子を養わないといけないの?」
「そういうの不公平って言うんだよ。」
「僕だけが働いて、わずかなお小遣いだけもらって、趣味も楽しめないなんて嫌だから
ね。」

と言ったから、出産して間もなく、職場復帰して、今日までやってきたのです。

たしかに、夫は、その分、家事育児は等分になるようによくやってくれたとは思います。ですが、様々なルールを決めようと言い出したのは、むしろ、夫の方なのです。

なのに、今更になって、

「息苦しい」
とか
「俺(夫)は機械じゃない」
とか
言われても私も納得いきません。

それで、結論としては、離婚することになったのですが、夫はこのような提示をしてきました。

1 お互いにお金の請求は一切しない(養育費も含めて)
2 子供は夫が引き取る
3 私と子供は月1回面会交流を行う

私は、子供については自分が引き取るつもりでしたので、そんなことは到底納得できないと反論しましたが、夫が言うには、

・夫の方が収入が高い(そして養育費も請求する気がない)
・夫の方が時間の融通がきく(現に、保育園の送り迎えは夫がしている)
・面会交流も通常通り認めている
・家事育児能力も妻に劣らず備えている

等々の理由から、万が一、裁判とかになっても、自分(夫)に認められるだろうから、抵抗しても無駄だ、

というのです。私も、そう言われると返す言葉もなく慌てて弁護士に相談しました。

相談後

弁護士さんからは、冒頭、どういうつもりで相談に来たのか?と言われました。

つまり、
「親権をとりたい、親権が欲しい、離婚は構わないが、親権は絶対に譲れない。」
という相談に来たのか、それとも、
「弁護士さんの見解を聞いて、夫が親権者にふさわしいということであれば、夫に譲るつもりで」
相談に来たのか、ということでした。

弁護士さんによると、

「父母いずれであるかを問わず、子供がかわいいですから、かかる要求はかなり切実なものがあります。」

ですので、

「相応の覚悟がないと、親権をめぐる今後の争いを耐えられないかもしれません。」

「『親権は欲しいけど、あんまり揉めたりとか、裁判とかは嫌なんです』とか言う方が多いのですが、そういう方は、『どんなに揉めても、裁判やってでも親権を取りたいです』という相手には負けます。」

「弁護士に依頼したから、あと家で待っていれば親権が来るだろう、と思っているのならそれは大きな間違いです。」

「なので、どういう意向なのかを固めてもらえますか?」

ということでした。

私の覚悟が固まっていないように見えたのか、私が子供のことを軽くとられていると思われたのか、そのように言われてしまいました。

ですが、改めて、自分はどんなことをしても、今後、子供と暮らす以外の生活を考えられませんでしたので、その決心を伝えました。

弁護士さんによると、協議離婚で、双方が話し合いで決めれば、そこで決められた方が親権者になりますが、定まらなければ調停・裁判で決着を図ることになります。

問題は、親権決定の基準です。

どのような基準で定まるのかということですが、抽象的には、子の福祉を考慮して、
つまり、子供にとってどちらがいいかということを考えて決めるということになっています。

具体的には、
・経済状態(おもに収入面)
・居住環境
・教育環境
・子に対する愛情
・子供の世話をする意欲
・心身の健康状態
・過去の養育の実績
・養育にあたっての他の親族のサポートの状況
・子の年齢、性別
・子供の意思
等々を勘案して、どちらがいいかを総合的に判断するとのことで、弁護士さんと一緒に、

・経済状態(おもに収入面)
・居住環境
・教育環境
・子に対する愛情
・子供の世話をする意欲
・心身の健康状態
・過去の養育の実績
・養育にあたっての他の親族のサポートの状況
・子の年齢、性別
・子供の意思

について、私と夫とでどちらがどうかを弁護士さんと一緒に検討してみました。

そうしましたところ、別に私の方が優れているとも思えませんでしたが、私の方が劣っているとも思えませんでした。

そこで、どうするかを考えたときに、弁護士さんからは、やはり、夫が有利な点というのは時間の融通が利くという点でした。

ですので、

1)仕事を時間の融通が利くものに変える
  ※収入が下がっても構わないから

2)実家に帰って、実家のサポートを受けるようにする
 
という提案を受けました。

ただ、仕事を変えると言っても、次に見つかる保証はない、とか、実家については、基本的に夫婦の離婚のことなので両親を巻き込みたくない、あと勤務先が遠くなる、と述べたところ、

「ほらほら、そういうことなんです。」
「子供や親権の話をしているのに、そういうことを言い出すと選択肢がどんどん狭まっていくんですよ。皆さん、そうなの。だったら、親権よりも近い職場を優先するの?」

と言われてしましました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

よくあるお話ですが、優先順位をきちんと自分の中で固めていないと、いろいろな対応を考える際に、基準がブレブレになってしまいます。
そして、何はともあれ、親権、と覚悟を決めている相手に負けてしまいます。
この子のためなら、この子だけは、と 口だけでは何とでも言えます。

ただ、実際の場面になると、それはちょっと、あれはどうでしょう、などといろんなものを考慮しだして何もできなくなります。

今回の方も、夫に言われたから心配なんですがどうなんでしょうか?とあまり切迫感を感じなかったので、万全の態勢で臨むために、あえて厳しいことも言ってみました。

ただ、結果としては、ちょっと変則的ですが、ご両親の全面的なバックアップの元、広めの借家を借りて、分厚いサポート体制を準備して、即座に、監護者指定の審判を申し立てました。

親権とは、漠然と、子供を引き取って育てる権利と考えている方が多いですが、

①民法820条には、

「親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。 」

という規定があり、これは監護権と呼ばれることもあります。

他方、

②民法824条には、

「親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。」

という規定もあり、これは、純粋に親権の内容です。

親権者は、①、②の双方をひっくるめて権利を持つのですが、両親が別居する場合には、子供の身体は1つですから、どちらが監護するのか?という問題が出てきます。

つまり、親権者である=監護権者である、というのが通常の状態なのですが、別居する際には、父母いずれか一方は、親権者(共同親権)であるけれども、監護権を持たないということになるのです。

では、なぜ、早々に監護者指定の審判を申し立てたか?というと、夫が子供を連れ去ってしまうのを防止するためです。

普段、保育園の送り迎えが夫という事もあり、夫がそのまま、例えば、夫の実家に連れていかれる危険性もありました。

そして、そちらで一定期間、監護されていくと、監護者指定には、現状維持の原則が働くので、夫に監護権が認められ、ひいては、夫に親権が認められる、ということがあり得たからです。

こういうことを防止するために、監護者指定の審判を申し立てておけば、審判でどちらとも決まっていないのに一方が他方の承諾なく連れ去ることは、間違いなく、監護権喪失の理由になるので、連れ去らせないことにつながるのです。

