「地域に根差し、地域を越えて」を理念に、未来へ繋ぐ人助け
「地域のため、人のためになる仕事に」
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
大学で法律相談サークルに入り、さまざまな状況に置かれている方の相談を受けているうちに、「地域のため、人のためになる仕事をしたい」という思いが強くなってきたことがきっかけです。
その中で、特に印象に残り、弁護士を強く目指そうと思った相談がありました。相談者は前科のある男性で、家庭生活を立て直したいけれど、前科があるせいで就職ができず、家に生活費を入れられない状況でした。
私は、生活を安定させる必要があると考え、男性に生活保護受給を勧めて手続きを手伝い、申請が受理されて生活保護を受けることができました。
ところが、男性は保護費を酒代に使った上、飲み屋の従業員に暴行して逮捕されてしまったのです。「被疑者が会いたいと言っている」と警察から連絡がきて、警察署まで会いに行きました。普通の学生が警察の取調室で被疑者と話をするのは、異例なことだったと思います。
男性は涙を流して謝罪していましたが、私の気持ちはしばらく収まりませんでした。このとき感じたのは、努力が無駄に終わった無力感よりも、自分の力が足りなかったからこのような結果になってしまったんだという悔しさでした。この件をきっかけに、なんとしても弁護士になるんだとがむしゃらに勉強しました。
司法試験に合格できたのは、この件が原動力になっていたからかもしれません。
依頼者の家族や友人のように接する
ーー注力している分野を教えてください。
弁護士になったときから特定の分野に注力することはなく、幅広い分野に対応しています。その中でも、中小企業の債権回収や事故被害者の損害賠償請求は、これまで多くの案件を経験してきました。
当事務所は新潟県を中心に複数のエリアに事務所がありますが、それぞれが地域に根ざしたリーガルサービスを提供していますので、個人法人問わず、多様な法律問題をカバーできる体制を整えています。
ーー仕事をする上で心掛けていることはありますか?
依頼者にとって最良の結論を考えることです。その際には弁護士としての考えだけでなく、「自分が依頼者の家族や友人だったらどうアドバイスするだろう?」ということを考えて、最良だと思える解決策を提案しています。
依頼者の中には相手を懲らしめたいという思いが強かったり、裁判の勝ち負けにこだわる人がいますが、意地になって裁判や紛争をしても、それが依頼者の経済的負担や精神的苦痛となるようでは意味がありません。
弁護士に依頼をすることは、人生の中で何度もあることではありません。一生に一度かもしれない決断だからこそ、本当に大事なことが何かを考えてほしいのです。
「私だったらこっちがいいと思うけれど、どう思いますか」と話しながら、一緒に解決の道を探すようにしています。
法人事務所ならではのリーガルサービスを提供
ーー休日の過ごし方や趣味を教えてください。
休みの日はジムに行って運動しています。休日以外も毎朝50分ぐらい走ることを続けていて、体力維持に努めています。
弁護士は「1に体力2に体力、3、4がなくて5に体力」というぐらい体力が必要な仕事です。夜中に突然依頼者から電話がかかってくるなんていうこともありますから、体力と健康には気をつけています。
趣味は低山をハイキングして美しい景色を眺めることです。新型コロナウイルスが流行する前は毎年、妻と一緒に登っていました。
よく行くのは地元の角田山です。3月から4月頃にニリンソウやカタクリの花が山一面に咲く、綺麗で登りやすい山です。新潟平野を見渡すこともできて、お気に入りの場所です。
ーー今後の展望を教えてください
「地域に根差し、地域を越えて」を事務所の理念に掲げて新潟県内を拠点とし、現在では長野、群馬、東京にも事務所を構えるようになりました。
年輪のように少しずつ事務所の数やスタッフを増やしてきましたが、事務所の中心となる人は地域に密着できる人でなければなりません。そのためにも、所属する若い弁護士たちには、まずは地域で信頼される弁護士になってもらいたいと考えています。その上で、新しい地域への進出ということも視野に入れていきたいと思っています。
また、弁護士事務所の約8割が個人運営である中、法人事務所が果たす役割は大きいと考えています。
和解して、和解金の分割払いを20年、30年と定めた事件を経験したことがありますが、解決までに時間のかかる事件を受任することや、経済的理由から費用を分割払いにしたいという依頼者の要望に答えることは、個人事務所では難しいのではないかと思います。
法人事務所であればそうした問題で困ることがありませんし、事務所が代々続いていくことで、地域に密着したサービスを継続して提供していくことが可能です。
こうした考えを次の担い手たちに繋いでいくことも、私の役目だと思っています。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
自分の悩みを客観視するのは難しいことです。第三者に話すことで悩みの本質や自分が大事にしていることが何かを認識することができ、それを知ることが問題解決への道となります。
困ったときに相談できる相手の選択肢として、弁護士を加えてみてください。話をすることでそれまで見えなかった道が見えてくると思います。
弁護士を選ぶときは話をよく聞いてくれるという点を重視すると良いと思います。ご自身の将来に関わることなので弁護士とじっくり話し、判断するようにしてください。