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木下 祐太弁護士

( きのした ゆうた ) 木下 祐太

弁護士法人後藤東京多摩本川越法律事務所新潟事務所

借金・債務整理

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【初回相談・着手金無料】【分割支払い対応】この苦しみから逃れるために、ご相談ください。恥ずかしくも怖くもありません。安心いただけるよう、誠心誠意サポートします。
弁護士法人後藤東京多摩本川越法律事務所新潟事務所

新潟市役所、新潟大学病院近くです。

借金・債務整理の詳細分野

依頼内容

  • 自己破産
  • 過払い金請求
  • 任意整理
  • 個人再生

対応体制

  • 24時間予約受付
  • 女性スタッフ在籍
  • 当日相談可
  • 休日相談可
  • 夜間相談可
  • 電話相談可

お支払い方法

  • 初回相談無料
  • 分割払いあり
  • 着手金無料あり
  • 完全成功報酬あり

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 一部の事務所では、任意整理(リスケ)しかおこなわず、手のかかる破産手続きやまして個人再生等を受け付けない方針です。ですが、それでは無理な分割払いだけが残ってしまい何のために債務整理をしたのか分からなくなってしまいます。
 
 また、逆に、どうしても家を残すために個人再生という方法があるにも関わらず、個人再生手続きが複雑であるために、無理やり自己破産で処理しようとする弁護士・司法書士等もいるのでご注意ください。

 さらには、個人事業主の方や法人をお持ちの方で、さらに複雑な内容の場合もございますが、当事務所は、個人事業主の方の実績多数!今も、自己破産で借金を清算して事業を正々堂々と続けている方もいらっしゃいます。

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◆アクセス
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※近くにご利用いただける駐車場あり
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借金・債務整理の料金表

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項目 費用・内容説明
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また、その分割回数ないし分割期間も、他の事務所と比べてみてください。

当事務所は、基本的に、無理のない範囲で分割積立をお願いしております。

※もちろん、なるべく早く申立して終わらせたいから、とか、債権者が訴訟を起こしてきて、差し押さえされるとまずいから、早く積み立てる、というのをお引止めする趣旨ではございません。
債務整理費用 ◆破産:29万円〜(税別)

◆再生:34万円〜(税別)

以上が費用の基本でございます。

また、任意整理につきましては、1社につき5万円(税別)でございます。

また、破産・個人再生については、3カ月以内に積み立てて申し立てが成功した場合のキャッシュバック・任意整理については費用一括払いの場合の20%ディスカウントも行っております。

分割払いは長期回数も可能とする一方で、短期払いには特典をつけることにより、いずれの方の場合にもインセンティブがあるようにして、少しでも多くの方が最後まで債務整理を断念せずに完了できるようにすることを心がけております。

任意売却 任意売却についてのご相談も賜っております。また、任意売却については債権者と交渉の上で、可能な限り、引っ越し費用や残置物処理費用等を認めてもらうようにしております。債権者の主導の任意売却ですと、売却金はすべて債権者への返済に充当されてしまい、引っ越し費用もなくたきょされるという事もございますので、まずはご相談ください。
個別料金に関しましては、直接弁護士にご確認をいただくことをお勧めします。

借金・債務整理の解決事例(20件)

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借金・債務整理の解決事例 1

自分が自由に使える金はなかったのでついキャッシングで借金をして飲食代を捻出してしまいました。そこそこ給与は出てますが自由にはできないので、任意整理を実施【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉
 結婚しており、妻1人子供2人の典型的なサラリーマン家族です。

 システム系の会社に勤務していたため、自分でいうのもなんですが、そこそこ、給与は高かったです。

 ですが、給与は、全て妻が管理しており、私はお小遣い&その都度、申告制の形でした。

 ただ、例えば、飲み会があるから、いくらいくら下さい、と言えば普通にくれました。

 お恥ずかしい話ですが、この年になるまで、クラブとかキャバクラとかいう場所に行ったこともなく、飲み会と言えば居酒屋で、たまに年配の方と飲みにいったときにスナックにいったことがある程度でした。

 ところが、ある日、東京から地元に帰ってきた友人に連れられて、地元のクラブに行きました。

 本当に今まで行ったことのないようなまばゆい世界で、その中でも友人は、店員の男性やついてきた女性達ともかなり親しい感じで、ボトルも入っていました。

 女性の人たちも、ほとんどがモデルやアイドルになってもおかしくないような人たちばかりで、こんな世界が地元にあったのかとカルチャーショックを受けてしまいました。

 たまたま、私の隣に座った女性も、色白で目がぱっちりして、話も面白くて、しかも、私にLNEのIDまで聞いてくれました。

 友人曰く、

「お前も、そこそこ稼いでいるんだから、こういう所に来ないと駄目だよ。」

と言っており、私もついその気になってしまいました。

 その女性からは、翌日から、早速、頻繁にLINEが送られてくるようになり、最低でも週1、多いときは週3で通うようになってしまいました。

 しかも、例の東京帰りの友人も相まって、行くお店の数も段々、増えて行ってしまい、おかげで、かなりどの店でも名前を出せば、通じないことはないようにはなりました。

 さらには、同伴と言って、彼女たちの出勤前の夕食に付き合ったり、アフターと言って、彼女たちが、店(キャバクラ)が終わった後に一緒にカラオケに行ったりと、正直、完全に生活リズムが滅茶苦茶になりました。

 そんな生活を続けていたので、当然、妻は、不機嫌どころか怒りだしましたが、その東京帰りの友人が、地元の取引先がベンチャー企業で飲み会や付き合いが大変だとか、いろいろ説明してくれて、その点は信じてくれましたが、さすがに、この飲み代を借金で賄っていることはとても言い出せるような状況ではありませんでした。

 こんなことをしておりましたので、当然、金がなくなります。

 1週間で10万程度の金を使っておりましたので、小遣いで足りるレベルではありませんでしたし、逆に、こんなに頻繁に飲み歩けたのも、相手の会社さんの接待だということで言いわけをしておりましたので、その飲み代をくださいというわけにもいきませんでした。

 最初はキャッシングから始まり、次に消費者金融、そしてカードローンと、それこそ借りられるところからは全部、借りるみたいな感じになってしまいました。

 それでも、どこかでなんとかなるだろうと思っておりました。

 というのも、私は、前に勤めていた大手IT企業で早期退職に応じたために、900万円の退職金をもっていたからです。

 もちろん、それも妻の管理下にはありましたが、最悪、それが引き当てになると考えました。

相談後

借金の返済が滞り始め、督促状が来ました。

当初は、

「あれっ?カードの支払って払ったはずなのにおかしいな。」

「会社の経費立替分の清算が遅れている。」

みたいな話をしておりましたが、いい加減やばいと思って、ネットで調べて、こちらの弁護士事務所に連絡をいれました。

実は、東京にしか事務所がないけど、「全国対応」してくれるというところに、連絡をしたのですが、

「一度だけ、東京にいらっしゃることできませんか?有給かなんか使って。」

とか、

「出張相談もあるにはあるけど、費用が高くつくので、できればいらしてください。一回で済みます。」

とか、なんとか東京に来させようとするので、話にならないと思いやめました。

それで、こちらの事務所に電話したところ、なるべく早くの相談を希望と言ったら、たまたま、その日の夜に弁護士の人が空いているということなので、たしか、夜の7時ぐらいだと思いましたが、相談予約をとれました。

「とりあへず、持ち物も何もいりません。」

「まずは、ご自身で借金の内容とご自身の状況を伝えていただければ大丈夫です。」

とのことでしたが、普段からカバンに持ち歩いている(隠している)督促状はたくさんあったのでそれらをガサっと渡して、経緯を説明しました。

当初は、キャバクラで飲み歩いたなどというと、怒られるかと思って、

「会社の接待費を会社が経費として認めてくれないので自腹で出していたため。」

と言っておりましたが、

「そんな会社の接待で600万円も使わせるところあるの?」

と言われてしまい、結局、本当のことを話すことになりました。

ざっくばらんではありますが、的確に詰められてしまい、やはり、プロというかその道の専門家には誤魔化しは効かないなあと感じました。

怒られたり、「怪しからん!」と説教されるようなことは一切ありませんでした。 

「多分、よその事務所に行っても、まずは同じことを言われると思うんですけど、奥さんに話をして、退職金で清算するのが普通の方法ですよね?」

「まあ、ただ、そんなことは分かっているでしょうし、それが出来ないから、わざわざ弁護士のところにきているんですよね?」

「それでどうするかと言うと、『任意整理』って言って、これはいわゆるリスケなんですが、なるべく分割払いの返済期間を長くとった個別の債権者との和解をするしかないんですよね。」

「すいません。私の給与はすべて妻が管理しているので、月に10万とか7万とかの余剰がひねり出せる気がしません。」

「そういうことですか。だけど、借り入れが最近なので過払いになっているという事もなく、元本を任意整理で減らすというのはなかなか難しいんですよ。」

「任意整理とかやってしまうと、もう、お金は借入できないんですよね?」

「まともに金融機関からは借りられませんし、それにまた借りちゃうと借金が膨れるだけですので、意味ないですよ。借りた金で返すなんて馬鹿な考えはやめた方がいいですよ。」

「要するに、月々のお小遣いというか、自由につかえるお金が少ないことが原因だとは思いますが、今までも、例えば、職場の歓送迎会とかは、きちんとお金は頂けたわけなんですよね?」

「だったら、そこは、ランチをしたつもり、飲み会にでたつもり、で少しずつ積み上げていくしかないんじゃないでしょうか?」

「そして、どこかのタイミングで、きちんと話せるときが来るかもしれないですし。」

等々のやりとりがありました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

自己破産ないし個人再生は借金があれば誰でも利用可能な手続きであると勘違いしている方がいらっしゃいますが、そうではありません。

例えば、破産手続を開始するには、「支払不能」であることが必要です。

ただ、この支払い不能も、

「貯金はあるけど、奥さんが管理しているので支払い不能だ!」

と言っても聞いてはもらえません。

支払い不能とは、借金の返済を一般的かつ継続的に行えない状態です。

例えば、毎月の支払が20万円で、給与手取りが18万円だったら不能です。

なお、個人の破産の場合は、この支払不能が破産手続の要件ですが、法人の場合には少し異なります。

そういうことで、今回のケースでは、自己破産だとか、個人再生だとか、その手の裁判所を使った法的な手続きは使えないのです。

今回のケースは、債務超過ならぬ資産超過と言って、借金が600万ですが、他方で資産が退職金の分だけでも900万円あるので、裁判所とか他の債権者から見ると、『払えるんだから払ってください』と言われてしまうわけです。

それでどうするかと言うと、『任意整理』というリスケをするしかないわけです。

交渉により、なるべく分割払いの返済期間を長くしてもらう内容の債権者との和解をするわけです。

仮に、5年間の分割払いにすると、600万円の60回払いで、1カ月10万円になります。

もし、7年間まで分割払いが認められるとすると、1カ月7万ちょっとになります。

7年は債権者によっては厳しいです。

NTT等は7年は受け入れないです。

任意整理は、利息がつかないので債権者としてもあまりに長期だと受け入れがたいのです。

結局は、債権者に7年をなんとしても認めないという業者はおらず、なんと頑張ってて、7年間で、月約7万円で各債権者との任意整理の和解ができました。

支払いについては現在、継続中です。

支払いはどうしているかというと、会社にお願いして、毎月の返済分だけ、別の口座に振り込んでもらっているそうです。

もちろん、その分だけ給与が減ってしまうと不審に思われてしまうので、月30時間ほど残業を増やしたとのことです。

任意整理をしているほかの方はどうしているのかを聞かれたことがあり、

「皆さん、親から借りるとか、本業が終わった後にバイトしたりしている」

とかお話ししました。

一瞬、この方もバイトをしようかと思ったらしいのですが、よく考えると、そんなら会社で頑張って残業すればいいやという、当たり前のことに気が付き、残業を増やした分だけ別口座に振り込んでもらうようにしたのです。

会社には、信じてもらえたかどうかは分からないのですが、最近、カードの引き落としが両方の口座でされるようになってしまい、お金を移動するのをどうしても忘れるときがあるので、お願いできないかと頼んだところ、了承してもらえたそうです(参考になります)。

しかも、残業が不自然にならないように率先して仕事を受けるようにしたら、会社からの受けがだいぶ良くなったという副次的効果もあったとか。

体は疲れるでしょうが、よく考えたら、これまでは早々に仕事を切り上げて飲み歩いていたのですから、よほど時間は効率化されております。

まだまだ気は抜けませんが、コツコツ頑張って借金を完済して、完済してもその勢いを忘れずに、貯金し続けられるようになってほしいものです。

https://債務整理新潟.com/

借金・債務整理の解決事例 2

子供にお金のことで迷惑をかけられない、けど、家を守りたいので任意整理で頑張る! もともと、私の借金ではなく、相続で発生した借金でした【事務所法人案件】

依頼主 女性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉

もともと、私の借金ではなく、亡くなった夫の借金でした。

かなりの大金で、本当に、いろいろ考えましたが、いまだに、何の借金かは分かりません。

夫が亡くなり、家には私と子供が住んでおります。

私自身は、小売りの店舗をほそぼそと営んでおりますが、赤字ではありません。

人件費もかかりませんし、ほとんどが仕入れ消化で在庫買掛もありません。

子供は、私の店舗とは全く関係なく、介護関係のお仕事をお勤めで行っております。

夫が亡くなり、自宅については団体信用生命保険がおりましたので、住宅ローンはなくなりましたが、他方で、借金の方が、消費者金融、銀行(信用金庫カードローン)、等々、どんどん請求書が見つかり、結局、500万円近い借金でした。

一緒に住んでいたので当然分かりますが、ギャンブルもしませんでしたし、女性がいたという事も考えられません。

別に、お酒が好きだという事もなかったですし、もともと、堅い職場にずっとお勤めしていたので、何かの商売で借金ができたということもありません。

ですが、どんどん督促状とか、最終通知書とか、おそろしい文書ばかりが来るので、怖くなって、弁護士さんに相談しようと思いました。

ですが、こんな身内の話を誰にも相談できないと思ってどうすればいいかと困っていたら、子供がいろいろ調べてくれて今の弁護士さんに辿り着きました。

ただ、弁護士さんに相談したら、家を売れ、と言われるのではないかと怖くて、実際に、相談の予約をとるのに躊躇しました。

しかし、そのうちに、あるクレジット会社から、

【訴訟提起予告通知〈最終〉】

なる書面が届いて、それを読むと、支払いがずっとないので、これから裁判を起こして、裁判をしたら、強制執行と言って、財産を差し押さえる、ということが書いてありました。

ただ、今なら、話し合いの余地があるから、連絡するように、とも書いていありました。

それで、子供に、

「弁護士さんの所に行く前に、こっちの会社が連絡した方がいいかしら。」

と聞いたら、

「そんな1社だけ連絡してどうするの?」

「それこそ、家を売って借金返せって言われるに決まっているじゃない」

「早く、弁護士さんに相談に行ってよ!」

と怒られてしましました。

何事にも優柔不断な私の背中を子供が押してくれる形でした。

本当に、夫が生きているときには夫の言いなりになっていたので、夫が亡くなってしまい、一人では何もできない私に、このような頼りになる子供がいてくれたことが何よりも救いでした。

いろいろ、何を聞かれるかを考えていても仕方がないので、とうとう、仕事を1日休んで、弁護士さんのところに相談にいくことにしました。

しかも、その日は、当初は私一人で行こうと思っていたのですが、子供が私一人では心もとないと思って、有給をとってついて来てくれることになりました。

ありがたいことです。

相談後

弁護士さんに相談したらどうなるのか分りませんでしたが、結局、ありのままをお話して、どうしたら一番良いでしょうか?とお尋ねしました。

弁護士さんは、

「逆に、どうなるのが一番良いとお考えですか?」

「もちろん、借金が消えてなくなり、ローンがなくなったご自宅にそのまま住み続けられるのが一番良いのですが、客観的な状況から言ってそれは難しいと思うので、端的に言いますと、家をとるか、借金の一括返済をしてきれいにするのをとるか、を選んでいただきたいです。」

と言われました。

それで、ようやく、私自身が何で悩んでいたのかが自分自身ではっきり分かったというか、何を決めればよいのかが分かりました。

ただ、弁護士さんが、

「ひょっとすると、ご主人は、ずいぶん以前から借りたり返したりしている可能性もあるから、その場合、過払いと言って、高い利息の払い過ぎがあるかもしれないね。」

「そうしたら、少しは、今の借金の額も減るかもしれないので、先に調査だけしてあげますよ。」

と言ってくれました。

それで、後日、調査結果の一覧が出ましたという事で、ドキドキしながら、債務の額と不動産の価値の説明を受けました。

不動産については、予め、弁護士の先生がいくつかの不動産屋に査定を出してもらって準備してくれていました。

不動産の価値については1500万程度だそうでした。

結論としては、債権者のうちの2社分に過払いが出ていたということ、及び、消滅時効が1社は成立していたということで、500万ちょっと切るぐらいの借金の金額だったものが、360万円まで減るとのことでした。

それでも、約5年間で月6万ちょっとのお金を支払わなければならないとのことでしたが、その場で娘と話し合いの結果、なんとか頑張って2人で支払っていこうという話になりました。

といいますのも、その前に、弁護士さんにお話した際に、私が、

「夫の遺影を見ていると、ばかばかしいというか、悲しくなってしまいます」

という話をして、思わず涙ぐんでしまったのですが、先生ご自身が、

「相続するものがあるだけ、恵まれていますよ。」

「今回の相続が家と借金だからそう思うんです。」

「たしかに、借金なしで家が相続できればそれに越したことはないけど、借金しかなくて相続放棄しかできない人も沢山いるんです。」

「こういう形だから、ご主人に対して複雑な思いを抱いてしまうのかもしれないですが、もともと、家が賃貸で、1000万円程度の貯金を残してくれたら、そういう感情にはならなかったでしょ?」

と言ってくれたためです。

「もともと借家で1000万円相続したら?」

そういう考え方はしたことがありませんでした。

たしかに、夫が亡くなり、すぐに借金の話が出てきてバタバタしているうちに、落ち着いて考えるゆとりもなく来てしまったのですが、なにがしかのものでも残してもらったことについての感謝の気持ちがないという自分に気が付いたのです。

子供に迷惑かける気持ちも大きかったのもありますが、子供が、

「家賃支払うと思えば、毎月6万ぐらいは、全然、大丈夫だから」

「それに、最後はどうせこの家は相続できるんでしょ?」

と言ってくれたのも大きかったです。

思えば何も分からず、債権者の方々とお話を進めていたら、過払いがどうとか、時効がどうとかは分からなかったわけですし、実際、100万近くの借金が減ったことも、大変ありがたい話ではあります。

ないものねだりをしないで、これから、子供と2人でコツコツと頑張っていきたいと思います。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

借金と相続放棄について

借金を好んで相続する人はいないでしょうから、相続の際に借金があると分かった場合には、通常は相続放棄を選択します。

しかし、借金ばかりではなく、不動産その他の財産もあるときには、相続放棄をすべきかどうか悩ましい選択を迫られます。

通常は、単純に、借金と財産の双方を比較して、借金の方が多ければ相続放棄をして、財産の方が多ければ相続をして、財産の一部を使って借金を返済します。

とはいえ、現金の資産ばかりではありませんので、例えば、1500万円の家の一部を売却して、1000万円分の家を残す、などということは簡単にはできません。

そうすると、全体として売却して現金化するか、家を残したまま借金を別の形で返済するかの方法になってまいります。

今回がまさにそのケースです。

なお、借金を相続しても自己破産したら同じではないか?と思われる方もいらっしゃいますが、相続放棄と自己破産とでは、借金の支払い義務がなくなるという点のみを見れば同じに思えるかもしれませんが、全然、違います。

相続放棄は、降りかかってくる返済義務と相続財産だけを放棄するものですが、一旦相続してしまえば、自己破産と言っても、自分固有の財産も放棄しなければならなくなります。

自己破産は、相続した財産も放棄するのみでは済まないのです。

相続を契機にそれまで築き上げた自分の財産まで放棄しなければならないとしたら、とても苦しいですね。

相続放棄は、言い換えると、借金も財産ももともとなかったものと思えばよいのです。

相続放棄と自己破産とは大きく異なりますので、とりあへず相続して等と安易に考えない方がよいです。

それに、自己破産の場合には、手続きが複雑で費用もかさみます。

その複雑さは相続放棄の比ではありません。

もちろん、相続放棄にせよ、自己破産にせよ、面倒な手続きは全部、弁護士に任せるからいいんだよ、と思われる方は、鋭いですが、それでも費用も全然違います。

相続放棄なら、どんなに困難な状況、例えば、相続放棄期間が経過した後の相続放棄等であっても、せいぜい、10万程度ですが、自己破産の場合には、この3、4倍の費用が必要となります。

繰り返しになりますが、

「最悪、自己破産すればいいのだから」

などと、相続手続きを安易に進めないで、必ず、弁護士に相談してみてください。

今回は、破産も何も、そもそも、不動産という形にせよ、資産の方が借金より多いという資産超過の場合でしたので、破産の前提要件を欠いているケースのなので任意整理になりました。

債権者との交渉中に、債権者から、

「家があるんだから家を売って返済してください」

と言われたら嫌だなあ、分割払いの交渉が難しくなるなあ、と思っておりましたが、相続人が債務整理に真摯に臨むケースはさほど多くなく、死んだ人の借金を相続人にまで追いかけるのは債権者としてもそれほど厳しくは行わないそうで(某保証会社の担当者との雑談)、助かりました。

ただ、家も、経年により、その資産価値は減りますし、土地だって、人口が減少する今の日本ではごく一部の地域を除いては、価値が下がるでしょうから、その家にしがみつくかどうか、現金化した方がいいのか、というのは感情論をひとまず置いておいて、客観的に判断した方がいいとは思いますが。

https://債務整理新潟.com/

借金・債務整理の解決事例 3

(その1)ギャンブル、浪費、無謀な貸付、全部やりました。厳しい自己破産手続き。散々あがいた挙句、ようやくたどり着いた免責【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 女性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉

実は、私は、こちらの事務所にお世話になる前に、別の弁護士の先生、司法書士の先生にもお世話になっているのです。

さすがに、ここまで、いろんな所を回っているのは私だけではないかと思います。

実家は東京ではないのですが、そこから、一度、東京に出て、また地元に戻るということをしております。

東京に出たのは、単に好奇心からなのですが、そこで、営業事務の仕事をしておりました。

実は、すごい会社の業績はよくて、社長もまだお若かったのに、高級外車を何台もお持ちでした。

従業員にも賞与も出るし、社員旅行も海外でした。

そして、その時に付き合っていた男性が、同じ会社の人で、彼は会社の成績もよく、社長からも気にいられていました。

彼の影響を受けてしまい、私も、だんだん生活が派手になってしまい、彼に付き合ってパチスロもやるし、よくブランドショップも出入りして、カバン、靴など、すべてブランド品でした。

ショッピングは、全部、クレジットカードを切ってやっておりましたし、パチスロも熱くなると、近くのコンビニATMでキャッシングしてお金を突っ込んだりしておりました。

それでも、またいつか、賞与がドンと出たり、彼の給与が右肩上がりになるだろうと思って、いつか返済できるようになる、と今から思えばよく分からない根拠でやりたい放題でした。

ところが、そんなにうまく続くはずはなく、会社がとある理由から業務停止になってしまいました。

それで大騒ぎになり、社員はことごとくリストラになってしまいました。

私は、しばらく失業保険をもらいながら無職を続けましたが、彼は、また別の会社に就職することになりました。

今度は、私も詳しくは分からなかったのですが、何か特殊な機器のようなものを売る仕事だということでした。

ただ、今度の会社ではなかなか苦戦していると泣きがはいっていたので、私も彼を助けるために、自分も無職なのに、キャッシングをしては、彼にお金を渡していました。

ですが、そもそも、私自身の返済もある中で、彼にお金を渡していたので、私も困ってしまい、

「いつになったら返してもらえる?」

「私もすごい困っている」

「今、お給料ってどうなっているの?」

などという話をしていたら、次第に、連絡自体がつながりにくくなってしまいました。

それで、あまりに音信不通が続くので、彼のマンションに行ってみたところ、なんと、彼はもうそこには住んでいませんでした。

家賃が支払えなくて追い出されたのかと思い、彼が勤めていると言っていた会社の電話番号に電話してみました。

ところが、驚いたことに、彼は在籍していない、と言われてしまいました。

仕事も辞めたのかと思い、いつ辞めたのかと聞いたところ、さらに驚いたのですが、一度も彼の名前で在籍した者はいない、と。

そんなことがあるはずがないと思いながら、毎日、毎日、何度も彼のケータイに電話・メール(LINE)をし続けましたが、まったく連絡なしで、LINEも既読にもなりません。