なお、それなら、親権を決める際に、夫に親権は認めるけど、監護権をこちらに譲ることで合意すればいいのではないか?と思う人がいるかもしれませんが、親権の争いは、

【子供と実際に離ればなれになるのが嫌だから】

という心情に基づくものです。

②の親権はそちらに譲りますので、①の監護権はこちらが頂きます、というような条件で丸く収まるというケースはほとんどありません。

また、今回は、奥さんも養育費も何もいらないから、親権(監護権)を獲得したいということでしたが、監護者指定の審判で監護権を認められたのちの離婚調停ではきちんと養育費も請求しました。

だって、親権が手元に入ったのですから遠慮する必要はありません。
もらえるものはもらっておきます。

また、離婚調停も早々にこちらから起こしました。

監護者が決まっていたので離婚の他の条件はひょっとしたら協議で解決したかもしれませんが、養育費不払いの危険性もあったので、調停調書にして、いざというときには強制執行できるようにしたかったのです。

離婚・男女問題の解決事例 18

とにかく、夫はお金は1円も支払いたくないと言い揉めています。未成年の子供はいません。住宅ローンのついた家と夫の退職金はどういう風に扱われますか?財産分与できますか?【事務所法人案件】

  • 離婚回避
  • 借金・浪費
  • 親族関係
依頼主 女性

相談前

もう、こども2人も社会人になりましたし、今まで、散々、夫のわがままにつきあってまいりました。
私も、人生の後半期に突入しましたし、これからは私のやりたいこともありますので、離婚することを決意し、夫にその旨告げたところ、

「離婚したけりゃ、いつでもハンコついてやる」
「ただし、金は1円もやらんぞ」
「お前たちには散々、贅沢させてやったはずだ」
「贅沢な生活をこれまでできたのは俺と結婚したからだ」
「普通のサラリーマンがこんな家を建てたり、海外旅行にしょっちゅういけると思うのか?」

などなどエラい言われようでした。

ですが、私なりに調べたところ、たとえ、専業主婦であっても、結婚後に建てたこの家の半分や、この家の貯金の半分は私のものでもあるはずです。

夫婦喧嘩になるとよく
「この家は俺のものだ」
「この家は俺が稼いだ金で買ったものだ」
と、私が専業主婦だからとバカにして本気で夫はそのように言います。

しかし、名義が夫名義であるとか、役員報酬を稼いでいるのが夫のみであるから、全部夫のものになるというのは納得いきません。

私だって、夫はほとんど家にいませんでしたから、夫の留守の間、ほとんど母子家庭状態で、子供を育ててきました。

それは実質共有財産であるので、分与の対象となります。
それこそ、サラリーマンのように夜必ず帰るなんて生活をしていたら、今の仕事はうまくいかなかったはずです。

さらには、夫は会社の役員ではありますが、別に社長でも株主でもありません。
雇われの取締役です。

友人の会社の役員に頼まれてなってやってるという言い方をしますが、その実、頼みこんで役員にしてもらっているのです。

このことは以前、物凄く彼の逆鱗に触れたので、もう口に出して言いませんが、夫のお父さん(義父)の世話になった方が独立して成功を収めて、それを恩義に感じたその方が夫を役員にしてくれているのであって、夫の実力であるとは思えません。

さらに言うと、夫と会社の社長さんは歳は近いですが、友人でもなんでもありません。
そのくせ、家の中では、

「あいつは社長の器じゃない」
「理想ばかりで現実が分かっていない」
「現場知らないのに紙の上だけで話をしている」

など、散々に悪口を言っています。

そういうのを聞くのも不愉快です。

さらに言うと、家を買ったと言いますが、たしかに、世間相場から言えば少し高い家なのかもしれませんが、まだ、住宅ローンも残っております。

ですので、ここからが私が自分で調べてみてもよく分からないところだったのですが、住宅ローンがある場合には、家も住宅ローンも2分の1になるのでしょうか?

そうすると、離婚した後は、私も自分でローンの半分を銀行に返済しなければならないのでしょうか?

それから、もし、私がこの家はいらないから現金で頂戴と言えば、夫からこの家の値段の半分を現金でもらうことができるのでしょうか?

正直言って、家自体にはもう何も未練はありません。
子供と過ごした思い出はありますが、1人で住む気にはなりませんし、一戸建ては管理が大変なので、小さくても、離婚後はマンションに住みたいと思っています。

また、退職金については、退職金が出る前でも財産分与の対象になるという記事をみたのですが、実際に退職金が出ていない状況でどうやって支払ってもらえるのでしょうか?

そのあたりが分からないので、市の女性相談に行ったのですが、時間が短く、次はまた来月で弁護士も同じ人ではないと言われてしまったので、自分で弁護士を探すことにしました。

相談後

まず、住宅ローンの残債がある不動産の財産分与については、残債があるといっても、
それを売却した場合に余剰があるケースにおいては、基本的にその余剰分を半分ずつ分ける、というのが通常だけど、一方が売却したくない、という場合には、その余剰分の半分の現金を支払ってもらうという事でした。

私が、
「あの家は、夫の人生の象徴的なもので、絶対に売ることに同意するとは思えない」
というと、弁護士からは、
「それなら、その家の売却余剰の2分の1を現金で支払ってもらうだけだ」
と言われました。

ただ、その時にふと思ったのは、売却余剰と言っても、売却していないのに売却余剰がいくらになるかなんて分からないのではないかということでした。

その点について質問してみると、弁護士によると、

「まさにその通りです。」
「こういうケースでは、お金を請求する方は家の値段を高く言いますし、お金を請求される方は家の値段を低く言います。」
「もちろん、ただ口頭で自分が思いつく値段を言うだけだと信ぴょう性がないので、いろいろな業者にお願いして家の査定書とか見積書を証拠として出してきます。」
「ただ、この業者が作った査定書と言えども、あくまで予想の金額になりますし、なかには、わざと安い値段で見積もりを書いてもらうケースもあります。」
「ですので、本格的にこの家の価格を争うという事になると、鑑定ということもあり得るのですが、通常は、お金を請求する側の方が有利です。」

ということでした。

「なぜ、お金を請求する側が有利なのですか?」
と聞くと、
「もし、金額の合意ができない場合には、こちらは、財産の2分の1、つまり、家の2分の1の権利を下さい、という事ができます。しかし、そこでは終わりではなくて、離婚が終結した後に、【共有物分割請求】と言って、2分の1ずつの共有になっている家を競売にかけて売却してください、という請求をすることができるのです。」
「とすると、結局、家を売るのと同じことになってしまうので、お金を請求する側とそれなりに合意しなければならないということになるのです」
弁護士によれば、このような見通しがあるから、家の財産分与について、金銭で合理的な金額を支払ってもらうことはおそらく可能だろうと、また、役員退職金は、今の時点で計算できるのだし、こちらは、その分のお金が払えなければ家があるから大丈夫!」ということでした。

つまり、退職金については、たしかに、退職した時点でないと実際に退職金が支払われないので、お金がないという事なりますが、退職金相当分のお金がないなら、その分の家の持ち分を下さい、ということができます。
そして、家の持ち分を妻に渡したくないということですと、結局、どこかでお金を借りるなりして工面せざるを得ない、ということでした。

最悪、家を担保にお金を借りることは可能でしょう、と弁護士は言ってましたが、そんなことしなくても、夫はその程度のお金をもっているはずです。

ケチなので、利息を払ってまでお金を調達するという事はしないと予想しました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

まず、当初は夫側には弁護士がつかなかったので直接やりとりをしたわけですが、なんとも「昭和な」感じの対応で、一々説明しなければならず、しかも、説明しても、
「なんか腑に落ちない」
「納得いかない」
「あんた、こっちが素人だと思って適当なこと言っているだろう」
とまあ、散々、抵抗して要するに、お金を支払いたくないということでした。

埒が明かないので、離婚調停を申し立てたところ、それでもまだ、最初は、夫は弁護士をつけようとはせず、調停委員を通して、
「財産分与を全くしないなんて通らないから夫にきちんと言ってください!」
「もう、それができないなら、とっとと訴訟にしたいんで調停は不成立でいいですよね?」
と言っても、調停委員は、
「急に離婚とか言われて動揺しているんだと思います」
「少しずつ、理解されているようです」
などと、なかなか調停を打ち切りにしないので、
「裁判官を呼んでくれ」
「これ以上、引き延ばしとしか思えない時間を重ねても意味がない」
というと、ようやく、裁判官が直接、夫と話をしたとのことでした。
そして、次回までに、財産分与の案を夫側が考えて持ってくる、ということで次の調停期日までは待ちましょう、となりましたが、その後、しばらくして、ようやく夫も自分一人ではかなわないと思ったのか、弁護士を付けました。

しかしながら、今度は、その弁護士がいうのには、

・住宅については、いろいろな箇所に不具合があるため、価値は極めて低く、住宅ローンを返すので精一杯か、むしろ、住宅ローンの残額よりも家の値段は低い

・退職金については、退職時までに任期を全うできるか分からないし、退職金もその時の会社の状況によっては出ないかもしれない

という反論のもと、要するに、1円も支払わないと。

まあ、よくある内容の反論です。

住宅については、こちらで、大手の不動産業者、地元の不動産業者、そして、昔から付き合いのある不動産業者の3社から見積もりを取りました。

そして、その3社の見積もりの平均値を売値とすべきであると主張しました。

これに対して、相手は、なぜか、1社だけ見積もりを出してきたのですが、その売値がこちらの3社の平均よりも高い値段なのです。

「その、そちらの出した売値で計算するんでいいんですよね?」

と相手の弁護士にいうと、慌てて、

「あの値段は、内見しないで、値段をつけたものなので、間違いなので再提出させてくれ」

と言ってきました。

しかも、相手の方から再提出したいというのに、待てども待てども提出されず、もう、●月〇日までに提出しなければこの問題は打ち切りにしてくれ、というと、ようやく、提出されました。

まあ、今度こそ予想通りと言いますが、異常に低い値段で出てきましたので、

「だったら、その値段で買います」

と申し入れしました。

そうしましたところ、今度は、分かりやすく、

「いやいや、売るなら、○○円でないと売れない」と当初出してきた査定書の値段を出してきました。

どうも、当初は、業者が売却できるであろう最高の金額を出したのでしょう。そして、それを相手の弁護士がチェックもしないで、裁判所に出したものと思われます。しかも、そんなに安いなら、その値段で買うと言ったら、そんな値段じゃないというし、もうグダグダでした。

そして、最終的には、なんと、相手の当初出してきた査定書で計算して、その金額に今やめたとしたら支払われる退職金の半分の金額を乗せてきちんとお支払い頂きました。

離婚・男女問題の解決事例 19

熟年別居・熟年離婚の場合には、婚姻費用は請求できないのでしょうか?年金分割をするということは相手の年金の半分はもらえるという事ではないのでしょうか?【事務所法人案件】

  • 別居
  • 離婚回避
  • 生活費を入れない
  • 飲酒・アルコール中毒
依頼主 女性

相談前

夫は、60歳定年後、会社の嘱託社員となって、その後、3年間働きましたが、

「やっている仕事は同じなのに、給与が半分なんて馬鹿くさい。」
「ゆとり世代の若造の面倒見るのは疲れた。」
「俺は十分働いた。」

ということで、仕事を辞めてしまいました。

それで、毎日、家にいるのですが、朝は起きてこずに、昼前になって、のそのそと起きだしてきて、

「おい、なんか食うものあるのか?」

と言うので、朝とも昼ともつかないご飯を用意してあげると、新聞を読みながら、無言で食べて、後片付けもしないまま、そのまま、リビングでテレビをつけながら、本を読みます。