何が何だか全く分からないまま時間だけが経過したのですが、そのうち、私も返済が滞って、カード会社から逆に何度も電話を受けるようになってしまい、東京の弁護士事務所に相談に行ったのです。

たしか、ネットで検索して、上の方に名前がでていた事務所だったと思います。

相談後

(最初の弁護士さん相談)

そこで私はまずは、彼の居場所を探してほしいこと、および、彼からお金を取り戻したいと言ったのですが、弁護士さんからは、弁護士は探偵とは違うので、それは難しいと言われました。

それでは、私のこの借金だらけの状況はどうすればいいのかと言ったところ、

(最初の弁護士)「全部が全部、その男性のせいではないですよね?」

        「あなたにだって、パチスロやったり、ブランド品を買ったり落ち度はあるわけでしょ?」

        「そんなんじゃ、破産はできないので、任意整理にした方がいいですよ。」

        「とにかく、任意整理をした後でその男性のことはどうするか協議しましょう。」

  と言われてしまいました。

当時の借金の額が約400万円で、そのうち彼に貸したお金が150万円でしたので、その弁護士さんが言うのにはまず、400万全額について、3年払いの分割払いとする任意整理をして、月12万円を支払い、彼からもしお金が戻ってくれば、それを繰り上げ返済に使えばいいのではないかということでした。

ですが、月12万円なんて額は到底払えないし、もし彼からお金が戻ってこなかったらどうするのかを聞いたところ、

(最初の事務所)「その場合には、残念ですが、破産するしかないですね。」

        「ただ、破産もできるかどうか分からないですよ。」

  と言われてしまいました。

(私)「そんな、分割払いもできないし、破産もできるかどうか分からないのなら、私はどうしたらいいのですか?」

  と聞いたら、逆に、

(最初の事務所)「じゃあ、あなたは私たちにどうしてもらいたいのか言ってください。」

  と言われてしまいました。

それで、こちらの事務所の方たちとやりとりしても、どうにも先が見えないので、そちらには依頼はしないことを伝えました。

そうこうしているうちに、失業保険も切れるし、借金の返済もできなくなりし、家賃も支払えなくなりそうなので、実家に帰ることにしました。

(二番目の司法書士さん)
そして、次は、東京の司法書士の事務所に相談してみました。

そうしましたところ、

(二番目の司法書士さん)「弁護士さんはプライドが高いから、そういうことって多いんですよ。」

            「うちは顧客目線で考えているんで、ご安心ください。」

と言われて、ホッとして涙が出てしまいました。

そして、司法書士さんの作戦としては、彼に貸したお金については、破産が終わった後にゆっくりと取り戻せばいいということでした。

そこで、自己破産の申し立てをしていただくことになりました。

いろいろ準備する書類とかもありましたが、そちらのスタッフの方が優しく教えてくれたので、滞りなく準備することができ、破産の申し立てをしていただきました。

ところが、その司法書士事務所から連絡があり、

(二番目の司法書士さん)「すいませんけど、今週中に30万円ご用意いただけますか?」

  と言われてしまい、そんな大金を急に用意できるはずもないので、どうしてかと聞くと、どうも私の浪費の経歴が問題になってしまい、破産管財人が必要となるのだけど、破産管財人がつく場合には30万円が必要だということ。

「どうして、事前に言ってくれなかったの!」

「私の経歴は話してありましたので、プロならこうなることは予測できたはずですよね?」

「30万円を用意できなかったらどうなるんですか?」

と聞くと、破産は却下されてしまうとのことでした。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

ただ、30万円を用意できないものは用意できないので、結局、自主的に取り下げるように裁判所から言われたとのことで、結局、取り下げることになりました。

そして、また、司法書士から、30万円を毎月、積み立ててほしいと言われたのですが、破産管財人とかの話を全くされていなかったので、改めて、説明を求めたところ、その司法書士からは、

「150万円を彼に貸していることも問題視されている。」

「破産が終わった後に回収するなんてことはできない。」

とまた相談者を混乱させるようなことを言ったそうです。

(司法書士は、貸付金について何も対応していなかったようです。)

そこで、依頼者の方は、ちょっと信用できないので、費用を返してほしいと言うと、

「一応、申し立て自体はしたので」

と言われました。

しかし、事前になんの説明もなく、ただやみくもに申し立てだけされても納得できない旨を伝えると、渋々と言った感じですが、積み立てた35万円のうち、5万円が差し引かれて返金してもらえたそうです。

依頼者の方も、疲れ切ってしまったそうですが、これで最後にしようと思い、それこそインターネットで真剣に調べたとのこと。

そして、自分と似たような事例があったので、電話をされてきたそうです。

依頼者の方は、

「インターネットの事例を見ました。」

「この事例を担当された弁護士さんは誰ですか?」

「まさにこの事例を担当された弁護士さんを依頼することできますか?」

「図々しいようですが、もはや背に腹は代えられないところまで来ている」

と圧が凄かったので、通常は、こういうのっけからの指名というのはないのですが、お受けすることにしました。

こちらからご連絡を差し上げて、

「最初の面談はもちろん私が担当しますが、その後の手続きは自分一人では手が回らないので、複数で対応させてもらう形でもよろしいでしょうか?」

「何かあれば、私の携帯もメールも教えますし、ただ、そもそも、ご依頼されるかどうかは面談してからお決めになってからでもよいのでは?」

と言うと、笑いながら、

「それもそうですね。」

とおっしゃり、後日、面談させていただきました。

「そもそも、浪費とかギャンブルがある時点でまずは管財になります。」

「通常は、浪費やギャンブルは免責調査型と言って、免責してもよいかどうかを慎重に判断するために管財人がつけられるのですが、その場合には管財費用、要は、管財人の報酬分がかかるのです。」

「何をおっしゃりたいかは分かります。」

「管財人つけるかどうかを決められて、しかも、その管財人弁護士の代金をこちらに払わせるのかって思いますよね。」

「でも、制度の仕組み上、そうなっているのです。しかも、管財人も、管財報酬をお支払いいただきありがとうございますなんてお礼の一つも言わないですから、まあ、納得いかないとは思うんですが、ご理解くださいとしか言いようがないんです。」

「まあ、むしろ、ありがとうございますどころか、その逆で、自分が代官になったつもりの態度で臨んでくる破産管財人もいますから、予め言っておきますが、そちらもそういうものだと思って耐えてくださいね。」

  ⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒(その2)に続く。

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借金・債務整理の解決事例 4

(その2)ギャンブル、浪費、無謀な貸付、全部やりました。厳しい自己破産手続き。散々あがいた挙句、ようやくたどり着いた免責【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 女性

相談前

前回までの流れ

 いわゆるダメ男と付き合い、ギャンブル、浪費そして、そのダメ男そのものに貸付をしてしまった女性。
 交際当初は、ダメ男ではなかったのかもしれないが、女性も彼も、勤務先の会社が業績が右肩上がりのイケイケ企業だったので、その勢いにつられて、金遣いがあらくなってしまったというもの。

 しかし、そのようなイケイケ状態がずっと続くこともなく、会社はとある理由から業務停止になってしまい、当然、社員はリストラされることになった。

 もちろん、女性も彼も例外ではなく、リストラになるが、金遣いが荒かった当時にできたキャッシングやショッピングの借金の支払が重くのしかかる。

 それでも、女性は彼を応援するために、なんと自らが借り入れをして彼に貸し付けるということまでしてしまった。
 ところが、いつまでも金を返してくれないので、催促しているうちに音信不通状態になる。
 聞いていた勤務先も、実は、その会社には在籍していなかったということが判明。

 ダメ男はとんずらこいて、貸した金の回収もほぼ難しい状況。
 しかも、自分の借金の返済も難しい状況。

 窮地に追い込まれた女性は弁護士に相談することになる。

 最初に相談した弁護士からは、ギャンブル、浪費があるから、破産をするにも免責が認められないので、任意整理をしろと迫られる。

 また、男に貸した金の回収も聞いてみたが、探偵ではないので、居場所も分からない人間から金を回収するのは困難なので、任意整理をしてから、その件はゆっくり考えたらよいと言われる。

 しかし、任意整理というのは、今ある借金の額は減らずに、その1回あたりの返済額を伸ばすだけの手続きで、女性はその返済すら難しいという状況。

 こちらの弁護士とやりとりしていても埒があかないと考え、その弁護士に依頼することは断念。

 今度は、弁護士ではなく、司法書士に相談に行った。

 司法書士は、最初の弁護士と異なり、押しつけがましいところはなく、スタッフの方も優しかった。

 そして、任意整理では支払いができないというと、自己破産を選択するのがよいと言われて、自己破産を申し立てる。

 しかし、自己破産手続きには、破産管財人がつけられる管財手続きと、管財人がつけられない同時廃止手続きというものがあるが、ギャンブルや浪費がある場合には、通常、破産管財人が付される破産管財手続きに回される。

 破産管財手続きに回されると、時間もかかるが、費用も余計にかかる。

 破産管財人の報酬は、破産を申し立てる者が支払わなければならないとされているからだ。

 ところが、司法書士は、そのことを知ってか知らないでか、この女性については、破産管財人が付されない前提で破産の申し立てをしてしまった。

 当然、裁判所からは、破産管財手続きになるので、破産管財人の報酬も支払うようにと命じられる。

 しかし、破産管財人の報酬は、司法書士に依頼した申し立ての場合には、弁護士に依頼した場合と比べて高額であり、しかも、原則として、一括で支払わなければならないため、到底、女性は準備することができずに、せっかく申し立てた破産手続きを取り下げることとなってしまった。

 そのようなドタバタがあり、司法書士に継続して依頼する気が失せた女性は、これで最後と、さらに別の弁護士を探した。

 そして、これまでの経緯や今後どうなるのか?そして、どうすればよいかを弁護士に相談している。

相談後

弁護士さんからは、

「ただ、あなたの場合には、元カレに貸した金の回収可能性があるかもしれないので、いずれにせよ管財費用は必要になると思います。ただ、司法書士よりは管財費用は安くなります。」

と言われました。

「えっ?管財費用は弁護士も司法書士も同じではないのですか?」

と聞いたところ、

「弁護士が代理人としてついてるのと司法書士が書面だけのサポートをするのでは破産管財人の手間が違うのです。」

と言われて、

じゃあ、弁護士に頼んだ方が得ってことですか?」

と思わず言ってしまいましたが、

「まあ、得っていうか、そうですね。」

「その辺はね、弁護士もちゃんと皆さんに本当は周知しないといけないんですよ。」

と苦笑いしていました。

「それで、この元カレ貸金の件だけど、おそらく、回収できる可能性は低いと思うけど、何もしないで、管財人に『あとは、よろしく!』って言うわけにはいかないので、やれるところまではやりますね。」

と言って、もともとの彼の住所から、住民票を取得してもらったところ、なぜか、関西の方に住民票が移されているとのことでした。

彼からは実家は東北だと聞いていたのに、なんのゆかりがあって関西なんかに住所を移したのかが検討もつきませんでした。

そして、そこに何度も郵便物を送ったり、弁護士事務所から元カレの電話番号に電話してみてもらったりしましたが、やはり、連絡がつくことはありませんでした。

すると、弁護士さんは、私が、彼の実家が東北にあるということを聞いて、なんと、彼の両親の住所、正確には、もう母親しか生きていないので、彼の母親の住所まで調べて、そこに彼の連絡先を尋ねる文書を出してくれました。

そうしましたら、ついにアイツから連絡がありました。電話で。

「何の用?」

ひどい言い方でした。

私は、ずっとずっと連絡がなくて、借金の返済にも窮して困っていたことを伝えると、衝撃の反応がありました。

「知らねえよ。自分の借金だから自分で始末つけるの当たり前だろ。」

「弁護士なんか使って何がしてえんだよ。」

「どうせ、弁護士にそそのかされてんだろ!」

「その弁護士が報酬欲しさにあおっているだけだぞ!」

もう、頭に来るのを通り越して吐き気がしましたが、弁護士さんに連絡したら、

「分かった。すぐ連絡してみる。」

と連絡してみてくれました。

「何なのアイツ!あんな奴とよく付き合っていたね。」

やはり、弁護士さんにも同じ対応・回答だったとのことで、私が虚偽を言っている、証拠があるのか、等々の開き直りだったとのことです。

たしかに、証拠はないのですが、悔しくて、悔しくてたまりませんでした。

弁護士さん曰く、

「裁判起こすということもできるけど、やはり証拠がないと相手を追求しきれず費用倒れになる可能性が高いです。」

と言われてしまいました。

そして、こうも言われました。

「感情的に許せないのはよく分かりますが、仮に彼から貸した金が返ってきても借金は400万から250万円に減るだけです。」

「そして、自己破産というのは、借金が400万円でも800万円でも、免責がおりれば最後はみな同じで、借金はゼロになります。」

「それなら、ここまでにして破産を申し立てませんか?」
  
と説得され、ようやく落ち着くことができました。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

破産の申し立て時には、一応、申立代理人が、このケースは破産管財人がつく破産管財手続きか、それもとも破産管財人をつける必要がない同時廃止手続きかを選ぶチェック欄があります。

それなら、申立代理人が同時廃止と選べば破産管財手続きにならないで済むのではないか?と思われるかもしれませんが、そういうものではありません。

さすがに、浪費・ギャンブル、未回収の貸付金があるという状況で、破産管財人は不要です、と言っても、通常であれば、裁判所が、

「いや、このケースでは破産管財人をいれて調査させる必要がある」

と破産管財手続きに回すことが明らかです。

もちろん、ギリギリのケースもあります。

例えば、ギャンブルをやったことはあるけれども、数年前にやめており、しかも金額もそんなに多額でなかった、とか、浪費と言えなくもないけど、その当時は、十分に毎月のお給与から支払いを継続することができるはずだったのに、突然、リーマンショックやコロナショックのようなことがあったために、リストラ・失職したような場合です。

その場合には、上申書とというものをつけたり、資料を添付したりして、こういう事情だし、破産管財費用もないので、同時廃止手続きで進めてもらいたい旨の上申(要は、お願い)をすることにより、破産管財手続きに回されないで済むこともあります。

ですが、これはかなりレアです。

上申(お願い)しさえすれば、なんでも同時廃止手続きにできるというものではありません。

また、貸付金の未回収金についても、相手が行方不明であるとか、相手自身が自己破産している、生活保護を受けている等の状況ですと、回収することはほぼ不可能ですので、その旨を上申することにより、

「たとえ破産管財人をつけたとしても、もはや回収できる可能性はありません。」

「したがって、破産管財手続きでなく同時廃止手続きでお願いします。」

という願いが受け入れられる可能性があります。

本ケースでは、一応、元カレと電話連絡はつく状態なので破産管財人も多少、調査はしたようです。

しかし、結論としては、破産管財人は、申立人の女性に同情は示してくれましたが、元カレを訴えるとかはしないままで終わりました。

他方で、昔のパチスロやブランドショッピングについては、

「もうやっていないですよね?」

と確認されたぐらいで、ほとんど触れられませんでした。もちろん、反省文をしっかり買いて提出済みなので、聞いても同じことを言うだろうと思ったのかもしれません。

そして、なんとか破産の免責が認められることになりました。

結局、破産管財人も回収できず、破産管財人はその貸金請求権を放棄しました。

放棄したとは、要するに、

「あとは、自分で好きにしてください」

ということです。

そこで、

「もし、元カレの追及をするつもりなら、元カレへの債権が消えてはいないので、反省を迫る意味合いであれば、やってもいいかもしれませんがどうしますか?」

と聞きました。

しかし、実は、その時点で新たに交際を始めたそうで、とれもしないお金のために、元カレがどうのと騒ぐのも、その交際相手に悪いので、もういいです、って言うことでいした。

ちなみに、その交際相手とは最終的に結婚することになり、今は専業主婦です。

そういうこともあって、逆に考えれば、結婚前にすべてのゴタゴタを整理できて本当によかったとのことでした。

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借金・債務整理の解決事例 5

(その1)一時は退職を覚悟しました。ゲーム・アイドルにドはまり人生からの復活。公務員なので自己破産手続きは不可能だと思っていました。【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉

ゲーム課金にハマってしまいました。

最初は、本当に暇つぶし程度で、しかも、全くお金をかけずに、ゲームを楽しむだけだったのですが、段々と進むごとに、そのステージをクリアすることが難しくなり、そこで、ちょっとした武器のアイテム等を購入することになったのがゲーム課金の始まりです。

1つ1つは、100円とかそんなものなんです。

「普段、一生懸命に働いているんだし、そんな数百円ぐらいは良いんじゃないか?」

「ほかの人達は、ゴルフをやったり、飲みに行ったり、自転車を買ってロードサイクルやっているんだから、それに比べればかわいいもんだ。」

そういう意識でした。

ところが、段々とハマってしまい、今日は、ここまでにしよう、あと1ステージだけクリアしたらもう止めよう、と思うのですが、何やら頭が冴えてしまい、眠れないからもう1ステージだけやろう、と気がつけば夜が明けてしまい、疲れた体とボーっとした頭で出勤する、などということもありました。

そして、一つのゲームを攻略すると、今度は、もっと面白い、やりがいのあるゲームはないのか?とまた別のゲームを探す、という有様でした。

とにかく、早く仕事を切り上げてゲームをすることだけが全てだった時期です。

本当に今思えば酷い生活をしていました。

さらにひどいことには、会社というか(公務員ですが)、共済組合からの貸し付け制度があり、そのお金も借り入れてしまいました。

それも、ゲーム課金の為です。

さらに、それだけではないのです。

今度は、ゲームから派生して、あるアイドルにハマってしまいました。

もともとは、そのアイドルを主役にしたゲームをやっていただけだったのですが、そのゲームをやっているうちに、知らぬ間に、今度は、リアルでそのアイドルに会ってみたいという気持ちになってしまいました。

ライブに行くとしても、地元でやる講演は数少ないので、自ずと大都市圏、東京、大阪、名古屋に行く必要が出てきます。

ライブに行ったら行ったで、ライブに行くだけでは飽き足らず、握手会にも行きたいと思うようになり、そのためにはCDを購入しなければなりません。

そして、さらには、そのアイドルを応援するためにグッズを購入することも必要となってきます。

結局、CD、DVD、グッズ、ライブと、こちらも相当なお金を使ってしまいました。

できた借金の額は400万円程度で、当初は、自分は公務員は自己破産すると失職すると思い込んでいて、そのため、一番最初に相談に行った司法書士事務所では、自分は絶対に破産はできないと言われてしまいました。

そうしましたら、そちらの司法書士事務所では、任意整理と言って、それまでの借金を長めの分割払いにすることをやってくれました。

それはそれで利息がなくなって良かったのですが、共済組合からの貸し付けについては、

「これを任意整理の対象にすると、おそらく解雇されることになります。」

と言われましたので、そちらは、そのまま支払いを続けることにしました。
  
しかしながら、月10万円程度の支払いを続けて、かつ、その司法書士事務所の費用も支払い続けたので、全く続かなくなりました。

賞与で少し余裕が出るかもと思ったのですが、賞与分については、毎月ではない一時的な支払い・支出にも回さなければならなくなり、やはり、支払いを継続するのは困難な状況になってしまいました。

それで、今度は弁護士事務所に相談することになったのです。

相談後

最初の面談で弁護士の人から言われた言葉が衝撃的でした。

「なんで、払えもしない任意整理なんてしたんですか?」

私は、

「払うのはきついと思いましたが、首になると困るので・・・」

とありのままに答えましたが、

「別に公務員だからって破産したら首になるってことはないですよ。」

私は、

「それではこれまでの任意整理をしたのはなんだったんだ」

とガッカリするとともに力が抜ける気がしました。

ただ、もう一つの気になること、

「破産しても首にならないのは分かりましたが、実は、共済組合からお金を借りているのです。」

「あともう少しで完済できますが、自己破産をするとその共済組合からの借り入れについても支払いできなくなるんですよね?」

「さすがに、共済組合の借金をチャラにするような真似をしたら首になると思いますが・・・。」

「ならないです。」

「ならないですが、非常に気まずいというか職場にいずらくなるでしょう。」

「会社からすれば、従業員に金を貸して、それを給与から天引きしていこうと思ったのにそれができなくなるのですからね。」

「それでは、どうしたらよいでしょうか?」

「もし、可能であればですが、ご親族か誰かに頼んで、会社への支払い分を一括返済してもらうことです。」

「今、あなた自身が支払うのは偏頗弁済と言って、破産を申し立てた後に問題になります。」

「つまり、あなたが返済したとしても、特定の債権者にのみ返済をしたとして、破産管財人が結局、会社に取り戻しにかかります。」

「要するに、会社側からすると、せっかく返済してもらった分をまた管財人に返さなければならなくなるのです。」

「もし、会社側が『そんな返済が大変になっているなんて知らなかった』と返済を拒むとすると、破産管財人が訴えてくるかもしれません。」

「ただ、本当に、会社が善意で受取ったのだとすると、破産管財人に返済しなくても済むかもしれませんが、そうすると今度はあなたがその分の返済をしなければならなくなるかもしれません。」

「分かりやすく言うと、『会社に支払ったのは無効だから、その分は破産管財人に返済しなさい』と言われるのです。二重払いさせられるわけですね。」

「とまあ、この話は、会社に返済してくれる人がいるか、会社に返済できる金がある場合の話です。」

「それが難しいという場合には、もう1つ手があります。」

「それはなんでしょうか?」
 
「会社に、『すいません』というのです。」

「さすがに、それだと・・・」

「さっき、先生も『非常に気まずいというか職場に居づらくなるでしょう。』と言っていましたよね。」

「そう。だから、借金を未来永劫、返さないことになるとそうなるのでしょうが、そうではなく、今回の破産手続きが終わった後のことは、相談させてくださいって言うんです。」

「??????」

「だからね。破産すると全ての債務については支払い義務はなくなるんですが、その後に、あなたが自発的に迷惑をかけた債権者の方になんらかの償いをするのは自由なんですよ。」

「どうせ、会社を続けるのですから、いくらでも償いをするチャンスはあるでしょう。」

「多分ね。その話をすると、あなたは、ゲームがどうとか、アイドルがどうとか、そういう話になるから躊躇しているんでしょうけど、別に借金の原因まで言わなければならない義務はありません。」

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

それでも、相談者の方は、不安そうでしたので、

「もし、それもこれも、どうしても不安だという事であれば、私があなたの上司なのか、人事部なのか、総務部の人とうまく話してあげますから、いずれにせよ、あなたは首になることはないし、会社で居づらくさせられることもない。」

「ただ、気持ちはしっかり持ってください。」

「あんまり、おどおどしたり、不安がったりしないでください。」

「そうしないと、今回の問題とは別に、あなたの勤務状況ないし勤務成績の問題として、職場で浮いちゃうかもしれないですよ。」

と励ましましたが、やはり踏ん切りがつかないようでした。

それで、依頼者の方は、一度は、両親に会社への支払いができないかを聞いてみようと思ったのですが、ちょうど折悪しく、父親が心筋梗塞で入院するという事件があり、とても、このような話を切り出せるタイミングはなかったとのことです。