夕方になると、コンビニに行って、何か雑誌とアルコールを買ってきて、また家で、アルコールを飲みながら、テレビをつけながら雑誌を読みます。

夜は、食事の支度をしていると、黙って、テーブルに座り、前に食事を出すと、また、テレビを見ながら食事をして、食べ終わるとそのまま、お風呂に入ります。

この繰り返しです。

たまに、

「雑誌は買わなくても図書館でいいんじゃない?」
「アルコールはコンビニで買うぐらいならスーパーでまとめ買いするから言ってよ」

と言っても、何も返事もしません。

唯一の楽しみは、年に数回、長女夫婦が孫を連れて帰ってくるので、そのときに、長女たちと過ごすことぐらいです。

正直言って、このまま、年を取って人生を終えるのかと思うと、絶望的な気持ちになります。

このことを長女に話すと、

「お父さんは別に昔から1人で仙人みたいに生きている人だからね。」
「別に、お母さんも無理して合わせなくても自分のやりたいようにやったら?」

と言ってくれたので、趣味というほどではありませんが、知り合いの方に誘われて、60歳を過ぎてから、ゴルフを始めました。

ゴルフなら夫も興味を持つかもしれないという意識もあったのですが、私が日中、ゴルフ練習に行くことについても何も言わないので、ある日、

「あなたもやってみない?」
「初心者レベル人が多いので、全然、問題ないわよ。」

と少し、水を向けてみましたが、

「あんな、止まっているボールを叩いて何が面白いのか。」

と言って、全く興味を示さなくなりました。

そうこうしているうちに、夫は、競馬をするようになりました。

まあ、それも趣味の一つかと思っていたのですが、ある日、通帳を見たら、何と、1日で10万以上のお金が動いており、驚いて、

「あなた、いくらなんでも限度がありますよ。」
「これは趣味とは言えないでしょ。」

と言うと、

「うるさい。トータルで見ればいいんだよ。」
「お前だってゴルフで金使っているだろ!」

と全く控えるつもりがないのです。

私のゴルフなんて、平日に2回、練習に行って、2カ月に一回、ラウンドする程度です。

金額にしても、1カ月で1万円程度です。

とうとう言ってしまいました。

「ねえ、私たち、ことごとく合わないですね。」
「離婚します?」

と言ったところ、全く動揺したそぶりもなく、

「どっちでもいい。」

と言いました。

それまで、そんなに真剣に考えていなかったのですが、そう言われて、長女に本当に別れようかと思う旨を話したところ、

「お母さんがそうしたいなら、それはそれで構わないけど、ちゃんと生活のこと考えている?」
「お金のことをきちんと弁護士に相談した方がいいよ」

と言われて、弁護士なんて大げさにも思えましたが、話だけでも聞くことにしました。

相談後

まず、知らなかったのですが、未成年の子供がいれば、別れても生活費はもらえるけれども、いなければ別れたら、何ももらえないという事でした。

もちろん、夫が合意したとすれば、特別に支払ってもらうこともできますが、夫の性格からいって、そんなことをしてくれるとは思えません。

生活費をもらいたいと言っても、

「勝手に出て行ったくせに・・・」

「誰も出て行けとは言っていない」

「出て行った奴に生活費は渡さない」

などと言われるに違いありません。

そして、夫が支払わないと言っている以上はたとえ離婚調停を起こしても夫に支払い義務が生じることはないとのことでした。

ただし、離婚しないで、別居だけなら、生活費は、婚姻費用としてもらえるとのことでした。

その場合にも、夫は、

「家を出たのはお前の勝手だ」

と反論するでしょうが、生活費は、別居であっても婚姻関係にある以上は、他方を扶助する義務がありますので、婚姻費用は支払ってもらえるとのことでした。

もし、夫が支払いを拒絶しても、調停・審判で必ず支払いを命じられるとのことでした。

そして、その請求できる婚姻費用の額はいくらになるのか、ということですが、こちらも当事者間で合意ができるのであれば、その額はいくらでも構わないということでした。

特に、婚姻費用の場合には、離婚が成立するまでという暫定的な期間ですので、
多少高額でも支払いは続けられるでしょうとのことでした。

問題は、合意ができなかった場合ですが、裁判所の算定基準が確立されていますので、
それに従った判断がなされるとのことでした。

そして、最終的に離婚した場合には、養育費は認められないので、あとは年金分割があるだけだということでした。

私は誤解しておりましたが、「年金分割」という名称から、

「夫に入る年金の2分の1をもらえるのが年金分割である」

と思っていました。

しかし、年金分割とは、離婚をしたときに、「厚生年金」の標準報酬を当事者間で分割することができる制度だということでした。

年金分割は、サラリーマンが加入する厚生年金部分について、一定の条件に該当した場合に、婚姻期間等の対象期間中に収めた保険料の納付部分を分割する制度とのことで、単純に半分にはならないとのことでした。

年金分割を行った場合、分割後の保険料納付実績に基づいて算出された額の年金を受給することになります。

単純に夫の年金の半分がもらえるという制度ではないとすると、あまり年金も期待できない気がしてきました。

もちろん、財産分与と言って、家やわずかな預貯金を半分ずつにするという制度もあるということでしたが、正直言って、こちらも、わざわざ離婚などしなくても、いずれは、子供たちのものに相続によって承継されるのですから、今、取り立てて行う必要があるとは思えませんでした。

要するに、夫に無駄遣いをさせないということが問題なのであれば、何も財産分与しなくても、婚姻関係を維持したまま、家の名義の2分の1を私あるいは長女名義にしてもらったり、預貯金の半分を私あるいは長女名義の口座に移せばそれで済むような気がしてきました。

なので、弁護士さんには、司法書士さんや税理士さんを紹介してもらって、その名義変更についての手続きを行うことを依頼しました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

結局、本件では、離婚はしないで、単に資産の保全を図るという意味で、

【相続時精算課税】

という制度を利用して、資産の名義移転を行うことにしました。

その際に、非課税枠を考慮して、家の2分の1は奥さん名義にしましたが、預貯金の2分の1は、長女名義にすることにしました。

相続時精算課税とは、2500万円までの贈与であれば、その時点での贈与税を非課税になり、もし相続になったときには、生前贈与した財産も一括して、相続税を計算するというものです。

また、家の名義の変更は、「おしどり贈与」などと呼ばれる場合もありますが、「結婚してから20年経っている夫婦の間であれば、自宅不動産を、2000万円分までは無税で贈与できる」制度を利用しました。

「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」

です。

提携している税理士や司法書士がいますし、このパターンは過去に何度も取り扱っているので、彼らも手慣れた感じでテキバキと手続きを進めてくれました。

なお、弁護士は何をしたかというと、これらにまつわる贈与契約書の作成です。

夫との交渉もした方がいいですか?と聞きましたが、奥さんが、弁護士さんが来るとかえって構えてしまうので私から話をする、と言って、弁護士が夫と直接、会うことは避けました。

もちろん、司法書士は、本人確認があるので夫と会いましたが、その時の様子を聞いても、別に、不機嫌だとかそういうことはなかったそうです。

司法書士は、単に登記の手続きを進める人、ということなので、別に構える必要がなかったのでしょう。

入口は離婚がらみの相談でしたが、何が何でも離婚することが着地点というわけではありません。

今後、また、夫婦間でトラブルが深刻化して、やはり離婚という事もあり得るかもしれませんが、ひとまずはこういう形で区切りをつけました。

なお、年金分割制度について補足しますと、年金分割制度は、

合意分割制度(平成19 年4月1日実施)と、

当然(3号)分割制度(3号分割制度(平成20年4月1日実施))

に分かれますが、いずれにせよ、国民年金しかそもそも入っていないという自営業者等の場合には、年金分割は問題になりません。

つまり、入ってくる月々の国民年金の半分の額を下さいとは言えないのです。

また、年金は、従来は受給資格期間が25年(300ヶ月)以上ないと、老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取ることができなかったのですが、2017年8月1日より、その期間が25年から10年(120ヶ月)へと短縮されました。しかし、少なくとも10年加入しないともらえないですので、この最低限の受給要件を満たしていない(未納期間が多い等)場合は、せっかく年金分割を受けても結局もらえないということもありえます

いずれにせよ、まずは「年金分割のための情報通知書」をとるところからです。

「年金分割のための情報通知書」を最寄りの年金事務所に行って請求して下さい。

その際に、今、離婚すれば、自分の年金額はどうなるのかを大体は教えてもらえます。

なお、年金分割は、合意分割の場合には、その分割割合を0.5とする(半分とする)のが通例ですが、相手方が争ってくる場合には、審判にしなければならない場合があります。

また、年金分割は、離婚後2年間の間にしないと請求できなくなりますので、この期限管理もしっかりしないといけません。

いずれにせよ、今回は離婚しないケースでした。

離婚・男女問題の解決事例 20

(DV)粗暴な夫でとうとう包丁を持ち出して脅されました。刑事告訴か、接近禁止命令(保護命令)か、婚姻費用の仮払い仮処分も含めて【事務所法人案件】

  • 別居
  • 離婚回避
  • DV・暴力
  • 生活費を入れない
依頼主 女性

相談前

夫は、世間では、高学歴で社会的地位もある仕事についているのに、一旦、激怒してしまうと、とにかく狂暴になるので怖いです。
しかも、私の顔やその他、目に見えるところには、あざができないようにしますが、腹部や背中、足等を殴ったり、蹴ったりします。
また、子供がいるところでは暴力は振るわず、子供がいないときや、寝ているときに暴力を振るいます。
ただ、大声は出しているので、子供も気づいているとは思いますし、また、ご近所さんも分かっている人はいるのではないかと思います。