そして、もともと、自分のことで親に迷惑をかけるのも忍びないと思っていたので、結局、「会社に素直に言う」作戦を実行することになりました。

さすがに、切り出す前には、『こう言われたらどうしよう』、『これはなんて説明しよう』と考えるだけで夜が明けるようなこともあったそうです。

そしてとある日、課の課長に、

「すいません。」

「ちょっとお話が。」

「・・・というわけで、これからは、共済組合への返済ができなくなるのです。」

と話をしました。

これについての課長の反応は、

「なあんだ。」

「そういう話か。」
  
「てっきり辞めるって言うのかと思ったよ。」

「俺も実際どうなるのかよく分からないけど、組合は組合、会社は会社だから、直接は関係ないだろ。」

「まして、弁護士まで頼んでいるのなら、そういうのは任せておけばいいんじゃん。」

「総務課長にも言うけど、同じことを言うと思うよ。」

「まあ、あんまりクヨクヨするな。お前の借金のことをそんなに気にするほど、皆、暇じゃないよ。」

と言われて、

「ご迷惑・ご心配かけてすいません。」

と、予想外の対応をされて、不覚にも泣いてしまいまったそうです。

ただし、その後、そんなに簡単に進んだわけではありませんでした。

やはり、共済組合の担当者から、いろいろな書類が送られてきて、その中に、「始末書」と「支払い計画書」っていう書類も含まれていました。

そのことを伝えられて、どのように記載すればよいのかを尋ねてきたので、

「そんな書類に絶対にサインしては駄目ですよ。」

「その共済組合の担当者さんも破産の手続きとか決まりとかは分かっていないみたいなので、こちらで直接話しますので、連絡先を教えてください。」

と言いました。

そして、共済組合から送られてきた書類一式とともに弁護士事務所にメールしてもらいました。

その後は、直接、弁護士と共済組合とやりとりをして、破産の仕組み上、偏頗弁済をするわけにはいかない旨を説明し、ご本人にはピタッと連絡がいかなくなりました。

それはそれで何か不気味な気がしたのか、弁護士事務所に、

「こちらには何も言ってこないのですが大丈夫ですか?」

「何か私にすべきことはありますか?」

「このまま、突然、首になったりとかはないでしょうか?」

等々、不安から、メールで連絡が来ておりました。

その都度、大丈夫とは言っていたのですが、不安が消えないようなので、申し立て前に最後の打ち合わせという事でご来所いただくことにしました。

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借金・債務整理の解決事例 6

(その2)一時は退職を覚悟しました。ゲーム・アイドルにドはまり人生からの復活。公務員なので自己破産手続きは不可能だと思っていました。【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

(前回までのあらすじ)

公務員で、それまではまじめに生活してきた依頼者の方。
しかし、暇つぶしから、少しずつやり始めたゲームが面白すぎて、ハマってしまい、ゲーム課金にどんどんハマっていきました。

しかも、アイドル関連のゲームをやっていたところ、そのアイドルそのものにも興味を持つようになってしまい、今度は、ライブ、CD、DVD、グッズ購入へと進んでいきます。

給与は安くはありませんが、こんなにゲーム課金、アイドルを追いかけてのライブ遠征、アイドル関連商品の購入を続けていたら、お金が足りなくなります。

そこで、彼は、公務員であることを利用して、低金利の公務員共済組合の貸し付けを受けます。

低金利であることはよいのですが、これがのちに、彼が自己破産を行う際の大きな足かせとなっていきます。

もちろん、借金を作った原因がゲームやアイドル関連だというのですから、これ自身が大きな浪費ですので、これも、自己破産をする場合の「免責不許可事由」と言って、借金の支払い義務を免除しない理由になっております。

ですので、かなり、ハードルが高い自己破産のケースではあります。

ただし、勘違いしている方が多いのですが、公務員は自己破産をすると懲戒解雇事由になる、つまり、退職せざるをえなくなる、と考えている方が多いようですが、そういうことはありません。

たしかに、自己破産することは、胸を張って威張ることではないですが、いずれにせよ、それはあくまでもプライベートに属する事項です。

ただ、問題は、会社に自己破産をしたことを知られるかどうかです。

たしかに、自己破産の手続きが開始されますと、「官報」という国の広報誌のようなものに掲載されるのですが、その「官報」を日々チェックしている人ってまずいません。

弁護士だってそうです。

当事務所も、官報検索サービスにお金を払って加入していますが、一々、ことあるごとに、

「この人は過去に破産した経験はないのか?」

などと検索などしません。

弁護士ですらそうなのですから、通常は、まず官報そのものを継続的にチェックするなんてことはしないのです。

ところが、この依頼者の方の場合には、共済組合から貸し付けを受けております。

つまり、この依頼者の方にとって、共済組合は債権者なのです。

したがって、共済組合にも破産をする際には通知が行くことになります。

いくら、共済組合と勤務先自体が別だとは言っても、共済組合への返済をストップすれば、それまでは、給与から天引きされていたのですから、勤務先にもそのことがばれてしまいます。

バレると、首にならないかもしれないけど、

・上司から怒られる
・同僚から白い目で見られる
・会社内で馬鹿にされる

等々、苦しい状況になるかもしれません。

ただ、普通は、上司の方もそれをあえて言いふらしたりはしませんし、経理・人事・総務の方も、個別に職務上の守秘義務があるわけですから、職務上知った個々の従業員の秘密を漏らしたりしたら、それこそ大問題です。

と、冷静に考えればわかる筈ですが、当の本人はそれどころではありません。

しかし、なんとか励まして、上司に言った方がいいと背中を押したところ、とうとう、上司にそのことを言って謝ることができました。

後は、共済組合に破産の手続きに則った対応をしてもらえればよいだけです。

相談後

弁護士さんからは、

「問題の共済組合のことですが、共済組合も破産の制度を理解してくれまして、結論としては、『返済はしなくても構わない』、『逆に受領していけないものを返済されても困る』、『別にこのことによって解雇したり不利益を与えることはしない』、『そもそも組合は組合で、組合が彼を雇用しているわけではないし、職場に何か指示できるわけではない』、
ということですが油断はならないので、何か動きがおかしいなと思ったら、すぐに弁護士事務所に相談する、と言ってその場で何かを約束したり、サインしたりしないでください。」

と説明を受けて、ホッとするとともに、なんだか、職場で

「あいつは弁護士なんかつけやがって」

とか、

「あいつに何かすると弁護士にチクられるぞ」

とか、陰口を叩かれていないかと不安になりました。

ですが、気を強く持たなければと、自分を鼓舞し、毎日、頑張って出勤するようにしました。

そして、とうとう自己破産を申したてることになり、私は、管財事件と言って、破産管財人という弁護士が私を調査する手続きになりました。

このことは予め、弁護士さんから、管財手続きになるからとは聞いていたのですが、私には市内の見た目40代くらいの男性弁護士さんが、管財人としてつくことになりました。

そして、ある日、破産管財人から呼びだしを受けて、その破産管財人の弁護士事務所に行くことになりました。

これも予め弁護士さんから聞いていたことではありました。

そして、おそらく、こういうことが聞かれると思いますが、何を聞かれるか全部は分からない、とも言われていました。

ですが、予め、事情はすべて破産の申請書に書いてあるから、聞かれたことはそのまま素直に答えてくれればよいですとも言われていました。

ですが、その管財人の方は、端的に言うと、すごい横柄な態度の方で、最も苦手なタイプでした。

「何で、任意整理なんてしたの?」

「何で、弁護士ではなく司法書士になんか頼んだの?」

「ゲームで、何でこんなにお金がかかるわけ?」

「いい大人になって普通ゲームになんかハマる?」

「あなたのせいで債権者の方が損害を受けているっていう自覚ある?」

「私はあなたが本当に反省しているのかを調査しているわけ。」

「どう反省しているの?」

「アイドルにお金を使って借金作るなんて、社会人としてまずいですよね?」

等々、約2時間。


苦痛以外の何物でもありませんでした。

その後、弁護士事務所に管財人事務所での様子をメールと電話で報告しましたが、さすがにその日は眠れませんでした。

私にとって、本当にあの面談は間違いなく、お仕置き部屋でのお仕置きとしか私には思えませんでした。

私は別に頼んでいたわけではないのですが、弁護士の先生が破産管財人に抗議を申し入れてくれたようで、破産管財人から、言いわけ半分、謝罪半分みたいな電話がありました。

「なんか、私の職務上、免責調査をしないわけにはいかないので、ちょっと言い方が冷たく感じる部分があったようですが、その点はすいませんでした。」

「○○さんについては、あとは、毎月、家計簿をつけてもらって今がきちんと生活できているということが分かれば問題ないとは思っていますので、その点、注意して生活してもらえればと思います。」

ということで、面談をした人とは別人かと思えるほど、丁寧な口調で、この時にはさすがに、弁護士さんに頼んでいてよかったと心から思いました。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

依頼者の方は、端的に言うと、非常に何事も気になる繊細・デリケートな方で、

「大丈夫ですよ。」

とお話ししても、また、すぐに不安がこみあげて仕方がない、という感じでした。

もちろん、公務員という特殊な立場であるからかもしれません。

また、自分が、ゲームやアイドルに金を使っているということに常に後ろめたさを感じていたのでしょう。

だからこそ、何か言われても、ビクッとしてしまうのです。

もちろん、破産管財人の面談は免責調査をするものですので、その反省の態度を確かめるということは必要ですが、犯罪者の取り調べをする警察や検察ではないのですから、行き過ぎた態度はいけません。

多少の嫌味はともかく、本件では、

「アンタさあ」

を連発したそうですでの、これはさすがにやり過ぎだと思って、管財人事務所に連絡をしました。

「面談の際に、『アンタさあ』などという言葉づかいで、人格攻撃をされたと本人は
感じてますけど、そういうことがあったのですか?」

というと、最初は、

「また、そんなに大げさな。」

「先生に大げさに泣きついてるだけでしょ。」

というので、

「そうですか。まあ、言った言わないは、あまりやりたくないですが、実際に、依頼者本人がそのように感じているので、何らかの形では裁判所に報告だけはしておきます。」

と言うと、


「いや、先生。ちょっと、私もこういうざっくばらんなタイプなんで少しきつく聞こえたかもしれないですけど、私は、二度とこういうことを繰り返してほしくないから、つい熱が入っただけですよ。」

と言うので、

「そうですか。先生のそのお気持ちがどうも本人に伝わりにくかったみたいなので、もし、よろしければ補足しておいて頂ければと思います。」

と電話を終えた後に、管財人が依頼者の方に連絡したようです。

管財人は免責を許可する、許可しないの意見を言う権限がありますので、時々、この権限を振りかざして勘違いしている弁護士がいます。

ですが、度を越えた人格攻撃は看過できませんし、後日、他の被害者が出てもいけませんので、裁判所に報告してやろうと思ったのですが、すぐに、対応を改めたので、そこまで騒ぐこともないかと、裁判所には何も報告しないことにしました。

その後も、家計簿で何やかんやと実は言われることがあったのですが、無事、債権者集会が終了して、晴れて、免責という裁判所の許可を得ることもできました。

依頼者の方も、

「身から出た錆ですが、結構大変でした。」

と言っておりました。

ゲームは本当にうまくできていて、ゲーム開発会社は、いかにユーザーをゲームの虜にして、お金を出させるのか、ということを考えに考えてますので、結局、ゲーム会社の思うつぼになったわけです。

アイドルも同様です。

この世の中は、そのような誘惑・落とし穴に満ち満ちていますので、正気を保っていくこと自体が大変です。

ただ、実際に、借金してしまった場合には、慌てて辞めなくてもいい会社を辞めてしまったりすると、取り返しがつかないことにもなりかねませんので、怖がらずに弁護士に相談していただければと思います。

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借金・債務整理の解決事例 7

特殊な仕事の状況で破産はできない。かといって任意整理したとしても月々の支払がとっても無理です。ということで個人再生にチャレンジ。引っ越しまですることになりました。【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 女性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉

借金をこしらえてしまった原因はネットショッピングです。

反省してます。

職場に若い子がどんどん入ってくるようになり、言い方は悪いですが、ゆとりというか、全く責任感ないし主体性がない、自分の頭で考えない、応用が全く効かない、ということでドンドンとストレスを抱えてしまっており、しかも、上司からは、私がうまく管理指導できていないからと追い詰められ、知らないうちに、そんなに欲しくもないのに常時、ショッピングサイトを見るようになりました。

もちろん、見るだけなら、タダなので、なんの問題もないのですが、どうしても、一度、見ると何か買わなきゃスマホを閉じれない、という自分でも良く分からない、変な習性がついてしまい、服や装飾品、バッグ、靴、雑貨が増えて行ってしまいました。

それだけなら、女子にはよくあるのかもしれませんが、なぜかご当地のスイーツや名産お取り寄せ等も、こまめにチェックして、見たことないもの、食べたことないもの、あるいは逆に、テレビで芸能人がお勧めしていたり、番組で紹介されているものを見つけては買っていました。

一人暮らしなので、誰も止める人もおらず、そんなことをしていたら、ショッピングの残高が大変なことになりました。

最初はリボ払いだったので、さほど、気にならなかったのです。

それに、自分で言うのもなんですが、独身ですし、いざとなれば、生活を切り詰めるなどすれば借金を返せると思っていたのですが、ちょうどその矢先に彼氏ができてしまいまして、デート代や旅行代、記念日のプレゼント代など、むしろ、借金が増えてしまいました。

別に、彼氏に貢ぐとかそういうことでもないですが、少なくとも、彼もそんなに経済的に余裕がある感じでもないので、むしろ、私が先回りして、支払いをしたという次第です。

それで、私は、自分の力で債務整理できないかと、スマホで探し始めたのですが、それを見ているとどうしても、弁護士や司法書士の力を借りないと難しそうなのです。

だったら相談すればいいだけの話なのですが、そこからが問題なのです。

私が勤めているところは、お取引先が裁判所を含む官公庁もあり、また、弁護士事務所、税理士事務所、司法書士事務所もありで、しかも、私がその対応窓口になるということも多く、とても、自己破産をしてその関係で裁判所の人や破産管財人の弁護士の方に会うことになるのは精神的に耐えられませんでした。

また、自分の知り合いでない弁護士に依頼すればいいではないか、と言われそうですが、弁護士同士の横のつながりも分からず、私の名前が情報共有されて浪費女とか言われるとこれまた辛いなあ、と思い、誰も自分のことを知らない場所で、なんとか債務整理できないかと、東京の司法書士に絞って、検索して、調べて、その司法書士に依頼するために有休をとって東京まで行きました。

その司法書士によると、もし、自己破産をするとなると、なんの無関係な場所の裁判所に自己破産の申し立てをすることはできず、自分の住所・居所、せめて職場がないと、その裁判所で管轄を認めてもらえないだろう、ということでした。

それで、裁判所と無関係にできる任意整理をしたらどうかと言われて、任意整理した場合の支払額を計算してみてもらったところ、どんなに少なく見積もっても、月々の支払金額が大きすぎて、とても無理だということになりました。

相談後

そこで、自己破産もできないし、任意整理もできないし、困ったなあ、と思っていたところ、司法書士が、

「せっかく東京に出てきてもらったのになんですが、知り合いの弁護士を紹介しましょうか?」

「債務整理でいつも面倒だったり、複雑なものがあると、その弁護士に頼むんですよ。しかも、事務所は東京にもあるけど、あなたの地元にもありますよ。」

と言われました。

「なんていう事務所のなんていう弁護士の先生ですか?」

と聞くと、面識のない事務所の弁護士の方だったので、安心しました。

ただ、弁護士間のネットワークで私のことが話題になると困ると思い、

「その弁護士さんは口が堅いですか?」

「大丈夫ですか?」

と司法書士に確認しました。

司法書士は、

「司法書士も弁護士も当然、守秘義務があるから大丈夫ですよ。」

「どうしても気になるというのなら私の方から念押ししておきましょうか?」

と言ってくれたので、

「是非、お願いします。」

「信用していないわけではないので、気を悪くしないような形で言ってもらえますか?」

とお願いしました。

それが、こちらの弁護士事務所です。

仕事が遅いので、夜の9時近くになってしまいましたが、普通に面談の時間を作ってくれました。

こちらの事務所を紹介してくれた司法書士さんも随分と誠実なよい方でした。

ただし、後日、こちらの弁護士事務所をインターネットで検索して見てみたところ、見覚えのあるホームページでしたので、実は、こちらの弁護士事務所があることは以前から知ってはいたことになるのです。

しかし、その時は、私の中では、地元の弁護士事務所さんだと、もし知り合いだったらマズい、という意識があったので、詳しくは見ないでスルーしたのだと思います。

こちらの弁護士事務所さんのように、全国チェーンではないけど、東京にも地元にも事務所があるところって、意外にありそうでないんですね。

そして、その弁護士事務所に行きましたところ会って間もなく、

「話は聞いてますよ。」

「個人再生がいいと思いますよ。」

「個人再生なら、免責不許可事由の調査というものもありません。あなたの浪費の件は申立書には書きますが、それが問題にされることはないんです。」

「加えて、あなたの職場に個人再生をしているということも知られることはありません。」

「債務整理の方法って言っても、5通りも10通りもあるわけではないんです。」

「今の状況でとり得る方法としては、個人再生がベストでは?」

弁護士さんが言っていることは良く分かりましたが、私にはさらに不安がありました。

それは、裁判所への提出書類です。

当然、私の勤務先名は出てきますし、見る人が見れば、私の名前を知っている人も出てくるかもしれません。

それをなんとか避けるわけにはいかないのか、と弁護士さんにお伺いしましたが、

「個人再生は裁判手続きだからね、さすがに、勤務先も名前も伏せるというわけにもいかないしねえ。」

と、苦笑いを浮かべて、その場では妙案はでませんでした。

そして、その次の面談において、

「ちょっと、今のお住まいの家賃が高すぎませんか?」

「個人再生するにしたって、もう少し安いところに引っ越した方がいいと思うんですけど、どうですか?」

「ちょ、ちょっと待ってください。」

「引越しするんですか?私が?」

「はい、そうです。」

「しかも、一回、ご実家に帰ったらどうですか?」

「えっ、実家に?」

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

依頼者の方は当初、仕事を辞めろと言われているのかと勘違いしたようです。

「仕事を辞めて?」

もちろん、仕事は継続していただかないと個人再生ができません。

「仕事は辞めないでください。」

「地元から市内に通っている人もいますよね?」

「少しの期間は頑張りましょうよ。」

とお話ししました。

「少しってどれくらいですか?」

依頼者の方は少し不安そうでした。

「そうですねえ、個人再生の認可がおりて支払いのリズムがうまく出来てくるまでがベストですが。」

要するに、個人再生の申立先を支部にしようとすることと、実際、家賃がしばらくかからないところで資金をためるという意味で一石二鳥だと思い、ご提案しました。

しかし、一石二鳥とは言え、本当に、実家から市内まで毎日毎日、通うのは2つ返事では大丈夫とは言えませんでした。

ただ、市内の裁判所では、依頼者の方の会社が取引業者だという事を知っている人は知っているでしょうし、裁判所内でどこからどのように噂が流れないとも限らないので、やはり、ここはひとつ頑張るしかないかと覚悟を決められたようです。

そして、実家への引っ越し(引き揚げ)を行った後に、個人再生の申し立て準備を本格的に行うことになりました。

最初は、母親は、私が結婚でもするのかと勘違いして、どうしたのか?と少し騒いでいたそうです。

ですが、母親には、母親の体調が心配だから、仕事も大分余裕が出来てきたからと言ってごまかしたとのこと。

ですが、母親はなんとなく気づいていたのかもしれません。

ただ、実家に引き揚げて実際、生活費が断然安くなりました。

家賃なし、水道光熱費なし、交通費は普通に会社から出してもらえる、夜も飲みに行かない(行けない)ということで、経済的には楽になりました。

会社の人も、

「実家から通うんですか?」

と驚いていたそうですが、母が高齢で、と言うとかえって同情していただき、

「出勤、退勤時間は相談にのるからね。」

と協力的な話もしていただけたとのこと。

結果オーライでした。

さて、個人再生の申請準備書類なのですが、いろいろ必要です。

給与明細

源泉徴収票

預金通帳

保険関係書類

などなど。

ですが、一番問題なのは、「退職金証明書」です。

つい先日、母親のことを言ったばかりですので、このタイミングで言えば、絶対に、退職することを考えていると思われてしまいます。

依頼者の方は、実家のリフォームローンを組むのに銀行から書類を求められている、と請求したそうです。

そして、証明書の様式は当事務所で作成して、その通りにその書類を提出して、金額を埋めてもらい、サインを頂きました。

そして、ようやく個人再生の申し立てをしたのですが、今度は、裁判所から、母親の年金の書類とか通帳とかを求められました。

依頼者は母親の家に転がり込んでいるだけで、家計はまったく別個で、部屋を一室借りているだけという「上申書」という文書を作成して、母親関係の書類は出さないで済むようなりました。

その後は、さほどの波風も立たず、再生委員の弁護士さんも当然ながら全く面識のない方で、裁判所の認可が出ることになりよかったです。

実は、本ケース、かなり、ご本人が気にしすぎの側面があったと思います。
裁判所の出入りの業者だからと破産や再生係まで知られているとは思えません。ですが、本人が不安を払しょくし、何より実家で生活を立て直すという意味で引越しは正解だったと思っております。

借金・債務整理の解決事例 8

(その1)子供の教育費で借金が膨れてしまいました。おまとめローンも失敗。住宅ローンもあるので個人再生をしようとするも、ペアローン問題も発生!【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

〈借金を抱えるに至った経緯〉
  
10年前に結婚して以来、3人の子供に恵まれました。

そして、ちょうど3人目の子供が生まれるタイミングで、私と妻名義でマイホームを購入しました。

こういう事例は他にはないのかもしれませんが、我が家は共働きで、むしろ、妻の方が給与が高かったので、2人合わせると世帯年収は1000万円を超えていました。

今、思えば、自分の家は世帯年収1000万円の家だから、生活レベルが多少高くても大丈夫と潜在的に思い込んでいて、客観的に、家計の分析ができていなかったのだと思います。

そこに子供たちにも高い教育を受けさせなければならないという思いがありました。

自分は、大した学力がなかったので、国公立の大学には進学できず、かといって、私立大学に行けるほどの余裕もなかったので、夜間の専門学校に2年通ったという経歴で、そのため、妻よりも給与が安いという状況に、これまた知らず知らずにコンプレックスを感じていたのかもしれません。

それに、実際、子供たちが学力をつけて、皆が国公立に通ってくれれば、後で今かけた教育費は高くなかったと思える日が来るとも信じていました。

そのため、3人の子供それぞれに、私のこだわりがあって、相当な習い事や学習塾通い、高額な教材購入をしたため、教育関連支出がとても多くなってしまいました。

当然、教育費なので、無駄遣いしているという意識は全くなく、むしろ、教育に支出を惜しんではいけないという思いでした。

ところが、3人目の子供が生まれて家を購入後、妻が間もなく体調を崩してしまいました。

一旦は、妻は会社を辞めざるを得ないとも考えていたのですが、妻の会社の計らいで時短勤務を認めてもらえることになりました。

ただし、当然、給料は減りますし、世帯年収も減りました。

他方で、むしろ、家計の支払いはどんどん増えていきます。

「このままではヤバいなあ」

「なんとかしないとなあ」

という真綿で首を絞められるような息苦しさを日々感じており、一旦、先のことを考えだすと、仕事も手につかないという苦しい日々を過ごしておりました。

そして、時々、インターネットで、借金のことを検索して、漠然と「個人再生」という手続きがあることは分かっておりましたが、その際に、費用が50万とか60万とかの金額が必要と書いてあったので、とても、借金の支払いが大変な上にそんな金は払えないと思い、真剣には考えておりませんでした。

(そもそも、借金を圧縮する手続きなので、借金の支払額にプラスして考えるのはおかしな話なのですが、その時は思考が停止していたんだと思います。)

そこで、なとか月々の支払い負担を軽減する方法を考えていたのですが、「おまとめローン」で複数の借金(キャッシングやカードローン)をひとつにまとめるという方法を見つけました。

私自身の給与を増やすというのも容易な話ではないので、この「おまとめローン」で乗り切ろうと考えました。

そこで、ろうきんに、「おまとめローン」の相談・申し込みに行きました。

受付の方の対応も感じが良かったので安心でした。

ところが、理由は教えてもらえませんでしたが、審査が通らなかったのです。

ショックでした。

もはや、おまとめローンさえ組めない自分は終わっていると焦り、もはや費用がどうのこうと言っていられないと思い、スマホで調べて、大きくて信頼できそうな立派なビルに入っている弁護士事務所に相談に行きました。

相談後

その弁護士事務所さんで、

「家は絶対に手放せません。」

「妻には借金はありません。」

「私だけを破産か個人再生でできませんでしょうか。」

と相談したところ、弁護士さんから、

「あなたが自己破産したところで、奥さんのローンが一括請求されてしまいます。」

「あなたがた夫妻が組んでいるのはペアローンなんです。」

「分かりますか?」

「ご夫婦が住宅を2分の1ずつ持ち分を有して、それぞれの持分に応じてあなたと奥さんがそれぞれ個別に住宅ローンを組んでいるんです。」

「その限りでは、あなたはあなた、奥さんは奥さんですが、それぞれの住宅ローンを担保するためにお互いの持ち分が相手方の抵当に入っているので、どっちかが支払いを停止したり、破産したりすると、結局、住宅全体が競売の対象になってしまうのです。」

「ではあなただけが個人再生を住宅資金特別条項付きで申し立てればよいのかというと、それもできません。」

「住宅資金特別条項は、あなた自身の住宅資金貸付債権『だけ』が住宅に抵当としてついている場合しか認められないのです。」

「夫婦一体だと思うかもしれないけど、住宅資金特別条項に関して言えば、奥さんの抵当は、『他人の抵当』なのです。」

「?????」

「難しいことはよく分からないのですが、結論として、どうすればいいですか?」

「家を売るか、夫婦そろって住宅資金特別条項付きの個人再生の申し立てをすることです。」

「家を売るなんて考えられません!」

「しかも、妻は、借金と言っても住宅ローンがあるだけなのに個人再生を申し立てないといけないんですか?」

「そういうこと言う人いるんですけど、ペアローンの場合には、そういう決まりになっているので、従いたくないというのであればできません。」

にべもなく言われてしまった私は、一旦、検討すると持ち帰り、その夜、妻に話をしました。

妻の反応はと言いますと、

「私もその個人再生というのをする必要があるなら仕方ないけど、個人再生をしたら私はどうなるの?」

「何か、困ることが出てこない?」

「私もブラックリストに載ったりするわけ?」

「今は、時短扱いにしてもらっているけど将来、正社員に復活する場合には支障にならない?」

等々の質問攻め。

私は、妻が個人再生をすることをどう受け止めるかだけを気にしており、そう言われれば、個人再生をしたらどうなるかについては、ノーマークというかあまり聞いてこなかったので、その点について、妻が腹を立ててしまったのです。

「『個人再生して下さい』だけで、『ハイ、分かりました』と言う人間がいると思うの?」

「自分が逆の立場だったらどうよ?」

「自分自身がその個人再生とやらをよく理解していないのに、よく人に勧められるね。」

「大体、費用はどうするの?」

「そういうことだから、借金が膨れ上がるのよ!」

「何事に対してもそうで、深く考えずにやってきた結果がこれでしょ!」

等々の荒れようで、段々、夫婦間の根本的な問題にまで話が及びそうだったので、

「ごめん。」

「俺も今回のことでちょっと動揺していて要領がよく分からなかったんだ。」

「できれば一緒に、弁護士の説明を聞いてくれないかな。」

とようやく、一緒に面談をしてもらうところまで了解を取り付けました。

それで、最初に相談した弁護士事務所に連絡をして再面談を申し入れましたが、その弁護士のスケジュールと我々のスケジュールが合わないまま時間が経ってしまいました。夜の5時以降も土日もダメな事務所だったのです。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

奥さんの気が変わると困ると思ったご主人は、慌てて別の弁護士事務所を探し始めましたそうです。

もう、切羽詰まった状況でしたので、それこそ、市内の事務所を検索して、片っ端から、

「今週中で、夜か土日で、しかも、妻と子供たちを連れて行ってもいいですか?」

という条件で受けてもらえるところを探しまわっていたそうです。

お気の毒です。

ただ、これを聞いて分かりましたが、そういうニーズに対して弁護士はあまり応えていないですし、実際には対応していてもそのことをきちんと情報として整理して開示しているところってあまりないですよね。

これは当事務所も例外ではありませんでした。

そのため、これを契機にいろいろな体制を可能な限り整えたり、そのことを積極的に開示して弁護士探しに役立つようにしようと努めております。

(まだまだ十分ではないですが)

そして、ペアローンの件ですが、これは結構、込み入った話で、弁護士でもきちんと理解していない人もいるので、補足します。

ペアローンとは、現代の共働き世代ならではの問題もしれませんが、要は、1つの不動産を最初から2分の1ずつの持ち分にして、夫はその2分の1を購入するために自分の名義でローンを組んで、妻は残りの2分の1を購入するために妻名義でローンを組みます。

なんでこんなややこしいことをするのかというと、このペアローンのメリットは節税効果を享受することができることです。

住宅ローン控除の最大控除額は「1人あたり」上限400万円となっていますが、夫婦が共働きの場合、それぞれが、400万円まで住宅ローン控除の恩恵を受けることが可能となります。

さらに、「すまい給付金」といって、消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円を給付する制度があるのですが、これもペアローンの場合には、夫婦それぞれが給付を受けることができるのです。

それで、このペアローン、ここまではメリットのお話しでしたが、こと個人再生の申し立てをする局面ではやっかいな問題を引き起こします。

ペアローンの場合、それぞれが個別に2分の1ずつ持っていると言っても、所詮は1個の家なので、例えば、夫婦のうち、どちらかが支払いを怠った場合に、その2分の1だけを担保にとっておいても、その2分の1を独立して売却するなどということは現実不可能です。

そこで、奥さんのローンの支払の担保として、旦那の持ち分2分の1にも抵当をつけますし、旦那のローンの支払の担保としても、奥さんの持ち分2分の1にも抵当をつけるのです。

個人再生においては住宅ローン特別条項の適用を受けて、住宅ローンだけ別に支払いをすることができますが、その条件として、
「その住宅(持分)に他人の債務の担保がついていないこと」
があります。

妻は他人じゃない!と言っても、債務整理においては、本人以外はたとえ家族でも他人とされるのです。

そうしますと、結局、今回のようなケースでは、ご主人が個人再生を申し立てて住宅ローン特別条項を受けようとしても、ご主人の持ち分には、他人である奥さんのローンの担保がついているので、適用を受けられない、という事になってしまうのです。

適用を受けられないとされている理由は、せっかく、ご主人に住宅ローン特別条項を認めても、後日、奥さんがローンを不払いにすれば、結局、その家は競売にかかるから、認めることが無駄だと考えられているのです。

⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒(その2)に続く。

借金・債務整理の解決事例 9

(その2)子供の教育費で借金が膨れてしまいました。おまとめローンも失敗。住宅ローンもあるので個人再生をしようとするも、ペアローン問題も発生!【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

(前回までのあらすじ)

過度の教育費の投入により、家計は火の車。

もともとは、奥さんもフルタイムで働いていたため、世帯年収1000万円あったため、あまり支出についての緊張感がなかったのか、あるいは、ご主人が家庭の事情で、私立の大学に進学できなかったため、子供たちには早くから高度な教育を受けさせて、国公立大学に進学できる学力を身につけさせたかったというご主人。

もちろん、最終的に、子供たちが、私立ではなく国公立でずっと進学してくれれば確かに学費は大いに変わる筈ですので、ご主人の言っていることも一理あります。

ただし、借金してまで教育にお金をかけるべきだったのか?は今となってはよく分かりません。

ただ、現実問題として、借金の返済が終われており、しかも、奥さんがフルタイムで働けなくなり、世帯収入が減少した以上、なんらかの債務整理は必要です。

そして、最優先事項として、自宅を守りたいという事ですので、自己破産では守れません。

そうしますと、任意整理か個人再生ということになります。

個人再生とは、債務の総額を大幅にカットして、少なくしてもらった借金を分割で返済する方法です。

ただし、住宅ローンがある場合に、住宅ローンをカットしてしまうと、当然ながら、銀行ないし住宅ローン会社が住宅を競売にかけてしまいます。

ですので、住宅ローンは支払い続けなければなりません。

ただ、個人再生においては債権者平等の原則がありまして、特定の債権だけ全額支払うという事は認められておりません。

そこで、この債権者平等の原則の例外として、「住宅ローン特別条項」というものがあり、他の債権は一律にカットしても、住宅ローンだけは全額支払い続けてよいですよ、という特則があります。

ただ、この「住宅ローン特別条項」というのも無条件に使えるわけではなく、条件があります。

それは、「その住宅(持分)に他人の債務のための担保がついていないこと」という条件です。

もともと、住宅ローン特別条項として、住宅ローンだけ特別扱いを認めるのは、住宅ローンの支払いを継続して、住む場所を確保させてあげよう、という趣旨です。

ですが、他人の債務のための担保がついているとすれば、その他人が債務の支払いをしなければ、どうせ、その家は担保として処分される(競売にかけられる)ことになります。

そうだとすると、住む所を確保してあげるための住宅ローン特別条項は認める必要がないじゃないか、という考えにつながります。

そして、ペアローンの場合には、まさに、

「他人の債務のための担保がついている」

という条件に当てはまってしまうので、原則として、住宅ローン特別条項は使えない、とされているのです。

ただし、普通に考えて、他人と言っても、自分の妻で、同じ世帯なのに、そんな杓子定規に考えて、住宅ローン特別条項をはじいていいのか?と思われます。

ですので、ペアローンの取り扱いは裁判所によっても異なりますが、絶対に住宅ローン特別条項を使えない、ということはないのです。

相談者の方は、当初、別の弁護士事務所に行って、ペアローンだから、住宅ローン特別条項を使えない、使いたければ妻も一緒に個人再生するしかない、それも嫌なら破産しろ、と言われて、慌てて妻に話したら、妻に怒られました。

そして、当事務所にいらっしゃいました。

相談後

いちばん下の子は妻の両親にも預けられなかったので、下の子も一緒に、弁護士事務所に連れていくことになったのですが、女性の事務員さんがやさしく応対してくれて助かりました。

弁護士さん曰く、

「ペアローンの取り扱いについては、その最初の弁護士さんが言っていたことは確かに教科書通りではあります。」

「奥さんは、住宅ローンのほかには借金はありますか?」

と妻にいろいろ質問し始めましたので、妻が何と答えるか緊張しましたが、普通に口を開いてくれました。

「私は何もありません。」

「もともと借金をするのは好きじゃないんです。」

「子供たちの教育にお金をケチるつもりはないですけど、借金はかえって子供たちのためにならないと思っているんです。」

「それをこちらの人(私のこと)が、教育は投資だとか、どこかで聞きかじったような話をして・・・・」

などと妻が段々私に対しての怒りをヒートアップさせていきそうでしたが、弁護士さんがうまく調整してくれました。

「まあまあ、その辺の話は、奥様もいろいろご不満もあるでしょうし、これを機会に、教育や家計の話はきちっとした方がいいとは私も思いますけど、今はこの借金の問題をスピーディーに解決に向けて進めていかないと、そのうち借金の支払いが滞って、債権者から訴訟を起こされるようなことになりますと、それこそ大変なことになるので、そのお話を先にしましょう。」

「それで、奥さんには借金もなくて、住宅ローンを今後も円滑に支払っていけるという事ですよね?」

「まあ、パート扱いとはいえ、住宅ローンは支払えるようにと計算したうえで働いています。」

「そうしますと、おそらく、奥さんについては個人再生を申し立てせずに、再生委員をつけることで対応ができると思います。」

「?????????」

「つまりですね。」

「なんでペアローンの場合に、住宅ローン特別条項付きの個人再生を認めないのかと言うと、ご主人の方の個人再生をしたとしても、もし、奥さんの方の経済事情から、奥さんが住宅ローンの支払いを継続できず、家が競売になってしまったりすると、せっかくご主人のために行った個人再生が無駄になってしまうからです。」

「ですので、ご主人の個人再生を奥様とご主人が一体となって履行できることが、再生委員の調査により確認できるのであれば、奥様の個人再生は不要となるでしょう。」

「実際、住宅ローン以外に債務がないのに個人再生するなんて費用と時間と手間の無駄だしね。」

私は、内心、

「なんだよ。妻が個人再生しなくていい方法があるのなら、妻を連れてくるんじゃなかった!」

と思いましたが、案の定、妻は、

「あなたは何を聞いてきたの?」

と声が明らかに怒っていました。

私は、

「本当に、俺が前に聞いたときは、夫婦一緒に個人再生を申し立てないといけないことになっているって言われたんだよ。」

とうろたえる私を助けてくれて、弁護士さんは、

「まあまあ、弁護士もいろいろですから。」

「それはそれとして、今後、個人再生を申し立てると、いろいろな書類、家計簿とか、源泉徴収票、給与明細、預金通帳の写し、保険関係の書類、住宅ローン関係の書類、その他、奥様のご協力が必要な局面が少なからずあると思いますので、そちらはよろしくお願いします。」

とまとめてくれました。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

その後も奥さんはてきぱきと質問してきました。

「費用はどうしたらいいですか?」


「それは一括で難しいという事でしょうから、分割で積み立てて頂きます。」

「具体的には、住宅ローン以外の債権者に対してはこれから支払いを一旦、停止しますので、その間にコツコツ積み立ててください。」

「毎月いくら払えばいいんですか?」

「決まりはないので、無理のないところでお願いします。」

「ただし、積み立てあがる期間があまりに長期になると、そのうち債権者が待っていられないとしびれを切らして訴えを起こしてくる場合があるのと、遅延損害金がかかってくるので、個人再生により借金の額は8割カットにはなりますが、あまり長期もどうかなと。」

「例えば、これまで月々の返済が住宅ローン以外で約15万程度ですが、6万ぐらいの積み立ては可能ですか?」

「6万ぐらいなら大丈夫です。」

「なんなら、もう少し多めでも大丈夫です。」

「その方が早く手続きが進むんですよね?」

「繰り上げて積み立てる場合にはどうすればいいですか?」

「その場合には、多めに振り込んでください。」

「では、最低月6万円は積み立てて頂くとして、そのほかに余裕があるときは、多めに積み立てるという事でお願いします。」

「分かりました。」

こんな感じです。たしかにちょっと怖そうでしたが、頭の回転の速い、頼もしい奥さんでした。

その後も、ほとんど、弁護士事務所とのやりとりは奥さんがやってくれました。

ご主人しか分からない書類等もあったので、ご主人にお伺いしたこともあるのですが、あるはずの書類がないとか、しまった場所が思い出せないとかで、奥さんに

「だらしない」

「管理能力がない」

などと、キレられることもあったようです。

ただ、困ったことが判明しました。

車です。
 
もともと、債権者への通知を出す前に、

「住宅ローンを継続して支払うのは全然いいんですけど、車のローンは支払いが継続できないんです。」

「ですので、通知を出すと、すぐにローン会社から車を引き揚げさせろ、と言ってくるはずで、それを拒むのは所有権留保がついている以上は難しいんです。」

「どうしても車を維持しようとすると、ご主人以外の名義、例えば、奥様名義とか他のご親族名義とかで一括払いしていただくほかないんです。」

とお話ししたところ、

「残ローンが100万以上あるので、それは無理だと思います。」

「車は諦めます。」

「それで、何か中古の安い奴を買うことにします。」

とおっしゃっていたのですが、

なかなか安くていい車というのが見つけられず、予算が20万ほどオーバーしてしまったらしいのです。

「あのう、相談する先が違うというのは重々承知なのですが、車がないと仕事にならないもので、どうしたらよいかということをご相談したくて・・・」

と端的に、予算が20万オーバーしてしまったとのことでした。

そこで、通常はやらないのですが、積み立てを取り崩して、車の購入費用に充てて頂きました。

「なるべく早くに積み立て戻しますので!」

とおっしゃっていました。

通常は、積立金の取り崩しはあまりしません。

別に、ケチっているわけではないのですが、これを契機にずるずると申し立てができなくなっていくケースが結構あるのです。

ただし、今回は、奥さんがしっかりしているので大丈夫だと思って取り崩しをしました。

実際、その後、頑張って、予定よりも4カ月ほど遅れましたが、他は、着々と申請書類も整い申し立てに至ることができました。

借金・債務整理の解決事例 10

個人再生(民事再生)の住宅ローン特則で住宅を残せるという意味を勘違いしていました。住宅ローンの支払自体がきつい場合はどうすればよいのでしょうか?【事務所法人案件】

  • 個人再生
依頼主 男性

相談前

住宅ローンの支払がきついので、銀行の相談窓口に行って、担当者にその旨を話してみました。
そうしましたところ、リスケにより、返済方法や返済期間の仕切り直しもできなくはないとのことでした。

ただし、リスケといっても、一部を免除してもらえるわけではなく、月々の返済額が減っても、返済期間は長くなって、完済に至るまでの総額は逆に増える場合もありますよ、と言われました。

具体的にどのようにすればよいかについては、いくつか提案をもらいました。

・返済期間を長くする
返済期間を延長をして、月々の返済額を少なくする。

ただし、ローンの期間全体で見れば、得になるわけではなく、金利をより長い期間支払うことになるし、先々の収入状況が安定しない場合には、たとえ期間を長くしたとしてもなるべく、少しでも余裕ができたら、繰り上げ返済をしていくことをお勧めしますとのことでした。

・元本の返済猶予
しばらくの間、例えば、1年間とかは、利息だけを支払って、元本の支払いを1年後から開始するというものでした。

ただ、こちらも、1年しのげば、何かが大きく変わるというものではないので、利息1年分だけ負担が大きくなりますよ、とのことでした。

また、利息払いに慣れてしまうと、いざ元本返済が始まるときに、家計が追いつかないということもあり得るので注意してください、とのことでした。

・ボーナス払いをやめる
今は、ボーナス払い併用型なので、ボーナス時には多く支払うことになっているのですが、ボーナス払いをやめて毎月、均等に支払うということも可能とのことですが、当然ながら、そうすると毎月の支払額が増えます。

・変動金利型にする
借りた当初は、利息が将来高くなることをリスクとして考えたので、固定金利を選択しましたが、現状では、明らかに変動金利型の方が利息が安いので、そちらを選択することも可能とのことでした。
ただし、もちろん、将来的に利息が上がるか下がるかは銀行では何も言えませんとのことでした。

それで、銀行の担当者の方が、

「自分が言うのもなんですが、ご自宅を維持するのが難しいという場合には、売却して賃貸に切り替えるというのも選択肢の一つかとも思いますよ。」

「今の時期、ご自宅がいくらで売れるかどうか等々を不動産会社に聞いてみるのも参考になるかもしれません。」

「別に、弁護士に相談してどうのこうのという局面ではないでしょうからね。」

と言われました。

「なんで、弁護士?」

と思ったのですが、自分で、インターネットで検索してみたところ、個人再生とか民事再生という手続きがあるということや、自己破産だと自宅を守れないけど、個人再生や民事再生という手続きをとれば自宅を守れるということを知りました。

そして、個人再生や民事再生をすれば、借金は8割とか9割カットしてもらえるという事も知りました。

まさに、実際の自分の今の状況は、ちょっと無理して購入した住宅ローンの支払に悩んでおり、しかも、住宅をなんとか残せないかと思い悩んでいたので、こんな手続きがあるのなら是非、行いたいと考えて、個人再生や民事再生を行っている弁護士を探したという次第です。

具体的には、住宅ローンがまだ2000万円近くあり、あとは、何枚かのクレジットカードのショッピングやキャッシング等が合わせて100万程度ある状況でした。

相談後

そこで、まずは、自分の状況を説明したところ、結論としては、個人再生手続きを行ったとしても、借金は全く減らない、ということを聞いてがっかりでした。

そもそも、今の自分の家は、売れば中古でも2000万円前後にはなると思うのですが、住宅ローンも2000万円前後なので、この住宅ローンだけを減額できると思っていましたが、それはできないそうです。

個人再生(民事再生)には、住宅ローン特則というのがあるのはあるけれども、その意味は、他の借金は減額することができるけれども、住宅ローンについては、そのまま支払いを続けることができる、という意味でした。

なんで、住宅ローンだけそのまま支払い続けるのが特別なのかというと、住宅ローンは家が担保にとられているから、住宅ローンをそのまま支払い続けることよって、家を守る、というそういう意味らしいのです。

すなわち、住宅ローンの支払自体が苦しい、住宅ローンがもう支払いできないという場合には、個人再生や民事再生をやったとしても、どうしようもないという事でした。

私は、住宅ローンがせめて半分ぐらいになれば、住宅の価値が2000万円程度あるので、1000万円は得するなあ、と思っていたのですが、そううまくはいかないみたいです。

さらには、住宅ローンが家の値段よりも低い場合には、その差額、つまり、住宅が2000万円で、住宅ローンが1000万円の場合には、1000万円が資産になるので、その1000万円分は支払いに充てられるとも言われました。

財産を残しながら、借金の額を減らすなんて言う方法はないのですね。

それから、せめて、カードのキャッシング等々で100万円の借金があるので、こちらは個人再生とか民事再生をすれば、減額できるのか、と聞いたところ、こちらも減額できないという事でした。

つまり、借金が100万円の場合には、それよりも低くはならないということでした。

ですので、結論として、私のケースではどうにもならないし、さらに言うと、仮に破産したところで、住宅は売却されて、住宅ローン会社・銀行の返済に充てられてお終い。

確かに、カードのキャッシング等々で100万円の借金は、免除されるかもしれないけど、破産費用を考えたら、やる意味があるのか疑問だ、ということでした。
また、その後のことも考えないとダメだとも言われました。

つまり、確かに、住宅を手放せば、住宅ローンはなくなるけれどもそれで終わりではなくて、次に、どこか借家とかアパートを借りないといけなくなるので、その初期費用もかかるし、日々のお家賃も、住宅ローンと同じくらいにかかるのであれば、なんのために、住宅を手放したのか分からなくなる、という事でした。

しいて債務整理をやるのなら、任意整理と言って、100万円の住宅ローン以外の借金について月々の返済額を債権者と交渉して、なるべく安くしてもらう(返済期間を長くしてもらう)ことぐらいだとのことですが、どんなに長くても7年程度が限界だという事でした。

ただ、そうすると、計算すると、今の月々のリボ払いも返済額は高くなるので、月々の支払い負担は逆に苦しくなります。

もちろん、任意整理をすれば、将来分の利息は発生しないという事ですので、支払えば支払っただけ元本は減りますが、それでも、目先の支払いが大変になってしまうのでは私にとっては意味がありません。

ということで、そうそう都合のいいい話ってないもんですね。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

ご期待に沿えなくて残念でしたが、今回のようなご相談のケースではたとえ、個人再生を行ってもあまり経済的に意味がありません。

個人再生手続きにおいて住宅ローン特別条項を検討する場合には、その住宅ローンが住宅の価値よりも低いか(アンダーローン)、住宅ローンが住宅の価値よりも高いか(オーバーローン)を考えなければなりません。

★住宅ローンが住宅の価値よりも高い(オーバーローン)ケースの場合

つまり、住宅の方が住宅ローンよりも安いので、住宅を売却したとしても、その住宅ローンの返済すら満足にできない、さらに住宅ローンの未返済分が残るという状況です。

例えば、住宅ローンの額が2000万円で、不動産の価格が1000万円の場合に、家を売却したとしても1000万円の住宅ローン債務が残ってしまいます。

したがって、住宅の資産価値はゼロ(マイナス)ということになります。

そこで、もし、住宅ローン以外の他の債務が100万円以上あるとすれば、個人再生をとる意義はあります。

ただし、個人再生には、「最低弁済額」というものが借金の総額(住宅ローンを除く)により定められておりまして、借金の額に応じて、最低この額だけは返済しなければならない金額があるのです。

具体的には、次のようになります。

債務が100万円未満・・・債務全額
債務が100万円以上500万円以下・・・100万円
債務が500万円超1,500万円以下・・・債務額の5分の1
債務が1,500万円超3,000万円以下・・・300万円
債務が3,000万円以上5,000万円以下・・・債務額の10分の1

ですので、債務の額が100万円ですと、最低弁済額基準は100万円となり、債務圧縮の効果が全くないということになります。

★住宅ローンが住宅の価値よりも低い(アンダーローン)ケースの場合

この場合には、住宅を売却しさえすれば、住宅ローンが完済出来て、さらに余剰まで生じる状態ですので、個人再生手続きをとる必要がないと言えます。

ただし、全てのアンダーローンのケースで個人再生の必要がないという訳ではありません。

例えば、アンダーローンとはいいつつも、余剰が100万円であり、他方で、住宅ローン以外の借金が1500万円あるとした場合、1500万円が圧縮されても最低弁済額は300万円になります。

このような場合には、100万円の資産があっても、最低弁済額はこれを超える300万円ですので、300万円を返済すればよく、300万円に加えて資産100万円分を返済しろとは言われません。

したがって、個人再生をとることにより、

1500万円ー300万円=1200万円

の債務圧縮効果が得られるのです。

逆の場合もあり得ます。

つまり、

例えば、アンダーローンの場合で、余剰が300万円であり、他方で、住宅ローン以外の借金が500万円あるとした場合、500万円が圧縮されて最低弁済額は100万円になります。