そして、先日、夫から何かの書類が来るから受け取っておいて、と言われていたのですが、子供がお弁当を忘れたので、届けている間に郵便屋さんが来たらしく、受け取ることができませんでした。

別に、不在票をもって郵便局に行けばいいだけのことなので、再配達の依頼はかけていなかったのですが、それで激怒し、とうとう、包丁を持ち出して、

「お前の精神はどれだけ怠け者なんだ!」
「昔だったら、死罪にされてもおかしくないんだぞ!」
「なんで、一々、頭を使えないんだよ!」

と凄んできたので、怖くなって、2階の部屋に駆け込んで、鍵をかけて、110番しました。

ところが、警察が来たら、ニコニコと穏やかに応対して、警察を追い返そうとするので、私も、警察が帰ったら、殺されると思い、もう必死で、

「お願いですから帰らないでください。」
「本当に助けてください!」

と言って、その異常性に警察の方も、

「奥さんとお子さんは、今日はどこか別の場所で止まってください」

と言ってくれて、荷物をまとめるのを待ってくれ、子供と一緒にホテルまでパトカーで送り届けてくれました。

そして、翌日、生活安全課というところで、これまで事情を聴取されました。

ただ、これまでの暴力・DVについては、写真は撮っておらず、病院に行ったことがあったのですが、転んでできた跡であるとか、うっかりぶつけてできた傷だとか言って、診療を受けたため、暴力・傷害の証拠となるものが少ない、と言われてしまいました。

また、

「奥さんが嘘を言っているとは思わないけど、旦那さんのあの様子だと、奥さんの言動は狂言だと言う可能性が高く、そうなると我々もそれ以上、どうしようもないんですよ。」

「ただ、身の危険があるというのは分かるので、このまま弁護士さんに相談して、対応を協議してもらえないかな。」

「弁護士さんから改めて連絡等を貰えれば、我々もできる範囲のことはするので。」

と言われてしまいました。

ただ、弁護士さんの知り合いなんていないし、どこに相談したらよいか分からない、というと、市内の弁護士事務所の一覧表を渡してくれて、

「我々も個別にどの弁護士さんがDVに強いとかまでは把握できていないし、どこがいいとも判断できないんですが、この中でお電話で聞いてみてはどうですか?」

「ちなみに、ここの弁護士事務所がうちの署からは一番近いですよ。駅前にあるのはコッチ。」

と言われました。

別に、何の当てもないので、その一番近い事務所と駅に近い事務所に、警察から電話してみることにしました。

一番近い事務所は、弁護士の先生が外出中でいつ帰ってくるか分からない、ということでした。
次に、駅に近い事務所は、弁護士さんとつながり、

「今からだったら夕方まで空いてます。」

と言っていただいたので、面談してもらうことにしました。

警察の方も、万が一に備えて、事務所の前まで送ってくれました。感謝です。


相談後

弁護士さんに相談したところ、その弁護士さんは、たまたま、別の市の男女共同参画推進会議の委員をされているそうで、DV案件も何件も行っているという事で、これは本当に良かったと思いました。

それで、警察で話したこととほぼ同じことをお話ししました。
私は、まずは、傷害とか殺人未遂で刑事告訴できないかとお尋ねしました。

「でも、警察が立件は難しいって言っていたんですよね?」
「もちろん、告訴自体はできるかもしれないけど、結局、旦那を任意で取り調べるぐらいしかできないんじゃないかな。」
「そこで、しらを切られると、立件するのが難しいので、弁護士に相談しろ、と言ったんだと思うけど。」

「刑事で責めるのは、あまり筋が良くなさそうだけど。」

という話でした。

それで、ただ、包丁まで持ち出している以上、危険なことこの上ないので、当面、別居せざるを得ないけど、どこか避難できる場所はあるかと問われました。

しかし、実家は、遠方ですし、友人・知人はたしかにいますが、さすがに、しばらく子供と一緒に住まわせてほしい、と言えるほどの間柄の人はいない、と答えました。

すると、マンスリーマンション等を借りて住む、か市役所に相談して、いわゆるシェルターに避難するか、という提案をされました。

シェルターというのがどういうところか、今一つ、ピンと来なかったので、どういうところか尋ねると、
「文字通りシェルター、避難所です。」
「ほとぼりが冷めるまで似たような境遇の人たちが仮に住む場所です。」
「自分自身のみならず、他の人々の身の安全を図るため、携帯もGPS等で探知されないように禁止です。」
等と、ちょっと、さすがにそこまで息が詰まりそうな生活になると、私はともかく、子供が耐え切れなくなるおそれがあると思い、マンスリーマンションを借りることにしました。
ただ、問題はお金です。

弁護士さんによると、シェルターですと緊急一時避難として、市から援助も受けられるらしいのですが、自力でマンスリーマンションを借りるお金までは貸してもらえないとのことでした。

「クレジットカードとかも持っていないもんね?」

と言われたので、

「えっ?カードなら持ってますけど、カードでお家賃って払えるのですか?」

と聞くと、

「マンスリーとかはカード払いOKなのもありますよ。」

ということでしたので、調べてみると、確かに、カード払いができるものもありました。

もちろん、あとで支払い請求が来ますが、弁護士さんが、着の身着のままで出てきたという事で、もしすぐに請求に応じて婚姻費用を支払わない場合には、

「仮払い仮処分」

という緊急の手続きを取ってくれるとのことでした。

また、今後、警察が動きやすくするためにも、保護命令を取得しよう、と言われました。

保護命令とは、接近禁止命令といって、裁判所からの保護命令の通知を受けた警察では、夫に対しても、保護命令が確実に遵守されるよう指導警告等を行ってくれ、もし、違反した場合には逮捕になるというものでした。

ただ、

「証拠がないのに大丈夫なのでしょうか?」

と聞くと、刑事事件ではないので、それほど厳格な証拠は要求されないので、診断書と私の話をまとめたものを準備すればおそらく大丈夫とのことでした。

いずれにせよ、離婚手続きはお金の問題も含めて最終決着までにはそれなりに時間がかかるので、と荷物の引き取りについても警察の方が間に入ってくれて夫がいない間に荷物を持ち出すことができました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

本件は、典型的なDV事案ですが、証拠が薄いため、刑事としての立件は難しいものでした。ただ、よくよく考えると、刑事で立件しても、刑務所にいられるほどにはならず、しかも、おそらく勤め先も懲戒解雇になるため、その意味では経済的なダメージをこちらも受けてしまったかもしれません。

それよりかは、しっかりと経済的に保障してもらう方がメリットがありますし、実際に、最終的には、慰謝料は放棄しましたが、財産分与と養育費を確保できましたので、それはそれでよかったのではないかと思います。