このような場合には、300万円の資産があるので、最低弁済額は100万円ではなく300万円となります。

したがって、個人再生をとることにより、

500万円ー300万円=200万円

の債務圧縮効果が得られるのです。

このように、住宅ローンがある場合の個人再生は、債務圧縮効果をどの程度、得られるかを資産・債務の状況からシュミレーションしなければならないので、まずは詳しい弁護士に相談する必要があります。

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借金・債務整理の解決事例 11

離婚後、不運続き。会社は倒産して解雇、新しく入った会社は超パワハラで退職。今は、保険関係の仕事をしてます。借金の督促の嵐ですが破産はしないで個人再生【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 男性

相談前

数年前に離婚しました。
子供は1人で、離婚後しばらくは普通に養育費も支払っておりましたし、子供ともきちんと面会できていました。
ところが、それまで勤めていた勤務先が倒産してしまいまして、当然ながら私は解雇になりました。
しばらくは失業保険で食いつないでいたのですが、私は技術職なので、なかなかうまく当てはまる再就職先が見つかりませんでした。
しかも、養育費も支払わなければいけませんでしたので、その間は、クレジットカードのキャッシングを利用してなんとかやりくりしておりました。
やりくりと言っても、支払いを先延ばしにして、再就職したらすべてきちんと清算しようと思っておりました。
しかし、いつまで経っても、技術職は見つからなかったので、全くこれまで未経験でしたが、未経験OKでしかも、給与が高かったので、思い切って営業職にチャレンジしてみることにしました。

しかし、入社当時は、ほとんどがルートセールスなので、簡単にノルマが達成できるし、ノルマが達成できていれば手当ても沢山つくというお話しでしたのに、全くもって話が違い、全部が飛び込み営業で、しかも、ノルマが到底、達成できるようなレベルではなく、それでも、営業報告会議で、達成できていない人は、順次、立たされて、なぜ達成できないのかを幹部の前で報告させられます。

「達成できなかったではなくて、では、どうするのかを言ってください!」

「あなたも頭を使って、何かを発信しないと」

「具体的に指示が下りないと動けないなら営業ではないですよね?」

「なんでも景気がよくないで済む話ではないでしょ?」

「実際、契約を取ってきている人がいるのはどう説明するの?」

などなど、過酷でした。

そして、ついには、辞めることにしました。

ただ、その際に、同時期に辞めた人から、保険の代理店の営業に誘われました。

私は、

「自分は営業に向いていないと思う。」

と断ったのですが、その方は、

「あれは、会社が売れないものを無理に売らせようとしたから誰でも無理だよ。」

「保険は割と決まった営業の型があるから大丈夫だと思う。」

「とにかく一度やってみたら?」

ということで、保険の仕事をすることになりました。

こちらは、たしかに、もともと保険に興味があって問い合わせをいただいた方に営業するものであり、いくつかの中から選んでいただくというものですので、慣れない私でも少しずつ、成約できるようになってきました。

これで、ようやく、復活できるかと思っていた矢先に、クレジット会社の方から、銀行預金の差し押さえが入ってしまい、丸々、1か月分のお給与がなくなってしまいました。

さらには、妻の方への養育費未払いについても、司法書士から内容証明が送られてきて、早々に未払い分を解消しないと、訴訟を起こすと警告されてしまいました。

1か月分の給与が吹っ飛んでしまったので、その月の支払もできず、他のカード会社からも訴訟予告通知などという書類がきたり、携帯に電話が来たりと、仕事も集中してできなくなってしまい、本当に、急転直下苦しくなってしまいました。

家賃も今月は滞納です。

食べる分については、妹が嫁いだ先から米やらなにやら食料を送ってくれて、しかも、封筒に5万円入っていました。

感謝に加えて情けなくて涙がでてしまいました。

もはや、どうにもならなくなって、とにかく、まずは無料で相談できる弁護士を探してここに行きつきました。

相談後

とにかく、自分の不運続きのこれまでの経緯についてお話ししましたところ、

「最初の会社の倒産と2つ目のパワハラ職場は気の毒でしたね。」

「ですが、そのルートを辿ったから、今の保険のお仕事に出会えたわけでしょ?」

「何が幸運で何が不運かなんていうのは時間が経ってみないと分かんないんですよ。」

「ただ、給与を差し押さえられてしまったというのは不運というよりも管理出来てなかっただけだと思いますけど。」

と言われてしまいました。

「つまり、クレジットカード会社は、いくら返済が滞っていてもいきなりは預金口座の差し押さえなんてできないんですよ。」

「その前提として、あなたに対して訴訟を起こさないといけないわけですね。」

「そして、その訴訟の判決がでて、その判決が確定して初めて差し押さえができるようになるのです。」

「ということは、あなたに対して、そのクレジットカード会社から訴訟が起こされて、裁判所から通知が来ているはずです。」

と言われて、私も気づきました。

たしかに、あのパワハラ会社で営業をしているときに、裁判所から送られてきた書類がありました。

ですが、当時は毎日、会社に行くのが辛くて辛くて、その上、裁判所なんて、とても自分の許容量を超えていたので、無視していたのです。

というより、いろんなところから、請求書やらなにやら書類が来てましたが、読んだところでどうしようもないものばかりなので、部屋の隅にずっと重ねるだけで何も対応しませんでした。

その当時は、借金問題について、弁護士に相談するなんていう発想もなかったのです。

そこで、しばらくしたら、このような差し押さえになったのですが、こういう事態になることも全く予測できませんでした。

甘かったです。

そして、弁護士さんからは、

「ご存知かもしれませんが、保険の外交員の方は自己破産ができないのです。」

「それと、もう一つ、未払いの養育費についても自己破産してもその支払い義務はなくならないのです。」

と言われました。

全然、「ご存知」ではなかったのですが、そもそも、自分も自己破産はしたくなかったので、むしろ、何か自己破産以外の方法があれば教えてください、と言いました。

そうしましたところ、

「任意整理」

と言って、債権者と個別に交渉して、月々の支払額をなるべく安くして支払っていくという方法があるとのことでしたので、それでお願いします、とお話ししたところ、

「任意整理ですと、養育費以外の借金が大体500万円ですので、5年間60回払いですと、1カ月当たり8万3000円程度になりますが、大丈夫ですか?」

と聞かれました。

ただ、今の家賃が、5万で、水道光熱費2万、電話代1万、養育費3万円として、月額これ等だけでも11万円。

それに、8万円の返済をしたら、月額19万円の固定費がかかり、かなり無理があると思いました。

「やはり、それは無理です。」

「何か他にはないでしょうか?」

と聞いたところ、個人再生という手続きがあるとのことでした。

これですと、500万円の借金が100万円程度になり、それを最長5年間なら、1万6000円ずつ支払うということでしたので、これならできると思い、それでお願いしまうと手続きを進めてもらうことにしました。しかも保険の仕事も続けられるし、未払いの養育費も個人再生の返済中は2割だけ支払えばよいとのことでした。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

まずは、早々に給与振込口座を変更してもらいました。

また、入金された給与が差し押さえられたら目も当てられませんので、こちらは最優先でやってもらいました。

また、個人再生の費用は月々の分割で積み立ててもらい、約1年半かけて準備しました。

その間、訴訟が起こされるかとも思いましたが、特に起こされることはありませんでしたので、ギリギリセーフでした。

また、養育費については、端的に、元奥さんに連絡していただき、今のありのままの現状をお話ししたうえで、当面は、支払いを2カ月に1回にしてもらいました。

保険のお仕事は順調らしく、債務の問題さえ処理できれば、十分に生活は建て直しがきく状態にまでなりました。

(補足)
なお、個人再生をする場合に、未払いの養育費がある場合には少し取り扱いが複雑ですので以下に補足しておきます。

1 個人再生の手続開始決定の後に支払期限が来る養育費については,他のクレジットカードや消費者金融と異なり、普通に支払います。支払います、というか、支払わなければいけません。
 この点、養育費は、共益債権と呼ばれています。

 逆に、他のクレジットカードや消費者金融については支払ってはいけません。

 なお、小規模個人再生の場合には、債権者集会ならぬ書面決議というものがあって債権者は異議を述べることができますが、養育費債権者(この場合、元妻)は異議を述べる権利を有しません。

2 個人再生の手続開始の決定前に支払期限が来ている養育費、つまり、未納・未払い養育費については、債務の圧縮はされません。

 逆に、他のクレジットカードや消費者金融の債務については、債務の圧縮(債権カット)がなされます。

 とはいえ、その未払い養育費の支払い方法については、未払い分を一括で支払うのではなく、個人再生の返済期間中は、他の債権者と同様に1割とか2割とかの基準で支払い、返済期間が終わった後に、残りの部分をまとめて返済します。

 これが法律(民事再生法)上の定めではありますが、現実には、個人再生の返済期間が終わったからと、パッと一気に返済できない場合も多いです。

 ですので、法律上の決まりは決まりとして、個別にやはり養育費債権者(元妻)と協議をする必要があるのです。

 また、場合によっては、つまり、養育費を決めた当時は、とても収入が高くて、養育費もそれなりに高額な約束をしたけれども、その後、例えば、今回のケースのように会社が倒産して解雇になり、収入がなくなったとか、再就職したけど、給与が減額してしまって、約束した通りの養育費が支払えないとなったら、協議をして養育費を下げてもらわなければいけません。

ただ、通常、養育費をさげてくれと言って、「はい。わかりました」と簡単に応じてくれるケースは少ないです。

ですので、その場合には家庭裁判所に養育費の減額調停を起こさなければなりません。もちろん、調停でも減額が応じてもらえるかどうかわかりませんが、調停が成り立たなければ審判になりますので、通常は、大体のところで折り合いがつきます。

何もしないまま、高額な未払い養育費を積み上げてしまうと、たとえ個人再生をしても減額されないし、自己破産したところで支払いは免除にならないので、早めにこちらも協議するなり、それが無理なら弁護士に相談するなりしないといけません。

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借金・債務整理の解決事例 12

個人再生?そんな手続きにご協力する気はありません。当社としては異議を出させていただきます。と言われてもあきらめず、自宅を守るために、給与所得者等再生で活路!【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

観光業に従事しておりますが、会社の景気が悪くなり、ボーナスがなくなったばかりではなく、給与まで減額となり、しかも、ちょうど、子供の進学が重なったため、生活費の補填及び教育ローンで借金が膨れ上がってしまいました。

思い切って転職も考えてはみたのですが、さすがに、いつまでも、このような不景気が続きわけではなく、いつかは元に戻るだろうという期待もあったので、辞めるのではなく、残業がなくなった分、アルバイトをすることにしました。

清掃のアルバイトです。

しかしながら、清掃とはいうものの、かなり体がしんどいもので、特に、中途半端にかがんでの作業が多いため、腰を痛めてしまいました。

そこで、清掃のアルバイトは辞めることにして、次に、夜専門のタクシーに乗ることにしました。

タクシーは、長距離が運よく、一発当たると、結構、稼げるので、なんとか借金の返済と生活費のために頑張りましたが、これまたずっと座りっぱなしもよくないようで、またしても腰を痛めてしまいました。

しかも、医者からは、もうアルバイトで無理するのは辞めた方がいいと言われてしまい、

「でも、借金返さないとヤバいんです。」

というと、

「でもね。体を壊して昼間のお仕事もできなくなったら、もっとヤバいでしょ?」

「医者の私が言うことじゃないかもしれないけど、借金のことは弁護士にでも相談したら?」

という事で、そこから、借金問題を誰かに相談するという頭になりました。

ただし、調べてみたところ、どこも、弁護士の事務所は東京の大都会ばかりで、近所にも弁護士の事務所はあるにはあるけど、名前しか載っておらず、どういう感じなのかもわからないので、いずれも躊躇してしまいました。

ただ、地元の司法書士で、明かる感じの事務所の写真も掲載しているし、なんか親しみやすそうな感じが持てたので、そちらに相談してみることにしました。

そして、頑張ってきたんだけど、ちょっと借金の返済が行き詰まってきたこと、子供の学校の関係があるので、なんとか家は今のままで維持したいこと、そして、妻や子供に迷惑がかからないようにしたいこと、などをお願いしたところ、

「民事再生という手続きもあるけど、手続きが大変ですよ。」

「自己破産ですっきりした方がいいと思うけどなあ。」

「家を手放しても、また近くでどこかに借りた方がいいんじゃないかな。」

と自己破産ばかりを勧めてくるので、

「そうは言っても簡単に近所に賃貸できる家が見つかるか分からないし。」

「個人再生が大変ってどう大変なのか教えてください。」

「できるだけ頑張りますんで。」

と言いましたところ、

「正直、うちの事務所で個人再生をやりたい人ってあまりいないから、実際、やったことはないんですよねえ。」

と言い出しました。

ですので、

「やったことないのに、大変とか、大変じゃないとか分かるんですか!?」

「ぎりぎりまでなんとか考えてもらえませんか?」

と言いましたが、明らかにやりたくなさそうなので、もう、その司法書士に相談するのは無駄だと思ってやめました。

そして、改めて、弁護士事務所を探したところ、近所とは言えないけれども、よく見ると新潟にも事務所があるということなので、そこで再度、相談してみることにしました。

なお、複数社から借入があるのですが、そのうち1社だけが借入額が多い状況でした。

相談後

早速に、

「個人再生っていうのは、大変ですか?」

と尋ねると、弁護士先生曰く、

「大変です。」

「大変ですが、大変だから通常は弁護士や司法書士に依頼するので、それを気にする必要はあまりないです。」

「他の裁判だって大変ですが、大変だからやらないっていうことはないですからね。」

「個人再生は、自己破産と比べると責任が重いというか、再生が通らなければ、例えば、家が維持できないとか、明確な結果が出るので、そういう意味で嫌がる司法書士とか弁護士はいるんでしょうね。」

ということでした。

なるほど、たしかに、自己破産であれば、もともと、家がとられてしまうことも覚悟の上だから、何とか家を守らなければいけないという責任感も何もないというわけですか。

「もちろん、自己破産の場合でも、『免責不許可事由』と言って、例えば、ギャンブルとか浪費とか投機行為とかで、本来は、自己破産が認められないかもしれないものについて『免責』を認めてもらうために、いろいろな準備をしなければならない、という大変さがある場合もありますよ。」

「ただ、今回のケースの場合には、そういうことではないですもんね。」

「今は、観光業は苦難の時代ですからね。」

「同様に困っている人はたくさんいますよ。」

「それで、個人再生の件ですが、ざっと計算すると、返済額は3年間での返済の場合には、毎月○○円ぐらいになりそうですが、大丈夫ですか?」

と示された数字が私が予想していた金額よりもはるかに低かったので、

「えっ?こんなに少なくていいんですか?」

「これなら、正直、バイトしなくても全然、払えます。」

とお答えしました。

「ただ、債権者の顔ぶれを見ますと、ちょっと気になる点があるんですよ。」

と言うので、私が身構えたところ、こういう話でした。

個人再生をする場合には、原則として、債権者の決議に回されるそうです。

そこで、債権者の中で、過半数の債権(債務)の額の債権者が個人再生に反対するとその個人再生はそこで手続きがストップして進められなくなるとのことでした。

ちなみに、私の債権者と言うのは、

A社    500万
B社    100万
C社     50万
D社     30万
E社     20万
(ただし、B社~E社は全部保証会社が同じF社)
という感じで、A社がダントツ債務が多いのです。

ですので、もし、A社が個人再生に反対をする場合には、そこで個人再生はおジャンになるということです。

「普通、反対するもんですか?」

「普通はそんなに積極的に反対することはありません。」

「ですが、この会社(A社)は結構、異議を出します。」

「特に、自分の会社が異議を出して個人再生を左右できる状況にあるときに限って、異議を出してくること多い気がします。」

そこで私はお願いをしました。

「先生、では、事前に、A社に個人再生に協力してくれるかどうか聞いてみてもらえませんか?」

「もし、それでダメだというのであれば、自分も破産の覚悟をしなければいけないし、妻にもそのことを伝えなければなりませんので。」

とお願いしてみたところ、

「多分、事前に聞いても、『その時になってみないとなんとも言えません』と回答してくると思いますよ。」

と言われてしまいましたが、とにかく、一度、聞いてほしい、とお願いしましたところ、なんと、こういう返事だったという事です。

「個人再生?そんな手続きにご協力する気はありません。当社としては異議を出させていただきます。」



木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

そういうことで、さすがに、この回答には驚きましたが、実は、このような意地悪をされても、結局、この方は、破産する必要はありませんでした。

個人再生の認可を得て、きちんと家に住み続けております。

どういうことかと言いますと、この方は、個人再生のうち、

『給与所得者等再生』

という手続きを使ったからです。

通常、個人再生を行う場合には、

「小規模個人再生」

という手続きを選択します。

給与所得者等再生はあまり利用者数が多くありません。

それはなぜかと言いますと、個人再生の場合、返済額は、その借金の総額に応じて大幅に借金の免除が認められますが、給与所得者等再生の場合には、

【可処分所得の2年分以上】

であり、しかも、小規模個人再生の場合よりも高い返済額でないといけないと決められているからです。

分かりますでしょうか?

給与所得者等再生の返済額 ≧ 小規模個人再生の返済額

という風に決められているのです。

そうであれば、わざわざ、返済額が高くなる可能性のある給与所得者等再生をあえて選ぶ動機ってあまりないはずですよね?

ところが、今回のケースでは給与所得者等再生を行いました。

それは、なぜかと言いますと、債権者からの異議が出されることが明らかだったからです。

小規模個人再生の再生計画が認可されるためには、債権者の頭数の半数以上または債権総額の過半数を有する債権者が異議が出されないことが必要です。

今回のケースでは、結局、

A社 500万円

F社 200万円

というこの2社のみなのです。

もし、

B社    100万
C社     50万
D社     30万
E社     20万

が保証会社が同じという事ではなくバラバラであれば、ひょっとしたら、A社は反対してきても、B社~E社が反対しなければ、債務の過半数の債権者が異議を出したとしても債権者の頭数としては、半数以上から異議が出ない、という事で、決議が通る可能性はありましたので、そのまま小規模個人再生にチャレンジするという事もあり得ました。

しかし、今回は、たとえ、F社が異議を述べなかったとしても、結局、A社が反対してしまえば、

「頭数の半数以上」

にはならず、「債権総額の過半数を有する債権者」であるA社が反対していることをもって個人再生はつぶされてしまうと言ことになるのです。

小規模個人再生は失敗です。

なお、言っておきますと、そんなにどこの業者も意地悪ではありません。

個人再生で異議を述べてくるというのは全体から見れば、一部の業者です。

ですが、異議を出すという方針を何がしたいのだか頑なに続ける業者がいることも事実です。

そこで、そういう異議を出す業者が債権者の中に混じっており、しかも、その業者が債権額の半額以上を持っている場合には、小規模個人再生ではなく、給与所得者等再生を選択する必要が出てくるのです。

すでに述べた通り、給与所得者等再生を選択した場合には、可処分所得の2年分以上という要件がかぶさってくるので、通常であれば、小規模個人再生を選択した場合よりも、返済額が高くなるのですが、必ずしも、高くなるとは言えません。

「可処分所得」というのは、年間の収入から、住居費や必要生活費を控除した残りの金額(『所得』のうち『処分』が『可』能な金額)であるので、必要な生活費が高額な場合(例 不要な必要が子供がたくさんいる)には、可処分所得が多くありません。今回も、可処分所得が、多くなかったので、給与所得者等再生が利用できました。

借金・債務整理の解決事例 13

(その1)借金地獄で自転車操業。しかし、個人で事業をしているので自己破産は回避したいし、車がなくなるのも困ります。[個人事業主の方の債務の法的処理として自己破産か個人再生か]【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

個人事業主と言いますか、便利屋サービスを行っている個人事業主です。

便利屋なので理屈から言えば、なんでもやるという事なのですが、現実には、ほとんどが大規模な掃除の手伝い、ごみの撤去、そして、引越しの手伝いです。

仕事道具と言っても、掃除用具一式と簡単な工具、そして、ハイエースワゴンです。

何がなくても、この車、ハイエースワゴンがないとご飯が食べられません。

従業員はいません。

一時期、最大、2人雇っていたのですが、結局、教えても全然、覚えようとしませんし、何より、この手の仕事は、臨機応変にお客様の要望に応えるという事が大事なのですが、全く、そのような能力がない。

要するに、「気が利かない」のです。

最近の若い人は、という気はないのですが、ちょっと考えれば、ここに荷物を置いたら汚れるかもしれない、傷つくかもしれない、ということで、場所を考えるとか、毛布や段ボールを下にひくとか、ちょっとした人間の感性があれば分かりそうなものですが、それができないのです。

マニュアルがないとか、事前に言われていないから、とか、そんなの全く同じ仕事と言うのは一つもないのですから、できるわけがありません。

それでも、結構、いい待遇で雇ってあげていたつもりです。

売り上げが立たなくて、厳しい時でも、社員の首は絶対に切ってはならない、との信念のもと、銀行や政策金融公庫からの借り入れをして、なんとか、首は切らず、それどころか、一切、給与も減額しないで頑張ってきました。

それなのに、要求ばかりがどんどんエスカレートして、福利厚生がない、とか、普通の会社なら○○してくれるはず、とか、挙句の果てには、ブラックな職場だとか言うのを、従業員が会話しているのを聞いて、いい加減、ブチ切れてしまいました。

「お前はいくら稼いでいるんだ!」

「今月は、売上ないので給料は辞退します、ぐらい言ってもいいんじゃないか?」

「文句ばかりで、営業の1つでもやってみろよ。」

「仕事もとれない。」

「俺がとってきた仕事もきちんとこなせない。」

「そのくせ、いっちょ前に待遇がどうたらこうたらと文句だけ言う。」

「お前らなんかを雇って、今の給料を支払う会社がほかにあるのなら教えてくれよ。」

「なんで、お前らのために、俺が借金まみれになっているんだよ!」

と普段、言わずに耐えてきたことを言ってやりました。

これでも、言い足りないぐらいです。

実際、借金の返済もよそで借りて、返すみたいな状況になっていたので、いい加減、緊張感を持って仕事をしてもらわないと、真剣に破産に向かっていました。

ところがです。

そいつらはつるんで、2人で退職届を出してきました。

しかも、これまでの未払い残業代を支払えと言ってきたので、

「暇な時期は会社に来てもパソコンやスマホ見てくっちゃべっていただけだろ!」

と言い返したら、労働基準監督署から、支払うよう勧告がきてしまいました。

事情は話したのですが、

「労務時間の適正管理は経営者の仕事でしょ?」

残業代は労働法上の当然の従業員の権利ですので、支払わないと大変なことになりますよ、と脅され、

「じゃあ、また借金しろというんですか?」

と言ったら、

「どのように支払いをするかは、労基署は関知しません。」

と冷たく言い放ちました。

そこで、消費者金融とカードローンを目いっぱい使って、仕方なく支払いました。

その後、1人でなんとか頑張ってみたのですが、もはや、返済が追いつきません。

早めに首切っておけば良かったです。

相談後

そういうことで、個人事業であるこの便利屋サービスをつづけることを前提として、相談にのってもらえる弁護士さんを探し回りました。

最初に、電話相談したところは、地元でテレビCMとかもやっている大きそうな事務所だったのですが、

「個人事業をやっておりまして、破産でなくて借金の見直しをしたいのですが。」

と相談したところ、それなら、任意整理という形での整理ができます、と言われたので、銀行、政策金融公庫、カードローン、キャッシング、消費者金融と説明していくと、

「これですと、月々、大体58万円ずつをお支払いして、5年で完済というプランがよろしいのではないかと思います。」

と言われました。

「?????」

「あの、今、月20万ぐらいの支払なんですけど、なんで増えているんですか?」

「そんな金額が払えるんなら別に弁護士さんに相談しませんけど。」

と言うと、その方は弁護士でなく、スタッフの方らしいのですが、

「しかし、総額で3500万円もございますし。」

「どれも過払いの対象ではありませんし。」

「もともと、銀行や政策金融公庫は支払期間が長いので、任意整理といっても、支払期間は大体5年程度ですから、月々の支払額はかえって増えるんじゃないでしょうか?」

と他人事のように言います(まあ、他人事なのでしょうが)。

「あの、あなたが、その任意整理って話は言い出したんですよね?」

「私がそうしてくれって頼みましたか?」

あまりに言い方が冷たく、例の労基署の人間を思い出してしまったので、ちょっと感情的になってしまいました。

すると、

「だったら自己破産するしかないと思いますけど。」

「自己破産をしたくないとおっしゃったのは、そちら様ですよ。」

とさらに言うので、

「じゃあ、自己破産したら仕事は続けられるんですか?」

「続けられるのなら自己破産でもいいですよ。」

「その辺を教えてください。」

というと、急に、

「少々お待ちください。上の者に確認してまいります。」

と少々どころか、えらく待たされました。

そして、ついには、

「あのう、別の弁護士事務所にご相談されてはいかがでしょうか?」

「当事務所は、主に、個人の方を対象にしておりまして、会社様とか個人事業主の方を対象にしていないのです。」

「そういうデリケートな案件は、それを専門にされている事務所にご相談された方がよろしいかと思います。」

とさらに、冷たい言い方なので、

「だったら、それはどこの事務所に行けばいいんですか?」

「会社さんとか個人事業主の専門の事務所を教えてください」

というと、

「そういうご紹介はしておりませんし、当事務所でもどこが専門かについては情報を持っているわけでもありませんので。」

とさらに他人事。

「じゃあ、専門にしている事務所があるかどうかも分からないってことでしょ?」

「俺を厄介払いするために、適当なこと言ってんの?」

「お宅がやっているCMとは全然、違うじゃん!」

「どんなことでもご相談ください、って言ってたぞ。」

もう我慢がなりませんでした。

「さあ、そのCMとかを私は見たことないので。」

もう、時間の無駄なので電話を切りました。

そこから、必死の弁護士探しを行いました。

そして、ついに、

「個人事業主の方ですね。」

「自己破産なのか、コジンサイサイかともかく、事業継続できる前提で法的処理ができるかご相談しましょう。」

と言ってもらえました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

【任意整理で支払いが楽になるとは限らない】

任意整理というのは、弁護士や司法書士が債権者と交渉をして、将来利息のカットや現在よりも負担の少ない支払い月額による内容とした和解をすることです。

裁判所が関与する手続きではありません。

また、様式も決まっていませんし、特に任意整理を規制する法律もないので、裁判手続きである自己破産や個人再生と比べて、手続きが簡単です。

任意整理をすると、以降、将来利息は支払わなくてよくなります。

元本を分割して支払うのみです。

最近は、ほぼすべての金融機関は法定利息内での貸し付けなので、過払い金が生じるという事もあまりなく、利息制限法内にするための引き直し計算というのも必要ないのですが、取引期間が長期にわたる場合(平成19年以前に開始した取引)には、利息制限法の引き直し計算を行います。

そして、減額された場合には減額後の債務額を、3年~7年程度の分割払いで支払う旨の交渉を債権者と行うことになります。

そして、合意した分割払いの内容を和解書という書面で合意することにより、以後は、将来利息のカットの上で長期で分割弁済していくことになり、月々の支払いが楽になる(であろう)というわけです。

なお、将来利息のカットについては、ほとんどのケースで可能ですが、元金の減額ができることは、ほぼありません。

多額の遅延損害金が発生しているケースでは、遅延損害金を減額または免除してもらえることはあります。

裁判手続きではありませんので、自己破産や個人再生の場合のように、裁判所に提出するための書類を作成したり、ご自宅から持ってきていただく必要はありません。

任意整理は、その簡便性から、すべての債務整理の手続きの中で、最もよく利用される形ですが、それをとったから必ずしも支払いが楽になるというわけではありません。

その一番、顕著な例が、もともとの債務の支払の期限が長い借金がある場合です。

金融機関からの事業性の融資ですと、長いものだと10年とか15年の支払のものがあります。

そうしますと、任意整理をすることにより、期間が5年とか長くても7年とかで、支払期間が短くなり、むしろ、月々の支払額ははねあがってしまうのです。

それはそうですよね。

15年で1000万円支払うともともとなっていたものを5年で支払うとすれば、利息のことを考えないでおくと、単純計算で月の支払額は3倍になってしまいます。

しかも、通常、このような事業性の長期融資の場合には、キャッシングや消費者金融の場合と異なり、利息も15%とか18%なんていう高金利のケースはほとんどなく、2%とかですから、短期にすればするほど支払いが苦しくなるのです。

そして、月の支払が苦しくなるもう一つのケースが、もともとリボ払いを利用しているケースです。

リボ払いとは、残債務額にかかわらず、月々の返済額を1万とか5000円とか一定額にしている場合です。

例えば、100万円の残債務があっても、月の支払は1万円だとすると、ここに任意整理をすると、100万円を5年で支払うとすると、月々の支払額は1万6000円となり、1.6倍の返済額になります。

200万円の残債務で月の支払を1万円のリボ払いにしていたとすると、これに5年の任意整理をすれば、月の支払は3.3万円となり、3倍以上になるのです。

「総額で見れば利息がなくなるのでよいですよ」

と言われても、目の前の支払がどうにもなりませんよね。

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借金・債務整理の解決事例 14

(その2)借金地獄で自転車操業。しかし、個人で事業をしているので自己破産は回避したいし、車がなくなるのも困ります。[個人事業主の方の債務の法的処理として自己破産か個人再生か]【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

(前回までのあらすじ)

便利屋サービスを行っている個人事業主の方。

使えない従業員2名を抱えておりましたが、そこは経営者、社長として、どんなに苦しくても従業員の首だけは切ってはいけないという信念のもと頑張って雇用を維持しました。

そのため、借金を抱えてしまいました。

ですが、そのような社長の苦労を知ってか知らずか、従業員の方は恩義にかんじてくれるどころが、要求がエスカレート、不満たらたらでした。

とうとう、我慢の限界に達した社長は、その従業員たちに説教しましたが、それで奮起するどころが、逆に、辞めると言ってきました。

辞めるだけならまだしも、未払いの残業代を支払えと言ってきました。

何を寝ぼけたことを?暇なときに散々おしゃべりしていただろ?

と思うのが通常ですが、そういうまともな人情論はこういう従業員には通用しません。

ついには、彼らは労基署(労働基準監督署)に駆け込みます。

そして、労基署もそういう話は一切、聞く耳持ちません。

ただ、社長に払え、と。

それで会社が倒産しようが、破産しようが、知ったこっちゃない、という態度です。

それで個人でサラ金まで利用して支払いました。

可哀そうですね。

その後は、人間不信になり、誰も雇わず、一人で奮闘しましたが、借金の返済が追いつかず、弁護士に相談しようと考えます。

破産はしないで、なんとか便利屋をつづけるための債務整理を模索して、地元でテレビCMとかもやっている大きな事務所に相談してみることにしました。

しかし、そこのスタッフは、破産が嫌なら、任意整理がいいと勧めてきます。

あんまり、任意整理があまりよく分からないまま、任意整理をするとどうなるかを尋ねると、なんと、1カ月あたりの現在の支払額の2倍以上になると言う。

支払いが苦しいから相談しているのに、なんで?と疑問に思いますが、破産したくなければ任意整理しろと、冷たく言い放つ当該事務所のスタッフ。

そうでなくて、破産がいいとか嫌ではなくて、事業を継続するためにはどうすればいいのかを問うと、

「別の事務所に相談したら?」と。

もともと、会社や個人事業主は対象にしていないとのことを言い出して、もはや、幾ら話をしても意味がないと断念。

その後、弁護士に相談しようと、何件も聞いては見ますが、

「もう、事業は辞めてお勤めにしたら?その方が楽だよ?」

「破産するということは全部を諦めることだよ。」

「民事再生っていうのもあるけど、うちはあまりやらないんですよ。」

等々、どこも芳しい返事を頂けません。

そのような経緯を辿って、当事務所にいらっしゃいました。

相談後

正直、もうかなり自分自身がいろいろな弁護士事務所、司法書士事務所で相手にされなかったり、門前払いされたり、今の個人事業を辞めるよう説得されたりして、疲れていましたし、正直、もう無理なのかなあ、と諦めかけておりました。

弁護士さんからは、

「便利屋って、範囲が広すぎて私もよく分からないんですけど、何か売ってお金になるような設備とかってあるんですか?」

と冒頭に聞かれました。

(やっぱり。全部を売って事業を辞めろと言い出すんだな。)

と思いながら、

「売ってお金になるようなものはありません。ただ、車、ハイエースワゴンはたしかに売ればいくらかにはなるかもしれないです。」

と正直に言いました。

ですが、

「車が以外は無しですか。さすがに車は売ったら商売続けられなくなるでしょ?」

と言うので、

「えっ?商売続けてもいいんですか?」

と自分でもおかしな質問をしてしまいました。

「えっ?商売続ける、ってお話ではなかったでしたっけ?」

「辞めるんですか?」

と言われて、

「いえいえ、もちろん、自分は商売続けたい、って思っているんですけど、なんか、これまで、いろんな弁護士とか司法書士とかから、もう辞めた方がいいとか、辞めるしかないとか言われたもので。」

「どうやったら、続けられるんですか?」

と聞くと、

「そうねえ。とにかく、破産なり、個人再生なりの費用が準備できれば。」

と言われました。

「破産したら、商売できなくなるんではないですか?」

というと、

「いや、そんなことはないですよ。」

「破産したら、その時点での資産を手放さなければならないということから、通常は、事実上、商売を続けられなくなるけど、資産と呼べるようなものは車を除いて何もないんでしょ?」

「あと、確認ですけど、売掛けとか買掛けとかも便利屋さんだからないですよね?」

と言われ、

「はい。現金商売です。それに、車以外お恥ずかしいぐらい金目のものは何もないです。」

と言いました。

「それで、どうしますか?」

「ご存知の通り、自己破産と言うのは、手元にある資産的なものは全部、手放すけど、免責が認められれば借金の支払い義務は免除される手続きで、個人再生というのは財産を手放す必要はなく、借金のうち約8割ないし9割を免除してもらって、残りを分割で支払う手続き。」

「あなたの場合には、3500万円だったので、借金の9割カットだね。だから、350万円を返済することになる。」

私は耳を疑いました。

「3500万円が350万円?」

「私の場合、本当にそうなりますか?」

再度、念押ししました。

「うん。なる。」

「だから、この350万円を3年で分割支払いすると、月9万7千円、5年だと、月6万円という感じですね。」

「もちろん、自己破産すると、支払額はゼロだけどね。ただ、車の価値によっては、その車の買い戻し費用がかかるかも。」

「いずれにせよ、自己破産費用ないし個人再生費用はかかるからね。」

「もちろん、分割払いの積み立てでよいですが。」

なんだか、キツネにつままれたような感じでした。

なんで、これまで、あっちこっちで商売辞めろと言われ続けたのか訳が分からなくなりました。と同時に諦めてなくて良かった、というか、そこで辞めていたらと思うと怖くも感じました。

人の出会いって本当に大事だな、と思うと同時に、出会いは自分で動いて掴み取るものだということを実感しました。

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木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

結局、この方は、個人再生の手続きを選択されました。

その理由は、「破産」だと聞こえが悪く、その後の商売に響くからだということでした。

別に、破産であることを他の方々に通知する必要はありませんよ、と言ったのですが、「破産」したのを隠すのは良くないし、民事再生なら正々堂々と言えるから、と言っておりました。

そのあたりは、業界的なものもあるのかもしれず、無理やり自己破産をさせるというわけにもいきませんので、個人再生として進めることにしました。

車は返済額である350万円を超える価値があるとすれば、たしかに問題になりますが、当然ながら、そこまでも価値はありませんでしたので、普通に、車を維持したまま商売を続けることができます。

個人事業主の事業継続前提での自己破産ないし個人再生は、嫌がる人が多いです。

一つは責任が重くて怖いからです。

事業継続が本当にできるのかどうかは、大変、複雑な諸問題・諸事情が絡んでくるので、やった結果、継続できなかった、となると、それは当然ながら依頼者さんとの間で大きなトラブルになります。

「嘘つき!できるって言ったじゃないか!」

と、事業継続はお仕事の問題で生活の根本に関わることなので、トラブルの深刻さが違います。

なので、諦めてもらって、粛々と自己破産にしてしまえばそういう精神的負担はありません。

それに、たしかに、業種によっては、お金の出入りが頻繁で数字を追っかけるのが大変です。

ですので、手間が掛かりますし、見落とし、見間違いが生じるリスクもあります。

なので、そもそも、事業継続はしないんで、という事業廃止の前提だとしても、事業主の案件自体をやりたくない、という人も少なからず存在しております。

ですが、破産はともかく、小規模個人再生と言うのは、小規模事業者のために用意された再生手続きなのです。

せっかく、再生できる事業があるのに、これを潰すなんて、当事者の方にとっても不幸ですし、日本社会にとっても損失なのです(何もそんな大げさなことを普段ずっと考えているわけではありませんが)。

そういうわけで、当事務所は個人事業主の方のご依頼が多分、よその事務所に比べても多いと思います。

なお、個人事業主の方が小規模個人再生をする場合において、重要なポイントについて少し補足しておきます。

再生という以上は、収入見込みが立たなければなりません。

通常、過去2年分の事業収益をベースにして、今後も継続的収入があるかどうかの見込みの説明を裁判所にしていくことになります。

借金の点を除いてずっと赤字ですと、

「借金をせっかく減額しても返済できないのでは?」

ということになり、再生手続きが認められないことになってしまいます。

また、今回のケースでは問題になりませんでしたが、買掛がある場合には注意を要します。

事業・商売をするために必要な原材料の仕入れとかが買掛けになっている場合、再生手続において、その債務をカットするとどうなるでしょうか?

通常、もう、2度とその仕入れ先から原材料が入ってこなくなりますよね?

そこから買えないのであれば、また別の仕入れルートを探すからいいですよっていう方もいますが、そうでないとすると、事業の継続ができなくなってしまいます。

そうすると、そもそも再生なんて言ってられなくなります。

そのため、

「事業を継続するために必要な買掛金なんです。」

「ここだけは支払いすることを認めてください。」

と裁判所に届け出て支払うようにしなければなりません。

借金・債務整理の解決事例 15

(その1)自己破産の費用が惜しいので、自分で自己破産手続きを進めようとしたところ分からないことだらけ、裁判所書記官からも急に冷たく突き放されるようになりピンチ!今から依頼すると?【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 男性

相談前

自己破産手続きは、司法書士や弁護士に頼まなくても自分でもできるとインターネットの掲示板や口コミサイトに書いてあり、司法書士の費用とかもったいないので、自分で
やってみることにしました。

そして、

「分からないことがあったら、裁判所に聞けば教えてもらえる」

とあったので、何度も何度も、裁判所に電話したり、場合によっては直接、窓口に出向いて教えてもらいました。

そこで、必要な書類とかがあるということでした。

・住民票
・戸籍謄本
・給与明細(2か月分)
・源泉徴収票(もしくは課税所得証明書)
・預金通帳(2年分)
・賃貸契約書の写し(賃貸の場合)
・不動産の登記事項証明書(不動産を所有している場合)
・退職金を証明する書面
・車検証
・保険証券
・解約返戻金の有無が分かる書類(積立型の保険を契約している場合)

順番に、
・住民票
・戸籍謄本
の違いが分かりませんでした。

それで、どういう書面なのかを問い合わせると、

住民票とは、住所を記載した役所の書面で

戸籍謄本とは、籍を登録した役所の書面ですと。

そこで、それをどこに行けばもらえるのですか?と尋ねたら、市役所に行けばもらえると教えてもらいました。

分からなければ、市役所の窓口で、

「住民票と戸籍謄本を取りにきたのですが、どこに行けばいいですか?」

と聞けば教えてもらえるとのことでした。

そして、実際に、市役所に行ったところ、聞くまでもなく、

「住民票の交付はコチラ」

と書いてありましたので、戸籍謄本も併せて無事に取得することができました。

次に、
・給与明細(2か月分)
・源泉徴収票(もしくは課税所得証明書)
とあったのですが、「源泉徴収票」というものをもらった記憶がないので、これも聞きに行きましたところ、

「そんなはずはない。会社に再度、確認してみてください。また、もし、無くしたとかいうことであれば、再発行を受けてください」

と言われましたので、会社で、

「あのう、源泉徴収票ってもらったりしていないと思うんですけど。」

と言ったところ、

「源泉徴収票は、ご自身で会社の派遣社員管理システムにログインしていただき閲覧するか必要に応じてダウロードする形式です。」

「源泉徴収票のご用途は何ですか?」

と言われてしまったので、

「あの、いや、ちょっと友人と会話していて、そういえば、どうなっているのかなと思って・・・。」

とおかしな返答をしていると、

「確定申告で紙の源泉徴収票が必要だという事でしたら、そのための手続きをしますがどうしますか?」

と言われ、

(確定申告?まさか、自己破産するためとは言えないし、ダウンロードするんじゃダメかな。今から、裁判所に電話してみようかな。でも、ここで電話したら怪しまれるからな。)

と、どうしようか迷っていると、

「では、もし、必要があれば言ってください。ログインIDとパスワードは分かりますか?」

と聞かれて、そういえば、それも分からなかったので、ログインIDを教えてもらい、パスワードは、あとで、メールで送ってもらいました。

そして、裁判所に電話して、源泉徴収票の仕組みと、ダウンロードしたやつをプリントアウトしたものでもいいかと尋ねると、

「それで結構です。」

と教えてもらいました。ところが、

「弁護士を探して相談された方がいいでよ。この調子だとすごく時間もかかるし、裁判所も個別の事件についてまでアドバイスはできませんよ。」

と急に突き放すような態度になってしまいました。

相談後

せっかく、自分で手続きを始めたのに、急に裁判所の書記官の人が冷たくなったので、とりあへず、弁護士無料相談に行って、やり方を全部、教えてもらうつもりで相談に行きました。

すると、

「やり方そのものについては、裁判所のホームページ等に必要記載事項、書式や必要書類が書いてありますよ。」

と言われました。

「しかし、個別に事情が違いますよね?」

「例えば、源泉徴収票とかですが、うちの会社は派遣社員管理システムにログインして閲覧するか必要に応じてダウロードする形式なんです。」

「ですから、そういう場合は、どうすればよいのかとか、実際にやり始めたところ、そもそも、その書類の意味も分からないのもあるし、分かっても、どうやって準備すればいいのかが分からないのもあるし、手続きが凄い大変なんです。」

というと、弁護士さんは、

「まあ、そうでしょうねえ。」

「でも、本当に分からなければ裁判所に聞くしかないですよ。」

「要は、破産って言うのは、裁判所で行われる裁判手続きなんですから、当の裁判所がその書類で受け付けるかどうかの問題になります。」

「うちの事務所が代理人になって手続きをする場合でもたしかに、これはどういう風にすればいいかなあ、と悩む局面もありますから、その場合には、裁判所に協議します。」

「ただし、それは、破産手続きが開始した後の話ですから、受付前の事件については、裁判所の書記官も市民の窓口として、一般的な手続きのご案内をするだけで、個別具体的な事項については答えないでしょうね。」

「もちろん、源泉徴収票の提出が原本か写しかについては一般的な手続きの案内に入ると思いますよ。」

「それで、本日は何をお聞きになりたいですか?」

と言われたので、ふと考えてみると、具体的に何を聞けばよいのかさえ、分からないと思い、

「具体的な質問事項については用意していないですが、こういう場合、何を聞けばいいんですかね?」

と訳の分からない質問をしてしまいました。

弁護士さんっも苦笑いしながら、

「まあ、とにかく、おっしゃる通りで、破産の手続と言っても、個別に置かれた環境が違うので、マニュアルだけでは何ともならないのですよね。」

「臨機応変に頑張って頂くしかないと思います。」

と言われてしましました。

そこで、

「今から、弁護士さんを依頼する場合、最初から頼んだのと同じ費用がかかりますか?」

と端的に聞いてみたところ、

「最初から頼んだのと同じ費用になります」

と即答でした。

「ここまでは自分の力で書類を集めたので、その分、費用はディスカウントされるのではないか?」

と多少、期待していたのですが、全く費用が変わらないということでした。

というよりも、

「源泉徴収票」などは、そもそも、本人が取得して、弁護士に渡すというものなので、仮に最初から依頼していたとしても、自分で会社に請求したり、自分の家に保管されているものを弁護士さんに送るなりするという性質のものだと言われました。

ただ、

「例えば、あなたの会社の源泉徴収票がそういうシステムなのだとすると、写しでもいいのか、ということについては、あなたがもし依頼しているのであるとすると、当事務所にその都度、お電話なり、メールなりでお問い合わせいただけます。」

「それに、重要なのは、いかにして破産申し立てにより免責の許可がもらえるかどうかを事前に検討して準備することです。」

「そもそも、本件は、管財(カンザイ)事件になるような要素はないのですか?」

とまた新しい言葉。。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

以前は、「自分でも自己破産手続きできますかね?」というご質問については、

「できますよ。」

とお答えしていたのですが、最近はずっと、

「それは各個人の方の能力や事情等によりますので分かりません。」

とお答えしております。

実際、インターネット等で、自分でできた、と自己破産手続きを自分で行った体験談を書いたブログ等があるようです。

ですが、それは、そもそも、その方がこの手の手続に慣れているのかもしれないですし、(言い方がなんですが)あまり、問題の少ない簡単なケースだったのかもしれません。

また、働き方も、資産の状況(家、車、保険)も借金の状況(住宅ローン、オートローン、キャッシング、ショッピング、教育ローン、おまとめローン)も、個別に異なりますので、同じようにできるかどうかなんて分からないですよね。

しかも、その人が手続きするのに十分な時間的余裕があるのか、書類の説明を一回聞いただけで理解できる能力があるのか、等々に左右されるので、後から、

「先生は、私でも自分でできるって言ったじゃやないですか!」

と言われても困るんですよね。

なお、弁護士に依頼すると、当然、費用の問題が出てきますが、依頼するメリットとしては次の通りになります。

・面倒な必要書類の取得や裁判所のやり取りをしてくれる

 今回のケースではこちらがどうも相談者の方にとっては大変だったようです。
 ただし、すでにお話ししましたように、給与明細とか源泉徴収票とか、弁護士がまさか本人に代わって会社の経理や総務に電話して送ってもらうわけにもいきませんので、どうしてもご自身で取得していただく必要がある書類があります。

 ただ、その場合でも、

「どうやって会社に言ったらいいか分からない。」

「会社に○○って聞かれたけど、なんと回答すればいいのか分からない。」

等々、いろんな働き方や会社さんがありますので、その状況に応じたアドバイスはさせて頂きます。

 他方、住民票や戸籍等は、弁護士事務所で取得することも可能です。

・免責のための必要書類の準備のアドバイス

浪費、ギャンブル、投機行為、偏頗弁済(特定の債権者にのみ返済する事)等は免責不許可事由といって、自己破産による借金の免除が認めてもらえない理由になります。

しかし、免責不許可事由があったとしても、「裁量免責(さいりょうめんせき)」と言って、免責が裁判官の裁量によって個別に認めてもらえる場合があります。

ただし、何もしないで裁量免責は認められません。

内容のある反省文を始めとして、ケースに応じて、家計簿をつけてみたり、ショッピングやギャンブルの取引履歴を作ってみたり、と免責を認めてもらうために、ケースに応じた、いろいろな準備が必要です。

・破産管財費用が安くなる

自己破産手続きにも実は2つあり、1つは破産管財人がつく自己破産のケースでこちらは破産管財手続き、ないし、管財事件、と言います。

もう1つは、破産管財人がつかないケースで、こちらは、同時廃止手続き、ないし、同廃事件、と言います。

そして、例えば、免責不許可事由があるとか、不動産とか車とか生命保険解約返戻金とか何か財産があるとか、個人事業主であるとか、いうケースでは破産管財人がつきます。

管財事件になった場合には、費用が別途かかります。

そして、本人が申し立てた場合と、弁護士を代理人につけた場合とでは、弁護士を代理人につけた場合の方が費用が安いのです。

これは、弁護士がついていれば事前に書類等、整理がなされているからです。

借金・債務整理の解決事例 16

(その2)自己破産の費用が惜しいので、自分で自己破産手続きを進めようとしたところ分からないことだらけ、裁判所書記官からも急に冷たく突き放されるようになりピンチ!今から依頼すると?【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 男性

相談前

(前回までのあらすじ)