なお、夫については、奥さんから、

「外面がいいから気を付けて。」

と言われていたように、当初は、調停でも随分と紳士風だったようですが、段々と言っていることがおかしくなり、調停委員も最後には、

「頭が良すぎてかえって普通のお話ができないんですかねえ。」

と頭を抱えている状況でした。

相手にも弁護士がついていましたが、夫がいうことをそのまま伝えるような感じの弁護士で、調停では折り合いが全くつかず、裁判でも最後の和解の機会においても、裁判官も、

「もう、いいです。判決にします。」

と半ば、あきれた感じでした。

(保護命令について補足)
保護命令(DV防止法)、接近禁止命令とは、6か月間、相手方が申立人の身辺、住居や勤務先などその通常所在する場所の付近を徘徊することを禁止する命令で、保護命令に違反した場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金があります。

また、命令が出た場合には、同時に管轄の警察署に通知がなされますので、接近に対する抑止力になります。

また、申立人と同居する子の身辺等についても同様に申立てをすることができますが、
子単独では申立てはできません。

あくまでも、申立人保護のための保護命令です。

また、

1.面会の要求
2.行動を監視していると思わせるような事項を告げ,又は知り得る状態に置くこと
3.著しく粗野又は乱暴な言動
4.無言電話,又は緊急やむを得ない場合を除き, 連続して,電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し, 若しくは電子メールを送信すること
5.緊急やむを得ない場合を除き,午後10時から午前6時までの間に,電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,又は電子メールを送信すること
6.汚物,動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し,又は知り得る状態に置くこと
7.名誉を害する事項を告げ,又は知り得る状態に置くこと
8.性的羞恥心を害する事項を告げ,若しくは知り得る状態に置き,又は性的羞恥心を害する文書,図画その他の物を送付し,若しくは知り得る状態に置くこと

接近禁止命令と同時にこのような行為も禁止することができます。

さらに、退去命令といって、2か月間,被害者と共に生活の本拠としている住居から
退去すること及びその住居の付近をはいかいしてはならないことを命ずる保護命令もあります。

ただし、退去命令を出して、相手を追い出せば、自宅は自分のものにできると勘違いする方がいますが、自宅の処分は財産分与として争われるもので、退去命令とは全く関係ありません。

配偶者が保護命令に違反すると、刑事罰(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)の制裁が加えられることになりますので、かなり有効な抑止になります。

それでも、本当にむちゃくちゃなDV加害者であれば、やってくることも考えられますので、やはり注意深く生活することに超したことはありません。

離婚・男女問題

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遺産相続

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【休日・夜間相談可】【不動産の絡む相続にも強み】親しい関係性を継続するためにも、法律の力を借りた線引きが必要です。豊富な相続対応を持ち、対応いたします。
弁護士法人後藤東京多摩本川越法律事務所新潟支所

新潟市役所、新潟大学病院近くです。

遺産相続の詳細分野

請求内容

  • 遺言
  • 相続放棄
  • 相続人調査
  • 遺産分割
  • 遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)
  • 相続登記・名義変更
  • 成年後見
  • 財産目録・調査

対応体制

  • 休日相談可
  • 夜間相談可

お支払い方法

  • 初回相談無料

【必要なのは、「親しき仲にも礼儀あり」の精神です】
当事務所は、相続において非常に多くの対応実績がございます。とても悲しいことですが、いかに親族と言えども、お金が絡むと人が変わってしまうことが多くあります。

あなたが「身内の情もあるし...」と優しく譲歩すれば、それに付け込むような行動をする人もいるかもしれません。また、最初は、なあなあで、なんとなく話を終わらせていると、相手の方から急に「法律が、契約が、遺言書が」と他人のように接してきて驚いたという方もおられます。

このような事態にならないために必要なのは、「親しき中にも礼儀あり」という精神だと考えています。法律という力を借りて、長い期間においてトラブルにならないよう、しっかりと線引きを行うことです。

あなたが、ご自身でそれを行うのは、難しい時もあるでしょう。しかし、弁護士という他人を頼ることで、実現することができます。当事務所は、相続においては、著書も多数で、遺産分割特有の知識・経験・度胸を兼ね備えております。

ご依頼者の方には微笑みを。相手方には厳しく挑む「不動明王」となるべく、日々研鑽しております。

■「何から話せばいいか分からない...」大丈夫です。
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相談することは、恥ずかしくも怖くもありません。まずはメールでも電話でも無料相談をご利用ください。電話は、弁護士直通で繋がるようになっています。うまく話せなくても、何から話していいか分からなくても大丈夫です。とにかく「相談を希望します」とだけ伝えてくれればきちんと対応いたします。

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◇【不動産の絡む問題にも強み】
不動産関連の専門職とも提携し、不動産の絡む相続トラブルにも迅速・正確に対応いたします。

◇【事務所全体で、相続に注力】
当事務所が注力してきたお悩みの一つが、遺産相続トラブルです。このため、実績はもちろんのこと、著書も多数ございます。相続トラブルに必要なノウハウを持ち、ご依頼者を支えます。

■こんなお悩みございませんか。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
✔︎不合理な遺産分割案を強いられている。
✔︎財産や分割の問題で、何を聞いてもとぼけて答えようとしない。

◆アクセス
新潟駅より車・バスで10分
※近くにご利用いただける駐車場あり

遺産相続の料金表

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項目 費用・内容説明
相談料 【初回相談は無料です】
じっくりとご状況やお気持ちをお聞きした上で、最善の解決方法をご提案いたします。
着手金 20万円~(税別)
報酬金 回収した金額の16%(税別)
個別料金に関しましては、直接弁護士にご確認をいただくことをお勧めします。

遺産相続の解決事例(2件)

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遺産相続の解決事例 1

「兄弟仲良く共有」という遺言で問題は複雑化

  • 遺言
  • 遺産分割
依頼主 50代 男性

相談前

被相続人である父親は、自分一代で事業を興して財をなし、子ども3人が男。

遺言者である父親の心境としては、兄弟3人力を合わせて家業を盛り立てほしい、と例の「三本の矢」のようなことを考えていたのでしょう。

なんとなくその父親の気持ちは分かります。

かなり凝りにこった自筆証書遺言であり、不動産が複数あるなかで、A物件は長男、B物件は次男、C物件は三男ぐらいにしておけばそんなに問題は複雑にはならなかったのかもしれないが、A物件は持分を三等分、B物件は敷地は長男、上物(建物)は次男、その賃借権は三男、等々、こうしておけば否が応でも三人は仲良くせざるを得ない、と思ったのでしょう。

自社株式についても、それを3分の1ずつなどと生ぬるい分け方はしません。

会社株式は長男に、メインの工場(不動産)は次男に、会社への貸付金は三男に相続させる。

なので、誰かが突出しようにもお互いに、株をもたれて、不動産をもたれて、貸付金をもたれてという状況なので、相互に牽制し合う関係が必然的に生まれる。

良い見方をすれば、3人を平等に可愛がっていたとも言えますし、父の思いを汲み取って3人がたしかに我を張らずに力を合わせればなんとかなったのかもしれません。

ですが、結論から言うと、3人ともが不満。そもそも、次男・三男はすでに別の仕事をしていたから仕方が無いとして、家業を手伝っていた長男までも家業に先がないと考え、売却を考えていたわけなので、そうなると、この遺言がかえって子供達を困らせる結果になってしまったわけです。