自己破産しなければいけない状況ではありますが、自己破産手続きを司法書士や弁護士に依頼すると費用がかかります。

何十万もするお金をもっていないし、そもそも、そんな高額なお金を支払わなくても自分で行うのであれば、タダできるのだから自分でやろうと思ったという相談者の方。

実際に、自分で自己破産の手続をしたという体験談をインターネットでも見たことがあるとのこと。

しかし、実際にやり始めると、集めなければいけない書類として、
・住民票
・戸籍謄本
・給与明細(2か月分)
・源泉徴収票(もしくは課税所得証明書)
・預金通帳(2年分)
・賃貸契約書の写し(賃貸の場合)
・不動産の登記事項証明書(不動産を所有している場合)
・退職金を証明する書面
・車検証
・保険証券
・解約返戻金の有無が分かる書類(積立型の保険を契約している場合)
とたくさんの書類が必要で、しかも、意味というか具体的になんのことを指す書類なのかもわからずに、インターネットで調べたり、裁判所に聞いたりしていました。

当初は、裁判所の書記官の方もよく教えてくれていたそうですが、最後は、

「弁護士を探して相談された方がいいでよ。この調子だとすごく時間もかかるし、裁判所も個別の事件についてまでアドバイスはできませんよ。」

と冷たく突き放すような言い方をされてしまったとのこと。

そこで、弁護士事務所の無料相談をご利用されたうえで、自己破産手続きを進めようと考えたらしいのですが、実際の所、

「何を聞けばよいのかさえ分からない」

という状況で、段々と、自分で自己破産の手続きをできるのかと不安になり、仮に、弁護士を今から依頼したら、一番最初から依頼した場合と、何か費用に違いが出るのか(安くなるのか)を聞いたところ、

「安くはならない」

「当初から弁護士に依頼するのと変わらない」

と言われて、少し、がっかり。

それに、そもそも、弁護士に依頼したからと言って、自分は全く何もしなくても良いわけではないということを言われる。

そして、改めて、自分の破産しようという経緯を伝えると、

「破産管財※」

という手続きになるのではないかと指摘される。

※破産管財とは、破産手続きにおいて、一定の資産がある、浪費・ギャンブル等の理由によりできた借金がある、2回目の破産である、等の理由から、破産管財人を入れて調査したり、場合によっては何らかの業務を行う必要があると判断される破産手続きのことを言う。

ちなみに、その具体的な破産せざるを得なくなった理由とは、もともと、アパレル関連の仕事についており、店長職でお店の売り上げの責任も持たされていたため、一定の売り上げに達しない月には、自分のクレジットカードを切って、お店の商品を購入していたという事が組み重なって借金が返済できなくなったそうです。

そして、自宅には、小さなお店が開けるぐらいの洋服の在庫を抱えているとか。

ですので、このケースは、別におしゃれしたいとか言う動機に基づくものではありませんが、洋服の大量購入による借金の増大、なので、一見、浪費による借金の増大とも見えなくはありません。

さらには、一度、購入された洋服が売れるのかどうかは、ともかく、これまた、一定の財産・資産があると見えなくもありません。

相談後

そして、破産管財の説明を受けて、

「じゃあ、弁護士さんの費用に加えて、その破産管財人の費用も必要になってくるのですか?」

「その破産管財人の費用っていくらなんですか?」

と聞くと、

「本人手続あるいは司法書士に依頼なら30万、弁護士に依頼なら20万」

と弁護士さんは答えました。

「司法書士さんに依頼しても30万っていうのは何故なんですか?」

と聞くと、

「司法書士の場合には、依頼すると言っても、代理権はないわけですよ。」

「つまり、司法書士は、書類作成のサポートをするだけで、あくまでも手続きはご本人がやるということなんです。」

ということでした。

それで、結局、費用としてはいくら必要になるのかを尋ねると、

「大体、60万ぐらいですね。あとで実費も含めて正確なお見積りは出しますが。」

と言われて、

「えっ?60万円?」

「そんなのみんな支払うんですか?」

とアホみたいな質問をしてしまいましたが、

「ご依頼される方は皆さん、そうですね。」

「ただし、一括では無理ですよ。」

「みんな、そんなまとまったお金は持っていないですからね。」

「なので、どうしたって分割で費用を積み立てる形になります。」

ということでした。

分割払いなのは、安心しましたが、とはいえ、結局、毎月、いくら支払わなければいけないのかと思い、

「何回払いになるんですか?」

と聞くと、

「別に、決まりはないですが、何回払いぐらいなら可能ですか?」

と逆に聞かれてしまいました。

そこで、

「何回っていうか、月3万円であればなんとか。」

ということで答えますと、

「月3万円なら約20回払いということでいいですか?」

と言われ、

「えっ!そんなに長期の積み立てでも大丈夫なんですか?」

と念押ししました。

ただ、弁護士さんも、

「うん。本来であれば無理なく積み立てできる期間でご自由にどうぞ、っていう所なんですが、あんまり長く積立期間をとっていると、そのうち債権者が騒ぎだして、もう待てない、とか訴訟を起こしてくる場合があるんですね。」

「そうなりますと、訴訟を起こされれば、たしかに借りていることは間違いないので、返済しろという裁判所の命令がでるんです。これがいわゆる判決ですね。それで判決自体は、支払い義務があるので支払えという書面なんですが、その判決がでてしまうと、今度は給与の差し押さえとか強制執行を受けてしまう恐れがあるんです。」

と言われてしまい、

「それはマズイですね。」

「いや、でも、もう辞めてもいいかなあ。」

「会社にこの洋服類って返して、逆に返金してもらうってできるんですかね?」

と段々、弁護士さんから、会社とか給与差し押さえの話をされていると、会社に対して許せない気持ちになってきました。

「うん。これから実際に債務整理手続きのご依頼をいただく場合には、その点についてもお話ししようかと思っていたのですが、全額はともかく、いくらかは回収したいなと思っておりまして。」

「そうすれば、多少なりとも、費用の足しになりますもんね。」

なるほど、こんなことなら、たしかに最初から弁護士に相談した方が良かったな、と思いました。

それで、まずは、月3万円ずつ積み立てて、もし、会社からいくらか取れたらそれを費用に充当するということで、ご依頼することにいたしました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

もともと、司法書士ないし弁護士に依頼しようかなとは思ったそうなのですが、何十万円ものお金も持っていないし、困ったなあ、と、いろいろ調べていたところで、自分で自己破産はできる、というブログのようなものを見て、自分でやろうとしたようです。

なんでも、そうですが、自分でやれば、その分、費用が掛かりません。

例えば、家も自分で建てれば材料費だけで済みます。

材料を購入して、自分でログハウスを建てるというような動画を何かで見た記憶があります。

しかし、実際には、自分で家を建てるという人はあまり多くありません。

1つは、どうやって家を建てたらよいか分からない。

また、家を建てても、住めるようなものになるのか分からない。

さらには、調べたり、作業したりする時間が膨大過ぎて、自分は別のことやって稼いだ方が実は効率がいい、

こういう理由から、あまり自分で家を建てようとしません。

ただ、これがリフォーム程度ならどうでしょうか?

やってみたら意外にできた!

内装屋さんに見積もり出してもらったら何十万だったのに自分でやったので、クロスとか必要な資材を買うだけで済んだ!

という人も少なくないのではないでしょうか。

要は程度問題ですね。

実は運転免許の更新なのですが、こちらも費用を支払って手続き代行を「行政書士」という資格事務所に依頼することもできるんです。

ですが、こちらは、私の周りで、免許更新の書類作成を行政書士に依頼したという人を見たことがありません。

運転免許の更新なんて、お金と通知の紙をもって警察なりセンターに行けば誰でも自分でできています。

しかも、インターネットで、

「自分で免許更新の作成ができました!」

ってその経験談を書いている人ってほとんどいません。

自分でやれるのが普通だから、わざわざ書く必要もないし、書いても、それを読んだ人は、

「ふうん。それで?」

という反応しかしてくれないのが分かっているからです。

自分でできるかどうかは、多くの人がどうしているのかを参考にするとよいでしょう。

そして、本件ですが、債務増大の原因がお気の毒なことに、店長の責任を全うするためにお店の商品を自腹で購入していたという事ですが、実は、このケースよくあります。

よくあるのですが、その自腹を切らされていた当人が会社を訴えたりすることがあまりありません。

それはなぜかと言いますと、その店舗の売り上げが良いことにより、自分にもメリットがある場合があるからです。

賞与が増える
インセンティブがもらえる
人事評価が良くなって出世できる

等々のために、やむなく詰め腹を切るのです。

また、そう思いこんでいるというだけの場合もあります。

ただ、本件では、本人がもうこの際、会社を辞めてもいいや、という気持ちになっていたので、出世もへったくれもないということで、会社に返品要請をしました。

そうしましたら、驚いたことに、なぜか窓口として、

「お客様センター」

につなげられ、そこで何も分からない若い女性に対応させようとするではないですか。

それで、さすがに、これはバカにしていると思い、本部に内容証明を送ったところ、相手の会社の窓口も弁護士になりました。

その弁護士も、会社は何も知らなかった、買えなどと一言も言っていない、返品は一切受け入れない、などと当初は言っておりましたが、破産管財人からの請求とどっちがいいか?と言うと直近1年以内のものに限り、返品を認めてくれることになりました。なので、費用は手出しはほとんどなかったです。

借金・債務整理の解決事例 17

ブラックリストや信用情報について質問しても明確に答えてくれない、挙句の果てには逆切れする弁護士に失望。任意整理も破産も自分はどちらもできない!(個人事業主の民事再生)【弁護士事務所案件】

依頼主 男性

相談前

ようやく、個人再生の依頼の手続きが終わり、先日、弁護士事務所の方から、費用を書いた請求書と月々の積立額、そして、いつまでに支払えばよいかと、振込先の口座を書いた「積み立て実行表」という書面が送られてきました。

この積み立て実行表によると、2週間に一度の積み立てで、全部で半年で完済するというものでした。ただ、よくよく考えると、この2週間に1度というのは忘れがちになるので、シンプルに毎月1回のお振込みで構わないですか?と聞いてみました。

そうしましたら、

「別に、うちは最終的に6カ月以内に積みあがればいいんですけど、2回分を1回に支払うって大丈夫ですか?」

「よく、最後にまとめて支払うとか言う人いらっしゃるんですけど、結局、払えなくなっちゃうんですよね。」

「お宅がやろうとしている手続きは個人再生ですから、支払いの習慣をつけた方がいいと思うんですけどねえ。」

などと言われてしまいました。

ただ、その方に言われるのと、弁護士さんに相談の時に言われたことが違うなあと思って再度説明しました。

「いや、弁護士さんとの面談の時には、『私が個人事業で売り上げが入る収入のタイミングが毎月10日と25日にあるんで、その都度ごとに支払いしましょうか?』って最初言ったんですよ。そしたら、弁護士さんから、『個人再生の返済は1カ月に1回だから今からそのサイクルを作った方がいいじゃないですか?』って言われたんです。」

「その時は、私がでも、お金が入ったときに積み立てておかないと後で支払えなくなると困るからって言ったんですけど、たしかに、それでは個人再生の返済が始まってから逆に、そういう習慣をつけないとまずいと思ったんです。」

そう説明すると、その電話口のスタッフの方は腑に落ちない感じで、

「でも、そうすると、またこの『積み立て実行表』を修正してお送りすることになるので、時間がかかりますよ。」

って言うので、

「別に修正までしなくても、もともと、10日と25日に支払う金額を合わせて25日に支払うので、それで大丈夫ですよ。」

と答えると、

「ちょっと、弁護士に変わりますね。」

とスタッフの方から弁護士に変わってしまいました。

しかし、面談の時とは別の弁護士だったので、改めて経緯を説明すると、

「まあ、どっちでもいいですよ。とにかく半年以内でお願いします。」

という事でした。

それで、ついでに、

「個人再生を始めるとブラックリストになって信用情報が傷つくから、カードやローンがダメになるっていうことでしたが、何年すれば大丈夫なんでしょうか?」

と聞きました。

「大体、5年から7年って言われてますよ。」

と言うので、

「5年から7年するとブラックリストから消えるんですか?5年と7年の差は何になるんでしょうか?」

とお伺いすると、

「そんなのどっちでも良くないですか。」

と適当なので、

「5年か7年の差は大きいですよね?そもそも、ブラックリストにはいつ載るんですか?いつからカウントされて、いつ消えるんでしょうか?」

と突っ込んでみると、

「あのう。よく勘違いする方いるんですが、ブラックリストってリストはないんです。信用情報機関というのがあって・・・。」

と知っている話に戻っていくので、

「それは知ってます。それで、何月何日から始まって、そこから何年で消えるのかと・・・」

と補足しようとしたら、

「借金返済できなくなったくせにカードだ、ローンだっておかしいでしょ?反省しているの?」

とキレられてしましました。

相談後

そこで、ほとんど依頼寸前まで来ていたのですが、ちょっと不安になって、再度、別の事務所に相談してみることにしました。

その相談と言うのは、今のまま委任契約を進めてよいかというものでした。

「うーん。それは何とも答えずらい質問ですね。」

「正直、今、お伺いした弁護士の名前を言われても、良く知らないので、何とも言えないなあ。」

「今回は個人再生の件ですが、ほかの件でもたまにあるんですよ。『○○っていう事務所に依頼しようかと思っているんですが、ここは評判どうですか?』とか、『□□っていう先生を紹介されているんですけど、ちゃんとやってくれますかねえ?』とか。」

「今回は知らない弁護士だけど、たとえ知っている先生だとしてもね。その先生が仕事しているのを横で見ているわけでもないし、これまでどんな事件をどういう風にやってきたかも分からないから、いいとも悪いとも言えないじゃない。」

「もし、私がいいですよって、言ってそれを参考にあなたが決めて実際には良くなかったら、『全然良くないじゃないか』って思うでしょ?それに、『良くないですよ』っ手言ったらなんか悪口言ってるみたいになるし、ちょっと難しいな。」

と言われて、それもそうだと思いました。

それで、個人再生の支払方法について尋ねると、

「たしかに、月2回か月1回かは事務所側からすればどちらでもよいです、ってなるでしょうね。」

「今まで、月2回って言うのはあまり例がないけどね。」

「なので、本当に依頼者の方の都合がよろしければそれでいいです。」

「ただ、半年間だと1カ月の積立額が約10万円だけど、本当にできるんですか?」

と聞かれて、

「でも半年じゃないとダメだから、家族や知人から援助してもらうとかなんか考えてって言われちゃいました。」

「ちなみに、先生の所は分割は何か月までOKなんですか?」

と聞いてみると、

「別に、何カ月という縛りはない。しいて言うなら、依頼者の方ができる範囲で、かつ、債権者に待ってもらえる期間かな。」

と言うので、

「例えば、1年とかでも大丈夫ですか?」

と聞いてみると、

「1年なら大丈夫じゃない?」

と言われて、かなり心が揺れました。

実際、毎月10万円というのは、かなりキツいなあと思っていましたが、最初の事務所の弁護士が、

「うちは半年猶予しますが、これ以上猶予してくれるところはないと思いますよ。」

と言ったので、そういうものかと思っていたのです。

それと、ブラックリストについて聞いてみましたところ、ズバリ、

「信用情報機関というのは3つあるんですけど、個人再生の場合には、開始決定の日からJICCには5年、全銀協には10年、もう一つのCICには載らないけど、もう延滞しているのであればその延滞情報は掲載される。」

「なので、銀行系のローンやクレジットは10年、それ以外なら5年と考えてください。」

と即答でした。

「5年から7年と言われたんですけど。」

と聞いてみると、

「それは間違いか勘違い。なんか根拠あるの?」

と言われました。

やはり、あの弁護士は自分が分からないのを誤魔化して、しかも、私に対して、「借金返済できなくなったくせにカードだ、ローンだっておかしいでしょ?反省しているの?」などと暴言を吐き、怒りがふつふつと込みあげてきました。

「あのう、今から先生の所にお願いするというのは可能でしょうか?」

と聞いたところ、

「もちろん可能ですが、逆に、大丈夫ですか?」

と心配されました。



木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

結局、この相談者の方は、最初に弁護士事務所に依頼しないという事を告げて、当事務所にご依頼になりました。

費用も10万円ほど安くなったそうです。

それで、例の5年~7年の根拠は聞いたのかと尋ねてみたのですが、「やはり依頼するのは見合わせたいと言ったら、厄介払いでもするような感じで、さっさとキャンセルの手続きをされてしまいました。」とまた怒ってました。

細かく突っ込まれて、怖かったのか、嫌になったのか、どちらかでしょう。

まあ、そういう事務所は無理して合わせても、後々、またトラブルになる可能性もあるので、依頼しないことにしてお互い良かったのではないでしょうか。

ちなみに、この方は、デザイン系のフリーランサー・個人事業主でしたので、小規模個人再生で手続きは進めさせていただきました。

当事務所から見れば、非常にきちんと書類等もご準備される方で、喧嘩になるような要素は全く見当たりませんでしたが、相性なのでしょうか。

それから、個人再生をする場合の信用情報については、本当におかしなことを言う専門家もいるので気を付けてください。

補足しておくと次のようになります。

◆信用情報機関の種類
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
【加盟会員の業態】
消費者金融会社、流通系・銀行系・メーカー系クレジット会社、信販会社、金融機関、保証会社、リース会社など

・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
【加盟会員の業態】
割賦販売や消費者ローン等のクレジット事業を営む企業

・全国銀行個人信用情報センター
【加盟会員の業態】
銀行、信用金庫、信用組合、政府系金融機関、保証会社

◆期間
・株式会社日本信用情報機構(JICC)・・・開始決定から5年

・全国銀行個人信用情報センター・・・開始決定から10年

(解説)
よく、クレジットカードやローンは何年すれば大丈夫なんでしょうか?というご質問がなされますが、聞き方がちょっとあいまいですね。

私は、○○というクレジットカードを将来、作ろうと思うのですが、何年経ったらつくれますでしょうか?

これなら、答えやすいです。

そのクレジットカード会社がその信用情報機関に登録されているのかを調べて、

JICCなら5年後

全銀協なら10年後

となります。

では、そのクレジットカード会社がCICに加盟している企業だったらどうでしょうか?

CICの場合には、個人再生によって法的整理を行うことを登録する箇所がありません。

ですので、そのクレジットカード会社がCICに加盟している企業だったら、信用情報を照会しても、CICの信用情報上、何もブラックリストになっていないので、カードは作れる、とそういうことになります。

しかし、個人再生についてはそうですが、個人再生をする前にすでに支払いを延滞している場合には、延滞情報としてその事実が登録されます(契約期間中および
契約終了後5年以内)。
また、多くの金融機関がCICとJICCの双方に加盟しております。

さらに、クレジットカードの与信審査は、ブラックリストに載ってさえいなければ通るというものではありません。

当然ながら、申し込み時点での収入状況等も加味されますし、急激にカードの枚数を複数申し込むなどと言うのもマイナス点なので、必ずしも、ブラックリストに載ってさえいなければカードが作れる、ローンが組めるというものではないので、そこは誤解しないで頂きたく思います。

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借金・債務整理の解決事例 18

(会社法人破産 その1)会社を畳むということが怖くて決断できませんでした。シラケる従業員を尻目に金策に走りまわったのがバカみたいです。会社の破産って大変ですが、踏ん切りがつきました。【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 男性

相談前

前の会社を退職して独りして会社を立ち上げて15年間。

調子がいいときは、年商も億越えで、私の役員報酬も高めに設定して、それでも余剰があるので、マンションを購入して、車も高級車に買い替えるなど、本当にいい時でした。

さらに、自分も贅沢させてもらいましたが、社員たちにも特別ボーナスを支給したり、ベースアップしてやったり、社員旅行で家族も呼んでいいという事で海外にもいきました。

ですので、私だけでなく、いい時は、皆でその恩恵を受けました。

しかし、いいことは続かない、と他の会社の社長さんから聞いてはいましたが、その通りになりました。

売り上げが減り始めした。

社員たちが変わってしまったのです。

まず、営業が、

「こんな面倒な仕事は受けない方が会社のためだ」

「今は、手が空いてないので丁寧な仕事ができないので断った方がいい」

「あの会社は本当に支払いをきちんとしてくれるのか分からないから受けないようにしよう」

などなど、様々な理由をつけて仕事を断るようになってしまったのです。

当然、社員の手持ち案件は少なくなりますが、売り上げは減ります。

そこで、社員旅行は中止にすると告げても、別に、何の変化もなかったので、ボーナスを前期は支払わない、と告げたところ、

「一生懸命にやっているのにボーナスも出ないんだったら、もう仕事したくないです」

「売り上げがどうとかは関係ない。社長の給与を減らすのがまず筋ですよね?」

などと、急に、一致団結し始めました。

しかも、役員であるはずなのに、専務までもが、

「賞与は儲かったから出すもんではなくて苦しい時にこそ社員を鼓舞するために無理をしてでも支払うもんだ」

などと従業員側に立った無責任なことを言い出しました。

「売り上げが減ったのにどこから出すんだ!」

というと、

「運転資金に困ったときはリストラではなくまずは金策ですよ。」

「銀行回りしてから言うのが普通でしょ。」

など言い出して、しかも、信じられないことに、その専務が勝手に、信用金庫に融資の打診までしているのです。

「だけど、連帯保証人は俺がなるんだそ!」

と言っても、

「それは社長だから当然ですよね?」

「会社を私に譲るというのであれば、私は喜んで社員たちのために保証人でもなんでもなりますよ。」

というではありませんか。

ただ、社内が私1人対残り全員という図式になってしまったので、私も業務を継続するために致し方なく、借り入れをすることにしました。

ですが、年を重ねるほどに右肩下がりで、どんどん借入額は増えていきました。

しかも、借り入れをするために、無理な黒字決算をしていたため、税金の負担もとても重くて、毎月、口座の残高を確認しては、吐きそうになっていました。

最後の方は、いよいよ、通常の借り入れが難しくなり、私の個人の保険を解約したり、個人のカードでキャッシングをするようになってしまいました。

そして、それすらできなくなった時に、一晩考えて、全社員に言いました。

「専務は君たちのために保証人でもなんでもなると言っているし、君らも専務がいいんだろ?」

「会社譲るから、この借金は専務と君たちとで考えてくれ。」

というと専務から電話がかかってきて、

「そんなのできるわけないでしょ?」

「辞任届を送るんで取締役から外しておいてね。」

と一方的な通告。

しかも、翌日、翌々日と、続々と社員全員から退職届が届けられました。

相談後

最初は、もう、どうしたら分からなくて、会社の社労士に相談しました。

しかし、社労士は、

「退職届が出たのであれば、離職票の発行をした方がいいのかどうか、社長から社員の方に聞いてもらえますか?」

と、とんちんかんなことを言うので、

「いや、そうではなくて、社員、全員から退職届が出てるんだけど。」

と切迫感を持ってもらおうとしたのですが、

「はあ。」

「誰か次に採用されるのですか?」

など、全く会社の存続ができなくなっていることが分かっていない反応なので、

「じゃあ、あんたの事務所で、全員が退職届を出して来たら、『はあ』とか『離職票が・・・』とか言うのか?反応がおかしいだろ!」

と初めて怒鳴りつけました。

しかし、

「そんなこと言われても私は社会保険の手続きをするだけで・・・。」

とそんな感じなので、即日、委託解除しました。

次に、税理士に相談すると、

「それは、一種の会社破壊行為ですね。とにかく、弁護士に相談した方がいい。」

「どなたか知り合いがいますか?いなければ受けてくれるかどうかは分かりませんが紹介ぐらいはできると思いますよ。」

と言われました。

ただ、その時点では、弁護士に知り合いがいないこともなかったので、自分で相談してみると言いました。

私の知り合いというか、以前、会社の請け負い代金のトラブルで依頼した弁護士がいたので、そんなに親しいという訳ではなかったのですが、相談してみることにしました。

私は、会社をここまでにした社員や専務を訴えたい、と相談したところ、

「従業員全員に損害賠償請求ですか?」

「その前に、落ち着いて考えてもらいたのですが、これからどうする気ですか?」

「返済もリスケして利息だけの支払にしてもらっていますが、それすら支払えていないですよね?」

「しかも、そんな社員や取締役はいなくなった方がいいに決まってますが、その場合には、今の仕事はまた人をとって続けるんですか?」

「何人いたら続けられるんですか?」

「おそらく、この社員たちは、まともに引継ぎなんかしないですよ。」

「なんで放置してたんですか?」

「客観的に見て、これは倒産状態ですよ。」

と畳み込むように言われてしまい、ようやく気付きました。

「会社倒産」

自分の立ち位置は、倒産した会社の社長だということです。

「今からの方向性としては2つ。」

「1つは、もし、債務がなければ黒字で回る事業があるというのであれば、支援企業を探して、私的再建策を立てる。ただし、こんな債務超過の会社をそのまま引き受ける企業があるとはちょっと考えにくいです。これなら、破産なり民事再生で債務を整理してからでないと引き受けたくない、と考えるでしょう。そう、そして、もう一つが破産ないし民事再生です。」

とうとう、恐れていた「破産」とか「民事再生」という言葉が出てきてしまいました。

「破産」という言葉は特に、衝撃でした。

ただ、「民事再生」という言葉は、よくニュースでは聞くのですが、実際に、どのような内容なのかは深く考えたこともなく、しかも、「再生」という響きはいいものの、ニュースなんかでは「民事再生で倒産」とか、良く分からないところもあるので、民事再生について、さらに突っ込んで聞いてみることにしました。

https://債務整理新潟.com/

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

おそらく、相談者の方も、なんだか従業員に対する恨みつらみが、いつの間にか、会社の倒産処理に話が行ってしまってかなり動揺していたのだと思いますが、弁護士からの説明としては、
1)私的整理(私的整理ガイドラインを含む)

2)法的整理
を説明いたしました。

私的整理というのは要するに裁判所を介さない会社再建であり、法的整理は、会社再建を前提とする民事再生と会社を畳むことを前提とする破産をご説明したつもりです。

さらには、私的整理と一口にいっても、中小企業再生支援協議会を利用するものや特定調停やいろいろなパターンがありますが、最近、増えている方法としては、

「私的整理ガイドライン」

に則ったものです。

過剰債務が経営を圧迫していて、経営を継続することが困難な状況にある会社の再建を目的としたものです(清算型もあります)。

ただし、

「事業価値があり、重要な事業部門で営業利益を計上しているなど債権者の支援により再建の可能性があること」

という要件があります。

これが最も大事です。超重要ポイントです。

これがないとダメです。

借金の返済さえなければ会社が回る、という事実ですね。

経営が傾いてきた会社の社長さんからの相談で、

「今の事業はダメなんですけど、新事業を考えていて、これならうまく行くはずなんです。」

とおっしゃられる場合がありますが、これはまず無理です。

そんな、捕らぬ狸の皮算用をせっせと事業計画書にしたとしても、どの銀行も見てもくれません。

その意味では、今の仕事を頑張ることが何よりも重要という当たり前の結論に行きつきます。

あとは、重要ポイントは、リストラです。

これも、当然ですが、どの社長さんも嫌がります。

怖がると言ってもよいでしょうか。

ですので、いい社長さんなんですね。

「従業員を路頭に迷わせたくない。」

「長年、会社について来てくれた。」

「能力はイマイチだけど、真面目で素直ないいやつなんです。」

「あいつは今年、子供が生まれたばかりなんです。」

「住宅ローンを抱えちゃっているんで会社が首になったら、あいつは破産しちゃう。」

と、どの社長さんも、なんとか従業員の首切りだけは回避して、別の方法を考えてください、と言います。

ですが、人件費以外で削れる固定費って、そんなにないんですよね。

これができないまま、ズルズルと会社が破産してしまったケースもよくあります。

そして、これは債権者側からの要件になりますが、

「法的整理(民事再生)をとると、そのこと自体で会社がつぶれてしまうおそれがあること」



「法的整理(民事再生)をするよりも、より多くの回収が見込めること」

が必要になります。

だからこそ、銀行も私的整理にのってくるんです。

ただ、「私的」という言葉が示すように、オブザーバーないし監督的役割の人がいないと、単なる、当事者間で、

「再建の見込みがある」

「いやない」

「民事再生よりも得である」

「いや違う」

という言い争いにしかならない恐れがあります。

そこで、私的整理ガイドラインをするにしても、債権者からの信頼が得られるような説得力をもつ弁護士をつけられるかどうかが再建の成否に大きく依存しております。

なお、費用については、法的整理ではないので、私的整理の方が安くつくのではないかと思われるかもしれませんが、必ずしも、私的整理であるから、法的整理に比べて費用がかからないとはいえません。

借金・債務整理の解決事例 19

(会社法人破産 その2)会社を畳むということが怖くて決断できませんでした。シラケる従業員を尻目に金策に走りまわったのがバカみたいです。会社の破産って大変ですが、踏ん切りがつきました。【事務所法人案件】

  • 自己破産
依頼主 男性

相談前

(前回までのあらすじ)

独立して会社を興して15年間、奮闘してきた社長さん。

会社なのでいい時も悪い時もあるのですが、会社がいいときに、おそらく、その状態に社員たちも慣れてしまったのでしょう。

厳しくなってきたときに締められなくなってしまいました。

つまり、会社がよかった時の記憶があるため、それより下の待遇に耐えられなくなってしまったのです。

そういう場合、給与や待遇が下がるのが嫌なのであれば、頑張って、会社の売り上げを伸ばすしか方法がないわけですが、それは、通常以上に知恵を絞って、通常以上に時間と体を使わないといけません。

それも、とても苦しいことです。

そして、社員の人たちは、仕事がきつくなるのも嫌だと。

会社の業績が悪くなっているのに、給与も下げてほしくない、仕事もこれ以上頑張れない、と言われてしまうと、残された方法は2つしかありません。

1つは、そういう社員には辞めて頂く。

もう1つは、会社が赤字でも無理に借金してでも社員の待遇を維持する。

社長さんは、後者を選択しました。

あとは、自然と会社の売り上げが回復するのを祈るのみです。

ですが、自然と会社の売り上げが回復する、などという事はありませんでした。

悲しいことに、経営側の他の取締役でさえ、社員の側につきました。

金融機関からの会社の借り入れは、当然ながら社長の連帯保証を求められます。

社長さんも同様です。

そして、借金は膨れ上がります。

赤字を累積するということはそういうことです。

そして、ついに、借入さえも難しくなってしまいました。

社員たちを路頭に迷わせないために、頑張ったのに、いずれにせよ、会社は立ち行かなくなり、社員たちはむしろ、泥船から逃げ出すべく、退職届を突き付けてきました。

取締役もいなくなりました。

ただ、社長は、社員たちに裏切られた気持ちでなんとか、こいつらに復讐できないかという思いで弁護士に相談に行きました。

しかし、弁護士からは、復讐も何も、この借金だらけの会社をどうするのかと問われました。

会社の倒産処理の話になり、会社の倒産処理にも、私的整理や破産や民事再生があるということを言われました。

破産と言うのは、会社が消えてなくなることだということは知っていました。

破産と言うのは、すべての財産を手放して、その代わりに借金を帳消しにしてもらう手続きであるという事も知っていました。

破産については、誰でもそうですが、その社長自身も、本当に、本当に、最後の手段であるという風に考えていました。

破産をするということは、人生の落後者がするもので、自殺行為に等しいものだ。

ですので、できれば、破産だけはしたくない。

他方、民事再生と言うのは、「再生」とい言葉の響きが、破産に比べると、復活のイメージを有しており、まだしも明るい希望が持てる気がしました。

しかしながら、テレビや報道では、

「○○会社倒産!民事再生申請へ。」

と、破産と同じような扱いで取り上げられています。

「民事再生」という用語は、よく聞くことはあったのですが、実は、その社長は中身を知りませんでした。

「民事再生」というものを申請したら、会社はどうなるのか?どういう会社が民事再生になるのか?

そこで、弁護士に民事再生について具体的にどのようなものかを尋ねました。

相談後

弁護士さんから説明のあった民事再生と言うのは、要するに、債務の返済を免除してもらえれば黒字を生み出せる事業がある場合に、債務の免除を債権者にお願いして、決議してもらう手続きだという事でした。

ですが、もともと、うちの会社は慢性的な人件費赤字の会社で、黒字は生み出せない、と言ったところ、リストラで黒字化できるのであればまだ芽がある、とのことでした。

しかしながら、リストラも何も、そもそも、従業員が全員で結託して辞めるというこの状況下で仕事をやる人がいないし、今から新規で人を雇って育てるなんていうことも現実的には不可能です。

しかも、こんな倒産状態の会社に入ってくれる人がいるとは思えない旨を述べました。

そうしましたら、弁護士さんが言いました。

「よく分かりました。」

「一旦、破産して整理しませんか?」

「社長と話していると、弁護士である私が再生するためには、あれはどうか、これはどうかと提案して、社長は、あれが無理だ、ここが難しい、と言っています。これでは、とても再生なんて無理です。」

「社長も、心の中で、こんな穴だらけの船は、あっちをふさいで、こっちをふさいで、なんてやっていてもどうせ沈むと思ってますね?」

「そうだとすると確かに沈みます。」

「社長がそういうマインドあって、私がそれを無理やり継続させるということはできないんです。」

「再生と言うのは、ある意味、無理に無理を重ねる手続きであって、実際には、弁護士に依頼したから、あとは家で待っていれば、会社が知らぬ間に立てなおって返ってくるなんていうものではないんです。」

「もう、人を使うことが怖くなっているんじゃありませんか?」

とズバリ、嫌なことを言うなと思いましたが、私自身、もう誰か社長を代わってくれよ、と思っていたのです。

こんな自分が嫌になってしまいますが、人から言われると嫌なものです。

ただ、会社の負債の処理がなされないまま、どこかに逃げるということもできず、そうなると、一番、自分が恐れていた、

「破産」

ということになります。

こうして、第三者と話してみると、行きつくところは破産なんだな、というものが分かるものですね。

「先生、会社が破産すると、私や私の家族はどうなりますか?」

と聞いてみると、

「会社が破産するとその連帯保証責任で社長ご自身も破産せざるを得ません。」

「もちろん、ご家族は別に会社や社長の借金とは関係ありませんが、社長名義の財産を処分する関係で、大きな経済的な影響を受けるのは間違いありません。」

「まずは、端的に分かりやすい所で言いますと、ご自宅を手放さざるを得ないことになります。」

「その他、お車も会社名義のリースなので、返却することになります。」

「逆に、お伺いしますが、社長はこれからどうするのですか?」

「仕事のあては何かありますか?」

と聞かれて、

「えっ?仕事をしていいのですか?」

と問い返してしまいました。倒産する会社の社長がどこかで仕事をするなんて許されないようなイメージを持っていました。

「もちろん、だって仕事しないと生きていけないじゃないですか。」

「あてがあるならお願いするし、なくても何か探さないと。」

と言われました。

そこで、私は、恥を忍んで、取引先の社長に泣きついたところ、業務委託という形で仕事をもらえることになりました。しかも最低保証付きです。

後は、破産手続きを進めていくことになりました。

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

結局、ご自宅は売却することになり、その過程で、なんとか引っ越し費用を捻出して、社長一家は、借家住まいをすることになりました。

会社については、まずは、数少ない売掛先からの回収金をもとに、破産費用を捻出して、あとは、事務所は申し立て前に解約して、重要書類を除いては、廃棄業者に依頼しました。

こういう風に書くと2,3行ですが、重要書類を箱詰めするだけでも、とても大変な作業です。

また、家賃も滞納しておりますので、大家さんもカンカンですが、このままですと、どんどん滞納家賃が増えるだけなので、一旦、退去はさせてくれと言って、お話をしましたところ、大家側にも弁護士がついて、その弁護士も、当然、会社が破産すると、もっと大家に被害が拡大すると言うのが分かっておりますので、そこは退去はさせてもらいました。

ただし、退去作業をしている最中に、債権者が来ました。

事業会社ですが、売掛金があるというわけではなく、貸付金があるというものです。

「何、夜逃げみたいなことやってんだよ!」

「このオフィス用具とかどうするんだよ!」

「売れば金になるんだろうから、少しは返済できるんだろ!」

などと、かなり、とっぽい感じの債権者です。

その事業会社の社長とその部下が、3,4人ですが、その部下たちも、弁護士から見たところ、普通の堅気の商売には思えない感じのいでたちでした。

社長も怖がってしまって、奥に隠れてしまいました。

その債権者の社長さんとお話をしました。

「窮状を憐れんで貸してやったのに、これは後ろ足で泥をひっかけるようなもんでしょ。」

「この荷物はどうする気なの?」

とこれまたカンカンでしたが、廃棄業者の引き取り兼重要書類の保全である旨を話して、むしろ、このオフィス用品一式、タダで引き取ってくれるのであれば、お渡ししますよ、と述べたところ、

「なんで、金もかえしてもらえないのに、さらに廃棄処分までこっちでやるんだよ!」

と言うことで、

「そうではなくて、まるで、これらが資産価値がある財産であってこれを持っていくのがズルいみたいな言い方をされていたので、それならお譲りします、と言っただけのことなんですが。」

というと、

「こんな売れるか売れないか分からないものを押し付けられて、ハイ、そうですかっていう債権者がいるわけないだろ!」

とさらにお怒りです。

廃棄業者も、茫然と立ち尽くしており、

「あのう、これ、運んでいいんでしょうか?」

と言うので、

「では、これ出しますけど、良いんですね?」

とその債権者の方に言うと、

「何があるのか、チェックさせてもらう。」

と言うので、

「そもそも、こちらでチェックしてますし、廃棄業者も明細をちゃんと出すところを選んでますけど、チェックするなら、してください。」

と言うと、適当にその部下たちが事務所の中やらトラックの中やらを見回しただけでメモすら取ってませんでした。

まあ、これは、オフィス整理の一端に過ぎません。

その他にも、いろんな局面がありましたが、会社の破産については必ず債権者集会というものがあります。

こちらの会社は、規模は中規模ですが、債権者は多くは金融機関です。

ですので、債権者集会にどの程度、債権者が来ると思うか事前に書記官から聞かれて、7,8社は来るのではないかと、思う、と述べましたが、2社しか来ませんでした。

ちょっと、気恥ずかしい感じでしたが、それはそれでよしです。
社長は、その後、取引先の社長の業務委託から今は正社員で仕事してます。

借金・債務整理の解決事例 20

飲食店舗の倒産。自分ではリスケをすれば立ち直れると思っていましたが、多店舗展開しすぎて、管理ができていませんでした。破産費用が捻出できず一時は断念。(会社破産のケース)【事務所法人案件】

依頼主 男性

相談前

もともとは、エステ系の会社を経営していました。

エステ系の3店舗をやったら、どこもそれなりにうまくいったので、さらにエステを拡大するという選択肢もあったのですが、そうではなくて、違う業態をやってみたくなりました。

そこで、私は、知り合いで居酒屋の厨房を任されていた男がそれまでの店を辞めるという事を聞いていたので、そいつにやらせてみようと思い、居酒屋と焼き肉屋を融合させた感じの店をやることにしました。

こちらも当初は、うまく行きました。

場所もいいところで居抜き物件が格安で出ていたのを譲り受けて、初期費用をあまりかけずにできたのが大きいと思います。

そして、それに味を占めた私は、ちょうど、オリンピックも開催されるという事で、それを目標に、大画面を導入した、皆で、その時々のスポーツ観戦しながら盛り上がれるカフェバーと言うのを考えました。

こちらは、設備やら内装やらでかなり大型の借り入れをすることになりましたが、かけた分だけ他店にはないド迫力の店舗が作れると思い、思い切って借り入れ及び発注をしました。

ところが、どうも設計を頼んでいた業者がポンコツで、店ができてからも、換気が上手くいかない、水が漏る、床がべこべこになるで、しかも、そいつはとぼけて、全然、修繕に対応せず、かといって、放っておくわけにもいかないので、結局、また借り入れで修繕費が嵩んでしまいました。

そういうバタバタがあったせいで、お店も全く客足が伸びません。

大画面がむなしく感じるぐらいに、客がおらず店の中が閑散としておりました。

それでも、他の居酒屋やエステの利益があるので、それを回しながら固定費を支払いつつ、赤字をしのいで来ました。

しかし、理由は全く分からないのですが、エステの方もピタッと新規の予約がなくなってしまいました。

そこで、ホットペッパーだけでは広告が足りていないのだと思い、広告業者に、ホームページから予約システムまで一貫して、発注し、広告媒体も多種類に増やしました。

しかし、もちろん、予約が来るには来ますが、到底、広告費には及びません。

かといって、広告を切ると、一切、予約どころか問い合わせも来なくなりました。

完全にパニックになってしまい、理美容コンサルを依頼して、コンサル料は高かったのですが、何が悪いのかを見てもらうことにしました。

そうしましたところ、この数年で、近隣に競業店舗が約3倍ぐらいまで増えていること、値段が高いこと、その割にスタッフがさほど高いレベルではないこと、等々を指摘され、そこで、思い切って値段を下げるか、高度なスタッフ教育をして、設備も一新するかを提案されました。

しかし、今更、スタッフ教育と言われても、そんなお金もかけられないし、仮に、教育したとしても今後も店舗のために働いてくれるかの保証もないので、私は、値段は少しだけ下げて、設備も全部ではなく一部だけ最新式のものを導入するという第三の選択肢を選びました。

そのため、また、借り入れを起こしました。

そして、結果は、最初だけ少し反響がありましたが、その後は、やはり、以前の状態のようになってしまい、要するに、新規顧客が取れなくなってしまいました。

唯一、焼肉居酒屋だけがとんとんなのですが、トータルでは、完全な赤字で、支払いもできなくなってしまいました。

そこで、以前から、友人がたまに店に連れてくる弁護士さんに恥を忍んで相談することにしました。

ただ、冒頭言いました。

「今、手持現金はないです。」と。

相談後

弁護士さんに相談したところによれば、結局、その焼肉居酒屋だけでもトントンなら、その店舗を事情譲渡して、その代金で破産費用を確保して、他の店を閉じる、要するに、破産するしかないような気がすると言われました。

破産管財人があとは、その大画面テレビ付きの店舗として売るとか、エステ機材も含めて売るとかはあるかもしれないけれども、売れるかどうかは分からないし、売りずらい、と。

それよりかは破産費用を捻出という意味だけで考えれば、焼肉居酒屋店舗の売却が一番、現実味がある、ということでした。

ただ、売るにしても、どこに頼めば買ってくれるかも分からない、と話したところ、そういう専門業者が知り合いでいるから、そこに仲介を頼んで、一番高い値をつけてくれる業者に売ればよいのではないか、と言われました。

弁護士さんは、そういう事もするんだなあ、と初めて知りました。

そして、事業譲渡というのは、後々破産する場合に、その値段が適正な値段であったのか、が問題にされるから、必ず、一定期間で複数業者からの買い付けを受けるようにしないといけないとのことでした。

「そもそも、1社からしか買い付けが出なかったり、誰も買ってくれなかったとしたらどうなるんですか?」

「1社しかいなかったのなら、それが結論なので、そこに売却することになると思います。もし、1社も手を上げるところがなかったら、売れないという事なので、別の方法で破産の費用調達を考えるしかないかな。」

「別の方法とは?」

「何か売れるものを他に探すということです。テレビとかエステの機器とか、そんなのがいくらになるかは分からないですが。」

「それも大した金額にならなかったら破産費用はどうなりますか?」

「コツコツと費用を積み立てるしかないですね。」

「でも、どんどん債権者が押し寄せてくるから、商売なんて続けられないですよね?」

「うーん。押し寄せてまでは来ないと思うけど、いずれにせよ、これ以上の赤字垂れ流しはできないから、エステとカフェは閉じるしかないと思うけど。それで、大家の協力がいることだけど、なるべく造作譲渡をすることができるように時間を頂けないかとお願いはしてみた方がいいですよね。」

「すぐに破産というわけにはいかないですよね?」

「うん。そうだけど、まずは債務整理の通知を弁護士名義で出せば、一旦は、その窓口が弁護士になって、あなたには直接に連絡や督促がいかなくなるから、そのうえで、いろいろと臨機応変に考えるしかないのかなあと。」

「えっ!じゃあ、先生、受けてくれるんですか?」

と私は驚いて聞いてみると、

「まあ、しょうがないからね。ただ、実費等で最初に10万ぐらいはなんとか用意できませんか?」

と言われて、それぐらいで債権者からの連絡が直接来なくなるのであれば、と、意気揚々と弟に10万円を借りて、先生にお支払いしました。

ただし、会社の破産の費用を支払うのは分割払いにしてもらっても、かなり先が長い話にはなってしまう感じでした。

焼肉居酒屋も売り上げと経費がトントンなだけで、私の給与が取れる状況ではないので、私は私で、別途、仕事をしなければなりませんでした。

ですが、破産すらもできるかどうか分からない状況で、どこかに就職してなんてやっていられる心境ではなかったので、土木作業員、深夜代行、水商売等々で掛け持ちして日銭を稼いでいきました。

これが社長と呼ばれた男の現実です。

https://債務整理新潟.com/

木下 祐太弁護士からのコメント

木下 祐太弁護士

そこから、本来は、毎月、破産費用を積み立てつつ、もし、店舗売却等でまとまったお金が入ったら、それで破産しよう、という事になっていたのですが、店舗売却は店舗単体ではトントンだと聞いていたのですが、全然、そんなことはありませんでした。

「この時期は売り上げはそんなに行かないんですよ。」

と、そこの店長から言われたので、その後の推移を見ていても、売り上げが伸びる気配がなく、スタッフを削ることを提案すると、

「それでは店が回らない」

と言うし、単価を上げたらというと、

「それだと客が来なくなる」

と言うし、こういうやりとりをしているうちに、ダメになったのは、この

「店長」

のせいだ、と分かりました。

もちろん、直観ですが。

そこで、

「店長に辞めてもらって、合わせて、スタッフのリストラをするしかない。」

「手が足りない等の部分は何か合理化の工夫をしないといけない。」

と依頼者の方には言ったのですが、

「あいつで店は持っているようなところがあるんで。」

「今まで残業代も払わずに無理してもらったんで。」

と辞めさせたくなさそうでした。

そこで、

「せめて、トントンにしないと店は売れないよ。」

「売れないなら、もう閉じるしかないと思うんだけど。」

と言うと、

「店長にその辺を直接、先生から説明してもらえませんか?」

と言うので、仕方がないから話をすることにしました。

「弁護士さんさあ。あんた、あの社長の言っていることを分かってかばっているの?」

のっけから喧嘩腰です。

「かばっている?なんのこと?」

「あいつ(社長)が店の利益を変なカフェにぶち込んだせいで、こういうことになっているのをあんた知ってんの?」

とおっしゃるので、

「そういうことで社長からは話を聞いていたんですが、この店舗自体が赤字です。売り上げがこれ以上、伸びないんだとすれば、月の固定費・人件費と各種支払いでマイナスです。どこかに振り分ける利益もない。」

と説明して数字を見せました。

「だから何?だから俺らに辞めろって言ってんの?」

「首にするっていうんなら退職金は払ってもらえんの?」

と言うので、

「退職金なんて、そんな状況じゃないのは、これを見れば分かりますでしょ?」

と話すと、突然、

「おい、ちょっといいか?今、弁護士が来ていて、俺らを首にするんだって!」

とスタッフに声をかけました。

睨みながら出てくる男性スタッフもいましたが、あとの人たちは遠巻きに見ているだけです。そこで、

「皆さんが全員で辞めてしまうと、店がその時点でストップします。ですので、店を回せる必要最小限度の数の方だけ残ってくれるのであれば、まだ店が続く可能性はあります。ただ、今の人数のままでは店が赤字です。」

そうすると若い女性のスタッフが、

「でも、社長が給与をたくさんとっているんですよね?」

と穏やかな感じではありますがそのように聞いてきました。

「社長は給与は一切とれておりません。」

「資料にも社長の給与無しで赤字になるのが書いてありますよ。」

というと、店長が

「もう、こんなやつの相手してらんねえから、もう、明日から休もうぜ。」

と言って、本当に店長は来なくなりました。

しかし、結局、半分位が残ってくれて、ようやく黒字化して売却完了。

無事、破産もすることができました。社長のバイト掛け持ち生活もようやくピリオドを打つことができたのです。もう、商売はしないそうです。

所属事務所情報

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弁護士法人後藤東京多摩本川越法律事務所新潟事務所
所在地
〒951-8124
新潟県 新潟市中央区医学町通二番町74-1 トーカンマンション医学町302
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新潟駅より車・バスで10分
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  • 平日10:00 - 22:00
  • 土日祝10:00 - 18:00
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夜間も相談可能ですが、予約申し込みは、18時までにお申し込みください。
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  • 完全個室で相談

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