相談後

本件における被相続人の遺言書は、自筆証書遺言ではありますが、きちんと自筆証書遺言の要件、すなわち、全文、日付、氏名の自書要件及び押印もありましたし、亡くなる直前まで商工会議所の仕事をしており、認知能力等にも問題はありませんでした。

結果として、原則としては、遺言がある以上、遺言に従った分配をするのが原則です。

しかし、相続人の全員が、その遺言と異なる分割をしたいと合意しているのに、誰も望まない遺言を守らせるというのも不合理な話ではあります。

そこで、本来であれば、被相続人の意思を尊重しなくても、相続人全員の合意があれば、遺言書と異なる遺産分割を行うことも有効であるとされております。

なお、厳密には、「遺言執行者がいる場合は、遺言執行者の同意があること」や「遺言書に遺産分割協議を禁止する文言がないこと」が必要であるという意見もありますが、遺言書を反故にするということが認められる以上は、これらの要件は、あまり意味がありません。

ただし、相続人以外の人に対する遺贈がある場合には、その人から同意を得ることは必須です。これがなければ、いくら勝手に相続人だけで遺産分割をしても有効とはなりません。

そして、本件ですが、同じ立場に立った弁護士なら同じ事を考えるないしは危惧すると思いますが、相続人の3人で遺言を破棄して新たな遺産分割を取り決める際に仲間割れを起こしやしないかということです。

なので、最初に言いました。一旦、3人から依頼を受けた以上は、3人の合意が成立した範囲で遺産分割協議にまとめることとそのできあがった遺産分割協議に従った売却・換価等は行うけれども、少しでも仲間割れや意見対立が生じた場合にはそこで終了。

誰の代理人にもなれないので、こっそり私に連絡して自分が有利になる相談をしたり、他の兄弟の悪口を言ってよこしたり絶対にしないでください、と。

それでも、心配なので、上記の内容を委任契約書にも書いてもらいました。

ただ、思ったほどの深刻な内部対立は生じませんでした。

要するに、会社(株式)、不動産、有価証券等、ありとあらゆるものを現金化して、きれいに三等分するというもので、しかも、長男がかなり几帳面かつ穏やかな人だったので、他の次男・三男も兄貴にばっかり任せて済まないという殊勝な態度で、そういう人的軋轢は取り越し苦労でした。

他方、会社の売却(M&A)はかなり大変でした。

最初は、いわゆるM&Aの業者を使おうとしたのですが、そこの若い担当者がポンコツである上に、手数料ほしさに強引な話の進め方をするので、その業者を切って、改めて、被相続人の弟、相続人から見ると叔父さんに情報収集等でご協力頂き、なんとかその会社を売り切ることができました。

その他、税金ないし税理士もしょうもない奴だったので、そこでも多少のイザコザがあったのですが、ここでは割愛します。

というわけで、本当は、被相続人の1周期に間に合わせたかったのですが、少しずれ込んだところで、精算・分配完了となりました。

被相続人の遺言自体は、全く意味をなさなかった訳ではありますが、3人が揉め出すこともなく、きれいに分割できたというのは、ある意味、うちらの業界から見ると希有なことでもありますので、兄弟仲良くという目的は達成されたのではないでしょうか。

さらには、そこまで見越してあえて複雑な遺言を残していたのだとすれば、その被相続人はすさまじい千里眼の持ち主だったと言うことになりますが。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

父が亡くなり、父が居住していた家を3人の子供達で相続するとして、3人とも独立して所帯を持っている場合は、次のような方法が考えられる。

【売却】
売却して現金化し、それを3等分するという方法が最もシンプルかつ後腐れがない方法である。
ただし、まったく問題が生じないというわけでもない。

兄弟の1人が「うちが懇意にしている不動産屋にやらせてくれ」と言い出したり、買い手が現れていざ決済しようとした段階で、「もう少し待てばもっと高く売れる」「いや、うちは少しでも早く現金化したいんだ」などと言い争って、トラブルになることもよくある。

いったん売却で合意したのであれば、いつまでに売却するのか、どこの仲介業者にやらせるのか、あるいは、それぞれが売却先を探して一番高いところに売るのか、予め業者や専門家を交えた中間合意を(覚書)を結び、その後は機械的に売却処理が進むようにしないとどこかで揉めることがある。

【賃貸】
売却すれば後腐れはないが、他方で、賃貸に出せば定期的に家賃収入が入ってくるのでその方が好ましいと考える人もいる。

ただし、この場合は、管理の方法、維持修繕にまつわる事項等について3人の間で合意しておかないと、かなりの高確率でトラブルになる。

具体的には、どこの管理会社を使うのか、建物の修繕はどのタイミングで行ってその費用はどう捻出するのか、借入を使うのか、問題のある賃借人が入居した場合にどう対応するのか、等々である。

【共有物分割請求】
一旦、共有としたものの、当該不動産の処分・取り扱いを巡って、やはり兄弟間で意見が統一できず、何もできないまま時間がだけが過ぎて、固定資産税の通知書だけが送られ続けるという場合がある。

古いアパートで、当初は家賃が入ってきていたがぼろくなり、家賃はどんどん値下げせざるを得なくなり、そのために、1人はもう、取り壊して建て替えようといい、1人は、リフォームしようといい、1人はまた家賃を下げてともかく入居者を埋めようといい、どうにもならない場合がある。
そこで、民法には共有物分割請求という手続きがもうけられている。

すなわち、当事者間での協議が調わないときは分割を裁判所に請求できるのである。

裁判による分割の場合、現物分割が原則とされているが、競売による代金分割をすることも可能である。また、、当事者の1人が現物を買い取り、他の者に対して価格賠償をするという方法も可能である。ただし、、最高裁判例によると、価格賠償を行うためには一定の条件を満たす必要があるので注意してほしい。

(まとめ)
本件事例のように、A物件は持分を三等分、B物件は敷地は長男、上物(建物)は次男、その賃借権は三男という複雑な権利関係を設定してしまった(遺言でそのようにされてしまった)場合には、1つ1つ問題を解決していかなければならない。

例えば、長男の立場であれば、敷地を次男に買ってもらう、上物(建物)を次男から買う、賃借権を3男との間で解約・解除するようにしてもらう、といった手段を検討しなければならない。あるいは、底地をそのまま第三者に売るという方法もあり得る。

遺言をした被相続人としては、「そんなことしないでみんなで話し合ってうまくやればいいじゃないか」と思うかもしれないが、やはり親子といえど独立した人格で皆それぞれの立場・環境・思惑があるのでそう簡単ではない。

ちなみに、毛利元就の遺言は「三子教訓状」と呼ばれるものであるが、実際には、3本の矢の話はどこにも書かれていないそうである。

遺産相続の解決事例 2

金融機関の遺言信託を活用したい旨のご相談

  • 遺言

相談前

自分が亡くなったあと、残った奥さんのことを心配しているご主人は多い。

子供が妻(母親)の面倒をみるのであれば問題はないが子供がいても面倒をみるかどうかが不安であるとか、そもそも夫婦間に子供がいないという場合も少なくない。あるいは、子供は子供で生活が手一杯で、とても親(母親)の面倒まで見れるかどうか危うい上に、子供にそんな苦労をかけたくないという親心もあったりする。

そこで、では、自分が亡くなった後も奥さんが不安無く暮らせるようにしようとしたらどのような方法があるか?を考えるときに、信託という選択肢は皆が一度は耳にすることと思う。

今回は、某金融機関の紹介で来られた方だ。

金融機関によって、提供するサービス内容・料金は多少異なるが、大枠は大体共通している。

ちなみに、当事務所が逆に依頼者の方から、どこか先生の信頼している金融機関を紹介して欲しいと頼まれることもあるが、基本的には、三菱、みずほ、三井住友、りそながある中で、紹介する先は、○○である。

それは、他行をよく知らないのと、少なくとも、○○は、電話一本ですぐに担当者が飛んでくるから、サービスに大差ないのであれば、フットワークが良い方がよいからである。

今回は、一旦は、銀行に直に事前に相談に行ったものの、遺言を残すにあたって財産をどのように分配処理すればいいのかの意向がまだ固まっておらず、遺言書案を作成する前の段階で検討すべき事項がいくつかあり、銀行の担当者も法的に検討しておいた方がよい、と思うところがあり、うちを紹介してきたという次第である。

銀行は、当然ながら、紹介できる弁護士を何人か持っており、今回は、場所的な問題と当事務所が収益不動産(賃貸アパート、賃貸マンション)の取り扱いが多いのを知っていたため紹介してきたと言う。

なお、銀行は外にも、相続税(資産税)に強い税理士や司法書士にもネットワークを持っているので、紹介を依頼すると良い。

基本的には、銀行も自分が紹介した先でトラブルになるのは大変、困るので、そんなおかしな税理士等を紹介しないと思う。

また、遺言書を一旦、作成しても、生きている間にはいろんなことが起きるから、遺産内容が変わって遺言の内容も変更したいと考える場合も多い。

そして、金融機関は、顧客である遺言作成者に対して、適宜、このままの遺言でよいか?変更するか?変更するならどう変更するか?等の意思確認や変更についてのアドバイスも行うことが多いので、そのタイミングで弁護士として紹介されることもある。

相談後

遺言の内容は、よくあるように妻の生活・療養看護のためにきちんと適正な額のお金が妻の手元に渡るようにしておきたいというもので、その元手は不動産賃料である。

その趣旨を踏まえた遺言書を作成し、ご本人の納得も得られたので、次は公正証書化である。

【公正証書遺言】
金融機関が提供する遺言信託における遺言書作成サービスは、公正証書遺言の作成に限られている。
公正証書遺言のほうが手続き面でも安定しており、その有効性の確保にも優れているからである。
公正証書遺言の作成には、金融機関の担当者等が証人として立ち会うサービスもある(公証役場で紹介してもらうこともできる)。

そして、公正証書にしたら、あとは、銀行に遺言書を保管してもらい、そのときが来れば遺言を執行してもらうと言うことになる。

【遺言書の保管】
公正証書遺言は、原本・正本・謄本の合計3通が作成され、原本は公証役場で原則として20年保存され、正本と謄本は遺言者に渡されるのが原則である。

しかし、公正証書遺言の正本は金融機関で保管されるので、転居等で紛失するおそれがない。なお、平成元年以降に作成された公正証書遺言でれば、日本公証人連合会において、全国的に、公正証書遺言を作成した公証役場名、公証人名、遺言者名、作成年月日等をコンピュータで管理しているため、すぐに調査することがえき、また、万一、紛失しても再交付の請求ができる。

金融機関で遺言書を作成した場合には、遺言執行者も通常は金融機関であり、遺言者が亡くなった旨の連絡を受けて、当該金融機関が相続人・受遺者の方に対して、遺言執行者に就任する旨を通知し、遺言内容の実現のためのに必要な手続き(遺言執行)を行う。

ただし、こんなことを言ってはなんだが、この程度のサービスであればどうしても金融機関の遺言信託を利用しなければならないほどのものではない。金融機関が信託に関わることによるメリットは他にある。

そもそも「信託」とは、特定の者に対して自らの財産を預けて、その財産の適切な方法での管理を委任することをいうが、信託は生前の契約のみならず遺言で行うことも可能である。

つまり、「特定の者に対し、財産の譲渡、担保権の設定、その他の財産の処分をする旨ならびに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理または処分およびその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨」の遺言をすることにより、「遺言者(被相続人)」が「委託者(財産を委託する者)」となり、「受託者(財産を委託され管理・処分する者)」が「受益者(委託された財産により利益を享受する者)」のために働くことになるのである。

遺言書には、金融機関を受託者、妻を受益者、財産のうちアパートを信託する旨、その目的(妻の療養看護)、信託報酬の額または算定方法(例えば、賃料の何パーセントを管理報酬にする等)を記載しておく。

このような遺言信託により、金融機関は、受託者として妻の生活・療養看護のためにアパートを管理していく義務と権利があるため、他の相続人達がそれを遺産分割の対象としろと要求することはできなくなるのである。

もちろん、子供や別の第三者を受託者にすることも可能であるが、きちんと組織だった金融機関を管理者にしておくことが安心につながるというわけである。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

本件のように、金融機関による遺言信託は広告効果もあるのか、年々増えているようである。ただし、この金融機関による遺言信託であるが、欠点もないわけではない。それは、紛争事案にめっぽう弱いということである。
当事務所が手がけた別の案件であるが、とある銀行が提出してきた遺産目録には、依頼者が認識している財産がすっぽり抜け落ちており、どういうことかと銀行に詰め寄ったところ、「当行はご本人の申告に基づいて作成しているだけで・・・」を連呼するだけで調査すらしようとしない、そして、そうこうしているうちに、「遺言執行者には就任しない」といなくなってしまったのである。
この案件では、さらに、その後の裁判で銀行担当者が証人に呼ばれたり(当方が呼び出したのであるが)と完全に逃げることはできなかったのであるが、ちょっとでも揉めると遺言執行者になろうとしないのである。

そんな、トラブルのないきれいな仕事しかしようとしないなど、ずるい奴らだなと思うかもしれませんが、トラブルに顔を突っ込むと今度は、弁護士法72条にひっかるおそれもあるので、銀行としては紛争案件には関わろうとしないのである。

そうすると、せっかく、いいお値段で遺言信託の契約をしたことが意味をなさなくなるということにも成りかねない。

ですので、事前に紛争が生じそうな箇所は可能な限り潰しておきたいと弁護士にチェックさせるわけであるが、それもその後の死亡までの間の事情の変化によって、いろんな火種が生じるおそれがでてくるわけで完全に完璧に紛争・トラブルを排除することはできないのである。

もちろん、だから銀行の遺言信託など使うなというわけではなく、そうなっても困らないように相談できる弁護士にあたりをつけておくということが大事。

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